キャバクラ

キャバ嬢の源泉徴収|税金10%と5,000円控除を税理士が解説

坂根 崇真

新宿風俗確定申告センター代表税理士(登録番号133046号)。
年間400件以上の税務相談に対応。
風俗・夜職の確定申告をはじめ、現金日払い、明細なし、過去の無申告、税務調査にも、現在残っている資料から対応します。

悩む女性
明細に「税金10%」「税・厚生費」とあります。全部が源泉徴収ですか?日払いの税金は月末の税額に足していいですか?

「税・厚生費」の全額が源泉所得税とは限りません。キャバ嬢の明細では、本人報酬・バック、税金、店舗費用、日払い済み額を分けて照合します。日払いと月末の税額を二重に足さないことも大切です。

ホステス報酬の5,000円控除は、出勤日数ではなく報酬の計算期間の日数で確認します。ここでは、キャバクラの明細と精算で間違えやすい点から、実際に引かれた税額を確定申告へつなげる方法を説明します。

この記事のポイント

  • 「税金」と厚生費・送り代等の店舗費用を分けます。
  • 5,000円控除は計算期間の日数で確認します。
  • 日払い・月末明細・支払調書を照合し、実際の税額を集計します。

お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。

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この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。

源泉徴収制度や源泉徴収票・支払調書の基本は「水商売・風俗の源泉徴収」、申告全体の流れは「キャバ嬢の確定申告」をご確認ください。

キャバクラの明細で「税金10%」を確かめる

「税金10%」「税・厚生費10%」という表示だけでは、引かれた全額が源泉所得税だとは判断できません。本人の報酬、所得税、厚生費などの店舗費用、手取りを分けて確認します。

源泉徴収は所得税等の前払いです。お店が税金を引いたことと、本人の年間の確定申告が済んだことは別です。控除後の手取りだけを売上にしたり、店舗費用を源泉徴収税額へ含めたりしないよう、明細の項目を照合します。

明細を見るときの三つの区別

本人報酬とお店の売上

時給・日給に本人へ支払われる指名・同伴・ボトル等のバックを合わせます。お客様が店舗へ払った飲食代やボトル代の全額が、本人の報酬になるわけではありません。

所得税と店舗費用

所得税として引かれた額と、厚生費・送り代・ヘアメイク代等の負担を分けます。一括した「控除額」をそのまま税額へ入力しません。

給与とホステス報酬

「給料」「時給」という呼び名だけでは決まりません。契約と働き方、年末の書類も確認し、給与なら給与の源泉徴収、ホステス報酬なら報酬の計算を使います。

所得区分を確認したい方は「夜職は事業所得・雑所得・給与所得のどれか」をご確認ください。

5,000円控除とは?お店が税金を計算するための差引額

5,000円控除は、キャバ嬢本人が確定申告で使う所得控除ではありません。お店がホステス等の報酬から源泉徴収する税額を計算するときだけ使う、計算上の差引額です。

たとえば、1日から30日までの報酬が800,000円の場合、800,000円全額に税率を掛けるのではなく、まず5,000円×30日=150,000円を差し引きます。その残り650,000円に10.21%を掛けます。

この150,000円がキャバ嬢へ支給されるわけではありません。税金が150,000円戻るわけでもありません。売上800,000円が650,000円へ減るわけでもありません。

「5,000円控除」という名前だけを見ると、確定申告の控除や経費に見えますが、ここでは源泉徴収税額の計算に限って使う言葉と考えてください。

ホステス報酬の源泉徴収の基本式

日本の居住者が2026年分のホステス等の報酬を受け取り、同じ支払者から同月中に給与等を受け取っていない場合の基本式は、次のとおりです。

ホステス報酬の源泉徴収の計算式

源泉徴収税額=(源泉徴収の対象となる報酬額-5,000円×報酬の計算期間の日数)×10.21%

計算結果に1円未満の端数がある場合は切り捨てます。

報酬額から5,000円×日数を引いた残額がゼロ以下なら、この式による源泉徴収税額はゼロです。

10.21%は、所得税10%と復興特別所得税を合わせた税率です。

この計算は、キャバ嬢本人に支払われるホステス報酬を基礎に行います。お客様が店舗へ支払った飲食代、ボトル代、サービス料等の全額を、キャスト本人の報酬として計算するという意味ではありません。

