最終更新日:2026年9月13日

予定納税は、前年の所得や税額を基に計算した「予定納税基準額」が15万円以上になる方が、その年の所得税・復興特別所得税の一部を先に納める制度です。原則として7月と11月に基準額の3分の1ずつを納め、翌年の確定申告で精算します。今年の所得が減る見込みなら、期限内に減額申請ができる場合があります。

通知が届いたら、最初に確認するのは「前年にいくら払ったか」だけではありません。通知された税目、対象年分、第1期・第2期の金額、納期限、納付方法を確認します。そのうえで、今年の所得の見込みと、納付日までに用意できる資金を分けて考えます。

経理や申告を任せたい方は、届いた通知書と現在のお悩みをお聞かせください。秋田税理士事務所グループが、帳簿の状況と今後の売上・支払いを確認し、減額申請の検討や納税資金の準備に必要な作業を整理します。

予定納税の通知が届いたら行う5項目

  1. 本人の所得税か、会社の法人税・消費税かを確認する
  2. 通知書の年分・基準額・各期の納付額を確認する
  3. 今年の所得と控除を見積もり、減額申請の必要性を判断する
  4. 申請期限と納付期限を別々に予定表へ入れる
  5. 納付結果を確認し、通知書を確定申告まで保管する

納税の直前に慌てない経理へ整えます

毎月の記帳から申告まで任せたい方は、現在の経理方法、届いた通知書、資金面のお悩みをお聞かせください。

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予定納税とは?今年の所得税の一部を先に納める制度

所得税は、その年の所得が確定した後に計算して申告するのが基本です。しかし、一定の要件に該当する方は、確定申告を待たずに一部を納めます。これが所得税・復興特別所得税の予定納税です。新しい種類の税金が追加されるわけではありません。

前年の実績を基にするため、今年の売上が前年より減っていても通知が届くことがあります。通知の金額が現在の預金残高や、今年の利益をそのまま表しているわけではない点が、最初の確認事項です。

15万円の判定は、売上や利益ではなく「予定納税基準額」

判定に使うのは、売上15万円や利益15万円ではありません。その年の5月15日現在で確定している前年分の所得金額・税額などを基に計算した予定納税基準額です。原則として前年分の申告納税額が基になりますが、すべての方が申告書の税額をそのまま使うわけではありません。

前年に譲渡所得、一時所得、雑所得などの除外所得が含まれる場合や、外国税額控除、災害減免法の適用がある場合などには、所定の調整があります。前年に不動産や株式を売った方は、「前年の納付額が大きかったから、今年もその3分の1」と自己判断せず、通知書の計算の基礎を確認してください。

個人事業主だけに限られる制度ではない

事業所得がある方に関係しやすい制度ですが、対象者を個人事業主だけに限定して考えるものではありません。不動産所得などがある方も、基準額によって予定納税が必要になります。一方、給与収入があるというだけで全員が対象になるわけでもありません。

会社を経営している場合も、社長本人の所得税と会社の法人税は分けて考えます。個人名で届いた所得税の通知を、会社の法人税の納付書と一緒に処理すると、支払者や帳簿の科目を誤る原因になります。

特別農業所得者は、通常の年2回とは異なる

一定の要件に該当する特別農業所得者には、予定納税基準額の2分の1を第2期に1回納める扱いがあります。農業を営む方すべてが自動的にこの扱いになるわけではありません。収入の時期などの要件と、必要な手続きを個別に確認します。

秋田で農業を営む場合も、地域や職業名だけで納期を決めず、自分が受けた通知と適用されている区分を出発点にしてください。この記事の一般的な年2回の計算例は、特別農業所得者の計算とは区別します。

通知書が届いたら、金額より先に税目・年分・納付方法を確認する

予定納税額は、原則としてその年の6月15日までに、税務署から書面またはe-Taxで通知されます。災害等による期限延長など、通常と異なる取扱いがある場合は、その案内を確認します。郵便が来ることだけを前提に管理しないことが大切です。

e-Taxで電子交付を希望している方は、紙の通知を待つのではなく、利用している受信方法を確認してください。税理士に申告を依頼している場合も、本人と税理士のどちらが通知を確認し、誰が納付を行うのかを決めます。

