秋田市で初めて税理士へ依頼するときは、帳簿を完成させてから相談する必要はありません。まず、事業の内容、決算月、申告の状況、記帳が終わっている月、手元の資料を伝えます。その情報を基に、依頼する仕事と開始時期、追加で必要な資料を確認していくと、契約後の行き違いを減らせます。

ただし、何も確認せず領収書だけ渡せば、すべての手続きが自動で終わるわけではありません。会社側に残る確認や承認もあります。この記事は、初めて顧問税理士を探す法人経営者を中心に、最初の問い合わせから初月の引継ぎまでを具体的に説明します。個人事業では申告書や届出の種類が異なるため、その点を分けて確認してください。

最初の問い合わせでは、6項目を分かる範囲で伝える

問い合わせ前に長い事業計画書を作る必要はありません。次の項目を一枚のメモにすると、相談の目的と急ぐ仕事が伝わります。正確な金額が分からない場合は、概算か未確認かを明記します。

伝えること 記入例 確認に役立つ理由
事業形態・内容 株式会社。設備工事を受託 取引と必要資料を把握する
設立日・決算月 設立2年目、3月決算 申告までの残り期間を確認する
事業規模 年商約3,000万円、従業員3人 会計入力や給与関係の作業量を考える
これまでの処理 9月まで入力済み、10月以降は未入力 引き継ぐ月と遡って処理する範囲を決める
申告・届出の状態 前期申告済み、消費税の届出は確認中 過去の申告と今後の判断をつなげる
今回任せたいこと 会計入力、決算申告、定期的な相談 見積りと業務範囲を具体化する

「何から話せばよいか分からない」ときは、今止まっている作業を一つ挙げてください。例えば「本業が忙しく3か月分の入力ができていない」「法人を作ったが届出が済んでいるか不安」といった伝え方でも、確認を始められます。

税務署から届いた通知や、提出・納付が必要と思われる書類がある場合は、その名称と記載された期限も伝えます。通知があることを伏せたまま通常の顧問契約だけを相談すると、急ぐ手続きの把握が遅れてしまいます。

相談前の資料は「会社の基本」「前期」「今期」に分ける

初回相談で、次の資料をすべて必須とするわけではありません。手元にあるものを持参し、ないものは不足欄に残します。事務所から案内があるまでは、登記事項証明書などを一律に取り直す必要もありません。

会社の基本が分かる資料

会社名、所在地、代表者、設立日、決算月などを確認できる資料と、定款、事業内容の説明資料があれば用意します。許認可が必要な事業では、その事業の種類や取得状況も分かるようにしてください。

店舗名と法人名が違う、複数店舗がある、別会社も経営している場合は、その関係をメモします。どの会社の売上や支払いかが分からない状態を避けるためです。

前期の決算・申告が分かる資料

既に事業年度を終えている会社は、前期の決算書、法人税・地方税・消費税などの申告書一式、電子申告の受付結果を探します。申告書の表紙だけでは、計算の内訳や届出の状態まで確認できないことがあります。

固定資産台帳、勘定科目の内訳、借入金の返済予定表なども引継ぎに役立ちます。過年度の資料が別の税理士や社内担当者の手元にある場合は、誰が保管しているかを先に整理してください。

今期の取引が分かる資料

今期の通帳や入出金明細、売上請求書、仕入・経費の請求書、領収書、カード明細、給与関係資料を、処理済みと未処理に分けます。会計ソフトを使っている場合は、ソフト名、入力済みの最終月、出力できる帳票を伝えます。

「入力済み」は、残高や取引内容まで確認済みという意味ではありません。自動取込だけ済んだ状態、仮の勘定科目で登録した状態、不明取引を残している状態は、そのまま伝えて構いません。

資料別チェックリスト|何を、どの範囲で用意するか

資料 用意する際の確認 不足時の伝え方
通帳・入出金明細 会社の全口座と対象期間。ページの抜け、口座の追加・解約 「A銀行の4〜6月分が未取得」
売上資料 請求書、売上台帳、決済会社の明細。入金済み・未入金の区別 「現金売上の集計方法が未確定」
仕入・外注・経費資料 請求書、領収書、支払内容。未払分の有無 「外注先Bの請求書を確認中」
カード資料 利用明細と引落口座。私用混在、返金の有無 「明細はあるが用途不明が3件」
給与関係 人数、役員・従業員の区別、支給日、現行の計算担当 「給与台帳は担当者が保管」
借入・リース 契約書、返済予定、残高、対象資産 「契約書はあるが予定表がない」
在庫・固定資産 棚卸表、購入資料、廃棄・売却の記録 「在庫数は把握しているが一覧未作成」
税務届出・通知 提出した書類と受付結果。通知書の対象年分・期限 「提出したか分からない」

