法人が外貨預金や外貨建ての売上・仕入を持つ場合、円へ両替したときだけ経理すればよいとは限りません。取引発生、決済、決算時の残高を分け、通貨・資産負債の種類・採用している換算方法を確認します。外貨明細を円の入出金だけへまとめると、売掛金や手数料、為替差損益が合わなくなることがあります。

取引・決済・期末換算の三つの場面を分ける

取引の売上や仕入をいつ、どの円換算額で記録するかを確認します。次に、その売掛金・買掛金をいつ、いくらで決済したかを対応させます。決算時には、残っている外貨預金、債権・債務等を、その区分と換算方法に基づいて見直します。

銀行が表示する参考の円残高をそのまま帳簿へ入れるのではなく、口座の通貨と外貨残高、決済の対応、採用レート、届出や過去の処理を確認してください。個人の外貨預金の所得計算と法人の決算を混同しないことも大切です。

場面 見るもの 資料
売上・仕入 取引日と外貨金額、換算額 契約、請求、納品、採用レート
決済 売掛・買掛との対応、手数料 送金・入金、決済サービス明細
預金・両替 通貨別残高と資金移動 外貨口座、両替明細
決算 残高、区分、換算方法 残高証明、台帳、届出控え

仮定例:売掛金の回収で生じる差額

1,000米ドルの売上を、取引時に1ドル150円で150,000円と記録し、その売掛金を1ドル155円で決済して155,000円を受け取る単純な仮定なら、差額5,000円が生じます。売上と決済の対応を取らず、両方を売上にすると二重計上になります。実際には手数料、外貨のままの入金、採用方法等を区別します。

外貨で入金され、その後も外貨で支払う場合は、円へ両替していなくても残高と取引を記録します。会社の口座間の移動、社長個人の立替、決済サービスの保留残高も、売上・経費とは別の動きとして確認します。

期末換算は、預金の種類と届出を確認する

外貨建資産等には、種類や期間の区分に応じた期末換算方法と選定・届出のルールがあります。短期・長期等の区分、過去の届出と継続している方法を確認し、その年の為替が有利か不利かだけで自由に方法を変えないでください。

決算日の外貨残高、期首からの入出金、帳簿上の円残高、使うレートとその根拠を照合します。以前の税理士から引継ぐ場合には、換算方法の届出控えと前期の計算資料も必要です。

消費税と法人税の為替差額を混ぜない

外貨で取引していることだけで、消費税が免税や対象外になるわけではありません。資産の販売・役務等の種類と取引の場所・条件から課税関係を確認し、円換算額を記録します。通常、取引時の売上・仕入の円換算と、後日の決済差額を区別します。

国外の広告、ソフト利用、輸出入等は取引の種類ごとに確認点が違います。請求先が外国だから、決済通貨がドルだからという理由だけで税区分を固定しないでください。

当事務所へご用意いただきたい資料と料金

外貨口座・決済サービスの全明細、通貨別残高、契約・請求・納品、手数料、両替、未回収・未払の一覧、採用レート、過去の換算方法と届出控えをご用意ください。明細は画面の合計だけでなく、取引を対応させられるデータが役立ちます。

当事務所の一般料金表では、外貨建取引がある場合の申告報酬は50,000円(消費税別)が標準です。取引量や難易度、既存顧問業務と追加範囲を確認してお見積りします。外貨明細がたまっていても、通貨・期間・口座数から整理を進められます。

外貨建取引の経理と決算は秋田税理士事務所へご相談ください

若い代表税理士自身の起業・会社経営の経験を踏まえ、事業の判断から日々の会計入力、決算申告までつなげて支援します。社長が勘定科目や申告書を調べ続ける負担を減らし、営業や現場へ時間を戻せる分担を大切にしています。

一般顧問の会計入力は年間500仕訳まで含み、超過は100仕訳ごと12,000円、資料のファイル整理がない場合は15,000円(いずれも消費税別)が標準です。売上規模、決算月、資料量、任せる業務から年間料金と追加条件をご説明します。料金・サービス内容もご参考ください。

事業内容、決算月、現在の資料と未処理期間、ご希望時期を添えて、ご依頼に関する無料顧問相談からお知らせください。資料が全部そろう前でも、現在分かっていることから整理します。