
結論から言うと、銀行に振り込まれた手取り額だけで確定申告をすると、ライバー収入を少なく申告してしまう危険性があります。
17LIVEのロイヤリティやプライズ、Pocochaのダイヤ、TikTok LIVEのギフト、YouTubeのスーパーチャットなど、ライブ配信によって受け取った報酬は、原則として確定申告の対象です。
ただし、リスナーが使った金額、アプリに表示されるポイントやダイヤ、ライバー事務所が計算した報酬、実際に銀行へ振り込まれた金額は、すべて同じとは限りません。
複数のアプリを利用している方や、夜職とライブ配信を掛け持ちしている方は、収入の集計漏れや経費の二重計上も起こりやすくなります。
「源泉徴収されているから申告済みだと思っていた」「事務所が処理していると思っていた」という方も少なくありません。
しかし、源泉徴収は所得税の前払いであり、それだけで確定申告が完了したことにはなりません。
この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。
この記事で分かること
- ライバーの投げ銭に税金がかかる理由
- ライバーはいくらから確定申告が必要になるか
- 17LIVEで確認する報酬資料
- Pocochaのダイヤと換金履歴の注意点
- 投げ銭額、確定報酬額、銀行入金額の違い
- ライバー事務所所属者の給与と報酬の判断
- 配信機材、衣装、美容代などの経費判断
- 確定申告をしていない場合に起こること
- 過去の報酬明細がない場合の整理方法
複数アプリの報酬や過去の無申告を、入金額だけで処理するのは危険です。
ライバーの投げ銭には税金がかかる
ライブ配信を通じて受け取った投げ銭やギフトは、名称がプレゼントであっても、原則として仕事による収入です。現金で振り込まれた報酬だけでなく、ダイヤやポイントとして付与された報酬も確認する必要があります。
ライブ配信アプリでは、リスナーからの応援を「ギフト」「アイテム」「投げ銭」「ダイヤ」「ロイヤリティ」など、さまざまな名称で表示します。
名称が違っていても、配信活動を行った結果として受け取る報酬であれば、事業所得または雑所得として所得税の対象になる可能性が高いです。
| ライバーの主な収入 | 具体例 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 投げ銭・ギフト報酬 | ギフト、アイテム、ダイヤ、ロイヤリティ | アプリの収益画面、報酬履歴 |
| 配信時間に応じた報酬 | 時間報酬、時給保証、時間ダイヤ | 事務所明細、アプリの獲得履歴 |
| イベント報酬 | ランキング賞金、プライズ、達成ボーナス | イベント結果、支払通知 |
| 広告・PR案件 | 商品紹介、企業案件、出演料 | 契約書、請求書、振込履歴 |
| 月額課金 | メンバーシップ、サブスク、ファンクラブ | 売上レポート、決済明細 |
| 物販売上 | チェキ、写真、グッズ、デジタル商品 | 販売履歴、決済明細 |
| 直接受け取ったお金 | 銀行送金、決済アプリ、現金のチップ | 通帳、送金履歴、受取記録 |
投げ銭は贈与税ではなく所得税の対象になることが多い
リスナーから受け取ったお金を「プレゼント」と呼んでいても、ライブ配信の対価として受け取ったのであれば、単なる個人的な贈与とは扱いが異なります。
配信、コメントへの対応、リクエストへの回答、限定コンテンツ、イベント参加など、ライバー活動との関係があるからです。
一方で、ライブ配信とは関係なく、個人的な交際関係に基づいて受け取った財産は、贈与税の問題になる可能性があります。
仕事による収入なのか、個人的な贈与なのかは、お金を受け取った経緯や相手との関係から個別に判断します。
換金していないポイントも無視できない
「まだ銀行に振り込んでいない」「ポイントのまま残っている」という理由だけで、確定申告の対象外になるとは限りません。
税務上は、実際に入金された日だけではなく、報酬を受け取る権利が確定した時点を確認する必要があります。
ただし、ポイントやダイヤをいつ収入として計上するかは、次の条件によって変わる可能性があります。
- 報酬が付与された時点で自由に換金できるか
- 換金するための条件や制限があるか
- 有効期限が設定されているか
- 事務所所属者とフリーライバーで仕組みが違うか
- 契約上、誰から報酬を受け取ることになっているか
- 過去の申告でどの時点を売上計上日にしていたか
換金した年だけにまとめて申告すると、報酬が確定した年と申告する年がずれる危険性があります。
17LIVE・Pocochaなどアプリ別の確認方法
ライバーの確定申告では、アプリごとに報酬の名称と確認画面が違います。リスナーが使った金額ではなく、自分に帰属する報酬額を確認することが重要です。