たとえば、売上に応じて本人へバックが発生する契約なら、店舗売上ではなく本人に支払われる報酬を確認します。

源泉徴収の対象額と、確定申告で計上する年間売上には、未払報酬や計上時期などによって差が出る場合があります。源泉徴収の式だけで年間売上を逆算しないでください。

5,000円控除の日数は出勤日数ではない

5,000円を掛ける「計算期間の日数」は、報酬計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数です。お店の営業日数や、本人が実際に出勤した日数ではありません。

9月1日から9月30日までの報酬をまとめて計算する場合、9月の出勤が18日でも、店舗の営業日が25日でも、計算期間は30日です。

報酬計算の基礎となった期間 原則として確認する日数
9月1日から9月30日 30日。18日出勤でも30日で確認する
1月16日から1月31日 初日と末日を含む16日
1月21日から2月20日 年を確認したうえで、初日から末日までの全日数
その日1日分をその日に精算 その支払いが独立した1日分の報酬なら1日
月額報酬の一部だけを日払い 日払い回数では決めず、月間報酬の対象期間と精算方法を確認する

振込日が10月5日だから、10月1日から10月31日までの31日を使うというものでもありません。その振込が9月1日から9月30日までの報酬なら、確認する計算期間は9月の30日間です。

月途中で入店・退店した場合

月途中で入店または退店した場合も、「在籍していた月だから1か月分の日数」とは限りません。

たとえば、9月16日に入店し、9月16日から30日までを一つの報酬計算期間として支払われたなら、15日間を確認します。一方、お店の締め期間が9月11日から10月10日で、その全期間の報酬として計算されたなら、その期間を確認します。

入店日、退店日、締め日、明細の対象期間、支払日を並べてください。

同じ月に何度も現金を受け取った場合

現金を受け取った回数だけ、毎回1か月分の5,000円控除を使えるとは限りません。

1日ごとに報酬を完結して精算しているのか、月間報酬の一部を先払いして月末にまとめて精算しているのかを確認します。

支払回数と計算期間は同じ意味ではありません。日払い、前払い、月末残額を一つの月間報酬として管理しているお店では、明細同士を必ず照合してください。

月払い・半月払い・日払いの計算例

同じ報酬額でも、報酬計算の基礎となった期間の日数が違えば、源泉徴収税額も変わります。

次の表は、同じ支払者から同月中に給与等を受け取っておらず、記載した全額が源泉徴収対象のホステス報酬である場合の説明例です。

報酬額・計算期間 源泉徴収税額の計算例
報酬800,000円・30日間 (800,000円-150,000円)×10.21%=66,365円
報酬800,000円・28日間 (800,000円-140,000円)×10.21%=67,386円
報酬400,000円・15日間 (400,000円-75,000円)×10.21%=33,182円
報酬30,000円・1日間 (30,000円-5,000円)×10.21%=2,552円

※1円未満を切り捨てています。実在店舗の支払い条件や源泉徴収税額を示すものではありません。

800,000円を受け取る場合でも、30日間なら66,365円、28日間なら67,386円です。報酬が同じだから税額も毎月同じとは限りません。

400,000円を半月ごとに2回支払うお店であっても、それぞれが独立した15日間の報酬なのか、月額800,000円の分割払いなのかで確認が変わります。単に2回の振込額へ同じ式を機械的に当てはめないでください。

報酬全額から一律10%引かれた場合との違い

たとえば、30日間のホステス報酬が1,000,000円なら、基本式による源泉徴収税額は次のとおりです。

(1,000,000円-5,000円×30日)×10.21%=86,785円

報酬全額の10%である100,000円とは13,215円の差があります。

しかし、明細で100,000円引かれていたからといって、直ちに13,215円の源泉所得税を引かれすぎたとは判断できません。100,000円の中に厚生費等が含まれる場合や、計算期間、報酬額、給与の併給が前提と違う場合があるためです。

