経営者の税金・手取り|役員報酬・住民税・ふるさと納税・扶養を解説
最終更新日:2026年9月4日
会社経営者の「手取り」を考えるとき、所得税だけを見ても答えは出ません。会社からいくら役員報酬を受け取るかによって、会社の利益、法人税、社長個人の所得税・住民税、社会保険料が同時に変わるからです。
さらに、配偶者や子どもの収入、親への仕送り、ふるさと納税、医療費、iDeCoなどによっても個人側の税負担は変わります。
そのため、
「年収1,000万円と1,500万円ではどちらが得か」
「妻は扶養内にした方がいいか」
「役員報酬を下げれば節税になるか」
と一つの数字だけで判断するのではなく、会社に残すお金と、経営者個人へ移すお金を一緒に見ることが重要です。
秋田税理士事務所では、法人の決算・申告だけでなく、役員報酬、社会保険、経営者個人の税金まで含めて確認し、会社と経営者の資金を分断しない形で税務・経理を支援しています。
経営者の手取りを考えるときの順番
- 会社に年間いくら利益を残したいか決める
- 役員報酬をいくら受け取るか試算する
- 所得税・住民税・社会保険料を確認する
- 配偶者・子・親の扶養と所得控除を確認する
- ふるさと納税、医療費控除、iDeCoなど使える制度を確認する
- 最終的に会社と個人にいくら現金が残るか比較する
結論|経営者の手取りは「会社+個人」で考える
会社員であれば、勤務先から受け取る給与が個人収入の中心です。
一方、オーナー経営者は自分の会社から役員報酬を受け取るため、役員報酬を増やすと個人だけでなく会社側の数字も変わります。
| 項目 | 役員報酬を増やした場合の一般的な影響 |
|---|---|
| 会社の利益 | 損金算入できる役員報酬であれば利益が減る |
| 法人税等 | 会社利益が減れば税負担も変わる |
| 経営者の給与所得 | 増える |
| 所得税 | 課税所得の増加に応じて増える |
| 住民税 | 原則として翌年度に影響する |
| 社会保険 | 標準報酬月額等に応じて変わる |
| 会社負担の社会保険 | 会社側の負担も増える |
つまり、
「法人税を減らすために役員報酬を増やす」
だけでは不十分です。
会社で100万円税金が減っても、個人の所得税・住民税・社会保険がそれ以上増えれば、会社と個人を合計した資金は増えていないことがあります。
反対に、個人の税金だけを減らすために役員報酬を極端に低くすれば、生活費が不足したり、会社から頻繁に資金を移動させることになったりします。
経営者にとって大切なのは、
税金を最小化することではなく、会社経営に必要な資金を残しながら、個人でも必要な手取りを確保すること
です。
所得税は年収全体に最高税率がかかるわけではない
日本の所得税は超過累進税率です。
課税所得が増えるにつれて5%から45%まで税率が上がりますが、所得全体に最高税率がかかる仕組みではありません。
| 課税される所得金額 | 所得税率 |
|---|---|
| 195万円以下 | 5% |
| 195万円超330万円以下 | 10% |
| 330万円超695万円以下 | 20% |
| 695万円超900万円以下 | 23% |
| 900万円超1,800万円以下 | 33% |
| 1,800万円超4,000万円以下 | 40% |
| 4,000万円超 | 45% |
ここでいう金額は年収ではなく「課税される所得金額」です。
役員報酬1,500万円だから、
「1,500万円全部に33%の所得税がかかる」
という計算ではありません。
給与収入から給与所得控除を差し引き、さらに社会保険料控除、基礎控除、扶養控除などを差し引いた後の課税所得を使って税額を計算します。
また、所得税には復興特別所得税も加算されます。
2026年分は基礎控除などが改正されている
2026年分の所得税では、基礎控除や給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件が改正されています。
特に、インターネットには現在でも、
「103万円以下なら扶養」
といった古い説明が大量に残っています。
2026年分は過去の基準をそのまま使用しないよう注意してください。
年収1,000万円・1,500万円で何が変わる?