| 配信サービス | 主な収入 | 確認する資料 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 17LIVE | ロイヤリティ、プライズなど | マイレベニュー、収益管理、支払通知、支払調書 | プライズや源泉所得税、未引出額も確認する |
| Pococha | 時間ダイヤ、盛り上がりダイヤ、音楽ダイヤ | ダイヤ獲得履歴、交換・換金履歴、事務所明細 | 退会前に履歴を保存する |
| TikTok LIVE | LIVEギフトなどによる報酬 | 収益画面、取引履歴、出金履歴、事務所明細 | コイン購入額と本人の報酬を混同しない |
| YouTube | スーパーチャット、スーパーサンクス、メンバーシップ、広告収益 | 収益レポート、支払履歴、銀行履歴 | 収益項目を漏れなく集計する |
| BIGO LIVEなど | ギフト、ポイント、イベント報酬 | 報酬履歴、換金履歴、事務所明細 | 海外事業者や外貨の扱いを確認する |
17LIVEはマイレベニューと支払調書を確認する
17LIVEでは、配信による報酬をロイヤリティ、イベントなどで得た賞金をプライズとして扱う場合があります。
17LIVEから直接報酬を受け取っている方は、次の資料を確認してください。
- マイレベニューの収益管理画面
- アプリ内のロイヤリティ
- 支払通知書
- 支払調書
- プライズやイベント賞金の記録
- 源泉所得税の金額
- 銀行口座への入金履歴
- 年末時点で引き出していない報酬
17LIVEから受け取る報酬は、一般的な会社員の給与とは異なります。
そのため、給与所得者に発行される源泉徴収票ではなく、マイレベニュー、支払通知書、支払調書などを使って確認することになります。
なお、支払調書の発行条件や確認画面は年度によって変更される可能性があります。申告する年の案内を確認してください。
17LIVEで起こりやすい申告ミス
- 銀行に振り込まれた手取り額だけを売上にする
- 源泉所得税を必要経費にする
- イベント賞金やプライズを集計していない
- 年末に確定した未引出報酬を確認していない
- 事務所報酬と17LIVEからの直接報酬を重複計上する
- 支払調書の金額と入金額が違うため、低い方だけを申告する
支払調書とマイレベニューの金額が一致しない場合は、どちらか一方を適当に選ぶのではなく、報酬の対象期間、引出日、源泉所得税、プライズなどを照合します。
Pocochaはダイヤの獲得履歴と交換・換金履歴を確認する
Pocochaでは、運営からライバーへ配信報酬としてダイヤが付与されます。
| Pocochaのダイヤ | 内容 |
|---|---|
| 時間ダイヤ | 配信時間などに応じて付与されるダイヤ |
| 盛り上がりダイヤ | 配信の盛り上がりなどに応じて付与されるダイヤ |
| 音楽ダイヤ | 対象となる楽曲の収益などをもとに配分されるダイヤ |
リスナーがPocochaで使ったアイテムの金額と、ライバーに付与されるダイヤは、単純に同額ではありません。
そのため、リスナーが使ったアイテムの総額を、そのまま自分の売上として申告することは適切ではない可能性があります。
一方、銀行へ振り込まれた換金額だけを売上にすると、未換金のダイヤや源泉徴収前の金額を反映できない可能性があります。
Pocochaの収入を整理するときは、次の資料を確認しましょう。
- ダイヤの獲得履歴
- PocochaWEBの交換・換金履歴
- 源泉所得税の表示
- 銀行への振込履歴
- ライバー事務所から受け取った報酬明細
- 事務所との契約書
Pocochaでは、個人向けの源泉徴収票や支払調書などが、原則として発行されていません。
また、Pocochaを退会すると、交換・換金履歴を確認できなくなるため注意が必要です。
過去の報酬を申告していない方や、事務所の移籍、アカウントの削除を考えている方は、退会前に履歴を保存してください。
Pocochaを退会する前に保存する資料
- 年ごとのダイヤ獲得履歴
- 交換・換金履歴
- 源泉所得税の表示画面
- 事務所から受け取った報酬明細
- 銀行への振込履歴
- 報酬条件が記載された契約書やメッセージ
TikTok LIVEやYouTubeも複数の収益を合算する
TikTok LIVEでは、リスナーが購入したコインの金額と、配信者が受け取る報酬額を混同しないようにしてください。
ライバー事務所を通して報酬を受け取っている場合は、アプリ上の数字ではなく、事務所との契約上、自分に帰属する報酬を確認します。
YouTubeでは、スーパーチャットだけでなく、次の収益も確認が必要です。
- スーパーステッカー
- スーパーサンクス
- チャンネルメンバーシップ
- 広告収益
- 企業案件
- アフィリエイト収入
- グッズやデジタル商品の売上
アプリやサービスごとに振込名義が違っていても、同じ年に発生した収入はまとめて確認します。
ライバーはいくらから確定申告が必要?