確認する項目 確認する理由
納税者の氏名・税目 個人と法人、所得税と消費税の混同を防ぐ
対象年分 前年分の確定申告税額と今年分の前払いを区別する
予定納税基準額 各期の税額を計算する基になる金額を把握する
第1期・第2期・合計額 1回分と年間の予定納税合計を取り違えない
振替納税の金融機関等 どの口座に資金を用意するか確認する
減額承認等の有無 古い通知の金額で二重納付・過大納付しない

通知書と納付書は、同じ役割ではない

通知書は予定納税額を知らせる資料であり、納付書は支払いに使う書類です。納付書が同封されていない場合でも、予定納税が不要という意味ではありません。キャッシュレス納付の利用状況や電子交付によって、送付の扱いが異なることがあります。

「納付書が見当たらない」「以前と違う形式で届いた」という場合は、まず通知された税額と納付方法を確認します。書類がないことを理由に期限を過ぎるのではなく、利用できる納付手続きを期限前に整えます。

知らない税金名を、似た入力欄へ入れない

公開されている質問には、確定申告の画面に出てくる「予定納税」「中間納付税額」などの違いが分からず、入力に迷ったというものがあります。これは公開投稿の要旨であり、当事務所のお客様の事例ではありません。

名前が似ていても、所得税の予定納税と消費税の中間納付は別です。給与から差し引かれた源泉徴収税額も、予定納税額とは別の欄で扱います。分からない欄へ推測で数字を入れず、税目と通知書を照合することが、過大な納付や誤った還付申告を防ぐ基本です。

2026年の納付期限と減額申請期限|11月は別々の日を管理する

2026年の通常の第2期納期限は11月30日(月)、11月の減額申請期限は11月16日(月)です。減額申請は納付期限まで待てません。10月31日の現況から年間の所得と税額を見積もり、申請期限に間に合うよう資料を整理します。

通常の減額申請期限は7月15日と11月15日ですが、期限が土日祝日等に当たると、その翌日が期限になります。2026年11月15日は日曜日のため、11月16日が申請期限です。納期限の延長が適用される方は、通常の日程と区別して確認してください。

手続き 2026年の通常の日程 確認すること
7月の減額申請 7月1日~7月15日 6月30日の現況で年間税額を見積もる
第1期の納付 7月31日まで 通知額または承認後の税額を確認
11月の減額申請 11月1日~11月16日 10月31日の現況で第2期分を検討
第2期の納付 11月30日まで 申請期限とは別に資金を準備

11月1日は日曜日です。国税庁の2026年分の案内では、金融機関・税務署窓口等での第2期納付期間を11月2日から11月30日と案内しています。法令上の期間と、実際に窓口が開いている日を混同しないようにします。

9月・10月に始める準備

11月に入ってから1月分の領収書を整理し始めると、申請期限までの時間が足りなくなりやすくなります。9月・10月のうちに、売上、経費、未回収の請求、今後の受注と支払予定をそろえておきます。

10月末の見積りは、10月までの実績だけで終わりません。11月・12月の売上や経費、所得控除などを含めて、その年全体の税額を見積もります。年末に売上が集中する事業では、途中までの低い数字だけで判断しないことが重要です。

7月に申請しなかった場合も、11月の確認は必要

7月時点では前年並みの見込みでも、その後に休業や大きな受注減少が起きることがあります。7月に減額申請をしていないことだけで、11月の申請ができないとは限りません。10月31日時点の条件で第2期分を検討します。

反対に、7月に減額が承認された方も、同じ申請書をそのまま出し直すものではありません。承認済みの見積額や第1期の税額を確認し、その後の変化が再度の申請にどう影響するかを整理します。

予定納税はいくら?通常の計算と11月の減額計算を分ける

一般的な予定納税は、基準額の3分の1ずつを第1期・第2期に納めます。通知された金額がある場合は、その通知を確認することが先です。以下は仕組みを理解するための仮定例であり、実際の税額を個別に確定するものではありません。

