現金出納帳が合わない!原因の探し方と税理士への頼み方

会計入力から決算申告まで
秋田税理士事務所
代表税理士 坂根崇真
こんなお悩みはありませんか?
金庫のお金と帳簿が、また合わない…。領収書を探しているうちに、本業の仕事が後回しになってしまう。
現金の差額が残っていても、ご相談いただけます。
まずは「今、手元にいくらあるか」と「最後に合っていたのはいつか」を押さえましょう。そこから入出金を追うと、確認する範囲を絞れます。
ただ、毎月同じ作業を社長が繰り返しているなら、記帳の進め方から見直す時期です。秋田税理士事務所では、資料の渡し方を整え、会計入力から決算申告までお手伝いします。
この記事では、すぐ確認できる原因と仕訳例、そして「どこから税理士に任せられるか」を具体的にご紹介します。
この記事の内容を先に見る
まずは現金を数える|日付だけでなく「時刻」もそろえよう
現金を数えた時点と、帳簿の締切が違うだけでも差額は出ます。最初に、比べる範囲をそろえましょう。
金庫の現金、事務担当者の小口現金、店舗の釣銭など、保管場所が複数ある場合はどこまでを一つの帳簿で管理しているかを確認してください。別の場所の現金が漏れているだけで、不足に見えることがあります。
数える際は、紙幣・硬貨の種類ごとに枚数と金額を記録します。合計だけのメモより、数え間違いを再確認しやすくなります。担当者が一人で数えた後、可能であれば別の人が確認し、数えた日時と担当者を残します。
| 確認項目 | そろえる内容 |
|---|---|
| 時点 | 例:月末営業終了後。実査後の入出金を混ぜない |
| 場所 | 金庫、小口現金箱、店舗の釣銭など、対象の保管場所 |
| 帳簿の範囲 | どの日まで、どの拠点まで入力済みか |
| 別管理のもの | 個人の財布、預金、電子マネー残高等を現金と混同しない |
例えば、現金を夕方に数えた後で、従業員へ交通費を精算していたとします。帳簿は精算後、現金実査表は精算前で比べれば、正しい記帳でも差が出ます。
「何月何日の残高」という日付だけでなく、その日のどの取引まで含んでいるかをそろえる必要があります。
また、金庫に領収書や未精算のメモが入っていても、それは現金そのものではありません。紙幣・硬貨の残高と、支払済みの証拠書類を分けて数えます。電子マネーやカード決済も、それぞれの入出金として管理しましょう。
原因探しは「最後に合っていた日」から始める
月末の差額だけを見続けても、なかなか原因は見つかりません。最後に一致した日へ戻り、そこから一日ずつ追うと調べやすくなります。
基本となる式は、前日の現金残高+当日の入金-当日の出金=当日の現金残高です。
最初に、現金出納帳の繰越額・集計式・入力済み期間を確認します。表計算ファイルでは行を追加した際に合計範囲から外れていることがあり、会計ソフトでは別の補助科目や拠点へ入力されていることもあります。
記帳済みのはずなのに一覧に表示されない場合は、検索条件も確認してください。
- 実際の現金額と、同じ時点の帳簿残高を記録する。
- 最後に一致していた日と、その日の残高を確認する。
- 以後の入金を、売上記録・銀行引出し・返金等と照合する。
- 出金を、領収書・精算書・銀行預入れ等と照合する。
- 金額が一致した取引と、不明な取引を分けて残す。
- 原因が判明した内容を訂正し、訂正後に再度残高を確認する。
差額と同じ金額の領収書が見つかったら、すぐに原因と決めつけず、実際の支払者と記帳状況を確認します。同額の別取引がある場合や、入出金の誤りが相殺されて差額が小さく見える場合もあるためです。
現金が多い日と少ない日を月末だけで相殺してしまうと、どこで誤ったかが追いにくくなります。
