最終更新日:2026年9月14日

会社で年末調整を受けた方でも、副業、転職、医療費、住宅購入などの状況によっては、ご自身で確定申告が必要です。最初に確認するのは「何万円戻るか」ではなく、申告する義務があるのか、還付を受けるために申告するのか、住民税だけの申告が必要なのかという違いです。

給与の源泉徴収票を手元に置き、その年の勤務先、副業の収入と経費、年末調整に含まれていない控除を一緒に整理すると、必要な手続きが見えてきます。「副業が20万円以下」「会社で税金を引かれている」という一つの条件だけで、申告不要とは判断できません。

秋田で事業を続けながら給与も受け取っている方、会社の年末調整と経営者個人の申告を整理したい方は、現在の経理方法とお悩みをお聞かせください。秋田税理士事務所グループが、事業の記帳・申告と給与関係の資料を確認し、任せていただく業務と必要な準備を整理します。

年末調整の後に確認する5項目

  1. 給与の支払先は何か所か。前職分まで年末調整に含まれているか
  2. 給与・退職所得以外の所得はいくらか。売上と所得を取り違えていないか
  3. 医療費控除、住宅ローン控除など、確定申告で受けたい控除があるか
  4. ふるさと納税のワンストップ特例を申請していないか
  5. 所得税の申告をしない場合、住民税の申告が必要ではないか

事業の経理と確定申告を、毎年一人で抱えていませんか

給与のある個人事業主の方や経営者の方へ。売上、取引件数、資料の状態を伺い、継続して任せられる範囲をご案内します。

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結論|申告義務と、還付を受けるための申告を分ける

多くの会社員は、会社が行う年末調整で、その年の給与に対する所得税の精算が終わります。ただし、会社が把握していない別の所得や、年末調整では扱えない控除まで、すべて自動で精算されるわけではありません。

確定申告は、対象となる一年間の所得と控除を整理し、すでに納めた税金との差額を計算する手続きです。追加で納める場合も、払い過ぎた税金が戻る場合もあります。「申告すると必ず得になる」「年末調整済みなら何もする必要がない」という両極端な考え方を避け、次の順番で判断してください。

判断する区分 主な場面 最初に見る資料
所得税の確定申告が必要か 給与収入が2,000万円を超える、給与以外の所得がある、給与を複数から受けるなど 全勤務先の源泉徴収票、給与以外の収支資料
還付を受けるために申告するか 医療費控除、住宅ローン控除の初年度、退職後に年末調整を受けていないなど 源泉徴収税額、控除に関する証明書・明細
住民税の申告が必要か 所得税の申告をしないが給与以外に所得があるなど 給与とその他の所得、住所地の自治体の案内

給与収入2,000万円は「手取り」ではない

給与の年間収入金額が2,000万円を超える場合は、確定申告の要否を確認する必要があります。判定するのは税金や社会保険料を差し引いた振込額ではありません。源泉徴収票の支払金額などで、給与の収入を確認します。勤務先が複数なら、一つの会社だけを見て終わらせないでください。

給与所得者の申告義務には、給与の金額以外にも条件があります。同族会社の役員が会社から賃貸料や貸付金の利子を受ける場合、源泉徴収義務のない者から給与を受ける場合、災害減免法の適用を受ける場合などは、一般的な副業の判定とは別に確認します。なお、計算すると税金が還付される方は、申告義務と還付を受けるための手続きとを区別して判断します。

「所得税が0円」と「申告しなくてよい」は同じではない

特例や控除には、申告書の提出が適用条件になっているものがあります。また、所得税の精算だけでなく、住民税、所得証明、事業の申告資料にも関係します。計算結果だけを見て書類を処分せず、どの制度を適用してその金額になったかを残してください。

逆に、申告書を出せば何らかのお金が必ず戻るわけでもありません。源泉徴収や予定納税によって納めた所得税がなければ、還付される所得税もありません。源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円でも、住民税の控除など別の確認が必要なことはあるため、税目を分けて考えます。