ライバーの確定申告には、全員に共通する一律の金額基準はありません。ほかの収入、所得控除、年末調整、申告する年によって判断が変わります。
インターネット上には、「専業ライバーは48万円」「副業ライバーは20万円」といった説明が残っています。
しかし、48万円という基礎控除額は、すべての年、すべての所得金額に共通する現在の基準ではありません。
| ライバーの状況 | 確定申告の考え方 |
|---|---|
| ライブ配信だけで生活している | 収入から経費を引いた所得と、基礎控除を含む所得控除をもとに判断します。 |
| 会社員で年末調整を受けている | 一定の給与所得者は、給与以外の所得が20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。また、20万円以下であっても住民税の申告は必要です。 |
| 夜職とライブ配信を掛け持ちしている | 夜職が給与か業務委託報酬かを確認し、配信を含むすべての所得を合算します。 |
| 複数の配信アプリを利用している | アプリごとではなく、同じ年の報酬を合計して判断します。 |
| ライバー事務所から給与を受け取っている | 年末調整の有無と、事務所以外からの報酬を確認します。 |
| 事務所から業務委託報酬を受け取っている | 収入と経費を自分で整理し、事業所得または雑所得として判断します。 |
2026年分の基礎控除は所得によって変わる
2026年分の所得税では、基礎控除額が合計所得金額によって変わります。
| 2026年分の合計所得金額 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 489万円以下 | 104万円 |
| 489万円超655万円以下 | 67万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 62万円 |
| 2,350万円超2,400万円以下 | 48万円 |
| 2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
| 2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
| 2,500万円超 | 0円 |
したがって、「専業ライバーは104万円まで申告不要」と一律に考えることもできません。
収入が大きいライバーは、合計所得金額によって基礎控除額が下がるためです。
また、2025年分の基礎控除額と2026年分の基礎控除額も同じではありません。
過去数年にわたって無申告の方は、すべての年を現在の基準で計算せず、申告する年ごとの税制を確認する必要があります。
20万円ルールはすべてのライバーに使えるわけではない
給与以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要になる制度は、主に勤務先で年末調整を受けている給与所得者に関係するものです。
次のような方は、「20万円以下だから申告不要」と単純に判断できません。
- ライブ配信の収入だけで生活している
- 夜職も業務委託報酬として受け取っている
- 勤務先で年末調整を受けていない
- 複数の勤務先から給与を受け取っている
- 給与収入が一定額を超えている
- 医療費控除などのために確定申告をする
- 所得税とは別に住民税の申告が必要になる
また、20万円ルールで申告が不要になるのは所得税の話しであり、住民税の申告は必要です。
確定申告が必要になる金額については、「確定申告はいくらから必要になるか」もご確認ください。
銀行への入金額だけを売上にすると危険
ライバーの売上は、銀行に振り込まれた手取り額だけでは判断できません。手数料や源泉所得税を差し引く前の報酬額を確認する必要があります。
一方で、リスナーがアプリに支払った金額の全額が、そのままライバー本人の売上になるわけでもありません。
確認するのは、プラットフォームや事務所との契約上、ライバー本人が受け取る権利を得た報酬額です。
| 表示されている金額 | 確認すること |
|---|---|
| リスナーが購入したコイン総額 | 運営会社や事務所の取り分を含むため、本人の売上とは限りません。 |
| アプリ上の報酬額 | 手数料控除前か、事務所への分配前かを確認します。 |
| 事務所の支払明細 | 配信報酬、ボーナス、手数料、源泉所得税を確認します。 |
| 銀行への入金額 | 手数料や源泉所得税が差し引かれた後の金額である可能性があります。 |
| 年末の未払・未引出報酬 | 翌年入金でも、前年の売上になる可能性があります。 |
入金額と売上額が違う具体例
事務所から、次のような報酬明細が届いたとします。
| 項目 | 金額例 |