通帳の摘要だけで取引の内容を判断できないことがあります。同じ振込先でも、仕入代金、借入返済、保証金など内容が違えば、確認する資料も変わります。振込額と請求額が異なる場合は、手数料、相殺、前払など、分かる理由を付記してください。

現金売上がある店舗は、レジ集計と銀行への入金額が一致しないこともあります。手元に残した現金や現金で支払った経費も含めて説明できるよう、現在の管理方法を伝えます。違いを消すために架空の経費を入力する必要はありません。

帳簿や領収書が整理できていない場合の進め方

未整理のときは、最初から勘定科目ごとに分類するより、対象月と取引の種類が分かる状態にします。紙と電子データが混在している場合も、どちらに何があるかを一緒に伝えましょう。

  1. 処理済みの最終月をメモする。
  2. 通帳、売上、仕入・経費、カード、給与などの資料の所在を確認する。
  3. 未取得、不明、確認中を一覧にする。
  4. 同じ資料を紙と電子で渡す場合は、重複と分かるようにする。
  5. 実際の提出形式と、どこまで整理を依頼するかを相談する。

メールで受け取った請求書などは、印刷物だけを残して電子データを削除しないでください。電子取引の保存方法は、会計入力のための資料提出とは別に確認が必要です。税理士へデータを渡したことだけで、自社の保存対応がすべて完了したとは考えないようにします。

領収書が見当たらない取引は、支払日、金額、相手先、目的、代わりに確認できる明細を一覧にします。銀行やカードの記録があれば何でも経費になる、領収書がなければ必ず経費にならない、と一律に決めず、取引の実態と証拠を確認します。

契約前には「税理士に任せる作業」と「会社に残る作業」を決める

顧問契約という名前が同じでも、会計入力を含むのか、給与計算は別か、日常の支払いまで依頼するのかで仕事は変わります。「経理を丸投げしたい」という希望を、個々の作業に分けて確認しましょう。

作業 相談・契約で確認すること 会社側で必要になること
会計入力 対象期間、取引量、資料整理の範囲 資料の提出、取引内容の回答
請求・入金確認 請求書発行、入金消込まで含むか 取引条件、請求内容、未回収先の状況確認
振込・支払い 記帳だけか、支払関連の業務も依頼するか 支払の最終承認、資金の準備
給与・年末調整 人数、計算・届出等の範囲、追加費用 勤怠、入退社、支給条件の連絡
決算・申告 対象税目、決算整理、説明、申告後の対応 事実確認、内容確認、納税資金の準備
面談・相談 頻度、窓口、相談できる内容 経営上の予定や変更の共有

税理士は、社内で起きた取引や事業の変更を、すべて自動的に知ることはできません。新しい口座、借入れ、大きな設備投資、従業員の入退社などは、資料を渡す時とは別に早めに知らせると、確認を進めやすくなります。

また、会計ソフトへの入力を依頼することと、銀行の振込権限を渡すことは別です。必要な閲覧・提出方法を確認し、最初の問い合わせで暗証番号や認証コードを送ることは避けてください。

初月は、引継ぎの基準日と未処理一覧を決める

初月に起きやすいのが、同じ取引の二重入力と、誰も処理しない空白期間です。「何月分から誰が入力するか」「どこまで残高を合わせているか」を分けて確認します。

例えば、社内で9月まで入力していた会社が10月分から会計入力を依頼する場合でも、9月末の預金・売掛金・買掛金などが確かであるかを確認します。前月末の数字が違っていれば、10月だけ正しく入力しても残高が合わないためです。

引継ぎメモには、基準日、入力担当、対象口座、未入力資料、不明取引、確認する人を記載します。「資料は全部渡した」という言い方より、何が未完了かを共有する方が、その後の質問に対応しやすくなります。

初月に使える未処理一覧の例

確認事項 現在の状態 次の作業
9月末の売掛金 A社の入金が請求額より少ない 会社が相殺・振込手数料の内容を確認する
10月のカード利用 明細取得済み、用途不明が2件 利用者へ内容を聞く
新しい借入れ 入金はあるが契約書が未提出 契約書と返済予定表を用意する
会計入力 10月から事務所へ依頼する予定 会社の自動取込との重複を確認する