経営者からよくある質問が、
「役員報酬を1,000万円にするのと1,500万円にするのでは、どちらが得ですか?」
というものです。
結論として、年収だけでは判断できません。
ただし、税金の計算構造を見ると違いは分かります。
給与所得控除は、給与収入が850万円を超える場合、原則として195万円が上限です。
そのため、他の調整を考慮しない単純な比較では、
| 役員報酬年額 | 給与所得控除 | 給与所得 |
|---|---|---|
| 1,000万円 | 195万円 | 805万円 |
| 1,500万円 | 195万円 | 1,305万円 |
となります。
ここから、
* 社会保険料
* 基礎控除
* 扶養控除
* 配偶者控除等
* 生命保険料控除
* 医療費控除
* iDeCo等
を差し引いて課税所得を計算します。
なお、23歳未満の扶養親族がいる場合など、一定の方は所得金額調整控除の対象になることがあります。
500万円報酬を増やしても、500万円手取りが増えるわけではない
年収1,000万円から1,500万円へ増やすと、額面は500万円増えます。
しかし、その500万円から、
* 所得税
* 復興特別所得税
* 住民税
* 社会保険料
が増えます。
さらに会社側にも社会保険料負担があります。
したがって、役員報酬を決めるときは、
「社長の手取りがいくら増えるか」だけでなく、「会社から合計いくら現金が出ていくか」
まで確認する必要があります。
高い年収ほど配偶者控除等の所得制限にも注意
配偶者控除・配偶者特別控除には、配偶者側だけでなく控除を受ける本人側にも所得制限があります。
役員報酬を増やした結果、経営者本人の所得が基準を超えれば、これまで受けていた控除が使えなくなる場合があります。
「報酬が500万円増えたから税金も500万円分だけ増える」
という単純な話ではありません。
役員報酬はいくらにする?「社長個人の節税」だけでは決めない
中小企業の経営者にとって、個人の手取りへ最も大きく影響するのは、ふるさと納税や生命保険ではなく役員報酬そのものです。
ただし、
「所得税率が高くなるから役員報酬を下げよう」
とも、
「法人税を払いたくないから役員報酬を上げよう」
とも一律には言えません。
最低でも次の項目を比較します。
- 会社の年間利益予測
- 法人税等
- 役員報酬
- 経営者個人の所得税・住民税
- 本人負担の社会保険料
- 会社負担の社会保険料
- 経営者家族の生活費
- 会社に必要な運転資金
- 今後の設備投資・借入返済
たとえば会社に利益を残す必要があるのに、
「法人税をゼロに近づけたい」
という理由で役員報酬を上げすぎれば、会社の現預金が増えません。
金融機関への返済や設備投資、採用などに使える会社資金も減ります。
役員報酬は好きな月に自由に変更できない
税務上、役員給与を損金算入するためには、定期同額給与など一定の要件があります。
「今期は儲かったから12月だけ役員報酬を300万円増やす」
という方法を自由に取れるわけではありません。
そのため、毎期の役員報酬は、決算が終わってからではなく期首の段階で利益計画を作って決めることが重要です。
役員報酬の決め方については、社長の役員報酬はいくらにする?税金・社会保険から考える決め方で詳しく解説しています。
経営者の住民税|今年報酬を上げると翌年の負担が増える
所得税と住民税では、支払うタイミングが異なります。
住民税は原則として前年の所得をもとに計算されます。
そのため、
「今年、役員報酬を上げたら手取りもかなり増えた」
と思っていたところ、翌年度の住民税が増えて手取りが下がることがあります。
住民税は「年収×10%」ではない
個人住民税の所得割は一般に一定税率で計算されますが、
給与収入へそのまま10%を掛けるわけではありません。
給与所得を計算し、住民税上の所得控除等を差し引いて課税標準を計算します。
所得税と住民税では控除額が異なる項目もあります。
したがって、
「所得税率33%+住民税10%=年収の43%取られる」
という計算も正確ではありません。
役員報酬を上げるときは翌年の住民税まで資金計画へ
経営者の場合、
- 役員報酬を増額
- 翌年の住民税が増加
- 会社の決算で法人税等も発生
