
結論から言うと、会員制ラウンジから業務委託の報酬を継続して受け取っている場合は、お店で10%前後の税金を引かれていても、自分で確定申告が必要になるケースが多いです。日払い・現金手渡しであることや、まだ支払調書をもらっていないことを理由に、収入を申告しなくてよいわけではありません。
会員制ラウンジ嬢の確定申告では、手元に残った金額だけではなく、時給・日給・保証給、予約・同伴・本指名・場内指名・ドリンク・ボトル・売上等のバックを合計します。
そのうえで、源泉徴収税額、厚生費、送り代、ヘアメイク代、貸衣装代等、給与明細や報酬明細から差し引かれた金額を分けて整理します。
この記事のポイント
- 会員制ラウンジの収入が給与か報酬かで申告方法が変わる
- 日払い・手渡しでもラウンジの収入は申告対象になる
- 時給だけでなく同伴・指名・ドリンク・小計等のバックも確認する
- 手取りではなく、控除前の総支給額と源泉徴収税額を分けて集計する
- 「所得税15%」と書かれていても、全額が正式な源泉徴収税額とは限らない
- 厚生費・送り代・ヘアメ代等は、本人負担額と内訳を確認する
- 支払調書や明細がなくても、出勤履歴やLINE等から整理できる場合がある
- 昼職との掛け持ち、複数店、過去の無申告は年ごと・店舗ごとに確認する
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。
この記事は、会員制・紹介制ラウンジで、時給や各種バックを受け取る女性の確定申告に特化しています。
確定申告が必要になる基準、申告書の作り方、期限、青色申告等の基本は「風俗の確定申告のやり方」をご確認ください。
クラブ・スナック等を含むホステス全般の税金や経費は「ホステスの確定申告」で解説しています。
会員制ラウンジ嬢も確定申告が必要?
はい。会員制ラウンジから報酬を受け取り、年末調整を受けていない場合は、自分で確定申告が必要になるケースが多いです。
ただし、ラウンジで得た金額だけを見て一律に判断するものではありません。
お店との契約が雇用か業務委託か、給与か報酬か、年間所得、昼職やほかの副業、所得控除、源泉徴収の状況等を確認します。
| ラウンジでの働き方 | 確定申告で確認すること |
| 業務委託として報酬を受け取る | 控除前の年間報酬、必要経費、源泉徴収税額 |
| 従業員として給与を受け取る | 源泉徴収票、年末調整、副業・医療費控除等の有無 |
| 昼職と掛け持ちしている | 本業給与以外の所得、住民税、会社の就業規則 |
| 複数のラウンジに在籍している | 店舗ごとの総支給額と源泉徴収税額を合計 |
| 体験入店だけした | 体入分を含む年間の収入・所得とほかの収入 |
「会員制だから税務署に分からない」「月払いの現金手渡しだから収入ではない」という扱いにはできません。
まずは、ラウンジから受け取ったお金が給与なのか、ホステス等の報酬なのかを確認してください。
ラウンジの収入が「給与」か「報酬」かで申告方法が変わります
お店で「給料」と呼ばれていても、税務上の給与とは限りません。契約書、年末調整、源泉徴収票、明細の内容、実際の働き方から確認します。
| 確認項目 | 給与の可能性を確認する資料 | 報酬の可能性を確認する資料 |
| 契約 | 雇用契約書・労働条件通知書 | 業務委託契約書・登録書 |
| 年末の資料 | 給与所得の源泉徴収票 | 報酬の支払調書・年間精算表等 |
| 税金の精算 | 年末調整を受けることがある | 原則として自分で確定申告する |
| 仕事上の支出 | 給与所得者が自由に必要経費を差し引く仕組みではない | 事業所得・雑所得の計算で必要経費を検討 |
| 明細の表示例 | 給与、所得税、雇用保険等 | 報酬、源泉所得税、厚生費、送り代等 |
時給制、シフト提出、遅刻控除等があるという一つの事情だけで、給与か報酬かを決めることはできません。
また、報酬に該当する場合でも、事業所得と雑所得のどちらになるかは、活動の継続性、規模、帳簿、仕事への関与等から確認します。
所得区分については「夜職は事業所得・雑所得どっち?」をご確認ください。
会員制ラウンジではどの金額を売上にする?