副業の20万円|売上・所得・給与収入を区別する

「副業20万円以下なら申告不要」は、すべての人に共通する非課税枠ではありません。給与の受け方と他の所得の状況が前提になっており、所得から20万円を差し引いてよい制度でもありません。

給与が1か所で、別に業務委託などの収入がある場合

給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。給与収入が2,000万円を超える場合など、ほかの申告理由がないことも合わせて確認します。

業務委託の原稿作成、デザイン、販売などの収入では、通常は収入と必要経費を分けて所得を計算します。入金額がそのまま収入になるとは限らず、手数料や源泉所得税が引かれている取引もあります。請求書や販売明細の総額と、銀行への振込額を照合してください。

例えば、説明のための仮定として、年間売上が48万円、必要経費が17万円なら差額は31万円です。ほかの調整を考えないこの例では20万円を超えます。申告する金額を「31万円から20万円を引いた11万円」にすることはできません。

アルバイトの給与は、業務委託と同じ計算をしない

給与を2か所以上から受け、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計で判定します。原則として、この合計が20万円を超える場合などに申告が必要です。アルバイト代から自己判断で交通費や書籍代を差し引いて、業務委託の利益と同じ扱いにしないでください。

ただし、給与収入の合計から一定の所得控除を差し引いた額が150万円以下で、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下の場合には申告不要となる例外があります。この計算の所得控除からは、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除きます。給与が少額の掛け持ちなどは、一律に「2社なら必ず申告」と決めず、全体を計算します。

複数の取引先・仕事はまとめて確認する

原稿料の所得が12万円、別の業務委託の所得が11万円なら、合計は23万円です。「どちらも20万円以下だから申告しない」とは判断できません。仕事を受けたサイトや振込先の口座が違っていても、同じ本人の対象となる所得を集計します。

一方、源泉分離課税となる預金利子や、申告しないことを選択できる源泉徴収ありの特定口座の所得など、20万円判定の合計に含めない所得もあります。通帳に入ったお金をすべて足し合わせるのでも、すべての投資収益を省くのでもありません。所得の種類と口座の扱いを確認します。

経費は20万円に合わせて作らない

経費にできるかは、その収入を得るために必要な支出か、金額と用途を説明できるかで判断します。家族の買い物、私生活の食費、仕事に使っていない機材まで経費にすることはできません。自宅や通信費を仕事と兼用する場合は、使用実態に応じて区分します。

商品を仕入れた場合には、年末に残った在庫の確認も必要です。売れていない商品の仕入代を、そのまま全額「今年の利益を減らす費用」として扱えるとは限りません。大きな設備購入も購入額だけでは処理が決まらないため、金額、使い始めた日、用途を残しておきます。

副業を事業として続ける際の開業・経理・法人化は、会社員の副業・起業と経理の進め方で扱っています。この記事では、年末調整の後に本人が行う申告の判断と準備に絞って説明します。

転職・掛け持ち|源泉徴収票を二重計上しない

一年の途中で勤務先が変わった場合は、「源泉徴収票が何枚あるか」だけでなく、前職の給与が現在の会社の年末調整に含まれているかを確認します。転職と、同時期に複数の会社で働く掛け持ちは、整理の仕方が異なります。

前職分が合算されていれば、もう一度足さない

年の途中で就職した方が、前の会社に扶養控除等申告書を提出していた場合などは、前職の給与を含めて年末調整を行います。新しい勤務先は、前職の源泉徴収票で給与や源泉徴収税額などを確認します。確認できないときは、年末調整を行うことができません。

確定申告をするときに、前職分を含んだ現在の源泉徴収票と、前職の源泉徴収票をそのまま別々に入力すると、前職の給与を二重計上するおそれがあります。摘要欄や会社の説明を確認し、どの給与がすでに含まれているかを整理してください。

例えば、仮定の例として前職120万円、現職300万円を合算し、現職の源泉徴収票に支払金額420万円と記載されている場合を考えます。この420万円に前職120万円をもう一度足した540万円で申告しない、ということです。数字が合わない場合は、推測で修正せず勤務先へ内訳を確認します。