現金が合わないときに見直したい4つのパターン
特に見直したいのは、お金を動かした記録と、支払方法の取り違えです。領収書の日付と金額だけでなく、誰のお金で払ったかを確かめます。
銀行から引き出したお金を、現金へ入れ忘れている
会社の銀行口座から小口現金用に5万円を引き出した場合、預金が減る一方で会社の現金は増えます。引出しを経費として処理したり、預金側だけ登録して現金への振替を忘れたりすると、残高がずれます。
逆に、現金を銀行へ預け入れた場合は、現金が減り預金が増えます。銀行への預入れを新たな売上として登録しないようにしましょう。既に現金売上を計上しているなら、預入れで売上をもう一度計上すると二重になります。
社長・従業員の立替を、会社の現金支払にしている
会社の備品を社長個人の財布で購入した日に、会社の現金が減ったわけではありません。購入時は会社が社長へ返す債務を記録し、実際に会社から精算した日に会社の現金が減ります。
領収書の日付だけで会社の現金出納帳へ支出を入れると、実際の現金より帳簿残高が少なくなります。
従業員が立て替えた交通費も同様です。立替日、精算の申請日、会社が支払った日を区別します。現金で精算する運用なのか、給与とは区別して振込精算する運用なのかも確認しましょう。
カード払い・口座振替の領収書を現金払いにしている
領収書やレシートがあるから現金払いとは限りません。法人カード、個人カード、電子マネー、銀行振込などの支払方法を確認します。
銀行・カード連携を使いながらレシートも入力すると、同じ支出を現金とカードの両方で計上してしまうことがあります。
入力する前に「会社の現金が実際に動いた取引か」を確認するだけでも、多くの重複を防げます。書類の受取り方に課題がある方は、領収書の整理と管理方法もご参考ください。
売上の取消し・返金・釣銭の記録が抜けている
現金売上のある事業では、売上額だけでなく返品による返金、取消し、釣銭の補充・回収も確認します。レジの売上合計と手元現金がそのまま一致するとは限りません。
カード・電子決済分を含む売上合計を現金入金へ登録していないかも確認が必要です。
現金管理の帳簿に求められるのは、実際の現金の動きです。売上の管理資料とは役割を分け、現金で受け取った額、現金で返した額、銀行へ移した額がつながるようにします。
現金がマイナスになったら、架空の入金で埋めない
会社の現金は、手元にある額を超えて支払えません。帳簿がマイナスなら、実際のお金の動きと入力内容がどこかで食い違っています。
帳簿上の現金がマイナスなら、入金漏れ、支払方法の取り違え、日付の誤り、繰越残高の誤りなどを調べる必要があります。マイナスを消すためだけに社長からの入金を作るのは適切ではありません。
例えば、実際には社長が個人カードで10万円を立て替えたのに、会社の現金で払ったと入力していた場合です。
この誤りを直すべきなのに、さらに「社長から現金10万円を借りた」という架空の入金を追加すると、会社に入っていない現金と借入金を作ることになります。
法人の役員借入金は、実際に役員が会社へ貸したお金や未精算の立替などの根拠がある場合に使います。個人事業の事業主借も、事業主が事業へ入れた資金等の実態を確認して処理します。
法人と個人事業では使う科目も違うため、両者を混同しないようにしてください。
現金がマイナスの期間を特定し、その前後の入出金と領収書の支払方法を見直します。月末はプラスへ戻っているから問題ないとせず、途中の残高が不自然な日を確認すると、誤った日付や立替処理に気付けることがあります。
仕訳例|足りない1,100円・多い2,000円をどう処理する?