報酬として働いている場合は、振込額や現金の手取りではなく、時給・日給等と各種バックを合計した控除前の金額を年間売上として確認します。
会員制ラウンジの報酬体系は店舗ごとの差が大きく、時給だけのお店もあれば、指名本数や売上小計に応じて報酬が大きく変わるお店もあります。
| 収入の項目 | 確認すること |
| 時給・日給・保証給 | 勤務時間、最低保証、待機・早上がり等の計算 |
| 予約・誘客バック | 自分のお客様の予約来店、小計に対する歩合 |
| 同伴バック | 入店時刻別の定額、売上小計に対する歩合 |
| 本指名・場内指名バック | 1本・1時間・30分等、店舗ごとの単位 |
| ドリンク・ショットバック | 1杯ごとの金額、アルコール・ノンアルコールの違い |
| ボトル・シャンパンバック | 売価か小計か、原価控除前後のどちらを基準にするか |
| 売上・小計バック | 対象伝票、歩合率、複数キャストでの分割方法 |
| イベント・ランキング・出勤報奨金 | 達成条件と確定した報奨金 |
| 交通費・タクシー代等の手当 | 本人へ支給された金額と実際に負担した金額 |
| お客様から直接受け取る現金・チップ | 仕事に関連して受け取った金額を別に記録 |
お客様が店舗で支払った飲食代やボトル代の全額を、そのままラウンジ嬢本人の売上にするわけではありません。
店舗との報酬条件に基づき、自分に発生した時給、保証、定額バック、歩合報酬等を確認します。
日払い・現金手渡しは手取り額だけを売上にしない
日払い・週払い・月払いの現金手渡しでも、控除後の受取額だけを売上にしないでください。
会員制ラウンジでは、総支給額から「所得税」「厚生費」「送り」「ヘアメ」「貸衣装」等が差し引かれ、残額だけが現金で渡されることがあります。
たとえば、ある月の明細が次の内容だったとします。
| 明細の項目 | 金額例 |
| 時給分 | 240,000円 |
| 同伴・指名・ドリンク等のバック | 58,000円 |
| 総支給額 | 298,000円 |
| 所得税と表示された控除 | ▲22,000円 |
| 厚生費 | ▲15,000円 |
| 送り代 | ▲8,000円 |
| 現金手取り | 253,000円 |
報酬として処理する場合、253,000円だけを売上にするのではなく、総支給額298,000円を確認します。
そのうえで、22,000円が実際に源泉徴収された所得税なのか、厚生費15,000円と送り代8,000円が本人の必要経費として確認できるのかを分けます。
「差引額45,000円」をまとめて経費にすると、本来は税金の前払いである源泉所得税まで経費にしてしまうため注意してください。
ラウンジで引かれる10%・10.21%・15%は何?
