税務調査

無予告の税務調査が来たら?最初の対応・税理士への連絡・資料確認の進め方

税理士 / 坂根 崇真(秋田税理士事務所)

【肩書】 秋田税理士事務所 代表税理士、㈳全国第三者承継推進協会 理事、㈱坂根ホールディングス代表取締役 【著書】 会社を立ち上げる方法と7つの注意点 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE 、現代ビジネス ほか

突然、税務署の職員が店舗や事務所へ来た場合は、所属・氏名と身分、来訪目的、対象税目・期間を確認し、顧問税理士がいれば速やかに連絡します。事前の電話がなかったから必ず違法、反対に来た以上は全て無条件に認めるしかない、という判断はしないでください。

無予告の来訪では、営業を続けながら誰が対応するか、どの資料を求められているか、既に何を答えたかを落ち着いて整理することが大切です。秋田税理士事務所には元国税調査官の税理士が在籍し、調査だけのご依頼も承ります。税理士がいない方も、現在の状況からご相談ください。

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連絡なしの来訪と、事前通知がない実地調査を分ける

税務署からの来訪には、連絡先や日程の確認、行政指導、調査など、異なる目的があります。「職員が来た」という情報だけでは、どの手続きが始まったのか分かりません。まず、何のための訪問で、これからどのような確認をするのかを伺います。

実地の税務調査には原則として事前通知がありますが、法令上、通知を要しない場合もあります。申告や過去の調査、事業等の情報から、事前通知によって正確な税額等の把握や適正な調査に支障が生じるおそれがあると判断される場合などです。納税者が不正を認めたかどうかだけで決まるものではありません。

無予告だったこと自体で不正や重加算税が確定するわけでもありません。調査の手続きと、取引・申告内容の正しさは分けて確認します。通常の調査と、犯罪の嫌疑に基づく査察なども混同しないことが必要です。

突然の来訪から最初の引継ぎまで、場面ごとの対応

来訪直後は、調査への対応、顧客対応、社内への連絡を同じ人が全て行おうとすると、説明や記録が抜けやすくなります。職員に何を求められているかを確認したうえで、実際に対応できる人と業務の状況を整理します。次の流れは作業分担の例であり、全ての調査がこの順番で進むという意味ではありません。

受付・接客担当が訪問を受けた場面

最初に責任者への連絡を取り、所属・氏名・来訪目的を記録します。職員の説明は、聞いた言葉と、自分が理解した内容を区別します。レジや帳簿の操作を普段担当していない人が、操作方法や売上の集計を推測で説明しないようにします。

責任者が不在なら、戻る見込みと連絡状況を伝えます。「不在だから絶対に何もできない」と一律に判断するのでも、担当外のことまで答えるのでもなく、分かる事実と責任者の確認が必要なことを分けます。連絡を受けた責任者は、今どの場所で誰が対応しているかも把握します。

身分と目的を確認した場面

対象の事業者、税目、期間、これから行う質問・検査の説明を確認します。会社と社長個人を同時に経営している場合や、個人事業から法人へ切り替えた場合は、どちらのどの期間が対象かを明らかにします。相手が求めた以上の会社・期間まで、こちらの推測で混ぜないことが大切です。

税理士へ連絡する際は、長い経緯を最初から話す前に、来訪中であること、職員の所属・氏名、対象と求められたことを伝えます。書面がある場合は、種類と記載された期限もお知らせください。担当する税理士が引き継ぐために必要な情報を先にそろえます。

現金・売上の確認を始める場面

その時点の現金と、どの時点までの帳簿・日報を比較するかを確認します。例えば、前日までの帳簿残高と当日の営業中の現金を比べるなら、当日売上や支払、釣銭の動きも関係します。比較時刻と対象範囲が違うまま、差額だけを原因と結び付けないようにします。

現金の差額を説明するための整理表

次は、手元現金の差を調べる作業の仮例です。正しい売上や所得を自動計算するものでも、この形で作れば必ず説明が認められるというものでもありません。実際の記録と現金の状態を確認するために使います。

確認項目 仮の金額 根拠として照合する記録
前日締め時点の帳簿残高 5万円 現金出納帳、締め処理
当日の売上受取 3万円 レジ・売上日報、取消等
当日の支払 1万円 領収・精算、支払時刻
単純に計算した残高 7万円 5+3−1の対応
実際に数えた現金 8万円 数えた日時・範囲
調べる必要がある差額 1万円 別の入出金、集計、釣銭等