年末調整されていない給与があれば、全勤務先を一覧にする

同時にアルバイトを掛け持ちした方や、前職分が合算できなかった方は、勤務先ごとに支払金額、源泉徴収税額、年末調整の有無を一覧にします。給与明細と源泉徴収票の差額だけを見て、どちらかの給与を消してはいけません。訂正版が交付されている場合は、最新の票を使用します。

副業先で所得税が引かれている場合も、それだけで年間の精算が終わるわけではありません。本業と副業の給与を合わせた結果、追加納付になる場合も、還付になる場合もあります。源泉徴収された税金も含めて入力し、二重に納めた状態にならないようにします。

退職後に再就職していない方は、納め過ぎを確認する

年の途中で退職し、その後に年末調整を受けていない方は、給与から差し引かれた所得税が納め過ぎになっていることがあります。ただし、退職後の事業収入やその他の所得があれば、それらも含めた計算が必要です。「退職したら必ず還付」とは限りません。

退職後に自分で支払った社会保険料など、給与の源泉徴収票に入っていない控除も確認します。退職金がある場合は給与と別の源泉徴収票になるため、給与だけの資料に混ぜず保管してください。退職所得は扱いが異なり、単純に給与収入へ足すものではありません。

医療費・住宅ローン・控除の出し忘れを整理する

年末調整で精算できる控除と、確定申告で適用を受ける控除を分けましょう。控除の証明書を集めるだけでなく、「すでに勤務先で適用済みか」「本人が支払ったものか」「対象年が合っているか」を確認します。同じ控除を二重に計上してはいけません。

医療費は、支払額と補てんされた金額をセットで見る

医療費控除は、その年に本人や生計を一にする配偶者・親族のために支払った対象医療費を基に計算します。基本の計算は、対象医療費から保険金などで補てんされる金額を引き、さらに10万円を差し引く形です。総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく総所得金額等の5%を使います。控除額の上限は200万円です。

例えば、総所得金額等が200万円以上で、対象医療費が24万円、その医療費を補てんする給付金が6万円という仮定なら、24万円-6万円-10万円=8万円が控除額となります。8万円がそのまま還付されるのではなく、所得から差し引く金額です。実際の税額は、他の所得や控除も含めて計算します。

補てん金は、その給付の対象になった医療費を限度に差し引きます。ある入院の給付金が入院費を上回ったからといって、余った金額を無関係な家族の医療費からも引くわけではありません。誰の、どの治療に対する支払いと給付かを対応させておくと整理しやすくなります。

医療費通知に載っている分と、領収書で追加する分を重複させないことも大切です。未払いの医療費は、原則として実際に支払った年で扱います。領収書から明細書を作成し、保存が必要な領収書は申告後も保管してください。通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は選択になるため、同じ年に両方を重ねて使わないようにします。

住宅ローン控除の初年度は、入居年と資料をそろえる

住宅ローン控除は、住宅や借入れなどの要件を満たす場合に利用する制度です。給与所得者も、最初の適用は確定申告で手続きします。その後は必要な書類を勤務先へ提出し、年末調整で適用できる場合があります。

ただし、住宅を購入したことだけで適用が決まるわけではありません。入居した年、住宅の種類、床面積、所得、借入れの条件などを確認します。新築・中古などの違いもあるため、前年の知人の申告書をそのまままねず、契約書、登記関係の資料、借入金残高の情報などを、該当する手続きに合わせてそろえます。

還付申告に当たる場合は、必ず2月16日まで待たなければならないわけではありません。申告義務のない方の還付申告は原則として翌年1月1日から行えます。個別の特例に提出期限の要件がある場合は、その期限を別に守る必要があります。

年末調整に間に合わなかった控除も確認する

生命保険料などの控除証明書が遅れた、扶養関係の申告内容を修正したい、自分で納めた社会保険料を入れ忘れたといった場合は、勤務先での処理状況を確認します。会社で再計算するのか、本人の確定申告で反映するのかをそろえ、両方で同じ金額を重ねないようにしてください。

扶養や配偶者関係の控除は、家族の年収という言葉だけで決めません。対象年の所得、年齢、生計関係など、制度ごとの要件を見ます。税金の扶養と健康保険の被扶養者は別制度です。控除証明書があることと、その全額が税金から引けることも同じではありません。

