個人事業主の税務調査の論点「外注費か給与か」消費税に影響

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一緒に働いてくれるメンバーがいますが、消費税の控除をできるので給与ではなく外注扱いにしています。税務調査で問題になり得ますか?

はい。外注費になるか給与になるかは税法上の判断が非常にむずかしく、税務調査においてもよく論点にあがります。

外注費ではなく給与と認定されてしまうと、消費税の10%の追加納税、給与としての源泉所得税の納付と不納付加算税といった罰金の支払いにもつながり、かなり高額な追加納税になってしまいます。

この記事では、秋田県秋田市の秋田税理士事務所の税理士 坂根が解説します。

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税務調査の論点「外注費と給与の区別」が消費税に大きな影響

個人事業主が計上した外注費は、雇用契約を締結していなかったとしても税務調査において給与として認定される可能性があります。

この論点はよく問題にあがり、特に次のように実質的に雇用かどうかがポイントとなっています。

  • 他人による業務代行または役務提供が許可されるかどうか(二次受けなど他の人に仕事を任せても良いか)。
  • 報酬を支払う人から作業時間や作業場所、作業方法などの指定があるか
  • 仕事用具を提供されるか、それとも自前で用意する必要があるか
  • 引き渡しが終わっていなくい仕事でも既に完了した業務が不可抗力により滅失した場合などに請求できるか

実態によって本当に外注費なのか、それとも実質的に給与なのかが判断されますが、もし外注費ではなく給与となると、次の問題があります。

  • 給与だと消費税10%の仕入税額控除ができない
  • 給与だと源泉所得税を徴収しないといけない

消費税に関して言えば、税込1,100万円の外注費として計上していたのであれば100万円分の消費税の仕入税額控除をとれなくなるため、それだけで100万円の追加納税が生じます(別途、過少申告加算税などの罰金がかかります)。

また、給与であれば源泉所得税をとらないといけませんから源泉所得税の納付を行い、かつ、不納付加算税といった罰金、社会保険料の支払いなども行わなければなりません。

さらに、その外注先から源泉所得税を今更とれるのか?といった問題もあるため、自分で負担しないといけなくなることも少なくありません。

給与なのか外注費なのかといった問題が一度争点になってしまうと、調査官との交渉は厳しい場合が多いです。

そのため、常日頃からちゃんと雇用契約を締結して雇用として整理しておいたり、本当に外注なら外注費と認めてもらえるような資料や実績を整理しておく必要があります。

税務調査において、外注費となるか給与となるかだけでも追加納税の金額に大きな影響を及ぼします。

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