ホステス等の報酬に該当する場合、源泉徴収は税金の前払いです。ただし、明細にある10%や15%の控除が、すべて正式な源泉徴収税額とは限りません。
国税庁は、居住者であるホステス等へ報酬・料金を支払う場合、所得税と復興特別所得税の源泉徴収が必要と説明しています。
ホステス等の報酬に対する源泉徴収税額は、原則として次の式で計算します。
ホステス等の報酬に対する源泉徴収の基本式
(報酬額 − 5,000円 × 計算期間の日数)× 10.21%
計算期間の日数は出勤日数や店舗の営業日数ではなく、報酬計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数です。
同じ月に給与等の支払いもある場合は計算が変わるため、店舗の支払区分を確認してください。
たとえば、3月1日から3月31日までの報酬が750,000円の場合は、次のように計算します。
| 計算 | 金額 |
| 報酬額 | 750,000円 |
| 5,000円 × 31日 | 155,000円 |
| (750,000円 − 155,000円)× 10.21% | 60,749円 |
店舗によっては、総支給額の10%、10.21%、15%等を一律に差し引き、「所得税」「税・厚生費」「控除」等と表示している場合があります。
しかし、15%の中に厚生費が含まれている、計算期間による控除を反映していない等、明細上の呼び方と税法上の源泉徴収税額が一致しないこともあります。
次の点を店舗へ確認してください。
- 控除率を何に掛けているか
- 源泉所得税と厚生費が分かれているか
- 店舗が源泉徴収税額として処理した金額はいくらか
- 年間の支払額と源泉徴収税額が分かる資料を出せるか
- 給与の場合は源泉徴収票を発行するか
源泉徴収された所得税は必要経費ではなく、確定申告で最終的な所得税から差し引く税金です。
詳しくは「水商売・風俗で源泉徴収されている場合の確定申告」をご確認ください。
同伴・指名・ドリンク・小計バックの集計で注意すること
会員制ラウンジのバックは、名称よりも「何を基準に、いつ、いくら自分へ発生したか」で集計します。
同じ本指名でも、1本2,000円、1時間3,000円、売上小計の20%等、お店によって計算方法が違います。
| バックの仕組み | 保存したい内容 |
| 入店時刻で同伴率が変わる | 来店時刻、対象伝票、適用率 |
| 予約客と新規客で歩合が違う | 顧客区分、予約履歴、売上小計 |
| 複数キャストで指名を分ける | 伝票小計、分割人数、本人分 |
| ボトル原価を引いて計算する | 売価、原価、バック率、計算結果 |
| 月間売上で時給・歩合が変わる | 締め期間、達成条件、確定後の報酬 |
| 翌月に修正・調整される | 元の明細と調整明細を対応させる |
自分の売上小計が100万円でも、自分の報酬が小計20%の20万円である契約なら、小計100万円をそのまま本人の売上にするわけではありません。
反対に、20万円の歩合報酬から税金や厚生費が差し引かれ、手取りが17万円になっていても、17万円だけを売上にするのは避けてください。
店舗売上、自分の報酬、控除額、現金手取りを別の列で管理すると、確定申告の集計が崩れにくくなります。
厚生費・送り代・ヘアメ・貸衣装は経費になる?
ラウンジ嬢本人が報酬を得るために実際に負担した金額は必要経費を検討できますが、明細から引かれているだけで自動的にすべて経費になるわけではありません。
| 控除項目 | 確認すること |
| 源泉所得税 | 必要経費にせず、確定申告で源泉徴収税額として精算 |
| 厚生費・共益費・雑費 | 何の対価か、固定額か歩合か、本人負担額はいくらか |
| 送り代 | 利用日、店舗からの控除額、自分が実際に負担した金額 |