基準額90万円なら、通常は30万円ずつ

特別農業所得者に該当せず、予定納税基準額が90万円で減額がない場合、第1期30万円、第2期30万円となります。予定納税の合計は60万円です。90万円を7月と11月にそれぞれ払うわけでも、合計90万円を必ず前払いするわけでもありません。

翌年の確定申告では、その年の所得等に基づく税額を計算して、予定納税額を差し引きます。前年と今年で所得や控除が変わるため、「残りの30万円を払えば必ず終わる」という計算にはなりません。

7月の減額申請は、見積額の3分の1が基本

7月の減額申請では、6月30日の現況から計算した申告納税見積額を基に、第1期・第2期の予定納税額を計算します。たとえば所定の計算による見積額が45万円なら、一般的な計算では各期15万円となります。

ここでいう申告納税見積額は、売上から経費を引いた利益そのものではありません。各種所得、所得控除、税額控除、源泉徴収税額などを所定の方法で反映した税額の見積りです。売上が半分になったから税額も半分、と単純に置き換えないでください。

11月の計算は、見積額を単に3で割るものではない

通常の11月の減額申請では、第1期分は通知された税額、または7月の減額申請で承認された税額を使います。第2期分は、申告納税見積額からその第1期分を差し引き、残額の2分の1を基に計算します。特別農業所得者は別の計算です。

たとえば、第1期分が30万円で、10月31日の現況に基づく申告納税見積額が50万円となった仮定例では、第2期分の計算は「(50万円-30万円)×2分の1=10万円」です。50万円を3で割った額ではありません。

この例では、第1期30万円と第2期10万円の合計40万円を、確定申告で精算することになります。実際の申請では端数処理や個別の条件も確認します。見積額が第1期分より少ない場合なども、自己判断で負の金額を書かず、当年の様式と記載要領に従います。

2026年度の基礎控除見直しには、予定納税独自の注意点がある

国税庁の2026年分の案内では、2026年度税制改正による基礎控除の見直しは、予定納税額や減額申請の申告納税見積額の計算上、考慮されないとされています。基礎控除の見直しは、確定申告で年間の所得税額を精算するときに反映されます。

そのため、一般的な年税額の試算ツールで出た数字を、そのまま減額申請書へ転記できるとは限りません。改正のニュースを見て独自に予定納税額を減らすのではなく、2026年分の減額申請用の税額表と記載要領を使って確認します。

減額申請を検討するケース|売上減少だけで決めない

減額申請は、廃業・休業・業況不振などによって、今年の申告納税見積額が予定納税基準額等を下回ると見込まれる場合に検討します。所得の減少だけでなく、医療費控除などの所得控除や税額控除が増える場合も、条件によって関係します。

重要なのは、減った預金残高ではなく、所定の方法による年間税額の見積りです。設備を買った、借入金を返した、売掛金の入金が遅れたといった事情で現金が減っていても、その金額がそのまま所得を減らすわけではありません。

受注が減った・利益率が下がった

売上の減少を確認するときは、前年と今年の同じ期間を比べるだけでなく、年末までの見込みを確認します。既に受注済みの仕事、失注した案件、単価の変更、材料費・外注費の増加などを、資料で説明できる形にします。

建設業なら、工事ごとの進行・完成・請求の状況と、材料・外注費の計上を照合します。農業なら、出荷や販売の見込み、必要経費、年末に残る在庫などを確認します。「秋田だから冬は必ず売上が落ちる」といった一律の見込みを置かず、自分の契約と実績に基づいて計算してください。

休業・廃業・法人成りをした

休業や廃業で事業所得が減る場合でも、本人の所得全体を見ます。再就職した給与、役員報酬、不動産所得などがあれば、それらも所定の方法で確認します。「個人事業をやめたから所得税はゼロ」とは限りません。

法人成りをした年は、個人事業の期間の所得と、会社から受ける役員報酬などを区別します。会社の売上を個人の売上へ混ぜない一方、個人の税金が会社設立で消えるとも考えません。廃業日、法人設立日、給与の開始時期を一覧にすると確認しやすくなります。