まず「税金として実際にいくら引いたか」を確認し、その金額と基本式による金額を比較します。

同じお店から給与も受け取る場合は5,000円控除を調整する

同じ支払者から同月中に給与等の支払いもある場合は、5,000円×計算期間の日数を、そのまま全額控除するわけではありません。

ホステス報酬側で差し引く控除額は、次のように確認します。

同じ支払者から給与も受け取る場合

報酬から差し引く控除額=5,000円×計算期間の日数-その計算期間に対応する給与等の支給額

給与等の支給額が5,000円×日数以上なら、報酬側で差し引く控除額は残りません。

たとえば、計算期間30日、ホステス報酬800,000円、同じ支払者からその計算期間に対応する給与100,000円を受け取る場合です。

計算項目 説明用の金額例
5,000円×30日 150,000円
同じ支払者からの給与等 100,000円
報酬側で差し引く控除額 50,000円
源泉徴収税額 (800,000円-50,000円)×10.21%=76,575円

※同じ支払者から支払われる給与等とホステス報酬がある場合の説明例です。給与側の源泉徴収も別途確認します。

昼職の会社から給与を受け取り、別のキャバクラからホステス報酬を受け取る場合は、この例とは異なります。「同じ月に別会社の給与がある」という理由だけで、キャバクラ側の5,000円控除から昼職給与を差し引くものではありません。

同じ店舗名でも、給与と報酬の支払者が別法人になっている場合があります。店舗名ではなく、契約上・書類上の支払者も確認してください。

指名・同伴・ボトルバックは源泉徴収の報酬に含む?

ホステス報酬の源泉徴収では、基本の時給・日給だけでなく、本人へ支払われる報奨金や各種手当も確認します。

キャバクラの報酬明細では、同じ性質の支払いでも店舗ごとに名称が異なります。

明細にある項目 源泉徴収で確認すること
時給・日給・最低保証 本人に支払われるホステス報酬の基本部分か
本指名・場内指名・同伴バック 本人の報酬として発生した金額を含めているか
ドリンク・ボトル・売上バック 客の支払額全体ではなく、本人へ支払う報酬部分を確認する
ランキング賞・達成報奨金 報奨金として本人へ支払う金額を確認する
衣装代・深夜帰宅のタクシー代として本人へ支給 名称だけで除外せず、ホステス報酬に含まれる支給かを確認する
店舗の費用を一時的に立て替えた精算 本人への報酬・手当なのか、店舗負担分の立替精算なのかを区別する

お客様が100万円のボトルを注文しても、その100万円全額がキャバ嬢本人の報酬になるわけではありません。報酬表により本人へ10万円のバックが発生するなら、本人の報酬として確認するのはその10万円です。

反対に、基本報酬だけを源泉徴収の対象にし、本人へ支払う指名バックや報奨金を漏らしていないかも確認します。

店舗費用を引いた手取りから計算するとは限らない

厚生費、送り代、ヘアメイク代などを報酬から天引きされていても、源泉徴収の対象となる報酬額が当然にその費用控除後の手取りになるとは限りません。

本人に発生した報酬、本人が店舗へ負担する費用、源泉所得税、最終手取りを分けてください。

手取り額に10.21%を掛け直すのではなく、店舗が源泉徴収の対象とした報酬の内訳を確認します。

消費税等が報酬と分けて記載されている場合

報酬に消費税等が含まれる場合は、原則として消費税等を含む支払額が源泉徴収の対象です。ただし、請求書や精算書で報酬額と消費税等の額が明確に区分されていれば、報酬額だけを源泉徴収の対象としている場合があります。

