風俗嬢

風俗の掛け持ちと確定申告|複数店の売上整理を税理士が解説

坂根 崇真

新宿風俗確定申告センター代表税理士(登録番号133046号)。
年間400件以上の税務相談に対応。
風俗・夜職の確定申告をはじめ、現金日払い、明細なし、過去の無申告、税務調査にも、現在残っている資料から対応します。

悩む女性
ソープを中心に、デリヘルとメンエスも掛け持ちしています。日払いの店、月末に振り込まれる店、翌月に指名バックが入る店があり、年間でいくら稼いだのか分かりません。確定申告はお店ごとにするのでしょうか?

結論から言うと、複数の風俗店を掛け持ちしている場合も、所得税の確定申告は、同じ年の本人の所得をまとめて行います。ただし、各店舗の現金手取りや銀行入金をそのまま合計するのではありません。店舗ごとに、本人に発生した報酬、店舗から引かれた費用、源泉所得税、日払い済み額、月末振込、年末の未入金を分けてから、年間の数字へまとめます。

掛け持ちで多いのは、一部の店舗を申告から漏らすことだけではありません。日払いと月間明細を両方売上にしてしまう、同じ衣装代や通信費を店舗ごとに重ねて経費にする、12月分の翌年入金を別の売上として二度数える、といった誤りも起こります。

ソープ、デリヘル、ホテルヘルス、店舗型ヘルス、メンズエステなどを複数掛け持ちし、年間の収入が大きい方は、所得税だけでなく消費税の確認が必要になることもあります。

この記事のポイント

  • 複数店の所得税申告を、店舗ごとに別々に提出するわけではない
  • 最初に店舗名・支払者・源氏名・精算方法を対応させる
  • 日払いと月間報酬総額を重複して売上にしない
  • 現金手取りではなく、本人に発生した控除前の報酬を確認する
  • 給与と業務委託等の報酬が混ざる場合は所得区分を分ける
  • 共通経費は店舗数分に増やさず、一度だけ計上する
  • 12月分の翌年入金と、前年分の回収を区別する
  • 消費税の判定では、本人の課税売上高を店舗横断で確認する
  • 一部の店を申告していなかった場合は、稼いだ年ごとに見直す

お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。

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この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。

この記事でいう「掛け持ち」は、同じ年に複数の風俗店から継続的に収入を得ている女性キャストを指します。昼職の会社と夜職を掛け持ちし、会社に知られないかを知りたい方は「昼職と夜職の掛け持ち」をご確認ください。

確定申告が必要になる基準、申告書の作り方、提出方法など税金全体については「風俗の確定申告のやり方」で詳しく解説しています。

風俗を掛け持ちしても確定申告は店舗ごとに行いません

ソープのA店、デリヘルのB店、メンエスのC店で働いていても、同じ本人が同じ年に得た所得は、一つの所得税の確定申告へ反映します。

店舗別に売上表や帳簿を作ることと、店舗ごとに別々の確定申告書を提出することは違います。

A店とB店で違う源氏名を使っていても、現金と振込で受取方法が分かれていても、どちらも本人に帰属する収入であれば、本人の年間所得を計算するときに確認します。

掛け持ちの状況 確定申告での整理
複数店から業務委託等の報酬を受け取る 店舗別に報酬と経費を記録し、本人の事業所得・雑所得の計算へまとめる
A店は給与、B店は業務委託等の報酬 給与所得と、報酬に対応する事業所得・雑所得を分けたまま、一つの申告書へ反映する
同じ運営会社の系列店に出勤する 店舗別明細と系列店分の一括明細が同じ報酬を示していないか確認する
年の途中で移籍し、同時在籍の期間はない 旧店舗と新店舗の両方を、その年の収入として確認する
源氏名や受取口座を店舗ごとに変える 資料の照合は店舗別に行うが、別人の収入として分けることはできない

