売掛金の入金が合わない!手数料・合算入金の確認と仕訳

会計入力から決算申告まで
秋田税理士事務所
代表税理士 坂根崇真
こんなお悩みはありませんか?
請求した金額と入金が少し違う…。何社分も見ているうちに、誰からいくら回収できていないのか分からなくなりました。
請求書と入金を一組ずつ結び付け、差額の理由を確かめましょう。
銀行へ入金されても、どの請求への支払かが分からなければ、未回収の金額をつかめません。毎回残高だけを合わせていると、売掛金の一覧が使いにくくなってしまいます。
秋田税理士事務所では、売上資料や入金明細をもとに、会計入力から決算申告まで支援します。入金が合わず帳簿が止まっているときも、今の資料からご相談ください。
この記事では、手数料・合算入金・過入金の具体例を使い、消込の考え方と、依頼するときの資料を整理します。
この記事の内容を先に見る
入金消込とは?「売上を記録する」との違い
入金消込は、記録した請求に対して、いくら回収できたかを対応させる作業です。売上を記録した後、回収まで追うことで未回収額が分かります。
例えば、商品を引き渡して売上110,000円を計上し、代金は翌月に振り込まれる場合、売上計上時には売掛金が発生します。翌月の入金時は、その売掛金が普通預金に変わります。
入金時にもう一度売上を計上するわけではありません。
| 場面 | 仕訳の例 |
|---|---|
| 売上を計上 | 借方:売掛金110,000円 貸方:売上高110,000円 |
| 翌月に全額入金 | 借方:普通預金110,000円 貸方:売掛金110,000円 |
請求書の発行日が必ず売上計上日になるわけではありません。納品・業務完了、契約条件、適用する会計処理等を確認します。ここでの例は、売上を計上する条件を満たしていることを前提としています。
会計ソフトに請求情報と銀行明細を連携すると便利ですが、両方を新しい売上として登録しないよう注意が必要です。請求側で売掛金を作った場合には、銀行明細側でその請求の回収として登録する流れを確認します。
また、入金には売掛金の回収以外もあります。前受金、借入金、役員からの資金、別の自社口座からの振替などを区別してください。振込名義が取引先名と似ていることだけで、売掛金を消す根拠にはなりません。
請求と入金を結ぶ一覧を作ろう
取引先の名前だけでなく、請求番号や対象期間まで並べると、同じ金額の請求も区別しやすくなります。まずは次の項目をそろえてみましょう。
会計ソフトに同じ機能があれば、別の表へ二重入力する必要はありません。大切なのは、一件の請求から証拠資料へ戻れ、入金後の残額を確認できることです。紙の一覧を使う場合も、処理した人と確認日が分かるようにします。
| 確認する欄 | 記録する内容 |
|---|---|
| 請求の識別 | 取引先・請求番号・請求日・取引の対象期間 |
| 回収予定 | 請求額・支払期日・合意した支払方法 |
| 実際の入金 | 口座・入金日・振込名義・入金額 |
| 差額の理由 | 値引き・返品・過入金・未確認などの内容と根拠資料 |
| 残っている金額 | 未回収額・確認担当者・次に確認する日 |
「いつもの会社だから、だいたいこの請求」と推測で処理すると、後で別の請求への入金だったと分かった際に、複数月を直すことになります。同額の請求が続く会社では、金額だけでなく請求番号や支払通知も確認してください。
取引先の支払通知書がある場合は、銀行明細と組み合わせると、何をまとめて支払ったかを確認しやすくなります。通知額と実際の着金が違うときは、その差も確認してから登録します。
数百円の差額、振込手数料として消していい?