|---|---|
| 配信報酬 | 1,200,000円 |
| イベントボーナス | 100,000円 |
| 事務所手数料 | ▲260,000円 |
| 源泉所得税 | ▲106,000円 |
| 振込手数料 | ▲500円 |
| 銀行への入金額 | 933,500円 |
この場合、銀行へ入った933,500円だけを売上にすると、配信報酬やイベントボーナスを少なく申告する可能性があります。
源泉所得税は必要経費ではなく、所得税の前払いです。
確定申告では、年間の所得税を計算したうえで、すでに源泉徴収された金額を差し引きます。
源泉徴収については、「源泉徴収されていても確定申告が必要な理由」もご確認ください。
12月に確定して翌年振り込まれる報酬にも注意
12月分の配信報酬が、翌年1月や2月に振り込まれることがあります。
この場合、銀行への入金日だけを基準にすると、売上を計上する年を間違える可能性があります。
報酬を受け取る権利がいつ確定したのか、契約書、締め日、支払通知、アプリの表示から確認します。
「12月分」「1月振込」と表示されていても、契約によって判断が変わる可能性があるため、入金日だけで処理しないでください。
ライバー事務所所属でも確定申告が必要になる
ライバー事務所に所属しているだけでは、確定申告が不要とは判断できません。事務所から受け取るお金が給与なのか、業務委託報酬なのかを確認します。
| 契約・支払方法 | 主な資料 | 確認すること |
|---|---|---|
| 雇用契約による給与 | 雇用契約書、給与明細、源泉徴収票 | 年末調整が行われているか |
| 業務委託契約による報酬 | 業務委託契約書、支払明細、支払調書 | 事業所得または雑所得として整理する必要があるか |
| アプリ運営会社から直接受領 | アプリの収益画面、支払通知 | 事務所報酬との重複や計上漏れがないか |
| 給与か報酬か不明 | 契約書、実際の働き方、振込名義 | 名称だけでなく契約と実態から判断する |
普段の会話で事務所から受け取るお金を「給料」と呼んでいても、税務上は業務委託報酬になっている場合があります。
また、報酬から所得税が引かれていても、それだけで申告が終わっているわけではありません。
ライブ配信、夜職、広告案件、物販売上などをまとめて、年間の所得税を計算します。
事務所へ確認する6項目
報酬明細の見方が分からない場合は、事務所へ次の内容を確認してください。
- 契約は雇用契約か業務委託契約か
- 表示されている報酬は手数料控除前か控除後か
- 事務所手数料はいくらか
- 源泉所得税はいくら差し引かれているか
- 年間報酬明細や支払調書を発行できるか
- 年末時点で未払いの報酬があるか
夜職とライブ配信を掛け持ちしている場合
キャバクラ、風俗、メンズエステなどの仕事をしながら、17LIVEやPocochaで配信している方は、両方の収入を確認します。
夜職の収入が現金手渡しであっても、確定申告の対象から外してよいわけではありません。
税金は原則として自己破産をしても免責されないため、記録が不足していても、残っている資料から収入と経費を整理することが重要です。
また、スマートフォン、衣装、美容代、交通費などを夜職と配信の両方で使っている場合、同じ支出を二重に経費計上することはできません。
掛け持ちの収入については、「夜職を掛け持ちしている場合の確定申告」もご確認ください。
アプリの表示額、事務所明細、銀行入金が一致しない方は、自己判断で数字を選ばないでください。
ライバーの確定申告で経費になるもの
ライブ配信の売上を得るために直接必要な支出は、必要経費になる可能性があります。ただし、仕事でも使っているという理由だけで、私生活の支出をすべて経費にはできません。
| 支出 | 経費の可能性 | 注意点 |
|---|---|---|
| 配信用パソコン | あり | 高額なものは購入年に全額を経費にできない場合があります。 |
| 配信用スマートフォン | あり | 私用でも使う場合は使用割合を分けます。 |
| カメラ、マイク、照明 | あり | 配信に使用したことが分かる資料を残します。 |
| オーディオインターフェース | あり | 配信や収録との関係を記録します。 |
| 配信・編集ソフト | あり | 月額料金や年間利用料も対象になる可能性があります。 |
| Live2D・3Dモデル制作費 | あり | 金額や契約内容によって複数年で経費にする可能性があります。 |
| 事務所手数料 | あり | 契約書と報酬明細を保存します。 |
| アプリ・決済手数料 | あり | 売上から差し引かれている場合も金額を確認します。 |
| インターネット料金 | 一部 | 私用分を除き、合理的な割合で分けます。 |