原因不明の差額を、一時的に「現金過不足」で管理する方法があります。原因が分かったら本来の科目へ直すところまでを、一組の作業として考えます。
ただし、原因を調べなくてよいという意味ではありません。金額、判明日、確認した内容、未解決の理由を記録し、後から元の取引へつなげられるようにします。
以下は仕訳の考え方を説明する仮定の例です。実際の顧客事例ではありません。税込経理の単純な例とし、個別取引の消費税区分は省略しています。
例1:帳簿5万円に対し、実際の現金が4万8,900円だった
帳簿より実際の現金が1,100円少ない状態です。数え直しと当日の資料確認を行っても原因が未確定のため、一時的に現金過不足を使う場合は、次のように現金残高を実際の額へ合わせます。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金過不足 1,100円 | 現金 1,100円 |
後日、会社の消耗品1,100円を現金で買い、領収書の提出と記帳が漏れていたと確認できた場合は、仮置きした現金過不足を本来の費用へ振り替えます。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 消耗品費 1,100円 | 現金過不足 1,100円 |
このとき、もう一度「消耗品費/現金」を追加すると、現金を二度減らしてしまいます。仮置きの仕訳と後日の原因解明を一組で管理することが大切です。
原因が最初から分かっていれば、現金過不足を経由せず本来の取引を正しく記帳します。
例2:帳簿2万円に対し、実際の現金が2万2,000円だった
帳簿より実際の現金が2,000円多く、原因不明のため一時的に現金過不足を使う例です。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 2,000円 | 現金過不足 2,000円 |
後日、売掛金2,000円を現金で回収した記帳が漏れていたと確認できたなら、「現金過不足2,000円/売掛金2,000円」へ振り替えます。
現金が多いからといって、必ず新たな売上が発生しているわけではないことが分かります。
決算まで原因が分からない差額を、自動的に経費にしない
原因不明の現金過不足を決算時に雑損失・雑収入等へ整理する会計処理もありますが、実態や調査状況を確認する必要があります。
差額が大きい、毎月続く、過去から積み上がっている場合には、一括で処理して終わりにしないでください。
また、現金不足というだけで、消費税の仕入税額控除の対象となる支出を確認できたことにはなりません。原因が経費の記帳漏れと分かった場合には、その取引内容と保存資料に基づいて税区分も確認します。
会計ソフトの科目に初期設定された税区分を、そのまま当てはめないようにしましょう。
小口現金は「使える額・精算日・担当者」を決めよう
小口現金は、少額の支払に使うお金を、会社のほかの資金と分けて管理する方法です。手元に置く額と補充の流れを決めると、日々の確認を続けやすくなります。
例えば手元に置く基準額を3万円とし、使った分を確認して補充する運用です。これは管理方法の例であり、会社に適した額は支払の頻度と必要額に応じて決めます。
仮に3万円から8,000円を支払い、残りが2万2,000円で、8,000円分の支払証拠がそろっている場合です。
担当者は現金2万2,000円と支払済み8,000円の対応を確認し、承認を受けて8,000円を補充します。現金の実査額はあくまで2万2,000円であり、領収書を現金に含めて数えるのではありません。
| 決めておくこと | 運用例 |
|---|---|
| 使える支出 | 少額の備品・交通費など、会社で認める範囲を明確にする |
| 現金の担当者 | 保管と出納の担当を決め、持出しの記録を残す |
| 精算と承認 | 領収書・用途・受領者を確認し、承認後に精算する |
| 確認日 | 取引日の残高確認に加え、月末・担当交代時にも実査する |
担当者へ渡した補充金、担当者が使った経費、担当者から返された残金を、それぞれ記録します。補充金をそのまま経費にし、さらに領収書も経費として入力すると二重になります。
現金の受渡しを管理する記録と、費用を記帳する資料の関係を決めておきましょう。
少人数の会社で担当を完全に分けるのが難しい場合でも、社長が定期的に現金残高と資料を確認する、出金の承認を残す、担当者不在時の持出しを記録する、といった方法は取れます。
複雑な書式を増やすより、実際に続けられる確認方法を選ぶことが大切です。
税理士への依頼で用意したい6つの資料
最初から完璧な資料一式を作る必要はありません。どの資料があり、何がまだ分からないかを、そのままお知らせください。
現金出納帳だけを受け取っても、実際の現金を数えた結果がなければ一致しているかは分かりません。記帳を依頼する場合も、社内で現金を数えることと、支払の事実を確認することは必要です。
その結果を当事務所へお渡しいただくと、帳簿と資料の照合を進めやすくなります。
| 用意する資料 | 確認できること |
|---|---|
| 現金出納帳・現金元帳 | 日付、相手先、用途、入出金、日々の残高 |
| 現金実査表 | 保管場所別の現金額、実査日時、担当者 |
| 領収書・請求書・精算書 | 支出内容、実際の支払方法、誰に精算したか |
| 売上・回収の記録 | 現金売上、売掛金回収、返金や取消しの内容 |
| 通帳・銀行取引明細 | 現金への引出し、銀行への預入れとの対応 |
| 未解決一覧 | 差額の発生日、確認済み事項、足りない資料、確認担当 |
資料の番号を出納帳の摘要欄と対応させると、どの領収書を確認すればよいかが分かります。日付順に並べるだけでなく、現金・カード・振込・立替の区分が分かるようにしてください。
同じ資料を複数の方法で渡すときは、重複であることを明記します。
法人税法上の帳簿書類は、原則7年間、一定の欠損金等がある事業年度では10年間などの保存が必要です。電子取引で受領したデータについても、それぞれの保存要件を確認します。
帳簿を作ったから元の領収書は不要、紙へ印刷したから電子データは不要、と判断せず、資料の受取り方に合わせて保存しましょう。
前任者の退職・昔からの差額はどうする?