インボイス登録の有無だけで決めず、実際の精算書で税抜報酬と消費税等が分かれているかを確認してください。

キャスト本人の消費税申告は「風俗嬢の消費税とインボイス」をご確認ください。

日払いと月末精算がある場合の源泉徴収

日払いがあるお店では、日払い時の税額と月末明細の税額が同じ報酬を表していないかを確認します。

次の二つは、どちらも「日払い」と呼ばれることがありますが、精算の仕組みが違います。

日払いの仕組み 確認方法
その日の報酬を当日で完結して精算 その日が独立した計算期間か、当日の報酬額と税額を確認する
月間報酬の一部を先に受領 月間報酬総額、日払い済み額、日払い時の税額、月末の追加控除を照合する
基本報酬は日払い、バックだけ翌月払い 日払いに含まれないバックの対象期間と支払時の税額を確認する
日払い上限だけ受け取り、残りを月末払い 受取額ではなく、当月に発生した本人報酬と精算明細から確認する

たとえば、月間報酬800,000円のうち、毎回の出勤で合計500,000円を日払いし、月末に残額を精算する場合があります。

月末明細の源泉徴収税額が「当月分の合計」なら、日払い時に引かれた税額へもう一度加算してはいけません。月末明細が「今回追加で引く税額」なら、日払い時の税額と合わせて当月合計を確認します。

同じように、日払い500,000円と月間報酬800,000円を足して、1,300,000円の売上にすることも避けてください。

日払いでは、報酬の重複と源泉徴収税額の重複を別々に確認します。

「税・厚生費10%」の全額を源泉所得税にしない

お店が報酬から10%や15%を引いていても、その全額が所得税とは限りません。

キャバクラの精算では、性質の異なる金額が一つの控除欄にまとめられることがあります。

引かれている項目 確定申告での確認
所得税・源泉所得税 実際の源泉徴収税額を確認し、所得税の前払いとして扱う
厚生費・雑費 具体的な内容と本人負担額を確認し、必要経費を判断する
送り代・ヘアメイク代・貸衣装代 利用内容と金額を確認し、仕事との関係から必要経費を検討する
日払い済み額・前払い済み額 費用ではなく、すでに受け取った報酬の精算かを確認する
罰金・ペナルティ 名称だけで経費にせず、内容、契約、税務上の取扱いを個別に確認する

たとえば、報酬800,000円から「税・厚生費10%」として80,000円を引かれていても、源泉所得税が60,000円、厚生費が20,000円なのか、別の内訳なのかは合計額だけでは分かりません。

80,000円全額を確定申告書の源泉徴収税額として入力すると、所得税ではない店舗費用まで税金の前払いとして扱うことになります。

反対に、手取り720,000円だけを売上にし、そこから厚生費20,000円をさらに経費にすると、店舗費用を二重に差し引く可能性があります。

必要経費については「キャバ嬢の経費になるもの」をご確認ください。

明細と一緒に確かめたい3点

  • 控除の合計と、実際の源泉所得税・厚生費等の内訳を分ける。
  • 日払い分が月末明細に含まれるか、報酬と税額それぞれを照合する。
  • 不明な内訳は仮の税額に置き換えず、分からない箇所として資料と一緒に伝える。

「税金を引かれすぎ?」と思ったときの現実的な対応

確定申告へ使うのは、計算例から作った仮の税額ではなく、実際に源泉所得税として引かれたと確認できる金額です。「10%引かれたから、その全部が戻る」とは判断できません。

過去の明細は、お店にすべて再計算してもらうことを前提にせず、手元の資料から次の順で照合します。

税額の違いを確認する順序

1.同じ報酬の明細をそろえる

本人報酬とバック、締め日・報酬計算期間をそろえます。給与の併給があるか、日払いが独立した精算か月間報酬の先払いかも確認します。

2.実際の控除額を分ける

所得税、厚生費、送り代等の内訳を分け、日払い時と月末精算の税額が重複していないかを見ます。後日の税金の返金・追加控除があれば、その記録も合わせます。

3.支払調書と年間合計を照合する

対象年と支払者をそろえて比較し、差が残れば店舗へ内訳を確認します。確認できた金額と未確認の金額を分け、当センターで申告へ使う資料を整理します。

お店へ聞く場合は、控除率だけでなく、対象月、本人の報酬総額、計算期間、所得税として引いた金額、店舗費用の内訳を確認してください。

店舗へ確認する文面の例

確定申告の準備のため、対象月の本人報酬総額、報酬計算の期間、所得税・復興特別所得税として源泉徴収した金額を確認させてください。

「税・厚生費」などの一括控除は、所得税と厚生費・送り代・ヘアメイク代等を分けた内訳もお願いします。日払いがある場合は、月末明細の税額が月間の累計か、その日に追加で引いた額かも確認したいです。