| スマートフォン通信費 | 一部 | 配信、編集、連絡などの使用割合を記録します。 |
| 自宅家賃 | 一部 | 配信スペースの面積や使用状況から分けます。 |
| 電気代 | 一部 | 配信時間や機材の使用状況から分けます。 |
| コスプレ衣装・ウィッグ | あり | 配信専用で、私生活では使用しないものが対象になりやすいです。 |
| 一般的な洋服 | 慎重な判断が必要 | 普段も着られる服は、配信で着ただけでは経費にならない可能性があります。 |
| 撮影専用のヘアメイク | あり | 撮影日や企画との関係を残します。 |
| 美容院、ネイル、化粧品 | 慎重な判断が必要 | 日常生活にも必要な支出は経費として認められない可能性があります。 |
| 配信企画の小道具 | あり | 企画内容や配信記録を残します。 |
| コラボ配信の交通費 | あり | 相手、場所、目的、配信日を記録します。 |
| 配信イベントの宿泊費 | あり | 私的な旅行部分が含まれる場合は分けます。 |
| 視聴者へのプレゼント | あり | 販売促進や配信企画との関係が必要です。 |
| ほかのライバーへの投げ銭 | 個別判断 | 個人的な応援ではなく、宣伝や営業との関係を説明できる必要があります。 |
| 新宿風俗確定申告センターへの申告報酬 | あり | 事業に関係する申告や記帳の部分が対象になります。 |
高額な機材は全額を一度に経費にできないことがある
高額なパソコン、カメラ、配信機材などは、購入した年に全額を必要経費にできず、耐用年数に応じて減価償却する可能性があります。
青色申告の特例を使える場合もありますが、購入金額、使用開始日、申告方法によって処理が変わります。
複数の機材をセットで購入した場合、単品ごとの金額で判断できるのか、全体を一つの設備として判断するのかも確認が必要です。
美容代は配信で顔を出していても全額経費とは限らない
顔出し配信をしている場合でも、美容院、ネイル、エステ、化粧品代をすべて経費にできるわけではありません。
これらは私生活でも必要になる支出と判断されやすいためです。
一方、特定の撮影や企画だけに必要な特殊メイク、撮影専用の衣装、配信後に私生活で使わない装飾品などは、配信との関係を説明しやすくなります。
経費にする場合は、次の資料を残してください。
- 配信日や撮影日
- 配信企画の内容
- 配信画面やSNSの投稿
- 衣装や小道具の写真
- 購入日、金額、購入先
- 私生活で使っていないことを説明できる記録
ほかのライバーへの投げ銭は慎重に判断する
ほかのライバーへ投げ銭した金額は、自動的に広告宣伝費になるわけではありません。
単なるファン活動、個人的な交流、友人への応援であれば、必要経費として認められない可能性が高いです。
一方、コラボ配信の営業、自分の配信の宣伝、市場調査など、売上との関係を客観的に説明できる場合は、必要経費になる可能性があります。
相手の名前、配信日、投げ銭の目的、その後のコラボや集客結果などを記録しておきましょう。
報酬明細や領収書がない場合の対処法
報酬明細や領収書が残っていなくても、ライブ配信収入を申告対象から外してよいわけではありません。銀行履歴、アプリ画面、事務所との連絡などから収入と経費を整理します。
| 確認する資料 | 分かる可能性があること |
|---|---|
| アプリの収益管理画面 | 報酬額、ダイヤ、ポイント、換金額 |
| 銀行口座の履歴 | 振込日、振込名義、入金額 |
| 事務所とのLINEやメール | 報酬計算、手数料、ボーナス |
| クレジットカード明細 | 機材、ソフト、衣装などの購入 |
| 通販サイトの購入履歴 | 購入品、購入日、金額 |
| 配信履歴 | 活動日、企画、機材や衣装の使用状況 |
| SNSの投稿 | イベント参加、撮影、コラボの記録 |
| スマートフォンの写真 | 機材、衣装、配信スペースの状況 |
| 契約書 | 報酬分配、手数料、支払者 |
現金で支払った経費について、領収書がない場合は、出金伝票やメモを作れば必ず経費になるというものではありません。
支払先、日付、金額、内容、配信との関係を、ほかの資料と合わせて説明できる状態にする必要があります。
領収書がない場合については、「領収書がない場合の確定申告」もご確認ください。
アプリを削除・退会する前に資料を保存する
ライブ配信アプリを退会すると、過去の報酬履歴や換金履歴を確認できなくなる場合があります。
アカウントを削除する前に、少なくとも次の資料を保存しましょう。
- 年ごとの収益画面
- 月ごとの報酬明細
- ダイヤやポイントの獲得履歴
- 交換・換金履歴
- 源泉所得税の表示
- 事務所との契約書
- 事務所の支払明細
- 銀行への振込履歴
ライバーが確定申告しないとバレる?