- 借入返済や設備投資も重なる
ということがあります。
会社と個人の納税時期を一覧にしておくと、手取りが増えたように見えて使いすぎることを防げます。
経営者のふるさと納税|節税ではなく「寄附と税額控除」の制度
ふるさと納税は、高所得者ほど利用できる金額が大きくなりやすいため、経営者から相談の多い制度です。
ただし、税金そのものを自由に減らす制度ではありません。
一定の限度額までであれば、自治体へ寄附した金額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から控除を受けられる仕組みです。
上限は「年収○万円なら○万円」で固定ではない
ふるさと納税の上限額は、
- 給与・役員報酬
- その他の所得
- 配偶者・扶養親族
- 社会保険料
- 医療費控除
- 住宅ローン控除など
によって変わります。
経営者の場合は、役員報酬を年の途中で見込んで寄附するため、年末時点の所得が予想とずれることもあります。
上限ぎりぎりまで寄附する場合は、年末近くに利益・役員報酬・その他の所得を確認したうえで計算する方が安全です。
2026年分の寄附は2026年12月31日まで
2026年分としてふるさと納税を行うには、原則として2026年12月31日までに寄附の決済を完了させます。
年末ぎりぎりの場合は、申込日ではなく決済完了日が翌年にならないよう注意してください。
ワンストップ特例は5自治体以内などの条件がある
確定申告が不要な給与所得者等で、年間の寄附先が5自治体以内などの条件を満たす場合は、ワンストップ特例を利用できます。
2026年分のワンストップ特例申請は、原則として2027年1月10日までに寄附先自治体へ手続きを行います。
医療費控除で確定申告したら、ワンストップ特例は無効になる
これは非常に間違いやすいところです。
ワンストップ特例を申請済みでも、同じ年について医療費控除、副業所得、株式関係その他の理由で確定申告を行う場合、ワンストップ特例の申請は無効になります。
その場合、ワンストップ申請した自治体分も含めて、ふるさと納税を確定申告へ記載してください。
配偶者・子・親の扶養|税金と社会保険を分けて考える
「妻はいくらまで働けば扶養ですか?」
という質問に一つの金額だけで回答することはできません。
理由は、
所得税上の扶養と社会保険上の扶養は別制度
だからです。
| 対象 | 所得税 | 社会保険 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 配偶者控除・配偶者特別控除 | 健康保険の被扶養者等 | 税と社会保険で判定基準が異なる |
| 子 | 年齢等により扶養控除 | 被扶養者の判定 | 16歳未満は所得税の扶養控除なし |
| 19〜22歳の子等 | 特定扶養親族・特定親族特別控除 | 社会保険は別判定 | アルバイト収入等を確認 |
| 親 | 扶養控除の可能性 | 被扶養者の判定 | 生計を一にしているかを確認 |
| 70歳以上の親 | 老人扶養親族の控除 | 年齢・医療保険も確認 | 同居老親等かどうかで控除額が異なる |
2026年分は「103万円」だけで判断しない
2026年分の所得税では、扶養親族や同一生計配偶者の所得要件が改正されています。
給与収入だけの場合、所得税上の扶養等を判定する一つの基準は年間給与収入136万円以下となっています。
ただし、
「136万円までなら全部の扶養に入れる」
という意味ではありません。
社会保険には別の収入基準・勤務条件があります。
また、配偶者控除については控除を受ける経営者本人側にも所得制限があります。
配偶者控除が使えなくても、配偶者特別控除が使える場合がある
配偶者の収入が配偶者控除の基準を超えたからといって、控除が突然すべてゼロになるとは限りません。
配偶者の所得と経営者本人の所得によっては、配偶者特別控除を受けられる場合があります。
したがって、
「妻の収入が基準を1円超えたから大損」
という説明も正確ではありません。
19歳から22歳の子どもは2026年の改正に注意
大学生年代の子どもについては、特定扶養親族の扶養控除に加え、一定の場合には特定親族特別控除があります。