これは運用を説明するための見本です。実際の提出日や納品時期は、契約内容、資料の状態、決算までの期間に応じて決めます。一定の日数で必ず引継ぎが終わるという意味ではありません。

費用は、月額と最初の整理作業を分けて確認する

初めて依頼する際の費用は、月額顧問料だけでは判断できません。過去の未入力分、決算・申告、会計入力の取引量、消費税申告、給与関係、資料整理などを分けて見積りを確認します。

年間の確認欄は、「月額×対象月数」「決算・申告」「会計入力の追加」「消費税」「給与・年末調整等」「初期整理」「その他」の形にすると、今回の見積りに何が含まれているかが分かります。同じ作業を二重に足さないことも大切です。

秋田税理士事務所の料金は、事業規模や作業内容などの条件を確認して決めます。Webの標準料金を見ただけで契約金額が確定するわけではありません。料金表を基に、未整理の期間や追加で任せたい業務も含めてご相談ください。

3つの状況別に、相談の優先事項を整理する

設立したばかりで、帳簿がまだない会社

最優先は、設立日、決算月、税務届出の提出状況を確認することです。登記を終えたことと、税務の届出が終わったことは同じではありません。既に依頼した設立支援の範囲や、受け取った書類を確認します。

普通法人の法人設立届出や、設立第1期の青色申告承認申請には、それぞれ期限があります。初回決算の前にまとめて考えるのではなく、提出済みの書類と受付結果を早い段階で共有してください。具体的な届出の手順は、既存の会社設立の必要書類ガイドで確認できます。

本業が忙しく、数か月分の記帳が止まった会社

最後に入力した月と、最後に残高を確認した月を分けます。未入力分の資料がそろっていれば、取引量と不明点を確認して対応範囲を検討できます。資料不足がある場合も、どこが不足しているかを先に共有します。

ご自身で会計ソフトの使い方を一から覚える作業と、事務所に会計入力を依頼する作業を並行して始めると、同じ期間を二重に処理することがあります。相談時に入力の分担を決めてから動くと無駄を減らせます。

決算・申告までの期間が短い会社

通常の資料収集より、期限と処理状況の共有を優先します。申告対象期間、申告済みか、納付予定、帳簿の完成度、必要資料の所在を伝えます。「決算だけ」「申告だけ」と依頼名を決める前に、実際に残っている仕事を確認しましょう。

直前の依頼は、資料の状態や受任体制によって対応できる範囲が変わります。問い合わせた時点で期限内対応が約束されるわけではありません。未整理の事実を隠さず伝えることが、対応可能性と費用を確認する出発点になります。

資料提出の見本|同じ日に発生した取引を混同しない

資料の名前だけでは、どのような説明を添えればよいか分かりにくいものです。次は、初めて会計入力を依頼する会社を想定した仮定例です。実際の提出方法は事務所からの案内に従ってください。

請求額と入金額が違う場合

A社へ11万円を請求し、通帳には10万9,560円の入金があったとします。差額440円が振込手数料なのか、相殺なのか、請求の訂正なのかは、通帳だけでは決められません。請求書と入金の記録に加え、差額について分かっている内容を伝えます。

確認できていなければ「差額440円、理由未確認」と記載します。金額を合わせるためだけに経費を作るのではなく、実際のやり取りを確認する必要があります。小さな差額でも、同じ取引先で毎回発生しているなら、請求や支払いの条件の確認に役立ちます。

カード明細と領収書が両方ある場合

同じ備品の購入について、カード明細、店舗の領収書、銀行のカード引落しが別々に存在することがあります。3つは資料としては必要でも、購入を3回の経費として入力するわけではありません。

カード名、利用日、明細の番号などで関連を確認できると、重複を避けやすくなります。返金やキャンセルがある場合は、購入時の資料と一緒に渡してください。口座から引き落とされた月だけを見て取引月を判断しないことも大切です。

社長が個人のお金で支払った場合

会社の経費を社長の個人カードや現金で立て替えた場合は、支払った人、会社で使った目的、会社から精算済みかを伝えます。会社の銀行口座に動きがないため、通帳だけを提出すると取引が抜けることがあります。