1万円の差があるからといって、それを一律に売上漏れ、釣銭、生活費の混入などと処理するものではありません。別のレジ、金庫、店主の財布等が関係する場合も、誰のどの資金を数えたかを明らかにします。必要な確認をする前に、現金を移して数字を合わせないでください。

キャッシュレス決済を利用している場合も、現金の残高だけでは日々の売上全体を確認できません。売上日、決済日、口座への振込日、差し引かれる手数料等を分けます。現金・決済・通帳の同じ売上を何度も加えていないかも確認します。

質問を受けたときの「分かること・調べること」の分け方

回答メモには、質問された内容と、その時点で確認できた事実を残します。「普段そうしている」という説明と、「対象日の記録で確かめた」という説明は同じではありません。過去の売上や現金移動は、通常の業務手順と、実際にその日に行ったことを分けて確認します。

例えば、従業員が「閉店後は現金を銀行へ入れています」と説明していても、休業日前の保管、銀行の営業時間、店主による支払等で、毎日同じとは限らない場合があります。例外を隠すのではなく、当時の記録と担当者の説明を照合します。

回答の状態 メモへ残す例 次の作業
資料で確認できた 対象日の日報に記載あり 資料名・該当箇所を残す
本人の記憶だけ 通常はその手順だが当日は未確認 当日の記録と担当者を確認
担当外 仕入支払は別担当が行っていた 担当と資料の所在を確認
説明と記録が違う 入金日と売上日を混同して回答 違いと訂正の根拠を整理

一度回答した後に違いが分かったときは、黙って資料を置き換えるのではなく、何が分かり、どの説明を訂正するかを明らかにします。当事務所が、当初回答と新たな資料の関係を整理して説明を進めます。

当日の営業と、調査の作業を分担する

顧客の予約や現場作業がある場合は、業務を引き継げる人、税務署への説明に必要な人、資料を取得できる人を整理します。社長が全ての質問と接客を同時に受ける状態を避けられるか、具体的な業務の事情を伝えて進め方を確認します。

ただし、業務を理由に必要な確認を一律に拒否できるということではありません。どの資料・説明が今必要か、後から確認するものは何かを分け、対応可能な方法を相談します。資料の取得や提出の予定も、できるか分からないものをその場で約束しないようにします。

当事務所へ依頼した後も、実際の営業、現金の管理、取引の内容など、ご本人や担当者しか分からない事実は確認をお願いします。その事実を会計・税務の判断と結び付け、税務署への説明や資料の対応を整理する部分を、受任範囲に応じて当事務所が進めます。

翌日以降の対応で、質問と資料を混乱させない

来訪後は、未回答の項目ごとに資料・担当・回答の見込みを並べます。税務署から追加の連絡を受けた人が変わっても、同じ表へ記録すると引継ぎがしやすくなります。提出の期限や次の訪問日を、社内の記憶だけで共有しないことも大切です。

同じファイルを更新していく場合も、提出した版と作業中の版を分けます。原本、写し、説明用集計の違いを残し、どの数字が当時の記録で、どの数字が後から調べ直したものかを明らかにします。調査の途中で気付いた誤りが、他の年や別の税目へ影響する場合は、その範囲も確認します。

無予告調査の初動が終わっても、資料提出や結果の説明が続く場合があります。来訪した日の不安だけで、根拠を確認しないまま全ての指摘へ同意する必要はありません。通知・質問・提出の記録をもとに、当事務所へ一連の対応をお任せいただける範囲をご案内します。

最初に確認し、記録する項目

確認項目 残す内容 整理する理由
職員の身分 所属・氏名、身分証明書や質問検査章の提示 誰が、どの権限で来たかを確認
来訪の目的 調査、行政指導、日程の確認等の説明 必要な対応を取り違えない
対象 税目、年分・事業年度、事業者 別の期間や会社の資料と混ぜない
求められた事項 質問、帳簿、現金、端末等 回答と提出の記録を残す
営業上の事情 接客、予約、現場、責任者の不在 その時点で対応できる範囲を説明
連絡状況 税理士への連絡と到着・対応の見込み 誰が何を引き継ぐかを明らかにする

職員の説明をメモするときは、事実と自分の受け止めを区別します。「全期間を調べると言われたはず」と記憶で広げず、確認できていない対象は確認中とします。身分に疑問がある場合は、示された名刺や電話の相手の言葉だけを根拠に、金銭や認証情報を渡さないでください。

税理士が到着するまで、全部断ってよい?