LINEやメールの回答は保存し、電話で聞いたときは問い合わせ日・相手・回答をメモに残します。

退店後のお店の訂正だけを待ち続けない

制度上、お店側が源泉徴収の誤りを訂正する場面はあります。ただし、退店後や数年後にすべての内訳を再発行してもらえるとは限りません。訂正の回答だけを待たず、月次明細、支払調書、日払い記録、現在ある店舗とのやり取りを残してください。

計算式との差額がそのまま還付額になるわけではありません。店舗費用を税金として申告したり、返金済みの税金を返金前の額で重ねて申告したりしないよう、実際の控除と返金を照合します。

月次明細と支払調書が合わない場合

月次明細の合計と支払調書が違う場合も、支払調書に合わせて月次明細を捨てたり、金額の大きい方を自動的に採用したりしません。どの資料が実際の支払いと控除を表しているか確認します。

月次明細の合計と支払調書に差があるときは、次の場面を確かめます。

不一致が起きる場面 確認すること
12月勤務分が翌年1月払い 明細の勤務期間と支払日、支払調書の対象年を確認する
日払いと月末明細の両方に税額が記載 月末の税額が累計か、追加控除額かを確認する
月次明細が「税・厚生費」の合計 所得税部分だけを分けると支払調書と合うか確認する
年間書類だけ源泉徴収税額が少ない 月次明細で実際に所得税として控除された額と、返金の有無を確認する
系列店や複数法人から支払い 店舗名ではなく、実際の支払者ごとに書類と入金を対応させる
支払調書に未払分の内書きがある 実際に支払われた報酬・税額と、未払として記載された部分を分ける

支払調書は、報酬を受け取った本人への交付が法律上必須の書類ではありません。お店からもらえない場合もありますが、それだけで確定申告が不要になるわけではありません。

支払調書がなくても、月次明細、精算画面、銀行入金、現金受取記録、店舗からの回答などで報酬額と源泉徴収税額を確認します。

まずはお店へ、年間報酬額と源泉徴収税額の内訳を確認します。ただし、回答がない、退店済みで連絡が取れない、過去分の明細を再発行できないということもあります。

不一致を完全に解消できない場合は、両方の資料を保存してください。新宿風俗確定申告センターでは、どちらか一枚だけを機械的に転記せず、実際の入金・現金受取額・月次控除・店舗費用とのつながりを確認し、申告に使う金額を整理します。

すべての数字がそろうまで確定申告を止める必要はありません。資料が不完全な時点でご相談いただいた方が、お店へ確認すべき項目と、現在の資料で申告を進める部分を早く分けられます。

5,000円控除は確定申告の経費ではない

源泉徴収で使う「5,000円×計算期間の日数」は、キャバ嬢本人が実際に支払った費用ではありません。確定申告で自動的に認められる必要経費ではありません。

たとえば、月額報酬800,000円、計算期間30日なら、源泉徴収では150,000円を差し引いて税率を掛けます。

しかし、確定申告で売上を650,000円にするわけではありません。150,000円の経費を追加することもできません。

金額 確定申告での役割
本人に発生した報酬800,000円 本人の売上・収入として確認する
5,000円×30日=150,000円 源泉徴収税額を計算するための控除。売上減額や必要経費ではない
実際に仕事のため負担した費用 仕事との関係や私用部分を確認し、必要経費を判断する
実際に源泉徴収された所得税 必要経費ではなく、確定申告で年間所得税から精算する前払税額