ライブ配信の収入を申告せずに放置すると、プラットフォーム、ライバー事務所、銀行口座などの情報から把握される可能性があります。現金化していない報酬でも、運営会社側に記録が残っている場合があります。
税務署がライバー収入を把握する経路として、次のものが考えられます。
- 配信プラットフォームへの税務調査
- ライバー事務所への税務調査
- 広告代理店や取引先への税務調査
- 支払調書などの法定調書
- 銀行口座への継続的な入金
- 決済サービスや送金履歴
- SNSで公開している活動や収益実績
- 第三者からの情報提供
事務所や運営会社が正しく経費処理をするためには、誰へいくら支払ったかを記録する必要があります。
そのため、自分が申告していなくても、支払った側には記録が残っている可能性が高いです。
銀行振込から収入が把握される可能性については、「銀行振込で税務署にバレる理由」もご確認ください。
無申告には追加の税金がかかる可能性がある
期限を過ぎて申告すると、本来の所得税や住民税などに加え、無申告加算税や延滞税が発生する可能性があります。
| 追加負担 | 内容 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 期限までに申告しなかった場合に課される可能性があります。 |
| 延滞税 | 納付期限の翌日から、納付日までの日数に応じて発生する可能性があります。 |
| 重加算税 | 売上を隠す、資料を改ざんするなど、仮装・隠蔽がある場合に課される可能性があります。 |
| 住民税 | 所得の増加に伴い、過年度分が追加で請求される可能性があります。 |
| 国民健康保険料 | 申告した所得に応じ、過年度分が増額される可能性があります。 |
| 個人事業税 | 事業内容や所得金額によって対象になる可能性があります。 |
税務調査後に期限後申告となった場合、無申告加算税は、納付すべき税額のうち50万円までの部分が15%、50万円を超え300万円までの部分が20%、300万円を超える部分が30%となる可能性があります。
一方、税務署から調査の事前通知を受ける前に、自主的に期限後申告をした場合は、無申告加算税が原則5%となります。
すでに税務署から電話や書面が届いている場合は、連絡内容や期限を確認し、放置しないでください。
過去の無申告については、「確定申告をしていない場合の対処法」もご確認ください。
売上を隠すと状況が悪化する
過去の報酬資料が残っていない場合でも、推測で売上を低くすることは避けてください。
特に、次のような対応は危険です。
- 一部のアプリ収入だけを申告しない
- 事務所からの報酬を給与だと決めつける
- 銀行に入っていない報酬をすべて除外する
- プライベートの支出を大量に経費へ入れる
- 存在しない領収書や支払記録を作る
- 税務署から連絡が来た後にアプリを退会する
記録がない場合は、分かる資料から収入と経費を整理し、合理的な根拠を残すことが重要です。
過去数年分の収入がある場合、年ごとの税制と報酬資料を分けて確認する必要があります。
売上が大きいライバーは消費税にも注意
投げ銭や広告案件などの売上が大きい方は、所得税だけでなく消費税の申告義務も確認する必要があります。消費税では、経費を引いた利益ではなく、課税売上高を基準に判定する場面があります。
主に次のようなケースでは、消費税の確認が必要です。
- 前々年の課税売上高が1,000万円を超えている
- 前年の1月から6月までの課税売上高などが1,000万円を超えている
- インボイス登録をしている
- 投げ銭以外に広告案件や物販売上がある
- 複数のアプリの売上を合計すると1,000万円を超える
- 海外のプラットフォームから報酬を受け取っている
所得税の確定申告で使う「所得」と、消費税の判定に使う「課税売上高」は同じではありません。
事務所手数料などを差し引いた後の銀行入金額だけを売上としていると、消費税の判定まで間違える危険性があります。
消費税については、「売上1,000万円と消費税の判断」もご確認ください。
海外プラットフォームの報酬は消費税の判断が複雑
海外のプラットフォームから報酬を受け取っている場合は、相手方の所在地だけで消費税の対象外と判断できません。
