税務調査で青色申告を取り消されると、過年度の赤字の繰り越しができなくなり、また、青色申告特別控除なども適用されないため追徴税額が跳ねあがります。
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税務調査で青色申告取り消しによるダメージ
税務調査で青色申告を取り消されると、次のダメージがあります。
- 欠損金の繰り越しができないため、過去に赤字の年度があっても欠損金を使えないため税額が跳ねあがる
- 個人の場合65万円控除が使えない
- 推計課税されるリスクがある(税務署に推測で税額を計算される)
青色申告の取り消しに関する法的な要件
青色申告承認申請書を提出していても、税務調査において青色申告の承認が取り消されることがあります。
青色申告が取り消されることについては、法人税法第127条と所得税法第150条に要件が規定されていますが、大きく変わらないため法人税法についてのみ説明します。
青色申告の承認の取り消し(法人税法第127条)
内国法人が青色申告の承認を受けた場合、次のいずれかに該当する場合に、納税地の所轄税務署長は、その承認を取り消すことができます。
- 帳簿書類の備付け、記録又は保存が行われていないこと
- 確定申告書を提出期限までに提出しなかったこと
- 取引を隠蔽又は仮装して記載し又は記録するなどして真実性を疑うに足りる相当の理由があること など
その場合、その内国法人が当該事業年度開始以降提出した青色申告書は、青色申告書ではなく、白色申告書とみなされます。
なお、これらの事実がある年度までさかのぼって承認を取り消すことができるとされています。
帳簿書類の備付け、記録又は保存が行われていないこと
その事業年度に関連する帳簿書類の備付け、記録、または保存が行われていないこと。これは、青色申告の要件となっている帳簿書類が作成されていない、または帳簿書類があっても税務調査で提示されないことを含みます。
そのため、税務調査で資料を出すよう求められても、出さなかったら帳簿を作っていないとみなされて青色申告を取り消されるということです。
確定申告書を提出期限までに提出しなかったこと
申告書を提出期限までに提出しなかった場合には青色申告の取り消しを行われる可能性があります。なお、この規定は法人税法にのみ規定されており、実務上は2年連続で期限後申告または無申告であった場合に青色申告が取り消されます。
取引を隠蔽又は仮装して記載し又は記録するなどして真実性を疑うに足りる相当の理由があること
これは税務調査で問題になることが多く、たとえば重加算税が課せられるケースではこの要件を満たすことが多く、悪質な納税者は青色申告を取り消されます。
青色申告取り消しの実務的要件
重加算税=青色申告の取り消しとは限らない
青色申告の取り消しには実務的な要件があり、この要件は「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」と「個人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」の2つに定められています。
なお、重加算税=青色申告の取り消し と認識されている方も多いですが、税務調査の現場では、通常の調査期間である3年~5年で重加算税と指摘されたとしても、青色申告の取り消しになるケースはあまりありません。
青色申告が取り消され多くのケースは、納税者が不正行為等を行っていた場合がほとんどです。そのような場合には、重加算税に加え、7年遡及しての青色申告取り消しの対象となることが多いです。
そのため、重加算税=青色申告の取り消しとは限りません(もっとも、実際に悪質な行為を行っていれば長期間が3年や5年から7年に延長され、重加算税+青色申告の取り消しになる方は少なくありません)。
青色申告の取り消しに関する50%基準
法人税法第127条第3号には、青色申告の取り消しに必要な要件が規定されています。
それは「その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること」というものです。
この要件を実務的に解釈したものが、事務運営指針に記載されています。
具体的には、所得金額の決定や更正があった場合において、その年度の所得金額の50%を超える隠ぺい又は仮装の事実がある場合、かつその金額が500万円以上の場合に青色申告の取り消しが行われます。
この基準を理解するために、以下の例を挙げて説明します。
たとえば、当初申告所得が2,000万円で、更正後の申告所得が5,000万円であり、その差額が3,000万円とします。
この場合、隠ぺいまたは仮装した所得が2,000万円なら、青色申告の取り消しは行われません。
なぜなら、更正後の所得5,000万円の50%は2,500万円であり、隠ぺいまたは仮装した所得(2,000万円)がそれよりも少ないためです。
税務調査において重加算税を受け入れる必要がある場合でも、上記の基準を満たしていない場合は青色申告の取り消しが行われません。
また、国税調査官がこの基準を知らない場合もあるため、事務運営指針を参照して反論する必要があります。
※事務運営指針は今後変わる可能性も十分あります。
青色申告取り消しの現実的要件
青色申告を取り消されるのは資料を破棄しているようなケース
上述したように、重加算税が発生すると必ずしも青色申告の取り消しにはなりません。
しかし、国税調査官は「青色申告を取り消しますよ」と言ってくることも少なくはありません。
ただし、青色申告を推奨する国税庁が青色申告の取り消しを頻繁に行うことは行っておらず、その多くは脅しです(もちろん、2期連続で期限後に申告もしくは無申告の場合は青色申告の取り消しが行われます)。
そのため、税務調査で青色申告の取り消しになる事例は、原資料が破棄されているために実際の額による課税ができず、推計課税を適用しなければならない調査案件がほとんどです。
推計課税とは
推計課税とは、税務署が納税額を推測で決められる制度です。そのため、納税額が高額になります。
なお、推計課税は、法人税法131条や所得税法156条に規定される更正(もしくは決定)をする場合の規定ですが、青色申告者には適用できません。したがって、税務署が推計課税による更正を行う場合、青色申告を取り消してから更正する必要があります。
しかし、税務調査において立ち会いする税理士がいる場合は、国税調査官が「青色申告取り消し」と言ってきても、更正を受ける前に指摘通りに修正申告を提出することで矛先を納めてくれることが通常です。
また、青色申告を取り消すと指摘された税務調査でも、法律要件や事務運営指針から反論すれば、国税調査官が引き下がるケースがほとんどです。
今後まじめに申告を行っていくということが大前提ですが、青色申告取り消しに関するリスクを適切に理解し、適正に主張・反論することが重要です。
青色申告が取り消されると3年青色申告できない
2期連続で無申告を行うことで青色申告が取り消された場合、翌年1年間は青色申告の承認申請が却下されるため、あわせて最短でも3年間は青色申告を行うことができません。
そのため、適切に税務申告を行わないと痛い目にあいます。
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