医療費や家族の状況、所得控除が変わった

医療費の支出増加、扶養する親族の変化、社会保険料や小規模企業共済等の掛金の増加などが、税額の見積りに関係することがあります。ただし、支払った金額すべてがそのまま控除額になるとは限りません。それぞれの制度の要件と計算が必要です。

家族の収入見込みも、年末まで含めて確認します。本人の事業の資料だけでは把握できない項目があるため、経理を委託している場合も、生活上の変化は担当者へ伝えてください。2026年度の基礎控除見直しについては、前述の予定納税独自の扱いに注意します。

災害の場合は、通常の7月・11月だけで判断しない

災害に関しては、通常の減額申請のほか、損害の内容や時期によって特別な取扱いがあります。住宅・家財の損害、所得の見込みなどの要件を満たす場合には、災害を受けた日から2か月以内の減額申請が関係することもあります。

災害なら必ず納税が不要になるわけではありません。被害の日付、損害、保険金等による補塡、事業への影響を整理し、期限延長や猶予を含めて適用を確認します。申請できる時期を逃さないよう、通常のカレンダーだけで判断しないでください。

減額申請の準備|申告納税見積額を説明できる資料をそろえる

減額申請には、申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類を添付します。単に「売上が悪い」「払うのが大変」と書くのではなく、どの数字が前年と変わり、年末までどう見込んでいるかを示します。

すべての人に同じ資料が必要なわけではありません。事業内容や減額理由によって、帳簿、売上明細、契約、休業に関する資料、控除の資料などを組み合わせます。まずは通知書と前年の申告書、今年の帳簿をそろえるところから始めます。

1.基準日までの記帳を進める

売上と経費の入力が数か月遅れている場合は、先に帳簿を整理します。銀行から出入りした金額だけでなく、未回収の請求や未払いの経費など、所得計算に関係する取引を確認してください。

カード利用を銀行引落日だけで処理している、借入の元金返済を経費にしている、設備購入をすべて消耗品にしている、といった誤りがあると、見積額の出発点が変わります。通常の記帳の確認を省いて減額計算だけ進めないことが大切です。

2.年末までの売上と必要経費を見積もる

11月申請なら、10月31日の現況に基づいて11月・12月を含む年額を見積もります。受注済みの案件、継続契約、例年の販売時期、確定している支払いを分け、根拠を残します。売上をすべて悲観的にゼロへ置き換える方法は適切ではありません。

逆に、まだ確定していない大型受注を必ず入るものとして計上すると、実態に合わない税額になることがあります。見込みの確度と条件を示し、判断に使った資料の日付を残してください。

3.事業以外の所得と控除を確認する

給与、不動産、年金など、本人にほかの所得がある場合は、それぞれの見込みを確認します。源泉徴収される税額についても、給与明細や報酬の支払資料などを基に、当年分の申請書に合わせて整理します。

医療費、保険料、共済掛金、家族の所得なども、前年の申告書を丸写しせず今年の条件を使います。金額が未確定の項目は、何を根拠に見積もったかを分かるようにします。重要な未確認項目をゼロで埋めて計算を終えないでください。

4.理由と金額を一つの説明にまとめる

たとえば「継続契約が終了し、今後の売上が減少する見込み」という理由なら、契約終了の時期、終了までの実績、残る売上の見込み、減少する経費と残る固定費がつながっている必要があります。

理由の文章だけを強く書くより、月次の数字と資料が一致していることが重要です。当グループへ経理や申告を依頼する場合は、うまく説明文を作ってからではなく、通知書と現状の資料をお見せください。必要な確認事項から整理します。

減額申請から承認後までの手順

減額申請は、提出しただけで希望額が自動的に確定する手続きではありません。税務署は内容を確認し、承認・一部承認・却下を決定します。申請書を出したことと、減額後の金額で納められることを区別して管理します。

申請書は対象年分と7月・11月を確認する

2026年分には、2026年分の様式と記載要領を使います。7月申請と11月申請では予定納税額の計算方法が異なるため、以前の申請書をコピーするときも、区分と計算を見直します。

申告納税見積額、予定納税額、減額の具体的な理由を記載し、基礎となる事実の書類を添付します。特殊な所得がある方は、通常の記載とは異なる取扱いがないか確認してください。