いちばん稼いだ店舗だけ申告し、それ以外を省くことはできません。また、「2店舗目は副業だから20万円まで申告しなくてよい」という店舗別の非課税枠もありません。

まず店舗別に正しい数字を作り、その後に本人の一年分として合計することが、掛け持ちの確定申告の基本です。

最初に「店舗台帳」を作り、店名と支払者を対応させる

複数店の売上をいきなり足し始めるのではなく、最初に、どの資料と入金がどのお店に対応するのかを一覧にしてください。

店舗名と銀行の振込名義が異なる場合や、一つの運営会社が複数店舗の報酬をまとめて振り込む場合があります。反対に、同じ店舗に在籍していても、途中で報酬の支払者が変わることもあります。

次のような店舗台帳を、一店舗につき一行作ると整理しやすくなります。

店舗台帳の項目 記録する内容
店舗・業種 ソープA店、デリヘルB店など、自分が識別できる名称
正式な支払者 精算書、振込名義、契約書等に記載された会社名・個人名
源氏名 その店舗の明細や出勤履歴と照合できる名前
勤務期間 初出勤日、最終出勤日、長く休んだ期間、移籍日
収入の区分 給与か業務委託等の報酬か。不明なら不明と記録する
精算方法 日払い全額、日払いの内払い、月末精算、翌月バック、現金、振込等
店舗控除 雑費、厚生費、送り代、部屋代、備品代などの名称と金額
年末の未精算 12月分の翌月振込、保留中のバック、退店後に受け取る報酬

銀行明細に運営会社名しか表示されず、どの店舗分か分からない場合は、振込日、金額、月間明細、出勤期間を照合します。

系列店の年間合計表と各店舗の月次明細が両方ある場合は、月次明細を年間合計表へさらに足すのではなく、年間合計の内訳を確かめる資料として使います。

店舗台帳を作る目的は、店の数を数えることではなく、同じ報酬の重複と、辞めた店の申告漏れを防ぐことです。

風俗の収入が給与か報酬かを店舗ごとに確認する

風俗店では日常的に「給料」「お給料」と呼ばれていても、税務上は業務委託等の報酬として支払われているケースが多くあります。ただし、風俗で働く女性は全員が業務委託になると決め付けることもできません。

契約書の名称だけでなく、実際の契約関係や働き方、店舗側の処理を確認します。

店舗からの支払い 確定申告で確認すること
給与として支払われている 給与明細、給与所得の源泉徴収票、支給日を確認し、給与所得として整理する
業務委託等の報酬として支払われている 控除前の本人報酬、必要経費、入金状況を確認し、事業所得・雑所得のいずれかを検討する
給与か報酬か分からない 「給料」という呼び方だけで入力せず、契約書、明細、源泉徴収票の有無、実際の働き方を確認する
店舗によって区分が異なる すべてを一律に風俗の売上へ入れず、各所得区分を保ったまま一つの申告へまとめる

出勤日数が少ない店舗だけを自動的に雑所得へ分けたり、最も売上が多い店舗だけを事業所得、残りを雑所得にしたりするものでもありません。活動全体の規模、継続性、帳簿保存などの実態から判断します。

事業所得と雑所得の判断は「夜職は事業所得・雑所得どっち?」をご確認ください。

給与所得の店舗に関する支出を、別の店舗の業務委託報酬に対応する必要経費へ付け替えないことも重要です。

日払いと月末振込は「本人の報酬総額」から照合する

日払いが月間報酬の一部を先に受け取る仕組みであれば、日払い額と月間報酬総額を足してはいけません。

あるソープで、本人に発生した1か月の報酬総額が1,200,000円、本人負担の雑費等が120,000円だったとします。月の途中までに700,000円を日払いで受け取り、残り380,000円が月末に振り込まれました。

精算項目 説明用の金額例
本人に発生した月間報酬総額 1,200,000円
本人負担の雑費等 ▲120,000円
日払いで受取済み ▲700,000円
月末の振込額 380,000円