| ヘアメイク・着付け | 出勤用サービスの利用日と本人負担額 |
| 貸衣装・ロッカー代 | 業務利用と控除された金額 |
| インボイス手数料等 | 契約上の名称、算定根拠、インボイス登録の有無との関係 |
| 遅刻・欠勤・当日キャンセル等 | 報酬が減額されたのか、別途負担した金額か、契約上の根拠 |
たとえば、最初から時給計算の対象外となった時間は、受け取っていないため経費にする金額がありません。
一方、確定した総報酬から業務上の送り代やヘアメイク代を本人負担として控除されている場合は、総報酬と本人負担額を分けて確認します。
「税・厚生費15%」のように内訳が一つになっている場合は、15%全額を源泉徴収税額にしたり、反対に全額を必要経費にしたりしないでください。
会員制ラウンジ嬢の経費として確認できるもの
会員制ラウンジの報酬を得るために本人が負担し、店舗やお客様から精算されていない支出は必要経費を検討します。
| 支出 | 確認するポイント |
| ラウンジ専用のドレス・衣装 | 私生活で使用せず、出勤・イベント用であること |
| 仕事用の靴・小物・名刺入れ | 業務専用性、私用との区分、購入記録 |
| 出勤前のヘアセット・着付け | 利用日と出勤日・同伴日の対応 |
| 自腹の交通費・深夜タクシー | 出勤、同伴、アフター等の移動との関係 |
| 同伴・アフターの本人負担分 | 相手、日付、店、金額、営業目的を記録 |
| お客様への営業用プレゼント | 相手、目的、金額、売上との関係 |
| プロフィール写真・SNS用撮影 | ラウンジでの集客・在籍活動との関係 |
| スマホ・通信費 | お客様や店舗との連絡等、業務使用分を区分 |
| 会計ソフト・税理士費用 | ラウンジの記帳・確定申告に関する本人負担額 |
会員制ラウンジはキャバクラより服装の自由度が高く、私生活でも使えるワンピース、バッグ、アクセサリー等で出勤することがあります。
その場合、「ラウンジで着たことがある」という理由だけで全額を経費にせず、業務専用性と私生活での使用状況を確認してください。
夜職の経費については「キャバ嬢の経費になるもの」も参考にしてください。
美容院・ネイル・化粧品・美容医療はすべて経費になる?
いいえ。見た目が評価や時給に影響する仕事でも、美容院、ネイル、化粧品、美容医療等が自動的に全額経費になるわけではありません。
| 支出 | 注意点 |
| 出勤当日のヘアセット | 出勤との対応を説明しやすい |
| 普段も行う美容院・ネイル | 私生活上の効果を含むため慎重に判断 |
| 日常でも使う化粧品 | 仕事用と私用が混ざりやすく、全額計上を避ける |
| エステ・脱毛・美容医療・整形 | 身体への私的効果が大きく、特に慎重な確認が必要 |
| ジム・健康維持費 | 仕事にも役立つというだけで全額経費にしない |
「面接で見た目を評価された」「きれいにするよう言われた」という事情だけでは、私生活の支出がすべて必要経費になるとは限りません。
いつ、何に使い、どの出勤や売上に関係したかを説明できる状態にしてください。
店舗が負担した費用を二重に経費へ入れない
店舗が全額負担したヘアメイク代、送り代、撮影費等は、ラウンジ嬢本人の必要経費にはしません。
| 費用の負担方法 | 本人側の確認 |
| 店舗が直接全額負担 | 本人の必要経費にしない |
| 本人が立て替え、後から全額精算 | 最終的な本人負担がなければ二重計上しない |
| 報酬から本人負担分を控除 | 総報酬と控除された費用を分ける |
| 一部だけ店舗が負担 | 本人が最終的に負担した部分だけ確認 |
お客様が同伴代を全額支払った場合や、店舗がタクシーチケットを用意した場合も、誰が最終的に負担したかを確認します。
12月勤務分を翌年1月に受け取った場合はいつの収入?
