人事労務

社会保険未加入事業所の今後について

税理士 / 坂根 崇真(秋田税理士事務所)

【肩書】 秋田税理士事務所 代表税理士、㈳全国第三者承継推進協会 理事、㈱坂根ホールディングス代表取締役 【著書】 会社を立ち上げる方法と7つの注意点 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE 、現代ビジネス ほか

社会保険未加入事業所の今後について

国土交通省主導による未加入対策(許可業者に対する加入指導および年金担当部局への通報)は平成29年3月末で一つの区切りを迎えましたが、今後は日本年金機構(年金事務所)独自の未加入対策として、全国の未加入事業者(業種や許可の有無を問わず)に対する加入指導が本格化してまいります。

この日本年金機構(年金事務所)が行う加入指導とは、現在未加入である会社(法人事業所)宛に文書を送付し指定期日までに自主的に加入するよう促すもので、もし自主的に加入せず立入調査を実施した場合、確認できた範囲で最大2年間遡って加入することになる旨の内容が記載されています。

未加入事業者がいざ社会保険に加入するとなった場合に検討すべき内容としては

  • 今後会社が負担することになる保険料の試算
  • 役員報酬の改定(決算終了後3ヵ月以内)
  • 加入することになる従業員に対する説明
  • 加入すべき従業員と一人親方との識別

などが挙げられ、余裕を持って加入するためにはある程度の準備期間が必要となります。

今はまだ日本年金機構から加入を促す文書が送られてきていない事業所でも、そう遠くない時期にこのような文書が届くことを念頭に置いた上で、早めに準備をされておくことをお勧めいたします。

以下、社会保険(健康保険及び厚生年金保険)の加入要件等に関する内容について記述します。

適用事業所の要件

  • 法人の場合→従業員が常時1人でもいれば、強制適用事業所に該当します
  • 個人の場合→常時5人以上の従業員を使用している場合は、強制適用事業所に該当します

※上述の『従業員』には、法人の代表者も含まれます。つまり全ての法人事業所に加入が義務付けられていることになります。

※個人事業所の場合、常時5人(個人事業主は含まない)以上の従業員を使用している場合は強制適用事業所に該当しますが、その際、事業主自身は社会保険には加入できません。

雇用形態ごとの加入要件

一般従業員(期間の定めのない雇用契約下で働くフルタイム労働者)

被保険者となります。

パートタイマー等(期間の定めのない雇用契約下で働く短時間労働者)

次の2点ともに該当する場合には、被保険者となります。

  1. 労働日数・・・1ヵ月の所定労働日数が一般従業員のおおむね4分の3以上である場合
  2. 労働時間・・・1日または1週の所定労働時間が一般従業員のおおむね4分の3以上である場合

有期契約労働者

  • 契約期間が2ヵ月以内の者(日雇者を除く) → 被保険者とならない。但し、所定の期間を超え、引き続き使用されたときは、被保険者となる
  • 契約期間が2ヵ月を超える者 → 契約期間の当初から被保険者となる

※社会保険等は、従業員の意思に基づいて加入するものではありません。

途中から社会保険に加入する場合、被保険者資格を満たしている従業員は全員同時加入が原則です。そのため、何人かずつに分けて時期をずらして加入させるということは認められません。

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税理士 / 坂根 崇真(秋田税理士事務所)

【肩書】 秋田税理士事務所 代表税理士、㈳全国第三者承継推進協会 理事、㈱坂根ホールディングス代表取締役 【著書】 会社を立ち上げる方法と7つの注意点 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE 、現代ビジネス ほか

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