数百円の差でも、最初に理由を確かめましょう。差引きに法律上・契約上の問題がないかを確認してから、取引内容に合う処理を行います。
先に、差引きの理由と負担の可否を確かめる
請求110,000円に対して109,560円が入金されたからといって、差額440円が必ず振込手数料とは限りません。取引先の計算違い、値引き、別の請求の相殺等の可能性があります。
契約・支払通知・取引先との確認内容を残します。
振込手数料を受注者に負担させてよいかと、その差額をどう経理するかは別の問題です。
取適法の適用対象となる取引では、当事者の合意があっても、振込手数料を中小受託事業者へ負担させ、代金から差し引くことは禁止されています。
2026年1月1日以降の発注に係る取適法対象取引では、この点を確認する必要があります。
したがって、差額を帳簿から消す前に、取引内容、発注時期、当事者の規模等の適用条件を確認します。取適法の対象外でも、別の法令上の問題がないかは取引条件に応じて確認してください。
「相手が差し引いたから、今後も必ず同じ処理」とはしません。
売上値引きとして処理する仮定例
以下は、差引きの法的・契約上の問題がないことを確認した取引で、売手負担の440円を売上値引きとして扱う場合の例です。取適法等により差引きが禁止される取引へ当てはめるものではありません。
| 内容 | 仕訳の例 |
|---|---|
| 請求110,000円に対し109,560円入金、440円を売上値引き | 借方:普通預金109,560円 借方:売上値引440円 貸方:売掛金110,000円 |
会計ソフトによっては、売上値引専用の科目を使う代わりに売上高の減額として記録する運用もあります。科目名だけで消費税の扱いを決めず、取引内容と採用する経理方法をそろえます。
適格請求書発行事業者が売上値引き等を行う場合、原則として返還インボイスの交付が必要ですが、その対価の返還等の税込金額が1万円未満である場合などは交付義務が免除されます。
交付が不要でも、値引きの内容や金額を記録しなくてよいわけではありません。
売上値引きに適用する消費税率は、元の売上取引に対応する税率で確認します。また、買手による手数料の立替として扱う場合などは、必要な資料や消費税処理が異なります。
差額を全て一つの科目へ自動登録せず、当事務所へ取引資料と現在の登録方法をお知らせください。
合算・分割・過入金|よく迷う4つの例
一回の入金が一枚の請求書に対応するとは限りません。次の仮定例で、どの請求をいくら消すかを見ていきましょう。
二枚の請求書へ、一回で入金された
A社への請求が110,000円と55,000円の二件あり、165,000円がまとめて入金されたとします。
支払通知等で二件分の回収と確認できれば、普通預金165,000円を計上し、対応する二件の売掛金を合計165,000円減らします。
会計ソフトで一件目だけを「入金済み」にして残りを放置すると、銀行残高は合っても、請求一覧には55,000円の未回収が残ることがあります。総勘定元帳の数字と、請求管理画面の消込状態を両方確認してください。
請求の一部だけが入金された
請求220,000円に対して100,000円のみ入金された場合、確認できた入金100,000円を売掛金から減らし、残額120,000円は引き続き管理します。残額を値引きと判断するには、別途その根拠が必要です。
分割払いの約束なのか、資金不足による遅延なのか、請求内容に争いがあるのかを確認します。合意した分割予定があるなら、残額の支払日と毎回の回収を記録します。
口頭のやり取りも、確認した日と内容を社内で共有してください。
請求額より多く入金された
請求110,000円に対し120,000円が入金された場合、余分な10,000円を直ちに売上へ加算しません。別の請求分、翌月分の前払い、単純な振込間違いなどを確認します。
返金すべき過入金と確認できた場合の例は次のとおりです。
| 場面 | 仕訳の例 |
|---|---|
| 120,000円を受領 | 借方:普通預金120,000円 貸方:売掛金110,000円 貸方:仮受金10,000円 |
| 過入金10,000円を返金 | 借方:仮受金10,000円 貸方:普通預金10,000円 |
仮受金は確認を終えるまでの管理に使う科目であり、理由を調べず何年も放置する場所ではありません。翌月分へ充当する合意ができた場合は、その内容に応じて前受金等との関係を整理します。
返金の際は、元の入金と返金先の関係を確認し、社内承認を経て進めます。
同じ請求に二回入金された
二回目の入金を別の請求へ無理に当てる前に、重複払いかを確かめます。取引先が複数部署から支払っていたり、請求書を再送した際に別請求と認識したりしている場合もあります。