還付申告には5年間の期間があるが、すべての特例に使える猶予ではない

申告書を提出する義務がない方の還付申告は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。例えば2026年分なら、原則2027年1月1日から2031年12月31日までです。まだ申告していない年と、すでに申告済みの年を区別してください。

青色申告特別控除の55万円・65万円など、法定申告期限までの提出を要件とする制度には、この期間を理由に期限を延ばせません。申告義務がある方が「還付申告は5年あるから」と通常の申告期限を後回しにしないことも重要です。

秋田の住民税|所得税の申告不要と混同しない

所得税の確定申告をしない場合にも、市県民税の申告が必要になることがあります。秋田市は、給与以外に20万円以下の所得があるサラリーマン・パート・アルバイトなどを、申告が必要な方として案内しています。

所得税の確定申告を行った場合は、その内容が住民税の計算にも使われるため、通常は市県民税の申告を別に行う必要はありません。その代わり、申告書の住民税に関する事項も省略せず、必要な内容を記載します。所得税だけ正しく計算できていれば他の欄は空白でよい、とは考えないでください。

年分と年度、引っ越し前後の住所を分ける

所得税で「2026年分」という場合は、2026年中の所得を扱います。住民税は原則として前年の所得を基に翌年度に課税され、その年の1月1日の住所地が関係します。秋田市から他市へ引っ越した場合などは、現在の住所だけで納付先を判断しないようにします。

手元の案内が何年の所得についての申告かを確認してください。前年の受付会場、受付日、予約方法を翌年も使えるとは限りません。所得税の税務署と、市県民税の市町村窓口も別です。申告書の種類と対象年をそろえて問い合わせると、行き違いを減らせます。

普通徴収を選べば勤務先に知られない、とは保証できない

秋田市では、給与以外の所得にかかる市県民税について、確定申告書の所定欄で「給与から差引き」か「自分で納付」かを選ぶ扱いを案内しています。一方、2社以上から給与を受けている場合、給与所得に対する住民税は主たる勤務先で特別徴収され、副業の給与分だけを普通徴収にすることはできないとしています。

したがって、副業が給与なのか業務委託なのかを区別することが先です。また、納付方法の選択は、勤務先の就業規則や副業の届出を不要にするものではありません。税務申告を正しく行うことと、勤務先に必要な手続きをすることを分けて進めます。

確定申告をするなら、ふるさと納税を全部確認する

ワンストップ特例を申請していても、医療費控除や副業などの理由で確定申告をすると、その特例は無効になります。寄附金控除を受けるには、ワンストップ申請済みの分も含め、対象年のふるさと納税を申告へ反映します。

例えば、3自治体へ寄附しワンストップ申請を終えた後に、医療費控除の申告をする場合も同じです。「寄附は別に手続き済みだから」と省かず、寄附先、金額、証明書をそろえます。5自治体以内という条件だけで、確定申告後も特例が続くわけではありません。

市県民税の申告をする場合もワンストップ特例の適用関係を確認します。住民税に関する寄附の欄が漏れると、控除に影響する場合があります。寄附金の支払額が全額そのまま還付される制度ではなく、控除には上限もあるため、見込額を生活費として先に使わないようにしましょう。

申告前にそろえる資料|書類を集める順番を決める

申告画面を開いてから必要書類を探し始めると、入力を何度も中断することになります。最初に「給与」「その他の所得」「控除」「提出と納付」の4つに分け、足りない資料だけを洗い出す方法が実務的です。

区分 用意する資料 確認する点
給与 対象年の源泉徴収票、必要に応じ給与明細 全勤務先がそろっているか、前職合算・訂正の有無
副業・事業など 売上明細、請求書、経費資料、口座・カードの記録 総額と入金額の違い、源泉徴収、年末の未収や在庫
控除 控除証明書、医療費明細、寄附の証明、住宅関係資料 対象年、支払者、補てん金、年末調整で適用済みか
提出・納付 本人確認関係の資料、還付口座、前年の申告控え 提出方法、口座名義、納付方法、保存場所