※業務委託等の報酬について、源泉徴収、未入金、立替精算、その他の調整がない場合の説明用の例です。実在店舗の精算条件を示すものではありません。

この月の売上として確認する金額は、本人の報酬総額1,200,000円です。月間報酬1,200,000円に日払い700,000円と月末振込380,000円を足した2,280,000円ではありません。

反対に、月末振込の380,000円だけを売上にすると、日払いで受け取った分と、報酬から引かれた費用分が売上から漏れます。

この例では、次の関係を確かめます。

本人報酬1,200,000円 = 本人負担の費用120,000円 + 日払い700,000円 + 月末振込380,000円

業務上必要な店舗控除120,000円が必要経費に該当する場合は、売上1,200,000円と必要経費120,000円を分けて記録します。

日払いが「内払い」か「その日の全額精算」かを確認する

A店では日払いが月間報酬の内払いでも、B店では、その日に発生した報酬を毎日全額精算し、指名バックだけ翌月に追加することがあります。

店舗の精算方法 重複・漏れを防ぐ確認
日払いは月間報酬の内払い 月間報酬総額に日払い分が含まれるため、両方を売上として足さない
毎日の報酬を全額現金精算 各日の控除前報酬を集計し、後日の年間明細が同じ金額を示していないか照合する
指名・ランキング等のバックだけ翌月振込 日払い明細に含まれていなければ、後日バックを別に確認する
最低保証まで後日補填 保証総額と日々のバックを二重に足さず、不足分だけの補填か確認する
一部を店舗に預け、退店時に精算 発生した報酬と預けた金額、実際に返還された金額を分ける

「どの店も日払いだから同じ」と考えず、その明細が控除前の報酬を示すのか、実際の手取りだけを示すのかを店舗ごとに確認してください。

現金を銀行へ入れなくても収入から外れません

日払いの現金をその日の生活費や買い物に使い、銀行へ一度も入れていない場合も、働いて得た収入であることは変わりません。

銀行入金だけを年間売上にすると、現金で受け取り、そのまま使った分が漏れます。反対に、現金売上を後日まとめて銀行へ入れた場合、日払い記録と銀行入金を両方売上にすると二重計上になります。

日払いを受け取った日は、店舗名、控除前の報酬、引かれた金額、現金手取りを残してください。

お客様が支払ったコース料金と女性本人の売上は同じとは限りません

風俗店のお客様が支払った料金全額を、無条件に女性キャスト本人の売上へ入れるわけではありません。本人に帰属する報酬がいくらかを、契約と精算内容から確認します。

たとえば、お客様が店舗へ50,000円を支払い、契約上、女性本人に30,000円のバックが発生する場合は、通常、まず本人の報酬30,000円を確認します。店舗の20,000円を、女性本人の売上と経費へ機械的に両建てするものではありません。

一方、女性が客料金全額を一時的に受け取り、その中に店舗へ渡す預り分が含まれる仕組みもあります。この場合は、手元を通った現金全額が本人の収入なのか、店舗への預り金を含むのかを確認します。

店舗取り分を差し引いた後のバックだけが本人報酬であるのに、その店舗取り分をさらに経費へ入れると、実態と合わない計算になります。

掛け持ちの売上を7つの手順で年間集計する

店舗ごとの精算方法が違っても、次の順番で整理すると、売上の漏れと二重計上を見つけやすくなります。

  1. その年に働いたすべての店舗を書き出す
    現在の在籍店だけでなく、途中で辞めた店、移籍前の店、出稼ぎ先、系列店も含めます。
  2. 店舗ごとに給与か報酬かを確認する
    分からない店舗は推測で決めず、契約書、明細、源泉徴収票等を確認します。
  3. 月ごとの本人報酬総額を確認する
    コースバック、指名バック、オプション、保証、賞金等のうち、本人に発生した金額を整理します。
  4. 報酬総額と受取額を照合する
    日払い、月末振込、店舗控除、源泉所得税、未入金を分け、合計が合うか確認します。
  5. 前年分の回収と年末の未入金を分ける
    1月の振込をすべて1月の新しい売上にせず、どの勤務期間の報酬かを確認します。
  6. 店舗別経費と共通経費を集計する
    同じ支出を複数店へ重ねて入れず、給与の仕事に対応する支出とも区分します。
  7. 各店舗の数字を本人の年間所得へまとめる
    所得税に加え、売上規模に応じて消費税や過去の申告も確認します。