契約の相手方、提供しているサービスの内容、報酬と手数料の関係、国内外の取引区分などを確認します。
外貨で報酬を受け取っている場合は、日本円へ換算する日や為替レートについても、継続した方法で処理する必要があります。
収入が大きいライバーは法人化も検討する
ライブ配信、広告案件、物販などの利益が継続して大きい場合は、法人化が選択肢になることがあります。ただし、法人化すれば必ず税金が安くなるわけではありません。
法人化を判断する際は、次の内容を比較します。
- 現在の売上と利益
- 今後の収入見込み
- 役員報酬の金額
- 社会保険料
- 法人の設立費用と維持費
- 消費税への影響
- ライバー事務所との契約変更
- アプリの振込先を法人へ変更できるか
- 広告案件や物販売上の割合
売上だけで法人化を決めると、社会保険料や法人維持費を含めた負担が増えることがあります。
法人化については、「夜職・風俗の法人化を判断するポイント」も参考にしてください。
ライバーの確定申告を自分で行うのが難しい理由
ライバーの確定申告は、銀行入金を合計し、レシートを引けば完成するものではありません。報酬の確定時期、契約、手数料、源泉所得税、複数アプリ、経費、消費税まで確認する必要があります。
| 間違いやすい処理 | 起こる可能性がある問題 |
|---|---|
| 銀行入金額だけを売上にする | 手数料や源泉所得税を差し引いた後の金額となり、売上漏れが起こる可能性があります。 |
| リスナーの利用額をすべて売上にする | 運営会社や事務所の取り分まで自分の売上に含める可能性があります。 |
| 換金した年だけに売上を計上する | 報酬が確定した年と申告年がずれる可能性があります。 |
| 源泉所得税を経費にする | 所得税の前払いと必要経費を混同します。 |
| 美容代をすべて経費にする | 私生活の支出として否認される可能性があります。 |
| 複数アプリの一部だけ申告する | 収入漏れを指摘される可能性があります。 |
| 夜職と配信で同じ経費を使う | 同じ支出を二重に経費計上することになります。 |
| 事務所所属だから申告不要と考える | 業務委託報酬が無申告になる可能性があります。 |
| 古い基礎控除額で計算する | 申告する年の税制と合わなくなる可能性があります。 |
| 消費税を確認しない | 所得税だけ申告し、消費税が無申告になる可能性があります。 |
複数アプリ、ライバー事務所、夜職、広告案件、過去の無申告がある方が、ご自身で数字を判断し、そのまま税務署へ提出することはおすすめしません。
申告書の入力方法が分かっても、その前提となる売上、所得区分、経費、源泉所得税が間違っていれば、申告書も正しくなりません。
新宿風俗確定申告センターへの依頼の流れ
新宿風俗確定申告センターでは、ライブ配信と夜職の収入をまとめて整理し、申告書の作成から提出まで対応します。報酬明細や領収書が不足している場合も、残っている資料から確認します。
- 現在の状況と申告していない年を確認する
- 利用している配信アプリと事務所を整理する
- アプリの報酬画面、事務所明細、銀行履歴を確認する
- 給与、事業所得、雑所得などの区分を確認する
- 手数料、源泉所得税、未払報酬を整理する
- 配信と夜職の経費を分ける
- 所得税、消費税、住民税などの影響を確認する
- 申告書を作成し、内容確認後に税務署へ代理提出する
特に、次のような方は早めの対応が必要です。
- ライブ配信の売上が大きい
- 複数年にわたって確定申告をしていない
- 17LIVEの支払調書と入金額が合わない
- Pocochaを退会して換金履歴が見られない
- 事務所手数料の内訳が分からない
- 夜職の現金収入も申告していない
- 消費税の対象か分からない
- 税務署から電話や書面が届いた
- 納税資金を用意できない
税金を一括で支払えない場合でも、無申告のまま放置してよいわけではありません。
納税が難しい場合については、「税金を払えない場合の対処法」もご確認ください。
ライバーの確定申告でよくある質問
ライバーの確定申告では、投げ銭の所得区分、換金前のダイヤ、事務所報酬、経費、無申告について多くの質問があります。代表的な疑問に回答します。
投げ銭はファンからの贈与ではありませんか?