12月に働いた報酬が翌年1月に振り込まれた場合、単純に銀行へ入った年の収入と決めず、給与か報酬か、締め日・支払日、報酬を受け取る権利が確定した時期を確認します。
ラウンジでは、月末締め翌月払い、週締め、全額日払い、日払いと預かり分の後日精算等、店舗によって支払方法が異なります。
| 年末の状況 | 確認すること |
| 12月勤務分を1月に月払い | 給与・報酬の区分、契約上の締め日と支払日 |
| 一部を日払いし、残額を翌月精算 | 同じ勤務分を重複・除外しないよう総額を照合 |
| 12月の売上バックが翌月確定 | 達成条件と本人の報酬額が確定した日 |
| 翌月に時給・バックを修正 | 当初明細と調整明細の対象期間 |
銀行明細だけで集計すると、前年12月分を落としたり、前年分の1月入金を当年の売上へ二重に入れたりすることがあります。
毎月の明細に「対象期間」「締め日」「支払日」を書き、年末分は翌年1月の精算明細まで保存してください。
支払調書・給与明細をもらえない場合の売上整理
支払調書や月次明細がなくても確定申告を諦める必要はありません。現在残っている資料を店舗別・月別に突き合わせて、控除前の報酬を整理します。
給与として支払われている場合は給与所得の源泉徴収票、報酬として支払われている場合は報酬明細や支払調書等を確認します。
なお、報酬の支払調書は店舗が税務署へ提出する法定調書であり、受取人へ必ず交付される書類とは限りません。「支払調書が届かないから申告できない」とは考えないでください。
| 残っている資料 | 確認できること |
| 給与・報酬明細の写真 | 総支給、源泉所得税、厚生費、送り等 |
| 店舗とのLINE・メッセージ | 出勤、時給、バック、控除、精算内容 |
| 出勤表・シフト提出履歴 | 店舗別の出勤日数・勤務時間 |
| 売上・ポイント画面 | 指名、同伴、ドリンク、小計バック等 |
| 銀行口座 | 振込額、現金入金の時期、店舗名 |
| スマホのカレンダー・写真 | 出勤日、同伴、イベント、利用店舗 |
| 交通系IC・タクシー履歴 | 出勤・同伴・アフターの移動 |
| スカウト・紹介者との連絡 | 入店時期、店舗、保証時給等 |
明細を受け取ったら、その場で写真を撮るかPDFで保存してください。退店後や店舗閉店後は、過去データを取り寄せにくくなります。
領収書がない場合は「領収書なしでも経費にできる?」もご確認ください。
相談事例|15%引かれた現金だけを記録していた
ラウンジの給与明細や支払調書がなく、「税金を引かれているから申告済みだと思っていた」という悩みがよく寄せられます。
ラウンジ嬢の相談事例
昼は会社員として働く女性が、週2日ほど西麻布の会員制ラウンジへ出勤していました。
時給に加えて、同伴、本指名、ドリンクのバックが発生していましたが、月末に「税・厚生費15%」と送り代を差し引いた現金だけを受け取っていました。
本人は、15%引かれていればお店が確定申告まで済ませていると思い、手取り額も記録していませんでした。年末になっても源泉徴収票や支払調書は届きませんでした。
そこで、店舗とのLINE、シフト提出、時給の案内、同伴予約、売上画面のスクリーンショット、銀行へ現金を入れた日、タクシー履歴を月ごとに照合しました。
その結果、現金手取りだけでなく、時給分、各種バック、税金として処理された金額、厚生費、送り代を分けて年間表を作る必要があることが分かりました。
また、途中で別のラウンジへ体験入店した日の日払いと、お客様から直接受け取ったチップも年間収入へ追加して確認しました。
※複数の相談・投稿を参考に、個人が特定されないよう勤務期間、金額、地域等を変更して再構成しています。新宿風俗確定申告センターの特定のお客様の事例ではありません。
明細がない場合は、現金手取りを推測で年間売上にするのではなく、時給表と出勤履歴、バック記録、控除内容を組み合わせてください。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