担当交代のときは、引継日の現金を一緒に数えるところから始めましょう。帳簿の数字と、実際に渡した現金の両方を記録しておくと、確認の区切りができます。
現金担当者が交代するときは、引継日現在の現金を一緒に数え、帳簿残高、未精算の立替、仮払金、まだ提出されていない領収書を確認します。
「金庫の鍵を渡した」「Excelを渡した」だけでは、誰の時点まで確認が終わっているか分からなくなります。
長期間実査していなかった場合には、まず現在の実際残高を記録し、過去のどの時点まで根拠を遡れるかを確認します。
前年度の決算残高と当期の取引を分けて調べ、過去の売上・費用に影響する誤りが判明したら、申告への影響も検討します。過去の誤りをすべて今期の雑費に振り替えることは避けてください。
調査中の差額がある状態でも、今後の管理を始めることはできます。過去の未解決分を一覧で残したうえで、新しい入出金を日々記録し、現在の実査結果と照合します。
過去分が片付くまで記帳を止めるより、問題が増えるのを防ぎながら整理を進められます。
経理担当者の退職などで日常業務の引継ぎも必要な場合は、経理業務を外部へ任せる際の準備と依頼範囲もご確認ください。
経理に追われる時間を、本業へ|秋田税理士事務所に任せられること
会社を経営しながら、勘定科目や決算のルールまで一人で調べ続けるのは大変です。
秋田税理士事務所は、会計ソフトへの入力から代行します。領収書を指定ファイルへまとめていただき、試算表作成・決算申告へつなげます。
会社で数えた現金残高と領収書・通帳をもとに、会計入力や帳簿の確認を進めます。仕訳を一件ずつ調べる作業から、当事務所へご依頼いただけます。
会社でお願いしたいこと
取引の用途や支払者をお知らせいただき、領収書・通帳などの資料をお渡しください。
当事務所に任せること
会計入力・試算表作成・決算申告を支援します。毎回の仕訳を調べる負担を減らせます。
会計入力は年間500仕訳を顧問料金に含みます
料金のご案内では、通帳1冊・領収書250枚を前提とする年間500仕訳分の会計入力が顧問料金に含まれています。
| 会計入力の区分 | ご案内している料金(税別) |
|---|---|
| 年間500仕訳分 | 顧問料金に含む(上記の資料条件) |
| 追加の100仕訳 | 12,000円 |
| ファイル整理がない追加の100仕訳 | 15,000円 |
資料の量や過去分の整理状況を伺い、顧問料・決算料と、必要な追加作業の費用をご案内します。担当者との打ち合わせは3か月に1度のご案内です。
詳しい条件と顧問料金は、秋田税理士事務所の料金表をご確認ください。秋田市の税務顧問・経理代行サービスでも、任せられる仕事をご紹介しています。
ご相談をお受けする秋田税理士事務所
若い代表税理士が経営する、秋田市の税理士事務所です。代表の坂根崇真はDeloitte出身。スタッフとともに、創業期の会計入力から会社経営を支援しています。
お問い合わせのときは、今分かることだけで大丈夫です
- 合わなくなった現金出納帳
- 今ある現金を数えたメモ
- 領収書・通帳・立替の記録
足りない資料があれば、何が必要かを整理します。相談前に全部の仕訳を直すより、今どこで困っているかを、そのままお知らせください。