店舗ごとの表が完成したら、月別合計が年間明細と一致するか、受取額の合計が現金メモ・銀行明細とおおむね対応するかを確認します。

一つの資料だけを正解と決めるのではなく、報酬が発生した記録と、お金を受け取った記録を突き合わせることが重要です。

3店舗を掛け持ちした場合の年間集計例

すべて業務委託等の報酬であり、本人に帰属する年間報酬と店舗別経費が次のとおりだったとします。

集計項目 説明用の年間金額
ソープA店の本人報酬 9,600,000円
デリヘルB店の本人報酬 4,100,000円
メンエスC店の本人報酬 2,300,000円
本人の年間売上合計 16,000,000円
各店舗の明細で確認した店舗別経費 ▲1,600,000円
通信費・交通費等の共通経費 ▲900,000円
差引金額 13,500,000円

※すべて本人の業務委託等の報酬で、記載した支出が必要経費に該当するものとした単純な説明例です。所得区分、青色申告特別控除、減価償却、家事按分、所得控除、源泉所得税、消費税等は反映していません。実在のお客様の事例ではありません。

この例では、どの店舗も単独では1,000万円以下ですが、本人の売上合計は1,600万円です。所得税の計算だけでなく、消費税の納税義務も別に確認する必要があります。

差引金額13,500,000円がそのまま所得税額になるわけではありません。所得区分、青色申告の適用、各種所得控除などを反映して税額を計算します。

12月分の翌年入金は、働いた年と支払時期を照合する

業務委託等の報酬は、銀行へ入金された年だけで分けるのではなく、原則として、本人が報酬を受け取る権利が確定した時期を確認します。

12月の勤務によって報酬額が12月中に確定し、翌年1月に振り込まれる場合は、原則として12月の属する年の収入として整理します。翌年1月の入金は、すでに計上した未入金報酬の回収です。

ただし、給与として支払われる場合や、年内に金額が確定していない場合、報酬の取消し・争いがある場合などは、同じように決め付けず、契約と実際の精算を確認します。

年をまたぐ取引 確認すること
12月分の確定したバックを翌年1月に受け取る 前年末の未入金報酬として計上済みか確認し、1月に二重計上しない
前年分か当年分か分からない1月振込 明細の対象期間、出勤日、バックの確定日を確認する
退店後に保証・賞金等が振り込まれる 退店日ではなく、その報酬の発生条件と金額が確定した時期を確認する
店舗が金額を保留し、確定していない 単に未入金なのか、報酬を受け取る権利自体が未確定なのかを分ける

届出等の要件を満たして現金主義の特例を適用している場合は別ですが、単に「現金商売だから入金時に売上にする」と自由に選べるものではありません。

年末には各店舗について、前年からの未入金、今年の報酬、今年末の未入金の三つを並べて確認してください。

掛け持ちの経費は「店舗別」と「共通」に分ける

一つの支出を複数店舗で使っていても、同じ領収書を店舗数分だけ必要経費にすることはできません。

A店の報酬から引かれた雑費など、店舗が特定できる支出は店舗別に記録します。スマートフォン代や宣材写真代のように複数店舗に関係する支出は、共通経費として一度だけ記録すると、重複を防ぎやすくなります。