通常の税務調査が任意調査と呼ばれていても、質問検査への対応を自由に拒否できるという意味ではありません。正当な理由のない拒否や虚偽の回答などは、法令上の問題になり得ます。「税理士が来るまで一切何も答えない」という固定的な対応だけを決めておくことは適切ではありません。

一方、税理士へ連絡していること、責任者が現場にいること、目の前に顧客がいることなど、具体的な事情を伝えることは大切です。求められた確認の内容と営業上の事情を整理し、進め方や日程を相談します。税理士の立会いまで必ず全て待ってもらえると保証はできません。

現在の税理士へ連絡したもののつながらない、調査対応を任せられるか分からない場合は、その状態を当事務所へお知らせください。既に受任している税理士の範囲、今回依頼したい仕事、提出済みの税務代理権限証書等を確認し、窓口と分担を整理します。

現金・レジ・帳簿の確認は、今の状態から説明する

無予告の調査では、現金やレジ、売上記録等の確認を求められる場合があります。レジ残高と帳簿の差があっても、その金額を直ちに売上漏れと決めるのではなく、釣銭、当日の売上、立替、預り金、現金の移動などを資料と照らし合わせます。

調査に合わせて現金を移したり、記録の数字を上書きしたりしないでください。差があるなら、いつの残高を比較しているか、どこまで集計したか、未記帳の取引があるかを順番に確認します。後から作る説明表は、その時点の記録とは別に保存します。

仮例:レジの現金が帳簿より3万円多い場合

3万円の差だけでは、税額も原因も決まりません。当日の売上が未集計なのか、前日に準備した釣銭が未記帳なのか、別の入金があるのかを確かめます。これは説明用の例で、差額を釣銭として処理すればよいという意味ではありません。

確認に使うのは、レジの集計時刻、売上日報、入出金の記録、釣銭の準備・移動の記録などです。原因を確認できなければ、分からないことを推測で埋めず、追加で調べる資料を明らかにします。

従業員には、知っている事実と担当範囲を伝えてもらう

責任者が接客中だったり不在だったりすると、従業員が来訪を受ける場合があります。普段の担当業務、資料の保管先、責任者の連絡先など、分かる事実を伝えてもらい、担当外の税務判断まで答えるよう求めないことが大切です。

「いつも現金で受け取っています」という説明も、どの売上の、どの期間を知っているのかで意味が異なります。分からない取引を推測したり、社長の説明へ合わせるために事実と違う答えを覚えてもらったりしないでください。

後から当事務所へ引き継ぐ際には、誰が、どんな質問を受け、何を回答したかを共有します。記憶が曖昧な箇所はそのまま区別し、確認できる日報や担当者の記録と照合します。

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パソコンやスマートフォンを確認したいと言われたら

仕事の受注、請求、レジ、決済や帳簿を管理している端末には、申告内容の裏付けが入っています。端末が個人名義という理由だけで、業務資料が全て対象外になるわけではありません。

ただし、確認するデータ、期間、提示・提出の方法、私用・顧客情報の混在を整理します。業務に必要な端末を使えなくなる事情も具体的に伝えます。必要な情報を隠したり消したりすることと、提出範囲・方法を確認することは別です。

端末や通帳の詳しい準備は、現物確認と質問検査への対応もご参考ください。メールや会計データの整理は、電子データの保存と提出準備をご案内しています。

その場で分からない質問へ、急いで結論を出さない

過去の取引や家計の支出を、突然正確に思い出せないことはあります。「たぶんこの経費だろう」と答える前に、資料で確認できることと記憶だけのことを分けます。確認が必要なら、その内容と資料の所在を伝えて対応を整理します。

調査官が示した金額に疑問があれば、対象期間、計算の根拠、含めた取引を確認します。数字の違いを感じても、相手の説明を聞かずに否定するだけでは、どこを調べ直すべきか分かりません。

修正申告書等の提出は、取引と税務上の理由、対象年・税目、追加税額や他の期間への影響を整理して判断します。「無予告で来たから全額認める」「その場で書けば必ず有利」と考えず、当事務所に説明内容をお知らせください。

来訪後に残す、回答・提出の引継ぎメモ

項目 書くこと
来訪・連絡 日時、担当部署・氏名、目的と対象
質問と回答 質問の内容、回答した人、確認済みか記憶か
提示・提出 資料名、期間、件数、写しか原本か
預けた物 受領した書面、返還や業務上の支障についての説明
未回答 調べる資料、担当、確認の見込み
次の予定 再訪・連絡の日時、依頼された追加資料

特に、提出した後に資料を作り直す場合は、当初提出版を残します。訂正理由が分かるようにし、どれが最終版かを曖昧にしないことが、次の質問への対応に役立ちます。

無予告の税務調査について、よくあるご質問

無予告だった理由を必ず説明してもらえますか?