「添付不要」は「資料を見なくてよい」ではない

給与の源泉徴収票は、所得税の確定申告書への添付や提示が原則不要になっていますが、申告内容を作るための情報は必要です。勤務先の給与データを確認できないまま、銀行の振込合計を代わりに入力しないでください。

電子申告で添付を省略できる書類にも、保存や後日の提示・提出が必要になるものがあります。入力したらすべて処分してよいわけではありません。紙と電子のどちらで受け取ったかも分け、後から取引や控除の根拠を確認できる状態にします。

源泉徴収票の4つの欄を混同しない

「支払金額」は給与収入、「給与所得控除後の金額」は給与所得の計算に関する金額、「所得控除の額の合計額」は年末調整で反映された控除、「源泉徴収税額」は精算後の所得税額に関する欄です。どれも同じ年収を表しているわけではありません。

年末調整を受けていない源泉徴収票では、一部の欄が空欄になっていることがあります。空欄をすべて0円と読み替えるのではなく、年末調整の有無と書類の性質を確認します。摘要欄の前職情報も含め、票全体を一つの資料として扱ってください。

不足資料は「誰に」「何を」依頼するかまで決める

源泉徴収票は勤務先、控除証明書は発行元、販売明細は販売サービスなど、資料ごとに確認先が違います。税理士へ依頼する場合も、存在しない資料を推測で埋めることはできません。ただし、全部そろうまで依頼の検討を待つ必要はありません。ある資料と不足資料を分ければ、取得する順番と進められる作業を整理できます。

事業の記帳が途中の場合は、どこまで入力したか、未処理の口座・カードがどれかを明記します。会計ソフトの残高が合っているかも重要です。帳簿と証憑の両方があれば、税務上の判断が必要な取引と単純な入力漏れを切り分けやすくなります。

確定申告は「作成・提出・納付・保存」の4段階で進める

1.対象年と提出方法を決める

過去の申告と今年の申告を混ぜないため、最初に対象年を明記します。前年の書類を参考にするときも、控除や様式の変更を確認してください。所得税の通常の申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までですが、休日や個別の期限延長などで変わる場合があります。

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、案内に沿って申告書を作成できます。e-Taxで送信する方法のほか、作成した申告書を印刷して提出する方法もあります。マイナンバーカード方式で電子申告する場合は、カード、必要な暗証番号、対応する端末などを事前に確認します。カードがないから、どの方法でも申告できないわけではありません。

2.給与とその他の所得をそろえて計算する

先に給与の情報を確認し、副業・事業・不動産など該当する所得を加えます。源泉徴収された報酬がある場合は、収入だけでなく源泉徴収税額も確認します。事業所得や雑所得などの区分は、申告画面の選びやすさや税金の有利不利で決めるものではありません。

控除は年末調整に入っている分と、追加する分を分けます。自動連携したデータも、対象年、本人・家族の区分、手入力との重複がないかを確かめてください。画面が自動計算するのは入力された条件に基づく結果であり、入力の前提まで自動で正しいと保証されるわけではありません。

3.確認画面を見て、送信・提出まで終える

送信前には、給与収入の二重計上、20万円以下の所得の記載漏れ、寄附金控除、還付口座などを見直します。納付額や還付額が前年と大きく違う場合は、その理由を確認してください。前年と同額になるように数字を調整するのではなく、転職、副業、控除などの変化で説明できるかを見ます。

申告書のPDFを保存しただけでは、提出が済んでいない場合があります。電子申告なら送信結果・受信通知を確認し、提出した申告書とセットで保存します。紙で提出する場合も、作成した控えと提出した日が分かる記録を残します。保存用と提出用の書類を取り違えないようにしてください。

4.納付または還付を確認し、翌年へ資料を残す

追加で納める税金がある場合、申告書を出しただけで口座から自動的に引き落とされるとは限りません。選択した納付方法、必要な手続き、納期限を確認します。所得税と消費税では申告・納付の扱いが異なるため、事業者の方は一方だけ済ませて終わらないようにします。