掛け持ちに関する支出 集計するときの注意点
A店の報酬から引かれた雑費・備品代 A店の報酬明細と対応させ、費用の具体的な内容と本人負担額を確認する
B店の送り代・待機場所代 B店の勤務日と対応させ、店舗から別途補填されていないか確認する
複数店の連絡に使うスマートフォン代 私用分を除いた業務利用分を共通経費として一度だけ計上する
複数店のプロフィールに使う宣材写真代 一回の撮影費を、掲載した店舗の数だけ増やさない
出稼ぎ先の交通費・宿泊費 出稼ぎ期間、勤務先、本人負担額、店舗からの支給・精算を確認する
同じ日にA店からB店へ移動した交通費 双方の出勤記録、移動経路、金額を残し、私用の移動を区別する

たとえば、月10,000円の通信費について、記録に基づく業務利用分が6,000円であれば、A店で6,000円、B店でも6,000円として合計12,000円にはしません。

管理のためにA店分とB店分へ配分する場合も、合計は業務利用分の6,000円です。

店舗から交通費等の支給を受けた場合は、自分が一時的に立て替えた費用の精算なのか、本人への手当・報酬なのかも確認します。本人が負担していない金額を、さらに必要経費へ入れないでください。

衣装、美容、検査、家賃などは、その名称だけで全額が経費になるものではありません。仕事との関係、私生活での利用、本人が実際に負担した金額を確認します。

経費全般の判断は「風俗嬢の経費になるもの」をご確認ください。

店舗から引かれた「税金・雑費」を同じ扱いにしない

現金手取りから差し引かれているという点は同じでも、源泉所得税と、厚生費・雑費・送り代等は確定申告での扱いが異なります。

実際に源泉徴収された所得税は、本人の所得税の前払いとして精算するものであり、必要経費ではありません。一方、本人が負担した業務上の店舗費用は、その内容を確認して必要経費を検討します。

明細の表示 確定申告前に確認すること
所得税・源泉税 実際に源泉所得税として処理された金額か。支払者別・年別の合計はいくらか
雑費・厚生費 税金を含む一括表示か、具体的に何の費用で、本人がいくら負担したか
送り代・部屋代・備品代 利用日、利用内容、本人報酬から差し引かれた金額
日払い済み・前渡し 費用ではなく、すでに受け取った本人報酬の一部ではないか
税・雑費まとめて10%等 税金部分と店舗費用部分を分けた内訳

「どの店も10%引かれているはず」と考えて、手取りから一律に逆算することは避けてください。A店の明細に税金と書かれていても、B店の控除が同じ内容とは限りません。

また、キャバクラ等のホステス報酬に関する源泉徴収の計算方法を、ソープ・デリヘル等の報酬へそのまま当てはめるものでもありません。

月次明細と年間資料の両方に同じ源泉所得税が載っている場合は、二度合計しないよう、支払者名と対象期間を照合します。

複数店の売上が大きい方は消費税も確認する

消費税の1,000万円基準は、一店舗からの売上だけで判定するものではありません。同じ本人に帰属する課税売上高を、店舗横断で確認します。

たとえば、ソープA店から800万円、デリヘルB店から500万円の業務委託等の報酬を得ており、どちらも本人の課税売上高に該当する場合、合計は1,300万円です。

「どちらの店舗も1,000万円以下だから消費税は関係ない」とは判断できません。また、店舗の数だけ別々の個人事業者になるわけではないため、A店だけ課税事業者、B店だけ免税事業者と使い分けることもできません。

一方、給与として受け取った金額は、本人が事業者として行う役務提供の対価ではないため、本人の課税売上高へ同じように足すものではありません。

個人事業者の消費税は、原則として前々年の課税売上高を基準に判定します。したがって、今年初めて1,000万円を超えたからといって、必ず今年分から消費税の申告が必要になるという意味ではありません。

ただし、前年の特定期間の課税売上高、インボイス登録、過去の届出等によっても結論が変わります。経費を差し引いた利益ではなく、消費税の判定用の課税売上高を確認してください。