元の請求番号、二回の入金日、確認内容、返金または充当の結果を一組にして残します。
値引き・返品・相殺は、合意の記録も確認する
請求と入金の差には、値引きや返品、相手への支払との相殺などもあります。入金額だけで判断せず、相手と確認した内容を資料で残しましょう。
取引先が「返品分を引いた」と連絡してきた場合は、返品した商品、数量、金額、受領や合意の状況を確認します。担当者間で合意していても、経理へ伝わっていなければ未回収として残ります。
反対に、合意がないのに取引先が一方的に減額した場合は、通常の値引きと同じように消さないでください。
売上値引きや返品に伴って売掛金が減る場合、消費税の調整や返還インボイスの確認が必要になることがあります。元の売上が課税取引か、どの課税期間の取引か、どの税率に対応するかを確認します。
請求書の金額を過去に戻って上書きするだけでは、変更の経緯が分からなくなります。
同じ相手に買掛金もあり、売掛金と相殺する場合には、相殺の対象と日付、双方で確認した金額を残します。
売掛金100,000円と買掛金30,000円を適切に相殺するなら、買掛金30,000円を減らすと同時に売掛金30,000円を減らし、残る売掛金70,000円を管理する、というつながりになります。
相手が同じというだけで勝手に相殺したり、別法人との債権債務をまとめたりしないようにしてください。入金と異なり銀行明細だけでは確認できないため、相殺通知や合意の記録が照合資料になります。
月末の売掛金残高は、この計算でつながる
月末に残る売掛金を、前月末・今月の売上・回収・値引きへ分けて見てみましょう。内訳が分かると、未回収額を説明しやすくなります。
売掛金残高は、取引先別の一覧と会計ソフトの両方で確認します。次は、ある会社の一か月の全取引を単純化した仮定例です。
銀行入金には過入金10,000円が含まれるため、その全額を売掛金の回収にしない点に注目してください。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月初の売掛金 | 330,000円 |
| 当月に新しく発生した売掛金 | 550,000円 |
| 売掛金の回収として確認できた入金 | 659,560円 |
| 適切に確認した売上値引き | 440円 |
| 月末の売掛金 | 220,000円 |
計算は、330,000円+550,000円-659,560円-440円=220,000円です。
銀行の入金合計が669,560円であっても、うち10,000円が過入金なら、売掛金の回収は659,560円となります。過入金10,000円は別に管理します。
この220,000円が取引先別一覧の合計と一致するかを確認し、各残高に対応する請求書を確認します。合計が合っていても、A社へ付けるべき入金をB社へ付けていたら、取引先別の未回収情報は誤ったままです。
月末残高をさらに、支払期日前、期日経過、内容確認中へ分けると、社長が優先して確認すべきものが分かります。毎月同じ金額が残る請求は、単なる消込み漏れなのか、実際に未回収なのかを調べてください。
残高が合わないときは、この順番で調べる
最初から全期間の入金を調べ直すより、最後に一致していた月を出発点にするほうが範囲を絞れます。次の項目を順に確認してください。
最後に一致した月まで戻る
今月の一覧だけで原因が見つからなければ、前月末残高が正しかったかを確認します。過去からの差額に今月の取引が重なると、手掛かりが増えて調べにくくなります。最後に一致した月を決め、その翌月から増減を順に追います。
取消し・再発行・データ連携の重複を確認する
請求書を作り直した際に元の請求が残っていないか、紙と電子の同じ請求を二件として入力していないかを確認します。銀行明細の自動連携を始めた月は、先に手入力した入金と重複していないかも確認してください。
単に一方を削除する前に、その登録がどの請求へ紐付いているかを確かめます。二重登録を直したつもりで、本来必要な売上や入金の記録まで消すと、別の残高が崩れます。元データと訂正した内容を追える状態にして進めます。
口座・振込名義・取引先の対応を確認する
旧口座に入金されていた、店舗名と法人名が違った、親会社がまとめて支払った、といった事情がないかを調べます。入金者を見つけるためには、銀行明細だけでなく、社内の営業担当者や支払通知にある情報も役立ちます。
振込名義の対応表を作る場合も、裏付けを取ってから登録します。一度確認した名義を使い回せる場合でも、別会社・同名の個人の入金を取り違えていないか、初回や金額が大きく変わったときは再確認してください。
理由不明の残額を、勝手に貸倒れへ振り替えない