アルバイト収入が増えたからといって、従来の基準だけを見て親の控除がすべてなくなると判断しないでください。
なお、子どもがアルバイト給与ではなく、自分で事業を始めて事業所得がある場合は、給与収入の基準をそのまま当てはめることはできません。
別居している親でも扶養控除の対象になることがある
親と同居していなければ扶養控除を使えない、というわけではありません。
税法上は「生計を一にしているか」が重要です。
県外や別住所で暮らす親へ継続的に生活費を送っている場合などは、親の所得や送金状況を確認します。
一方で、
「親だから自動的に扶養」
ではありません。
年金その他の所得も含めて判定してください。
医療費控除・保険料控除など|使える控除を年末に確認する
役員報酬を受け取る経営者でも、一般の給与所得者と同じように所得控除・税額控除の対象になるものがあります。
代表例は、
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 医療費控除
- 寄附金控除
- 扶養控除
- 配偶者控除・配偶者特別控除
- 小規模企業共済等掛金控除
です。
医療費控除は家族分もまとめて確認する
医療費控除は、自分だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費も対象になる場合があります。
原則として、
支払った医療費 − 保険金等で補てんされた金額 − 10万円
で控除額を計算します。
総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を使います。
控除額の上限は200万円です。
「10万円使えば10万円税金が戻る」わけではない
医療費控除は税額控除ではなく所得控除です。
医療費控除が20万円なら、
「税金が20万円返ってくる」
という意味ではありません。
課税所得から20万円を差し引き、その方の税率に応じて所得税等が減ります。
この違いは、生命保険料控除や扶養控除なども同じです。
経営者の年金・老後資金|現在の税金だけで決めない
経営者の場合、
「社会保険料が高いから年金は損」
「iDeCoを上限までやれば節税になる」
と現在の税負担だけで判断しがちです。
しかし、老後資金の制度にはそれぞれ、
* 掛金を払うとき
* 運用中
* お金を受け取るとき
* 途中で資金が必要になったとき
の違いがあります。
iDeCoは掛金が所得控除になるが、資金拘束がある
iDeCoの掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
所得税率が高い経営者ほど、現在の所得税・住民税への影響は大きくなりやすい制度です。
一方、原則として一定年齢まで自由に引き出すことはできません。
事業資金が必要になる可能性がある経営者は、
節税額だけではなく手元資金とのバランス
を確認してください。
小規模企業共済も「節税商品」としてだけ見ない
一定の中小企業の役員等は、小規模企業共済へ加入できる場合があります。
掛金は所得控除の対象になりますが、解約時期や受取方法によって税務上の扱いが変わります。
「払えば全額控除だから得」
だけで判断するものではありません。
NISAは現在の役員報酬に対する所得税を減らす制度ではない
NISAで得た一定の運用益等は非課税になりますが、NISAへ100万円入れたから課税所得が100万円減るわけではありません。
現在の所得税を減らす所得控除と、将来の投資利益を非課税にする制度は分けて考えてください。
公開体験談から見る、経営者のお金で起こりやすい3つの相談
以下は、2026年にnote等で公開されている経営者・給与所得者の体験談を参考に、税務相談で論点が分かりやすいよう条件を整理した例です。当事務所のお客様の事例ではありません。
相談例1|役員報酬を上げたのに、思ったほど手取りが増えない
相談内容:
「会社の利益が出るようになったので役員報酬を上げました。年収はかなり増えたのですが、税金と社会保険を引かれると思っていたほど手取りが増えていません。」
経営者の場合、本人負担の社会保険料だけでなく、会社負担分もあります。
そのため確認すべきなのは、
役員報酬の額面 → 個人の手取り
だけではなく、
会社から流出した総額 → 最終的に個人へ残った金額