提出方法と受付結果を確認する

国税庁の案内では、パソコンのe-Taxソフトで申請書を作成して提出する方法のほか、書面を持参または送付する方法があります。電子申請では利用者識別番号などの準備や利用可能時間を確認し、期限の当日に初めて設定を始める状態を避けます。

送信ボタンを押した記憶だけで提出完了とせず、受付結果と提出したデータを保存します。書面の場合も、提出した内容と提出日を確認できる記録を残します。税理士へ任せる場合は、本人が必要資料を渡す期限も決めておきます。

承認後は、金額と納付の予定を更新する

通知を受けたら、承認された各期の金額を確認します。希望した金額と同じか、一部だけの承認かを読み、予定表や資金繰り表を更新します。最初の通知と承認後の通知を同じ場所に保存すると、確定申告時にも確認しやすくなります。

既に納付の予約をしている場合は、承認後の税額と予約内容を照合します。予約変更の可否や手続きは利用方法によるため、二重の納付操作をする前に確認してください。自動的にすべて変更されると決め付けないことが重要です。

11月申請で、第1期分まで当然に減るわけではない

通常の11月の減額申請は、第2期分の見直しです。第1期の税額まで同時に取り消され、直ちに返金されるという仕組みではありません。第1期を既に納付している場合も、その取扱いと最終的な確定申告の精算を区別します。

申請後に業績が回復した場合などは、年末の実際の所得を基に確定申告を行います。合理的な見積りに基づく申請と、年間の確定税額は別です。減額が承認されたことを理由に、年末までの記帳を止めないでください。

納付方法の選び方|振替納税でも残高確認は必要

予定納税には、振替納税、ダイレクト納付、インターネットバンキング等、クレジットカード、納付書による窓口納付などがあります。利用条件、事前手続き、手数料、金額の上限、完了の確認方法を比較します。単に便利そうという理由だけで、期限直前に未設定の方法へ切り替えないようにします。

振替納税は、登録口座と引落日の確認が一組

2026年分の通常の振替日は、第1期が7月31日、第2期が11月30日です。通知書に記載された金融機関を確認し、前日までに必要な残高を用意します。同じ口座から家賃、保険料、カード代金などが引き落とされる予定も確認してください。

振替納税を登録していても、残高不足で引き落とされなければ納付は完了しません。「自動引落だから延滞しない」と考えず、引落し後の銀行明細まで確認します。口座を変更した方や転居した方は、継続に必要な手続きも確認します。

ダイレクト納付は、利用開始と実際の納付を区別する

ダイレクト納付は、e-Taxと届出済みの預貯金口座を使って納付する方法です。利用のための届出を出すことと、今回の税額を実際に納付することは別の作業です。事前準備に時間がかかる場合があるため、期限間際に登録してすぐ利用できるとは限りません。

期日を指定する場合は、対象年分、税目、金額、引落日、口座を確認します。受付情報と納付結果を保存し、税理士が金額を伝えた後に、本人側の操作が残っていないかを確認してください。

カード・スマホ・窓口は、それぞれの条件を確認する

クレジットカード納付には手数料等の確認が必要です。ポイント等の特典だけで得になると判断せず、利用額と実際の負担を比べます。カード会社への引落しが後日でも、税金の納付手続きが不要になるわけではありません。

スマホアプリやコンビニ納付には金額等の利用条件があり、すべての予定納税を同じ方法で払えるわけではありません。窓口納付なら営業日・受付時間と必要な納付書を確認します。方法が何であっても、支払いの実行と結果の保存までを担当者の作業に含めます。

予定納税が払えないとき|減額申請と猶予を分けて検討する

納税資金が不足する場合は、今年の税額が下がる見込みなのか、税額は下がらないが支払いの時期が厳しいのかを分けます。前者では予定納税の減額申請、後者では納付の準備や、事情に応じた国税の猶予制度の確認が必要になります。

減額申請は、単に預金が足りないことだけを理由に納付額を自由に下げる手続きではありません。また、減額申請だけが唯一の対応でもありません。災害、休廃業、事業継続や生活への影響など、実際の事情によって確認すべき制度が異なります。