複数店を掛け持ちして年間売上が1,000万円前後またはそれ以上になった方は、「風俗嬢の消費税とインボイス」もご確認ください。

青色申告特別控除は店舗数分だけ増えません

風俗店を3店舗掛け持ちしていても、青色申告特別控除を店舗ごとに3回受けられるわけではありません。

店舗別の売上表を作るのは、収入と経費を正しく管理するためです。最終的には、本人の事業所得について、青色申告の承認、帳簿、期限内申告、電子申告等、その年に適用される要件を確認します。

店舗を移っただけで、毎回別の事業を廃業・開業したことになるとも限りません。反対に、活動内容や契約関係が大きく異なる場合は、帳簿上の部門を分けるなど、実態に合う管理を検討します。

また、一部の店舗が給与所得であれば、その給与を事業所得の売上へ混ぜて青色申告決算書へ入れるものではありません。

「店舗別に管理する」と「税法上の控除を店舗数分受ける」を混同しないでください。

明細がない店舗も、分かる資料から月ごとに整理する

掛け持ち先の一部から明細をもらえない場合も、その店舗の収入をゼロにしたり、資料が届くまで申告を止めたりするのではなく、現在確認できる記録を組み合わせて整理します。

まず、資料がある店舗と、資料が不足する店舗を分けてください。一部の店舗の資料がないからといって、すべての店舗を推測で計算し直す必要はありません。

残っている資料 確認できること
日次・月次の精算画面 本人報酬、バック、店舗控除、日払い済み額、未精算額
店舗とのLINE・報酬条件 バック率、保証条件、控除内容、精算日
出勤表・カレンダー・写メ日記 実際に勤務した店舗、日付、在籍期間
銀行明細・決済履歴 振込時期、支払者、受取額。控除前報酬とは限らない点に注意
現金メモ・封筒の写真 日払い手取り、店舗名、精算日、引かれ物の手掛かり
交通系IC・新幹線・宿泊等の履歴 出勤日や出稼ぎ期間の補助資料。報酬額そのものは別に確認
過去の申告書・集計表 すでに計上した店舗・期間と、申告から漏れた可能性のある店舗

求人に記載された最高日給や、ほかの女性の平均日給を、自分の売上としてそのまま掛け算することは避けてください。銀行への現金入金にも、貯金の移動やほかの収入が混ざることがあります。

分かっている事実、資料から確認できる金額、まだ不明な部分を分けます。そのうえで、店舗への確認が可能か、残った資料からどのように年間集計を行うかを検討します。

明細がそろわない場合の過去分の整理は「風俗嬢の過去分確定申告|明細なし・売上不明の場合」で詳しく解説しています。

相談事例|3店舗を掛け持ちし、年間売上が分からなくなった

長期間にわたり複数店でしっかり稼いでいる方ほど、現金の受取額だけでは年間売上を確認できないことがあります。

複数の風俗店を掛け持ちする女性の相談事例

高級ソープを中心に週4日ほど働く女性が、予約の少ない時期には別地域のデリヘルへ出稼ぎし、月に数日はメンズエステにも出勤していました。

3店舗を合わせた年間報酬は1,800万円前後ありましたが、ソープは日払いと月末精算、デリヘルは毎日の現金精算、メンズエステは一部のバックが翌月振込という別々の仕組みでした。

本人は、ソープの日払いメモと月間明細を両方売上へ足していた一方、銀行へ入れず生活費に使ったデリヘルの現金は一部しか記録していませんでした。12月のメンズエステのバックも、翌年1月の売上として再度集計していました。

また、同じスマートフォン代、宣材写真代、衣装代を3店舗それぞれの経費表へ入れており、共通経費が店舗数分に増えていました。

そこで、店舗名、正式な支払者、源氏名、在籍期間、精算方法を一行ずつまとめ、日次明細、月間明細、出勤表、写メ日記、店舗とのLINE、銀行明細、出稼ぎの交通・宿泊履歴を月ごとに照合しました。