実際に報道された会員制クラブの源泉所得税事件
ラウンジやクラブで明細から「所得税」が引かれていることと、その金額が店舗から国へ適切に納付されていることは別の問題です。
北新地の会員制クラブ経営者が告発された事例
2025年2月13日のFNNプライムオンライン・関西テレビの報道では、大阪・北新地で複数の会員制クラブを経営する男性が、大阪国税局から所得税法違反の疑いで大阪地検へ告発されたと報じられました。
報道によれば、経営者は2022年9月から約1年間、従業員やホステスの給与・報酬から源泉徴収分を差し引きながら、所得税約8,600万円を納付せず、店舗の事業資金等に充てたとみられています。
これは会員制クラブ経営者側の源泉所得税に関する事件であり、在籍していたホステス個人の確定申告が告発されたという報道ではありません。
また、この報道だけから、各ホステスの確定申告や源泉徴収税額の処理結果までは分かりません。
ラウンジ嬢側は、店舗名、総支給額、源泉徴収税額、支払日が分かる明細を保存し、確定申告で説明できるようにしてください。
店舗への税務調査や支払調書から収入を確認される可能性があります
現金手渡しや源氏名で働いていても、店舗の出勤記録、報酬台帳、振込、支払調書等から収入を確認される可能性があります。
国税庁によれば、バー・キャバレー等のホステス等に対する報酬は、同じ人への年間支払額が50万円を超える場合、支払者が税務署へ支払調書を提出する範囲に含まれます。
店舗には、次のような資料が残ることがあります。
- 本名・住所・生年月日等の登録情報
- 出勤表・シフト・タイムカード
- 時給・保証・バックの計算表
- 顧客伝票・予約・指名・同伴の履歴
- 給与・報酬台帳
- 源泉徴収税額の計算資料
- 現金出納帳・振込記録
- 法定調書・マイナンバー関係資料
「支払調書を自分は受け取っていない」「給料は毎回現金だった」という理由で、店舗側にも資料がないとは限りません。
無申告や税務調査の実例については「キャバ嬢・ホステスの脱税はバレる?」をご確認ください。
昼職とラウンジを掛け持ちしている場合
昼職の会社員が会員制ラウンジで働く場合は、ラウンジ分だけでなく、給与、ほかの副業、必要経費を含めて確定申告の要否を判断します。
「副業所得が20万円以下なら何もしなくてよい」と一律に考えないでください。
所得税の確定申告が不要となるケースでも、住民税の申告が必要になることがあります。また、ラウンジの収入が給与なら、給与以外の所得とは判定方法が異なることがあります。
| 気になること | 確認する内容 |
| 昼職の会社に知られたくない | 住民税の取扱い、就業規則、給与か報酬か |
| 親・配偶者の扶養に入っている | 税法上の扶養、社会保険上の扶養、年間所得 |
| 学生として働いている | 本人の所得税・住民税と家族の扶養 |
| 会社の年末調整を受けた | 年末調整に含まれていないラウンジ収入 |
確定申告書の住民税欄で「自分で納付」を選べる所得もありますが、必ず会社に知られないことを保証する制度ではありません。
複数のラウンジ・キャバクラを掛け持ちしている場合
複数店に在籍している場合は、店舗ごとに別々の確定申告をするのではなく、年間の収入と必要経費を最終的に合算します。
ただし、店舗によって給与と報酬が混在する、源泉徴収率が異なる、バックの締め日が違う等があるため、最初は店舗別に整理してください。
| 店舗 | 契約・所得 | 主な資料 | 注意点 |
| Aラウンジ | 業務委託・報酬 | 報酬明細・支払調書 | 10.21%の源泉徴収 |
| Bラウンジ | 業務委託・報酬 | 現金メモ・LINE・シフト | 税・厚生費15%の内訳 |
| C店 | 雇用・給与 | 源泉徴収票 | 年末調整の有無 |
源泉徴収税額も店舗別に集計し、同じ明細を重複して入力しないようにしてください。
ラウンジ嬢はインボイス登録した方がよい?