反対に、会社のカードで私的な支出をした場合も、隠さず内容を分けます。会社と個人のお金の動きが混ざっている状態を見直すことは、帳簿を作るだけでなく、今後の資料管理を簡単にすることにつながります。

契約後の進め方は、最初の一巡を見て調整する

最初から細かなルールを増やすより、資料を集めて渡し、不明点を確認し、帳簿の内容を確認する流れを一度通すと、自社に必要な管理が見えてきます。次は運用を組み立てる順序の例で、特定の納期を約束するものではありません。

  1. 開始時:対象月、使用口座、資料の提出者、確認窓口を決める。
  2. 最初の提出:提出資料の一覧と、不足・不明事項を共有する。
  3. 確認:事務所からの質問を社内でまとめ、事実を確認して返答する。
  4. 内容の確認:どこまで反映した数字か、未確定の項目があるかを確認する。
  5. 次回への調整:資料の抜けや二重提出を防ぐため、提出ルールを見直す。

ここで重要なのは、会計処理の専門的な結論を会社だけで考えることではありません。「何を買ったか」「どの仕事の入金か」「支払いが済んだか」という事実を伝える窓口を作ることです。社長しか分からない取引は、確認事項をまとめて回答する方法も相談できます。

面談の頻度と、資料を渡す頻度が同じとは限りません。資料は継続的に渡し、経営の話をまとめてする時期は別に決めるなど、契約内容に合わせて整理します。毎月の訪問や、すべての資料提出の翌日までの処理を一律に想定しないようにしてください。

初回相談のあと、手元に残しておく確認メモ

面談が終わった時点で、次の内容を書き留めておくと、社内で準備を進められます。契約前の確認事項と、契約後に具体化する事項を分けるのがポイントです。

記録欄 残す内容
依頼予定 会計入力、決算、申告、相談などの対象
開始範囲 何期・何月から担当するか、遡る作業があるか
見積り条件 月額、決算、追加業務、資料量等の前提
会社の準備 追加資料、確認する人、次に連絡する事項
連絡・提出方法 窓口、利用する方法、個人情報の渡し方
未決事項 資料を見てから決めること、追加確認が必要なこと

その場で答えが出なかったことがあっても、何を確認すれば決められるかが明確なら、次の作業につなげられます。税理士への依頼は、初回にすべての会計・税務問題を解決することより、継続して確認できる状態を作ることが重要です。

初回面談で確認しておきたい質問

  • 今期は何月から、どの資料を渡せばよいですか。
  • 未処理期間と、これからの月の入力は誰が担当しますか。
  • 給与計算や年末調整は今回の契約に含まれますか。
  • 不明な取引は誰から、どの方法で連絡がありますか。
  • 会社が資料を提出する日と、内容を確認する時期はどう決めますか。
  • 決算・消費税・初期整理など、月額以外の費用は何ですか。
  • 代表者へ確認が必要な事項は、どのようにまとめますか。

質問に答えるために手元の資料を一緒に確認すること自体が、引継ぎの準備になります。分からない言葉はその場で確認し、契約内容を社内で説明できる形にしておきましょう。

初めての税理士依頼でよくある質問

会計ソフトを買ってから相談した方がよいですか。

先にソフトを購入する必要はありません。自社で入力するか、会計入力を事務所へ依頼するかによって必要な環境が変わります。現在利用中のソフトがあれば、そのまま伝えて、引継ぎ方法を確認してください。

資料に不足があっても、面談できますか。

不足の内容を含めてご相談いただけます。ただし、申告や費用の確定には追加資料が必要になることがあります。相談可能であることと、不足資料なしで申告を完了できることは分けて考えます。

経理を任せれば、社長は数字を見なくてよくなりますか。

会計入力の負担は減らせますが、売上や支払いの事実確認、納税資金、経営判断は会社側にも必要です。作業を任せてできた時間を、数字を確認して事業を進める時間に変えることが大切です。

秋田市で初めて税理士へ依頼する方へ

秋田税理士事務所は、領収書や通帳などを基にした会計入力から、決算・申告、継続的な顧問相談に対応しています。現在の資料とお困りごとを伺い、任せたい仕事、社内に残る確認、費用と進め方をご案内します。

「完璧な帳簿を作ってから」と準備を抱え込まず、決算月、入力済みの月、資料の所在を分かる範囲でお知らせください。最初の相談で作業を分けることで、資料の作り直しや二重入力を減らし、本業へ時間を使うための体制を考えられます。

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