「5,000円控除があるから領収書を集めなくてよい」「源泉徴収税額も経費にする」という処理は誤りです。

確定申告では、本人に帰属する年間報酬から、衣装代、ヘアセット代、送り代等のうち必要経費に該当する金額を差し引きます。その後、所得控除などを反映して年間所得税を計算し、実際の源泉徴収税額を精算します。

源泉徴収されていても確定申告で還付とは限らない

還付か追加納税かは、年間の所得税と、実際に源泉徴収された税額を比較して決まります。毎月10%程度を引かれていることだけでは、還付になると決められません。

一年間の控除前の本人報酬とバックを集計し、実際の必要経費と所得区分、所得控除等を反映して年間所得税を計算します。その税額から実際の源泉徴収税額を精算します。源泉徴収税額は、売上を減らす項目でも必要経費でもありません。

年間所得税より源泉徴収税額が多ければ原則として差額の還付を受け、少なければ追加納税が必要になることがあります。年間の報酬額が大きい場合も、控除率だけで判断せず、各月の報酬と控除の記録をそろえて確認します。

申告の準備から提出までの全体の流れは「キャバ嬢の確定申告」をご確認ください。

説明例|日払いの税額と月末の累計税額を照合する

日払い時の明細と月末の精算画面の両方に源泉徴収税額がある場合の、仮の照合例です。月末画面がその月の累計額を示しているのに、日払い明細の税額をさらに足すと、同じ税額を二度集計してしまいます。

二つの明細を一つの月へ対応させる

明細の対象期間

日払いの対象日と、月末明細の締め期間を確認します。バックだけ翌月払いなら、報酬の対象期間と支払日も残します。

税額欄の意味

月末の税額が「累計」か「今回の追加控除」かを店舗の説明と照合します。「税・厚生費」なら所得税部分を分けます。

年間の申告へ使う額

月次の控除内容を整理してから年間合計へつなげます。仮の税額を作らず、説明がない部分は資料不足として当センターへ持ち込めます。

同じ資料の重複だけでなく、系列店の支払い、翌月に支払われたバック、後日の税金返金も確認します。明細が合わない段階から、現在ある記録をもとに申告に使う金額を整理できます。

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源泉徴収の明細がない場合に確認する資料

支払調書や一部の月次明細がなくても、すぐに源泉徴収税額をゼロまたは報酬の10%と決めないでください。

次の資料から、本人報酬、店舗費用、税金、手取りを確認します。

明細が不足するときの確認資料

報酬の額と計算期間
店舗の報酬・精算・日払い画面のスクリーンショット、時給・日給・各種バック・控除率を説明されたLINE。出勤表、締め日や報酬計算期間が分かるカレンダーも確認します。

実際の受取額
現金受取メモ、精算封筒の写真、受取サインの控え、銀行の振込額と振込名義を確認します。

天引きの内訳と訂正履歴
厚生費・送り代・ヘアメイク代等の控除記録、支払調書、訂正後の書類、店舗からの回答を照合します。

銀行への入金額は、店舗費用や源泉所得税を差し引いた後の手取りかもしれません。入金額だけでは、控除前の報酬と源泉徴収税額を特定できません。

また、求人に書かれた控除率や、同僚の明細を自分の税額として使うことも避けてください。同じお店でも報酬額、計算期間、日払い、給与の併給によって税額は異なります。

確認できた金額、店舗へ問い合わせ中の金額、現時点で資料がない金額を分けてください。資料が全部そろっていなくても、残っている記録からどこまで確認できるかを税理士と整理できます。

新宿風俗確定申告センターでは、支払調書がないことだけを理由に申告を止めるのではなく、現在ある資料を確認し、申告に使える金額と追加確認が必要な部分を分けます。

過去の報酬額そのものが分からない場合は「風俗嬢の過去分確定申告|明細なし・売上不明の場合」をご確認ください。

過去に「税金10%」を信じて申告していなかった場合

お店から税金を引かれていても、ホステス報酬についてお店が年末調整をしているとは限りません。申告が必要だった年に何もしなかった場合は、年ごとに申告の要否を確認します。