長期間残っているからといって、その全額を自動的に貸倒損失にできるわけではありません。入金済みの処理漏れ、連絡未了、契約内容の争いなど、事実を分けます。
税務上の貸倒処理には要件があるため、経緯と資料をそろえてご相談ください。
入金確認をためないために決めておきたいこと
入金を見る人、差額を確認する人、取引先へ連絡する人を決めておきましょう。役割が分かると、不明な入金を置いたままにしにくくなります。
消込作業を月末にまとめるだけだと、支払期日を過ぎた請求の発見も遅れます。取引件数に応じて、銀行明細を確認する日と、未回収一覧を社長へ渡す日を決めます。
これは運用例であり、全社共通の回数や日程があるわけではありません。
- 請求番号を重複させず、訂正・取消しの履歴を残す
- 取引先ごとの支払期日、振込名義、支払通知の受取先を管理する
- 値引きや返品の合意を経理担当者へ伝える窓口を決める
- 過入金の返金や相殺には、確認と承認の手順を設ける
- 未回収を誰が取引先へ確認し、いつ結果を共有するかを決める
「支払期日を過ぎている」と分かった後、相手に連絡することと、帳簿に正しく記録することは役割が違います。記帳代行を依頼したから、取引先への督促まで当然に実施されるとは考えず、会社側の担当を決めてください。
残高が確認できたら、資金繰り表には実際に見込める入金日を反映します。帳簿に売掛金があることと、明日の支払いに使えることは同じではありません。
資金の備えについては、利益と資金繰りを分けて考えるガイドもご参考ください。
税理士に依頼するときは、まずこの資料から
請求書と銀行の入金明細を、同じ期間でそろえてください。いま使っている売掛金一覧があれば、分からない残高がある状態のままお見せいただけます。
売掛金の整理をご相談いただく際には、直近の残高一覧だけでなく、差額が生じ始めた時期の資料があると確認しやすくなります。分からない欄は空欄のまま、不明であることをお伝えください。
帳簿をきれいに見せるために差額を消してから提出する必要はありません。
- 取引先別・請求別の売掛金一覧と、直近の総勘定元帳
- 請求書、納品・業務完了を確認できる資料
- 対象期間の全入金口座の明細、取引先の支払通知
- 値引き・返品・相殺・返金の合意や計算の記録
- 未回収について連絡した日、相手の回答、次の入金予定
- 会計ソフト名、連携しているサービス、最後に残高が一致した月
秋田税理士事務所では、顧問契約での記帳代行・試算表作成・決算申告を通じて、資料と帳簿をつなぐ経理を支援します。
社長や担当者には、何の取引か、なぜ値引きしたか等の説明をお願いし、会計入力の判断を抱え込む負担を減らします。
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経理に追われる時間を、本業へ|秋田税理士事務所に任せられること
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| 会計入力の区分 | ご案内している料金(税別) |
|---|---|
| 年間500仕訳分 | 顧問料金に含む(上記の資料条件) |
| 追加の100仕訳 | 12,000円 |
| ファイル整理がない追加の100仕訳 | 15,000円 |
資料の量や過去分の整理状況を伺い、顧問料・決算料と、必要な追加作業の費用をご案内します。担当者との打ち合わせは3か月に1度のご案内です。
詳しい条件と顧問料金は、秋田税理士事務所の料金表をご確認ください。秋田市の税務顧問・経理代行サービスでも、任せられる仕事をご紹介しています。
ご相談をお受けする秋田税理士事務所
若い代表税理士が経営する、秋田市の税理士事務所です。代表の坂根崇真はDeloitte出身。スタッフとともに、創業期の会計入力から会社経営を支援しています。
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- 取引先別の請求・売掛金一覧
- 入金口座の明細と支払通知
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足りない資料があれば、何が必要かを整理します。相談前に全部の仕訳を直すより、今どこで困っているかを、そのままお知らせください。
売掛金の入金消込についてよくあるご質問
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最後の決算書、取引先別元帳、請求書、入金明細から、分かる部分と不明な部分を分けます。過去のファイルやメールを消さずに残してお知らせください。
担当変更時の資料整理は、経理担当者の退職・引継ぎガイドもご参考ください。