事前通知をしない理由の説明は法令上求められていません。通知がない場合でも、調査の対象税目・期間や目的などは、臨場後速やかに説明する運用です。説明が分からなければ対象や目的を確認します。

税理士に頼めば、調査を必ず翌日にできますか?

必ず延期できるとは限りません。必要な確認と具体的な事情を踏まえて対応を整理します。当事務所では、連絡時の状況、営業への支障、既に始まっている確認を伺い、受任できる範囲と窓口をご案内します。

初めての税務調査でも依頼できますか?

調査だけのご依頼も承ります。まだ何を準備すべきか分からない場合は、職員から伝えられた内容と手元にある資料をお知らせください。説明を整えてから連絡する必要はありません。

責任者が不在の店舗で、来訪を受けた場合の引継ぎ

小売店や飲食店では、社長が別店舗や仕入れに出ている間に職員が来る場合があります。従業員には、職員の所属・氏名と来訪目的、責任者への連絡状況を記録してもらいます。その時点で分からない申告内容や過去の数字まで、担当者が代わりに推測して答える必要はありません。

例えば、その日の売上を管理する担当者と、翌日に売上を会計へ入力する担当者が違うなら、その分担を伝えます。「帳簿がまだありません」という言葉だけでは、日報はあるが未入力なのか、売上記録自体がないのかが分かりません。作業の途中段階と保存資料の不存在を区別すると、説明の行き違いを減らせます。

現場から税理士へ連絡する際は、誰が今どの確認を受けているかを短く伝えます。後から相談する場合も、来訪時のメモ、提示・提出した資料、追加依頼と予定を残してください。当事務所がその情報から、まだ回答していない事項と、既に確認が進んでいる事項を整理します。

帳簿を預ける場合は、仕事への影響と返還の予定を確認する

調査のために帳簿書類等の預かりが求められる場合があります。通常の調査での留置きは、必要性を説明したうえで、納税者の理解と協力の下、承諾を得て行うもので、承諾なしに強制的に預かるものではありません。どの資料を、どの期間分、何の確認のために預けるかを確かめ、預かった資料を示す書面等の内容と、手元に残す記録を照合します。税務署が求めたから、資料の名前や範囲を記録しなくてよいということではありません。

営業に原本が必要な資料や、唯一の業務端末等があるなら、その事情を伝えます。確認の必要性を踏まえ、提示・写し・出力等の方法や返還の扱いを整理します。提出を妨げるために必要な記録をなくすのではなく、必要な確認を進めながら本業の支障を具体的に説明するための作業です。

来訪が終わってからも、その日のうちに回答と提出を整理すると、担当者の記憶をたどりやすくなります。売上や経費の誤りに気付いた場合は、調査の進行と切り離して履歴を消すのではなく、元の取引と訂正理由を残し、当事務所へ共有してください。

日程の相談に備えて、具体的な事情をまとめる

「忙しいので無理」という説明だけでなく、予約された顧客、現場の工程、責任者の帰社見込み、資料を取得する担当者と所要作業などを整理します。代わりにいつ・どのような対応が可能かも確認します。変更が認められるかは個別の事情等によるため、希望を伝えれば必ず延期できるとは扱いません。

当事務所へ依頼する場合は、訪問時の状況と連絡先をお知らせください。受任の可否と担当・対応方法を確認し、税務署への窓口や資料準備の分担を組み立てます。電話をしただけで全ての代理手続きや当日の訪問が完了したことにはならないため、誰がどこまで対応するかを明確にして進めます。

秋田税理士事務所へ、今の状況からご相談ください

初回相談は無料です。税務署の任意調査対応の着手金の掲載額は法人30万円・個人20万円です。過年度申告の作成、成功報酬等は別の確認が必要で、税務調査サービスの料金に基づき、ご依頼範囲と消費税込みの支払総額をご説明します。

突然の来訪に加えて、資料収集、営業、従業員への連絡まで一人で抱えると、説明の食い違いや提出漏れが起きやすくなります。当事務所が確認事項と対応窓口を整理し、ご本人が確認する事実と、税理士へ任せる税務対応を分けて進めます。

今後の記帳や申告も任せたい方には、税務顧問・経理支援を含めてご案内します。税務署からの連絡内容、現在行われている確認、ご本人の連絡先をお知らせください。

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