過去分を確認するときは、次の点を整理してください。

年ごとに分けるもの 確認する内容
勤務先と所得区分 在籍店舗・正式な支払者と、給与か報酬かを確認します。
本人報酬と源泉税 控除前の年間報酬・バックと、実際に源泉所得税として引かれた金額を整理します。
費用 天引きされた店舗費用と、自分で支払った必要経費を分けます。
提出済みの申告 所得税の申告書と住民税申告の有無を確認します。

申告していなければ、期限後申告が必要かを確認します。申告済みでも、源泉徴収税額へ店舗費用を含めていた、手取りだけを売上にしていたなどの誤りがあれば、その年の申告を見直します。

過去の源泉徴収について、まずお店へ明細や年間金額を確認することは有効です。しかし、退店済みの店舗に数年分の税額を再計算してもらえるとは限りません。

お店による過去分の再計算を申告の前提にせず、本人に残っている資料から、実際に源泉所得税として差し引かれた金額を整理してください。

過去の差額を今年の売上や税額でまとめて調整するものではありません。誤りがあった年ごとに、正しい所得と税額を計算します。

キャバ嬢の確定申告は新宿風俗確定申告センターへ

キャバ嬢の源泉徴収は、計算式よりも「お店の明細をどう読み、実際に引かれた税金を年間の確定申告へどうつなげるか」が難しい部分です。

ネットの計算式へ報酬額を入れても、日払い、翌月バック、税・厚生費、系列店の支払い、支払調書との不一致までは解決できません。計算式どおりでなかったからといって、キャストが過去の源泉徴収税額を自分で作り直して申告することもできません。

特に、次のような方は、手取りや支払調書をそのまま入力する前に、当センターで資料の照合から進められます。

入力前に照合したい状況

報酬やバックの集計が複雑
レギュラー勤務で報酬額が大きい、本指名・同伴・ボトル・売上バックが多い、同じ店から給与と報酬の両方を受け取っている場合。

引かれた税額が分からない
一律10%・10.21%の控除や「税・厚生費」の一括表示、日払いと月末精算の税額の重複が疑われる場合。

書類や過去の申告を確認したい
月次明細と支払調書の報酬額・源泉税額が合わない、天引きで申告済みと思い数年間申告していなかった場合。

新宿風俗確定申告センターでは、報酬明細、支払調書、出勤・日払い記録、店舗とのやり取りから、本人報酬、必要経費、実際に源泉所得税として引かれた金額を整理します。

そのうえで、確定申告書の作成から税務署への提出まで対応し、還付になるのか、追加納税が必要なのかを年間の所得から確認します。

すべての明細がそろっている必要はありません。対象年、店舗数、年間報酬のおおよその規模、残っている月次明細、分からない控除項目をお伝えください。スマートフォンに残っている精算画面やLINE、封筒の写真なども確認材料になります。

お店へ過去の税額訂正を頼めない場合も、申告を諦める必要はありません。「10%引かれているから申告しなくてよいと思っていた」「支払調書が合わず申告を止めている」という段階から、残っている資料を整理できます。

お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。

新宿風俗確定申告センター

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キャバ嬢の源泉徴収についてよくある質問

キャバ嬢の報酬は一律10%引くのが正しいですか?

一律10%とは限りません。ホステス等の報酬に該当する場合は、原則として報酬額から5,000円×計算期間の日数を差し引き、10.21%を掛けます。給与として支払われる場合は別の計算です。

10%と10.21%はどちらが正しいですか?

ホステス等の報酬の基本式で使う税率は、所得税と復興特別所得税を合わせた10.21%です。ただし、報酬全額へ直接10.21%を掛けるのではなく、原則として5,000円×計算期間の日数を差し引いた残額へ掛けます。

1回の報酬が100万円を超えたら20.42%になりますか?

このホステス等の報酬の計算に該当する場合は、5,000円×計算期間の日数を差し引いた残額へ10.21%を掛けます。原稿料等で使われる「100万円を超える部分は20.42%」という計算を、そのままホステス報酬へ当てはめないでください。

月に20日出勤したら5,000円×20日ですか?

