人事労務

労働者死傷病報告を提出しなければならないケースとは

税理士 / 坂根 崇真(秋田税理士事務所)

【肩書】 秋田税理士事務所 代表税理士、㈳全国第三者承継推進協会 理事、㈱坂根ホールディングス代表取締役 【著書】 会社を立ち上げる方法と7つの注意点 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE 、現代ビジネス ほか

厚生労働省は、毎月、労働基準関係法令違反に係る公表事案を公表していますが、公表内容を確認すると、労働者死傷病報告(以下、「死傷病報告」という)を提出しなかったという事案が多く見られます。これは、「死傷病報告を故意に提出しなかった」ときや、「死傷病報告に虚偽の内容を記載して報告を行った」等により企業名等が公表されたものですが、以下では死傷病報告の提出に関して誤解しやすい点を確認します。

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1.死傷病報告とは

死傷病報告は労働安全衛生法において、同様な労働災害を減らすための対策を検討することを目的として提出義務が課されています。死傷病報告には、労働災害の程度により2種類の様式があり、死亡および休業4日以上の場合(様式第23号)と休業4日未満の場合(様式第24号)とに分かれます。提出期限は、死亡および休業4日以上の場合は遅滞なく、休業4日未満の場合は四半期ごとの翌月末日までとなっています。なお、提出先はいずれも管轄する労働基準監督署です。

死傷病報告の提出に際して誤解しやすい点

死傷病報告は、労働災害があった際に提出すべきものであるため、休業4日未満で労災保険の休業補償給付を受けない場合であっても、提出する必要があります。労災保険の休業補償給付を受けたときに提出するものだと誤解しているケースがありますが、労災保険の給付の有無に関わらず、1に掲げた状況に該当したときには提出します。なお、死傷病報告は通勤途上の災害による死亡や休業は含まれません。

また、派遣労働者が労働災害にあった場合は、派遣元事業主、派遣先事業主ともに管轄する労働基準監督署へ死傷病報告を提出する義務があります。流れとしては、まず派遣先が、管轄する労働基準監督署に死傷病報告を提出し、その写しを派遣元に送付します。そして、派遣元は、その写しの内容を踏まえて死傷病報告を作成し、派遣元を管轄する労働基準監督署に提出を行います。

休業4日以上の死傷病報告については、「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」の対象となる届出で、インターネット上でも作成できます。あくまで入力を支援するものであり、申請や届出をオンライン化するものではありませんが、入力したデータを保存しておくことができ、仮に再利用する事案が発生した際には、入力の手間を省き提出することができます。

参考リンク:

厚生労働省「労働者死傷病報告の提出の仕方を教えて下さい。」

厚生労働省「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

文書作成日:2022/06/21

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税理士 / 坂根 崇真(秋田税理士事務所)

【肩書】 秋田税理士事務所 代表税理士、㈳全国第三者承継推進協会 理事、㈱坂根ホールディングス代表取締役 【著書】 会社を立ち上げる方法と7つの注意点 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE 、現代ビジネス ほか

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