ソープは月間報酬総額から日払い済み額と月末振込を照合し、デリヘルは各日の控除前報酬を積み上げ、メンズエステは日払い分と翌月バックを分けました。共通経費は一つの欄へ戻し、年末の未入金報酬も店舗別に確認しました。

その結果、店舗ごとの売上と受取額の違いが見えるようになり、所得税だけでなく、複数店を合計した課税売上高を基に消費税の確認も必要であることが分かりました。

※複数の相談・投稿を参考に、個人が特定されないよう勤務期間、金額、地域等を変更して再構成しています。新宿風俗確定申告センターの特定のお客様の事例ではありません。

掛け持ちの集計では、現金と振込を足すだけではなく、店舗ごとに報酬が発生した記録と、実際の精算を結び付ける必要があります。

お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。

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一部の店舗だけ申告していた場合は稼いだ年ごとに見直す

A店だけ申告し、B店・C店の報酬が漏れていた場合は、その報酬を得た年の申告を確認します。過去の店舗分を、今年の売上へまとめて足す処理はしないでください。

まず、提出済みの確定申告書・決算書と、店舗台帳を照合します。収入の申告漏れだけでなく、日払いと月間明細の二重計上、前年分の入金の重複、共通経費の重複がないかも確認します。

確認の結果、納める所得税が少なかった場合は修正申告などを検討します。反対に、売上の二重計上等によって税金を納め過ぎていた場合は更正の請求を検討するなど、必要な手続きは結果により異なります。

そもそも申告していない年があれば、今年分だけではなく、申告が必要だった各年について店舗別の売上と経費を整理します。

現在の店舗の資料だけを残し、辞めた店舗のLINEや精算画面を削除しないでください。過去の申告を確認する重要な手掛かりになります。

複数店の確定申告は新宿風俗確定申告センターへ

ソープ・デリヘル・メンエス等を掛け持ちし、年間の売上が大きい方は、申告書へ数字を入力する前に、店舗ごとの報酬と精算方法を整理してください。

特に、次のような方は確認項目が多くなります。

  • 3店舗以上を掛け持ちし、現金と振込の両方で受け取っている
  • 日払いと月間明細のどちらを売上にするか分からない
  • 系列店の一括明細と店舗別明細が混ざっている
  • 辞めた店舗から翌年にバックや精算金を受け取った
  • 源泉所得税と雑費が一括で差し引かれている
  • 同じ衣装代・通信費・交通費を複数店舗の経費へ入れていた
  • 各店舗では1,000万円以下でも、本人の年間売上合計が1,000万円を超える
  • 主に働く店舗だけ申告し、ほかの店舗を申告していない
  • 数年分の明細がそろわず、年間売上を確定できない
  • 所得税は申告しているが、消費税を確認していない

最初から一つのきれいな表にまとめる必要はありません。店舗別の明細、日払いメモ、報酬条件のLINE、銀行明細、出勤記録、経費資料を、現在残っている状態でお伝えください。

新宿風俗確定申告センターでは、各店舗の収入区分、控除前報酬、日払いと月末精算、源泉所得税、店舗別経費、共通経費、年末の未入金を確認し、所得税・消費税の申告書作成から税務署への提出まで対応します。

過去に一部の店舗を申告していない場合も、現在ある資料から年ごとの数字を確認します。

「A店の明細はあるけれど、B店・C店をどう合わせればよいか分からない」という段階からご相談ください。

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風俗の掛け持ちの確定申告についてよくある質問

掛け持ち先が増えるたびに確定申告書を作りますか?

いいえ。店舗別に収入と精算内容を整理し、同じ年の本人の所得を一つの所得税の確定申告へ反映します。給与所得、事業所得、雑所得等の区分は分けたまま整理します。

一つの店を辞めてから別の店へ移りました。同時に掛け持ちしていなくても合計しますか?