出勤日数だけでは決まりません。報酬計算の基礎となった期間が1日から月末までなら、その期間の全日数を使います。営業日数でもありません。

2月は5,000円×28日または29日ですか?

2月1日から末日までが報酬計算期間なら、その年の暦に応じて28日または29日です。ただし、締め期間が1月21日から2月20日などの場合は、その実際の期間の日数を確認します。

5,000円控除を確定申告の経費にできますか?

できません。源泉徴収税額を求めるための計算上の控除であり、本人が実際に支払った必要経費ではありません。売上からも減らしません。

本指名やボトルのバックも計算に入りますか?

本人へ支払われるホステス報酬・報奨金に該当する金額を確認します。お客様が店舗へ支払ったボトル代全額ではなく、報酬表に基づく本人のバック等を確認してください。

税・厚生費として15%引かれています。15%全部が源泉徴収ですか?

全額が源泉所得税とは限りません。所得税、厚生費、送り代、ヘアメイク代等の内訳を確認します。合計控除額をそのまま確定申告の源泉徴収税額に入力しないでください。

支払調書をもらえなければ確定申告できませんか?

支払調書がないことだけで確定申告できないわけではありません。月次明細、精算画面、入金、現金受取記録、店舗からの回答などで報酬と源泉徴収税額を確認します。

毎月税金を引かれていれば、確定申告で必ず戻りますか?

必ずではありません。年間の所得、必要経費、所得控除、実際の源泉徴収税額をもとに精算します。高所得で源泉徴収税額が不足していれば、追加納税になることもあります。

基本式で計算した税額を、確定申告へ入力すればよいですか?

いいえ。基本式から計算した仮の税額ではなく、実際に源泉所得税として引かれたと確認できる金額を使います。計算式は、明細やお店の説明に不自然な点がないか確認するために使ってください。

お店の計算が間違っているようですが、過去分の訂正が必要ですか?

お店へ内訳を確認することは大切ですが、退店後や数年後に過去の源泉徴収をすべて再計算してもらうのは現実的でない場合があります。お店の訂正だけを待たず、月次明細や支払調書などをもとに、実際に引かれた税額で申告を進められるか、当センターで資料とともに確認します。

月次明細と支払調書はどちらを使えばよいですか?

どちらかを理由なく選ぶのではなく、対象期間、支払日、未払分、日払い、税・厚生費を照合します。不一致が解消しない場合は、両方の資料を保存し、実際に控除された税額をどの資料から確認できるか、当センターで資料を照合します。

まとめ|報酬額・計算期間・税金の内訳を確認する

源泉徴収とは、お店が報酬を支払うときに所得税等を先に差し引く仕組みです。毎月税金を引かれていても、キャバ嬢本人の確定申告が終わったことにはなりません。

ホステス等の報酬であれば、基本式は「報酬額-5,000円×計算期間の日数」に10.21%です。計算期間の日数は、出勤日数や営業日数ではありません。

日払いと月末精算、「税・厚生費」の一括控除、支払調書との不一致がある場合は、手取りや控除率だけで判断せず、月ごとの明細を照合してください。

5,000円×日数と源泉徴収税額は必要経費ではありません。確定申告では、控除前の年間報酬と実際の必要経費から所得を計算し、実際に源泉徴収されたと確認できる税額を精算します。

お店が過去分を再計算してくれない場合も、計算式から税額を作り直さず、現在残っている資料を新宿風俗確定申告センターへお持ちください。申告に使う報酬・経費・源泉徴収税額を整理し、申告書の作成から提出まで対応します。

確定申告の全体像は「キャバ嬢の確定申告の流れ」をご確認ください。

お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。

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  • この記事を書いた人

坂根 崇真

新宿風俗確定申告センター代表税理士(登録番号133046号)。
年間400件以上の税務相談に対応。
風俗・夜職の確定申告をはじめ、現金日払い、明細なし、過去の無申告、税務調査にも、現在残っている資料から対応します。

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