店舗から「インボイス未登録だと手数料を引く」と言われても、内容を確認せず登録しないでください。インボイス登録をすると、原則として消費税の申告・納税が必要になります。
まず、ラウンジからの収入が給与なら、従業員として受け取る給与について自分がインボイスを発行する関係ではありません。
業務委託の報酬であれば、店舗から登録番号を求められたり、未登録者向けの控除について説明されたりすることがあります。
インボイス登録は任意です。判断するときは、次を比較してください。
- 登録しない場合に報酬から何円差し引かれるのか
- 登録した場合に消費税をいくら納める見込みか
- 現在すでに消費税の課税事業者か
- 簡易課税や経過措置を利用できるか
- 登録後の申告・記帳コストはいくらか
「手取りが減るから登録」「売上が1,000万円以下だから登録不要」のどちらにも決めつけず、店舗の契約と自分の消費税負担を数字で比べます。
詳しくは「風俗・夜職の消費税とインボイス」をご確認ください。
ラウンジの確定申告を何年もしていない場合
申告が必要だった過去の年がある場合は、今年分だけ確定申告しても昔の無申告がなくなるわけではありません。
年ごと・店舗ごとに、次の内容を整理します。
- 在籍した店舗と在籍期間
- 給与か報酬か
- 時給・保証・各種バック
- 日払い・月払い・現金・振込の別
- 総支給額と源泉徴収税額
- 厚生費・送り代・ヘアメ等の控除
- 本人が自腹で負担した必要経費
- 昼職やほかの副業収入
昔の明細がない場合でも、LINE、写真、カレンダー、銀行口座、交通履歴、当時の時給案内等から確認できる場合があります。
退店、店舗閉店、スマホの機種変更等で資料が消える前に、現在見られる画面を保存してください。
過去の無申告については「水商売で確定申告していない場合の対処法」をご確認ください。
会員制ラウンジ嬢の確定申告は新宿風俗確定申告センターへ
会員制ラウンジの確定申告では、時給や手取りを合計するだけではなく、店舗ごとの報酬体系と控除明細を読み解く必要があります。
特に、
- 給与か業務委託か分からない
- 10%・10.21%・15%のどれが源泉所得税か分からない
- 「税・厚生費」とまとめて差し引かれている
- 日払い・現金手渡しの記録が残っていない
- 同伴・指名・ドリンク・小計バックが多い
- 支払調書・源泉徴収票・報酬明細をもらっていない
- 昼職との掛け持ちを会社に知られたくない
- 親や配偶者の扶養に入っている
- 複数のラウンジ・キャバクラを掛け持ちしている
- インボイス登録を店舗から求められている
- 3年・5年と確定申告していない
- 店舗や税務署から連絡が来ている
という方は、申告書を作る前に数字の整理が必要です。
新宿風俗確定申告センターでは、現在残っている次の資料から、年ごと・店舗ごとに確認します。
| 現在ある資料 | 確認する内容 |
| 契約書・入店時の案内 | 給与・報酬、時給、保証、バック |
| 給与・報酬明細 | 総支給、源泉所得税、厚生費、送り代 |
| LINE・シフト・売上画面 | 出勤、同伴、指名、ドリンク、小計 |
| 銀行・現金入金の履歴 | 振込・手渡しの受取時期と金額 |
| 領収書・カード・交通履歴 | 本人が負担した仕事上の支出 |
| 税務署・自治体から届いた書類 | 現在の申告・住民税・税務調査の状況 |
最初からすべての資料がそろっている必要はありません。
源氏名、在籍店舗、報酬の受け取り方、明細がないことも、確定申告に必要な範囲でそのままお伝えください。売上と経費の整理から、申告書の作成、税務署への提出、過去の無申告への対応までまとめてご依頼いただけます。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
会員制ラウンジ嬢の確定申告についてよくある質問
会員制ラウンジ嬢は確定申告が必要ですか?
業務委託の報酬を受け取り、年末調整を受けていない場合は、年間所得やほかの収入の状況によって確定申告が必要になるケースが多いです。
給与として受け取っている場合でも、年末調整、昼職、ほかの副業等を確認します。
ラウンジで10%引かれていれば確定申告は不要ですか?
いいえ。源泉徴収は所得税の前払いであり、確定申告が終わったことにはなりません。
年間の収入、必要経費、所得控除、源泉徴収税額から最終的な税額を計算します。
ラウンジで15%引かれています。すべて所得税ですか?
明細の表示だけでは判断できません。
15%に厚生費等が含まれている場合があるため、源泉所得税、厚生費、その他の控除の内訳を店舗へ確認してください。
日払い・現金手渡しでも申告しますか?
はい。支払方法が現金でも、ラウンジの仕事で得た収入であることは変わりません。
受取日、店舗、控除前の金額、源泉徴収税額、その他の控除を記録してください。
同伴・本指名・場内・ドリンクバックも収入ですか?