です。
会社にいくら利益を残す必要があるのかも含め、翌期の役員報酬を決め直します。
相談例2|ふるさと納税のワンストップ申請後、医療費控除で確定申告した
2026年に公開された複数の体験談で実際に報告されているケースです。
相談内容:
「ふるさと納税はワンストップ特例を申請したので終わったと思っていました。その後、医療費控除を受けるため確定申告しました。翌年の住民税を確認したところ、ふるさと納税の控除が反映されていませんでした。」
原因は、
確定申告をしたことでワンストップ特例が無効になったのに、ふるさと納税を確定申告へ記載していなかったこと
です。
医療費控除のためだけに確定申告する場合でも同じです。
確定申告するなら、ワンストップ特例で申請した自治体分も含めてふるさと納税を申告します。
相談例3|妻の給与を「扶養内」にしたいが、何万円までか分からない
相談内容:
「妻がパートで働いています。103万円、106万円、130万円、136万円など色々な数字を見ます。結局いくらまで働けば扶養なのでしょうか。」
この質問では、先に、
何の扶養について聞いているのか
を分けます。
所得税上の配偶者控除等なのか、健康保険の被扶養者なのかによって基準は違います。
また2026年は税制・社会保険制度の改正も進んでいるため、数年前の記事にある「103万円だけ見ればよい」という考え方では判断できません。
経営者本人の所得、配偶者の勤務先、労働時間、収入見込みまで確認して判断します。
これから会社を作るなら、役員報酬と個人の税金を設立前から考える
会社を設立した後、
「税理士は決算時に探せばいい」
と考える方もいます。
しかし、経営者個人の税金に最も大きく影響する役員報酬は、会社設立後の早い段階で決めることになります。
そのため、設立前から、
- 会社にどれだけ利益を残すか
- 毎月いくら生活費が必要か
- 役員報酬をいくらにするか
- 社会保険料はいくらになるか
- 配偶者を役員にするか
- 配偶者へ役員報酬を払うか
- 決算月をいつにするか
- 創業融資をいくら借りるか
を一緒に考える方が合理的です。
「会社を作れば節税」は結論ではない
個人事業主から法人になると、
* 所得税から法人税等へ課税構造が変わる
* 役員報酬を給与所得として受け取る
* 社会保険への加入
* 法人住民税等
* 税務申告・経理コスト
などが生じます。
したがって、
「所得が○万円を超えたら絶対法人化」
という一律の基準では判断できません。
個人事業主と法人の比較については、個人事業主から法人成りするメリット・デメリットをご覧ください。
秋田税理士事務所では、会社と経営者個人のお金を一緒に確認します
経営者の税務では、
「法人税はいくらか」
だけを見ても不十分です。
会社の利益を減らすために役員報酬を増やせば、個人側の税・社会保険が増えます。
反対に、個人の税金を抑えるため役員報酬を下げすぎれば、個人の生活資金が不足することがあります。
秋田税理士事務所では、法人の会計・申告を行うだけでなく、
- 役員報酬
- 会社利益
- 法人税等
- 所得税・住民税
- 社会保険
- 扶養・家族構成
- 設備投資
- 借入・資金繰り
を確認しながら、会社経営に必要な現金を残すことを前提に考えます。
日常的な資料のやり取りや打ち合わせは担当者を中心に行い、事務所内で連携しながら税務・経理業務を進めます。
「何でも毎回代表税理士本人へ相談したい」というより、税務・経理を事務所へ任せ、自分は本業へ集中したい経営者に向いている体制です。
また、経理を社長自身で続けるのではなく、会計入力を含めて当事務所へ任せることもできます。
経理、法人税、経営者個人の税金を別々に管理せず、一つにつなげることで、役員報酬を決める際にも最新の会社数字を確認しやすくなります。
経営者の税金・手取りに関するよくある質問
Q. 年収1,000万円を超えると急に税金が高くなりますか?
A. 1,000万円を超えた瞬間に年収全体へ高い税率がかかるわけではありません。所得税は超過累進税率で、給与所得控除や社会保険料控除などを差し引いた課税所得に応じて計算します。一方、本人所得の増加によって配偶者控除等が使えなくなる場合があるため、税率以外の所得制限も確認します。