納期限の前に、資金不足の原因と金額を整理する

まず、納付額、現在の預金、納期限までの入金、同じ時期の支払いを一覧にします。売掛金の回収が遅れているのか、売上自体が減っているのか、大きな設備支払いがあったのかによって、対応する順番が変わります。

国税を一時に納付すると事業の継続や生活が困難になる場合などには、要件を満たせば猶予制度の対象となることがあります。認められるかは個別の条件によるため、自己判断で分割額を決めて放置せず、所轄税務署へ早めに状況を伝えて確認します。

2026年の延滞税率は、対象期間を確認する

2026年の所得税予定納税について、国税庁は、第1期分の納付が遅れた場合、8月1日から9月30日までを年2.8%、10月1日から12月31日までを年9.1%と案内しています。第2期分は、12月1日から12月31日までが年2.8%です。2027年以後の期間は、その年の適用割合を確認します。

法律上の原則割合だけを見て、すべての期間に年7.3%や14.6%がそのままかかると考えるのは正確ではありません。実際には適用される低い割合や計算上の取扱いがあるため、納期限、納付日、対象期間を確認して計算します。

一方で、低い割合が適用されるから期限を過ぎてもよい、ということではありません。振替不能の場合も含め、未納に気付いたら税額と必要な手続きを確認します。税金が未納というだけで、民間の信用情報へ必ず同じ形で登録されるといった断定も避け、実際の納税状況を正確に管理してください。

納付後の記帳と確定申告|予定納税額の記載を忘れない

予定納税は、払ったら書類を処分してよいものではありません。通知書、減額の承認通知、納付や引落しの記録を、その年分の確定申告までそろえて保管します。税理士へは、最初の通知だけでなく、変更後の通知も共有してください。

個人の所得税は、事業の必要経費ではない

個人の所得税・復興特別所得税は、事業所得の必要経費にはなりません。予定納税も同じ税金の前払いであり、納めたことで事業の経費が増えて所得が下がるわけではありません。

個人事業の事業用口座から支払った場合は、たとえば「事業主貸/普通預金」として、事業の経費と分けて処理します。事業主貸は、事業のお金を個人のために使ったことを区別する科目です。会社が社長個人の税金を支払った場合は、同じ個人事業の仕訳を使わず、実態に応じた処理を別途確認します。

所得税、個人事業税、消費税などをすべて「税金だから租税公課」でまとめないでください。税目と経理方式によって扱いが異なります。帳簿の整理を任せる場合は、銀行明細だけでなく税目が分かる通知も渡すと、誤処理を防ぎやすくなります。

確定申告には、その年分の予定納税額を正しく反映する

翌年の確定申告では、申告書の予定納税額欄へ、その年分の予定納税額を記載して精算します。減額が承認された場合は承認後の金額を確認します。記載を忘れると、納める税金を過大に計算してしまうことがあります。

予定納税額は、確定申告書上では納付すべき額を基に扱うため、銀行で実際に払った金額だけを見て入力を決めないことも大切です。未納がある場合は、申告上の精算と未納税額の納付が別に残ります。「申告書に入力したから未納も解消した」と考えないでください。

払い過ぎた場合は、確定申告で還付となることがある

年間の所得等から計算した税額より予定納税額等が多ければ、確定申告で還付になることがあります。これは前年と同じ税金を二重に納める制度ではなく、今年の税額と前払い分を精算する仕組みだからです。

ただし、還付見込額を翌月の支払いに必ず使える資金として置くのは避けます。申告内容の確認や処理状況によって入金時期は変わります。特定の地元銀行を還付先に指定すれば必ず早くなる、といった前提で資金計画を作らないようにします。

法人税・消費税の中間申告は、所得税の予定納税と別に管理する

会話の中で「予定納税」と呼ばれていても、会社の法人税や消費税については中間申告・納付の制度を確認します。所得税の減額申請書を提出すれば、会社の法人税や消費税まで減るわけではありません。

法人税は、前期の月数と中間期間を確認する

法人税の中間申告では、原則として前事業年度の法人税額を前事業年度の月数で除し、中間期間の月数を乗じる計算を使います。一般的な6か月の中間期間に係る前期実績基準額が10万円以下の場合などは、中間申告を要しない取扱いがあります。