還付になる場合も、指定口座や名義の誤り、申告内容の確認などで手続きに時間がかかることがあります。生活費や仕入代の支払日を、未入金の還付金だけに合わせないでください。提出済みの申告書、受信通知、計算に使った資料を年ごとにまとめておけば、翌年の比較や証明資料の準備にも役立ちます。

条件別の判断例|自分と同じ前提かを確認する

以下は判断の仕方を説明するための仮定例です。実際のお客様の事例ではありません。金額が同じでも、所得の種類、給与の受け方、適用する控除などが違えば、結論は変わります。

例1|業務委託の所得18万円で、ほかに申告理由がない

給与は1社で年末調整済み、給与収入は2,000万円以下。業務委託の売上が30万円、適正な必要経費が12万円、ほかの対象所得はないとします。差額の所得は18万円で、他の申告理由もなければ、原則として所得税の確定申告を要しない場合に当たります。

ただし、秋田市の市県民税の申告は別に確認します。「18万円だから資料を残さない」ではなく、30万円と12万円の根拠を保管してください。翌年に売上や仕事の種類が変わった場合は、あらためて判定します。

例2|同じ所得18万円でも、医療費控除を申告する

例1の方が医療費控除を受けるために確定申告をする場合は、給与だけでなく業務委託の所得18万円も含めて申告します。20万円以下という条件は、申告書からその所得を除いてよいという意味ではありません。

医療費控除による税額の減少と、副業所得を含めた税額の増減を一緒に計算するため、医療費だけを入力したときの表示額が、そのまま最終の還付額になるとは限りません。ふるさと納税のワンストップ申請をしていた場合は、寄附も含めます。

例3|副業アルバイト18万円と、原稿料の所得5万円がある

本業は年末調整済みで、副業の給与は年末調整されていないとします。この場合は給与収入18万円と、原稿料の所得5万円を合計した23万円で判定します。給与が少額の方の例外などに当たらなければ、原則として確定申告が必要です。

アルバイトに使った私物などを自己判断で18万円から差し引くのではなく、給与と業務委託の資料を別々に整理します。「副業はどちらも20万円以下」という仕事ごとの判断をしないことがポイントです。

例4|転職後の年末調整に、前職の給与が含まれていた

現在の会社で前職分まで合算した年末調整を受け、ほかに申告理由がない場合は、転職したことだけで確定申告が必須になるわけではありません。医療費などで申告する場合にも、前職分を二重に入力しないことが大切です。

一方、前職の源泉徴収票が間に合わず年末調整を受けていない場合は、全勤務先の給与と控除から精算を確認します。転職先の担当者から「確定申告してください」と案内を受けたときは、どの資料が未合算なのかも聞いておきます。

例5|会社役員が、自分の会社から家賃を受け取っている

同族会社の役員が、会社から給与以外に不動産の賃貸料や貸付金の利子を受ける場合は、20万円以下だから申告不要という一般の扱いをそのまま使えません。契約書、会社の支払記録、個人側の収入と費用を照合し、還付になる場合との区別も含めて申告を判断します。

会社で経費処理していることと、個人側の申告が済んでいることは別です。法人の決算資料だけで終わらせず、経営者個人の年間収入へつなげて確認してください。

経営者・給与担当者は、会社の処理と本人の申告を分ける

従業員の年末調整をする会社は、給与や控除申告書に基づく自社の処理を正しく進める必要があります。一方、従業員のすべての資産・副業・医療費について、会社が申告を代行するわけではありません。どこまで会社で処理したか、何を本人が確認するかを明確にすることが、行き違いを減らします。

入社時から前職資料の回収を管理する

年末になってから前職の源泉徴収票を探すと、退職先との連絡に時間がかかることがあります。中途入社の方には、必要な源泉徴収票の有無と取得予定を早めに確認し、未提出の方を把握しておきます。票の内容を確認できないまま、概算の給与で年末調整を完成させないでください。

資料の受領日、担当者、合算した範囲を記録しておくと、本人から「前職分を自分で申告するのか」と聞かれたときにも答えやすくなります。給与計算を外部へ依頼している会社は、社内に届いた資料をいつ渡すかまで決めておきます。