はい。同じ年に本人が得た収入であれば、在籍期間が重なっていなくても両方を確認します。旧店舗から退店後に受け取った金額は、どの期間の報酬かも照合してください。

店舗ごとに源氏名と銀行口座が違います

管理上は店舗別に分けますが、どちらも本人に帰属する収入なら同じ年の申告で確認します。源氏名や受取口座を変えても、別人の所得になるわけではありません。

日払いの現金を銀行へ入れずに使いました

銀行へ入れていないことを理由に収入から外すことはできません。出勤日、店舗、控除前報酬、引かれた費用、現金手取りを、日払い明細やメモから確認してください。

月間明細があれば日払いメモは捨ててよいですか?

月間明細の対象期間と、日払い分を含むかを確認するために残してください。月間明細と日払いメモは両方を売上へ足すのではなく、同じ報酬を示しているか照合します。

A店は給与、B店は業務委託報酬です。経費はまとめてよいですか?

一律にはまとめられません。給与所得は原則として給与所得控除を用いて計算するため、A店の給与勤務に対応する支出を、B店の報酬に対応する必要経費へ付け替えないでください。

一つの衣装を3店舗で使いました。3店舗分の経費にできますか?

同じ購入代金を3回計上することはできません。必要経費に該当する金額を一度だけ記録します。管理上、店舗別に配分する場合も、合計額が実際の業務利用分を超えないようにします。

どの店も売上1,000万円以下なら消費税は関係ありませんか?

店舗ごとではなく、本人の課税売上高を合計して確認します。ただし、1,000万円を超えた年に直ちに課税事業者になるとは限らず、基準期間、特定期間、インボイス登録等を確認します。

店舗ごとに青色申告特別控除を受けられますか?

店舗数に応じて控除額が増えるわけではありません。本人の事業所得と、その年の青色申告の要件に基づいて確認します。

一店舗だけ明細がありません。ほかの店舗分も申告できませんか?

資料がある店舗は先に整理し、不足する店舗を切り分けます。明細がない店舗についても、出勤記録、LINE、精算画面、現金メモ、銀行明細等から分かる内容を組み合わせ、申告期限まで放置しないでください。

去年は主に働くソープの分しか申告していませんでした

申告から漏れた店舗の報酬を得た年について、提出済みの申告内容を確認します。去年分を今年の売上へ足すのではなく、必要に応じて去年の修正申告等を検討します。

まとめ|店舗別に整理してから一つの確定申告へまとめる

風俗を掛け持ちしている場合は、各店舗の控除前報酬、日払い、月末振込、店舗控除、源泉所得税、未入金を分け、店舗別の数字を作ってから、本人の一年分として確定申告へまとめます。

特に確認したいのは、次の項目です。

  • その年に働いたすべての店舗と正式な支払者
  • 各店舗の給与・業務委託等の収入区分
  • 本人に発生した控除前の報酬
  • 日払い済み額と月末振込の重複
  • 店舗別経費と共通経費
  • 源泉所得税と店舗費用の区別
  • 12月分の翌年入金と前年分の回収
  • 本人全体の課税売上高と消費税
  • 過去に申告していない店舗・年

明細が不足していても、一部の店舗を申告から外したり、日払い相場だけで年間売上を決めたりせず、現在残っている資料から店舗別・月別に確認しましょう。

確定申告の手順や税金全体については「風俗の確定申告のやり方」をご確認ください。

新宿風俗確定申告センターでは、ソープ・デリヘル・メンエス等の複数店の売上、日払い、共通経費、年末の未入金、過去の申告漏れ、消費税まで確認し、必要な申告書の作成・提出に対応します。

お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。

新宿風俗確定申告センター

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手渡し・明細なし・領収書なし・過去の無申告も、
新宿風俗確定申告センターにまずはお悩みをお聞かせください。

  • この記事を書いた人

坂根 崇真

新宿風俗確定申告センター代表税理士(登録番号133046号)。
年間400件以上の税務相談に対応。
風俗・夜職の確定申告をはじめ、現金日払い、明細なし、過去の無申告、税務調査にも、現在残っている資料から対応します。

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