「前年の法人税が20万円超」という目安は、前期が12か月の場合などの理解にとどめます。設立初年度や決算期変更で前期が短い会社に、同じ目安をそのまま使わないでください。原則的な申告期限は、事業年度開始から6か月を経過した日から2か月以内ですが、例外や延長の有無も確認します。

業績が変わった場合には、仮決算に基づく中間申告を検討する場面があります。要件や計算、提出期限を確認する必要があり、所得税の7月・11月の減額申請とは別です。

消費税は、地方消費税を除いた年税額で回数を判定する

消費税の中間申告は、原則として直前の課税期間の消費税の年税額が48万円を超える場合に必要となります。ここで回数の判定に使う金額には地方消費税を含みません。一方、実際の中間納付では地方消費税も併せて納めます。

通常の区分では、48万円超400万円以下は年1回、400万円超4,800万円以下は年3回、4,800万円超は年11回です。48万円以下でも任意の中間申告制度があり、課税期間の特例等による違いもあります。「48万円以下だから、いかなる場合も中間納付なし」とは決め付けません。

仮決算による中間申告もありますが、期限後に自由に切り替えられるわけではありません。仮決算の計算がマイナスでも、その中間申告によって還付を受けられるわけではない点にも注意します。詳しい税額計算は、現在の課税方式と課税期間を確認して行います。

同じ月に複数の税金が重なることを見込む

所得税の予定納税、消費税の中間納付、住民税、個人事業税などは、税目ごとに期限と金額が決まります。会社がある方は、法人側の税金も別に管理します。一つの通知書だけで納税資金が足りると判断しないことが大切です。

予定表には、納税者、税目、対象期間、金額、期限、使用口座、実行担当、完了状況を入れます。個人と会社の現金を合算した残高だけでなく、それぞれの名義と必要な資金を確認してください。

納税資金を準備するには、確定申告の時期だけでなく毎月の経理を整える

予定納税への備えは、通知が届いてから口座へお金を移すことだけではありません。毎月の売上と利益を把握し、納税見込み、借入返済、仕入れ、生活費まで含めて、いつ資金が不足するかを見えるようにすることが基本です。

たとえば11月に30万円を納める予定で、9月から3か月で用意する仮定例なら、単純な準備額は月10万円です。ただし、その月10万円を確保した後に、事業の支払いと生活費が足りるかを確認します。積立の数字だけ作っても、資金の出どころがなければ計画は実行できません。

利益の見込みと、預金が残る見込みを分ける

利益が出ていても、売掛金の回収前に支払いが来れば預金は不足します。逆に、借入で預金が増えていても、その増加を利益と考えることはできません。減額申請に使う所得の見積りと、納付のための資金繰り表は、目的を分けて作ります。

帳簿の数字を確認できるようにしたい方は、青色申告の帳簿の付け方と毎月の確認手順もご覧ください。日々の記帳がそろうと、申請の必要性や資金の準備を早い段階で判断しやすくなります。

当グループへ任せる場合の進め方

  1. 通知と現状の確認:予定納税の通知、前年の申告書、現在の帳簿・資料を確認します。
  2. 不足資料の整理:売上・経費、年末までの見込み、所得控除など必要な項目を整理します。
  3. 申請と資金の検討:減額申請の要否と、納付期限までの資金準備を分けて確認します。
  4. 担当と期限の共有:申請、納付操作、結果確認を誰が行うか決めます。
  5. 確定申告への引継ぎ:通知・承認・納付の記録を保管し、年間の精算へつなげます。

書類がすべて整理されてからでなくても、現在どこまで記帳できているか、何が分からないかをお聞かせください。依頼範囲と期限を確認したうえで、必要な作業と分担を整理します。減額の承認や特定の還付額を保証するものではありませんが、根拠となる数字と手続きを一つずつ確認して進めます。

経理・申告と納税準備まで任せたい方へ

届いた通知書、現在の経理方法、売上や資金面のお悩みをお聞かせください。秋田税理士事務所グループが、毎月の記帳から税務申告まで、事業に必要な経理の進め方を整理します。

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