自分への報酬として発生した金額は、時給等と合わせて年間収入として確認します。
売上小計と本人のバック額を混同しないでください。
お客様から直接もらったチップも申告しますか?
仕事に関連して受け取った現金のチップ等は、店舗を通していなくても収入として確認します。
支払調書がなくても確定申告できますか?
支払調書がなくても、報酬明細、LINE、シフト、売上画面、銀行口座、現金メモ等から年間収入を整理できる場合があります。
12月分を翌年1月にもらったら翌年の売上ですか?
入金日だけでは決められません。給与か報酬か、契約上の締め日・支払日、報酬額が確定した時期を確認します。
12月の明細と翌年1月の精算明細を一緒に保存してください。
源泉徴収票をお店が出してくれません
まず、自分への支払いが給与か報酬かを確認してください。
給与なら源泉徴収票、報酬なら支払調書や年間報酬明細等を確認します。書類名を混同しないことが大切です。
厚生費や送り代は経費になりますか?
業務委託の報酬を得るために本人が実際に負担した金額であれば、必要経費を検討します。
源泉所得税と一緒にまとめて控除されている場合は、先に内訳を分けてください。
ドレスではなく私服のワンピースで出勤しています
私生活でも使える服は、ラウンジで着用したという理由だけで全額を経費にしないでください。
業務専用性、実際の使用状況、購入目的から判断します。
昼職の会社にラウンジ勤務を知られたくありません
住民税の取扱いと、ラウンジ収入が給与か報酬かを確認します。
住民税を自分で納付する選択をしても、必ず会社に知られないことを保証するものではありません。
副業所得が20万円以下なら申告しなくてよいですか?
20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあります。また、ラウンジ収入が給与か報酬か、ほかの副業所得があるかによって判定が変わります。
「20万円以下なら何もしない」と決めつけないでください。
店舗からインボイス登録を求められました
まず、給与ではなく業務委託の報酬であるか、未登録の場合に何円控除されるかを確認します。
登録すると原則として消費税の申告・納税が必要になるため、登録前後の負担を比較してください。
複数のラウンジで働いています
店舗ごとに給与・報酬、総支給、源泉徴収、厚生費等を整理し、最終的に年間分を合算します。
3年間ラウンジの確定申告をしていません
申告が必要だった場合は、今年分だけでなく過去の各年について収入と必要経費を整理します。
LINE、シフト、写真、銀行口座等が残っているうちに保存してください。
まとめ|会員制ラウンジは総支給・源泉徴収・控除を分けて申告する
会員制ラウンジ嬢の確定申告で最も重要なのは、現金の手取りだけを見るのではなく、時給・保証・各種バックを含む総支給額、源泉徴収税額、厚生費・送り代等を分けることです。
特に確認したいのは、
- 給与か業務委託の報酬か
- 時給・日給・保証給
- 予約・同伴・本指名・場内指名バック
- ドリンク・ボトル・売上小計バック
- 日払い・手渡し・振込の総支給額
- 10%・10.21%・15%等の控除の内訳
- 源泉徴収された所得税
- 厚生費・送り代・ヘアメイク代・貸衣装代
- 本人が自腹で負担した必要経費
- 支払調書・源泉徴収票・報酬明細の有無
- 昼職、複数店舗、扶養、インボイス
- 過去に確定申告していない年
です。
ラウンジで税金を引かれていても、それだけで確定申告が完了したことにはなりません。また、「税・厚生費15%」を全額源泉徴収税額や必要経費にすることも避けてください。
確定申告の具体的な手順や税金全体については「風俗の確定申告のやり方」をご確認ください。
新宿風俗確定申告センターでは、会員制ラウンジの時給・保証・各種バック、日払い・現金手渡し、源泉徴収、厚生費・送り代、必要経費、昼職との掛け持ち、複数店舗、資料不足、過去の無申告まで確認し、申告書の作成から税務署への提出まで対応します。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