ライブ配信の対価として受け取る投げ銭は、一般的には仕事による所得として扱われます。
配信とは無関係な個人的な贈与については、贈与税の問題になる可能性があります。受け取った経緯から個別に判断します。
換金していないダイヤやポイントも申告しますか?
換金していないという理由だけで、必ず申告対象外になるわけではありません。
報酬の付与条件、換金制限、権利が確定した時点などを確認して判断します。
17LIVEの支払調書と入金額が違います
支払調書と銀行入金額は、源泉所得税、引出時期、プライズ、未払報酬などによって一致しない場合があります。
金額の低い方だけを選ばず、マイレベニュー、支払通知、支払調書、銀行履歴を照合してください。
Pocochaから支払調書が届きません
Pocochaでは、個人向けの源泉徴収票や支払調書などが原則として発行されていません。
PocochaWEBの交換・換金履歴、ダイヤ獲得履歴、銀行履歴などから整理します。
Pocochaを退会してしまいました
Pocochaを退会すると、交換・換金履歴を確認できなくなります。
銀行履歴、事務所明細、メール、スクリーンショットなど、残っている資料から整理する必要があります。
源泉徴収されていれば確定申告は不要ですか?
源泉徴収されていても、確定申告が不要とは限りません。
源泉所得税は所得税の前払いです。ほかの収入や経費を含めて年間の税額を精算します。
複数の配信アプリを使っています
同じ年に発生した各アプリの報酬を合計します。
一つのアプリだけでは申告基準を下回っていても、ほかのアプリ、広告案件、夜職、物販売上を合計すると申告が必要になる可能性があります。
配信で着た服や美容代は全部経費になりますか?
すべてが経費になるわけではありません。
配信専用のコスプレ衣装や撮影専用のヘアメイクは経費になる可能性がありますが、普段も使える洋服、美容院、ネイル、化粧品は慎重な判断が必要です。
ほかのライバーへの投げ銭は経費になりますか?
個人的な応援や交流のための投げ銭は、経費にならない可能性が高いです。
宣伝、営業、市場調査など、売上との関係を客観的に説明できる場合は、経費になる可能性があります。
夜職とライブ配信を掛け持ちしています
夜職とライブ配信の両方を含めて、1年間の所得を確認します。
夜職が給与なのか業務委託報酬なのかによっても、確定申告の判断が変わります。
過去の投げ銭を申告していません
税務署から連絡が来る前に、過去の報酬履歴と経費資料を整理してください。
自主的に期限後申告した場合と、税務調査後に申告した場合では、無申告加算税の負担が変わる可能性があります。
投げ銭の売上が1,000万円を超えています
所得税だけでなく、消費税の申告義務を確認する必要があります。
前々年の課税売上高、前年の上半期の課税売上高、インボイス登録の有無などを確認します。
確定申告をすると家族や勤務先に配信がバレますか?
確定申告書に活動名や配信内容が、そのまま家族や勤務先へ通知されるわけではありません。
ただし、住民税、郵送物、銀行履歴、SNS、収入証明などから気付かれる可能性があります。
まとめ|投げ銭は入金額だけで申告しない
ライバーの確定申告では、投げ銭、ギフト、ダイヤ、ロイヤリティ、イベント報酬、広告案件などを漏れなく整理することが重要です。銀行への入金額だけで売上を判断しないでください。
特に確認すべきポイントは次のとおりです。
- 誰から報酬を受け取っているか
- 事務所との契約が給与か業務委託か
- 本人に帰属する報酬額はいくらか
- 事務所手数料や源泉所得税が差し引かれているか
- 複数アプリの報酬を合計しているか
- 年末に確定した未払・未引出報酬がないか
- 17LIVEの支払調書とマイレベニューが合っているか
- Pocochaのダイヤと交換・換金履歴を保存しているか
- 夜職と配信の経費を二重計上していないか
- 消費税の申告義務がないか
- 過去の無申告が残っていないか
ライブ配信の確定申告は、アプリの入金履歴を合計して、レシートを差し引けば終わるものではありません。
報酬が確定する時期、契約上の支払者、事務所手数料、源泉所得税、所得区分、消費税まで確認する必要があります。
複数アプリを利用している方、ライバー事務所に所属している方、夜職と掛け持ちしている方、過去に申告していない方は、税務署から連絡が来る前に整理しましょう。
17LIVE・Pococha・夜職の収入をまとめて整理します。