従業員に案内するのは、申告の結論より確認事項

「副業20万円なら申告しなくてよい」「退職者は全員還付される」といった一律の案内は避けます。会社で年末調整したか、前職を含めたか、発行する源泉徴収票はどれかを伝え、本人が給与以外の所得や控除を確認できるようにします。

従業員の家族情報や収入情報は、業務上必要な範囲で適切に管理します。社内共有用の一覧へ不要な医療内容や個人の資産情報を載せないなど、給与事務の資料と本人の申告資料を分けることも大切です。

経営者本人は、会社と個人の支払いを照合する

役員報酬、会社へ貸したお金の利子、会社へ貸している不動産の賃貸料などがある場合は、法人側の帳簿と個人側の資料を合わせて確認します。立替金の精算、貸付元本の返済、給与や賃貸料は、銀行口座に入金される点が同じでも税務上の性質が違います。

これらを年末に思い出して整理するより、毎月の経理の中で内容をそろえておく方が負担を抑えられます。秋田税理士事務所グループへ税務顧問・経理の委託を検討される方は、会社から個人への支払いも含め、現在の管理方法をお聞かせください。

提出後の間違い・過去の申告漏れは、年ごとに整理する

間違いに気付いた場合は、対象年、提出済みの申告書、誤った項目、納付・還付の状況を確認します。とりあえず同じ申告書を何度も送り直すのではなく、期限内か期限後かで手続きを分けます。

状況 基本の対応 注意点
申告期限内に誤りに気付いた 正しい申告書等を作成して期限内に再提出 差額だけでなく必要事項を含む申告書を作る。還付済みなら精算も確認
期限後、税額が少な過ぎた・還付が多過ぎた 修正申告 追加納付や延滞税等を確認する
期限後、税額が多過ぎた・還付が少な過ぎた 更正の請求を検討 原則5年などの期間と適用条件を確認する
申告義務があったが、まだ申告していない 必要な期限後申告を確認 年ごとの所得・控除・納付を整理し、放置しない

所得や控除が変わっても、最終的な税額などに異動がない場合は、更正の請求ができないことがあります。住民税の内容に影響する場合には、自治体への対応も確認します。還付申告をした後の訂正は、未申告の還付申告と期間の起算点が異なる場合があるため、提出日も残しておきます。

過去の副業収入が抜けていた場合も、複数年の売上を今年の売上にまとめて入れて解決しようとしないでください。それぞれの年の給与、売上、経費、控除に戻って確認します。必要な税金のほかに加算税や延滞税が生じる場合がありますが、事情を確認せず、すべてを一律に脱税と呼ぶことも適切ではありません。

秋田で経理・申告を任せたい方へ|給与と事業の資料をつなげる

給与所得者の申告で大切なのは、控除の種類をたくさん覚えることより、勤務先で精算した内容と、本人が申告する内容をそろえることです。給与は源泉徴収票、事業は帳簿と取引資料、控除は支払いと証明書というように、数字の根拠を分けて確認します。

事業の取引が増え、休日の大半を経理に使っている場合は、確定申告書だけでなく、日々の記帳から任せる範囲を検討してください。申告直前に一年分の売上や経費を探す負担を減らし、給与のある年も、独立後も、事業の数字を継続して管理しやすくなります。

  1. 状況を伺う:事業内容、給与の有無、申告したい年、現在の経理方法とお悩みをお聞かせください。
  2. 資料と役割を整理する:源泉徴収票、会計データ、未処理資料から、必要な確認と作業分担を整理します。
  3. 対応範囲をご案内する:取引量や資料の状態を踏まえ、記帳・申告など任せていただく範囲と条件を確認します。
  4. 翌年へつなげる:提出した資料を保存し、毎月の経理から申告へつながる運用を整えます。

個人の控除だけの申告と、継続する事業の税務顧問では、必要な支援が異なります。給与があることだけでサービス内容や料金を一律に決めず、事業の有無、対象年、依頼したい業務をお伝えください。

事業の経理や申告を任せたい方は、現在のお悩みをお聞かせください

秋田税理士事務所グループが、資料の状態と業務内容を確認し、毎月の経理から申告までの進め方をご案内します。

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