Q. 役員報酬はいくらにすれば最も節税になりますか?
A. 一律の金額はありません。法人利益、個人の所得税・住民税、本人と会社の社会保険料、生活費、借入返済、会社に残したい現金を合わせて比較します。「法人税だけが一番安い金額」を選ぶのではありません。
Q. 役員報酬を下げれば社会保険料も下がりますか?
A. 標準報酬月額等が変われば社会保険料が変わる場合があります。ただし変更時期や随時改定の要件等があるため、役員報酬を変更した翌月から必ずすぐ下がるというものではありません。また、所得税・法人税・生活費への影響も含めて判断します。
Q. ふるさと納税は節税になりますか?
A. 一定の限度額までは、寄附額のうち2,000円を超える部分について所得税・住民税から控除される制度です。単純に税金だけが減って現金が増える仕組みではなく、自治体へ先に寄附を行います。
Q. ワンストップ特例を申請した後に確定申告しても大丈夫ですか?
A. 確定申告を行うとワンストップ特例は無効になります。医療費控除など別の理由で確定申告する場合も、ワンストップで申請したふるさと納税を含めて確定申告へ記載してください。
Q. 妻の給与が136万円以下なら社会保険も扶養のままですか?
A. 必ずしもそうではありません。136万円という数字は2026年分の所得税上の扶養等を考える際の基準の一つです。健康保険・厚生年金の扶養や加入要件は別制度で、勤務先の規模、週の労働時間、収入見込みなどによって判断します。
Q. 大学生の子どもがアルバイトをしています。いくらまでなら扶養ですか?
A. 年齢と所得によって、特定扶養親族や特定親族特別控除の対象になる可能性があります。2026年は所得要件が改正されているため、古い「103万円だけ」の情報で判断しないでください。また事業所得がある場合は給与収入の基準をそのまま使えません。
Q. 別居している親を扶養にできますか?
A. 別居だけを理由に対象外にはなりません。親の所得、生計を一にしているか、継続的な送金状況などを確認します。70歳以上の場合は老人扶養親族に関する控除も確認します。
Q. 医療費が年間10万円を超えたら10万円戻ってきますか?
A. 戻ってくるわけではありません。医療費控除は所得控除です。一定の方法で計算した控除額を課税所得から差し引き、その方の税率等に応じて所得税が減ります。
Q. 法人化すれば個人の税金を減らせますか?
A. 法人化によって給与所得控除などを利用できる一方、法人税、法人住民税、社会保険、会社維持費も発生します。利益だけでなく、家族構成、役員報酬、消費税、取引先、融資、今後の事業規模まで含めて判断します。
Q. 秋田税理士事務所では社長個人の税金も相談できますか?
A. 法人顧問業務の中で、役員報酬や会社利益と関連する経営者個人の所得税・住民税、扶養、ふるさと納税などについても確認できます。会社と個人を切り離さずに考える必要がある事項をご相談ください。
会社に利益が出てきたら、法人税だけでなく経営者の手取りも見直す
経営者の税金で大切なのは、
「使える節税制度を全部使うこと」ではありません。
まず、
* 会社はいくら利益を出しているか
* 会社にはいくら現金を残す必要があるか
* 役員報酬はいくら必要か
* 社長個人に税金・社会保険を引いていくら残るか
を確認します。
そのうえで、扶養、ふるさと納税、医療費控除、年金・老後資金など、該当する制度を確認します。
会社の数字を把握していなければ、適切な役員報酬も決められません。
経理、法人税、社長個人の税金を別々に考えず、一つの数字として管理することが重要です。
秋田税理士事務所では、経理を任せたい法人、現在の税理士から変更したい法人、会社設立直後から会計・申告を整えたい法人のご相談に対応しています。
これから秋田市・秋田県で会社を設立する方は、役員報酬を決める前に秋田税理士事務所グループの会社設立サポートもご覧ください。
経営者の手取りは社会保険料まで含めて確認する
法人の代表者・役員は、一定の場合を除き、健康保険・厚生年金の対象になります。
社会保険は、
本人の給与から引かれる分だけ見ればよいわけではありません。
会社側にも負担が発生します。
協会けんぽ秋田支部の2026年度の料率は、
です。
実際の保険料は標準報酬月額・標準賞与額、年齢、上限などを使って計算するため、上記料率を役員報酬へ単純に掛ければよいわけではありません。
役員報酬100万円は、会社にとって100万円の支出ではない
たとえば社長へ月100万円の役員報酬を支給しても、会社側では役員報酬100万円だけでなく会社負担の社会保険料も必要になります。
したがって、
「会社からいくら出て、社長の口座に最終的にいくら残るか」
を見る必要があります。
ここを確認せずに役員報酬だけ上げると、
「会社のお金はかなり減ったのに、思ったほど自分の手取りが増えていない」
ということが起こります。