
前年上半期の売上が多くても、それだけで必ず課税されるわけではありません。日本の居住者である個人事業者は、従業員等へ支払った給与等の額で判定でき、登録など他の課税理由も合わせて確認します。
この記事のポイント
- 特定期間は判定対象年の前年1〜6月
- 給与等支払額は本人が受け取る給与とは別
- インボイス登録や基準期間の課税理由は別途確認
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。
消費税の要否と計算方法の全体については、風俗・夜職の消費税と申告が必要になる条件で説明しています。
前年上半期の売上が1,000万円を超えても、それだけで翌年の課税は決まらない
個人事業者の消費税では、前々年の課税売上高に加え、前年1月1日から6月30日までの「特定期間」で納税義務を判定する仕組みがあります。前々年が1,000万円以下でも、この判定によって翌年の消費税が必要になる場合があります。
ただし、日本の居住者である個人事業者は、この判定に課税売上高ではなく、同じ期間の給与等支払額を使うことができます。本人が従業員へ払った給与等が1,000万円以下であれば、その基準で判定して、この特定期間の規定だけでは課税事業者にならないことがあります。
ここでいう給与は、本人が昼職で受け取った給与ではありません。事業者として人へ支払った給与等です。キャストとして一人で働き、給与を支払う従業員がいない方に「上半期で1,000万円を超えたから必ず翌年課税」とだけ説明すると、この選択を見落としてしまいます。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 特定期間 | 個人事業者は、判定対象年の前年1月1日〜6月30日 |
| 課税売上高 | その期間に本人の事業で生じた対象の売上 |
| 給与等支払額 | 本人の事業から従業員等へ実際に支払った給与等。本人の昼職の給与収入ではない |
2026年分なら、2025年1〜6月を確認する
2026年分の消費税について特定期間を確認するなら、対象は2025年1〜6月です。2026年の上半期や、直近の半年を使うのではありません。2027年分を確認するなら2026年1〜6月になります。
申告書を提出する年と、申告する年分も区別します。2026年分を2027年に提出するからといって、2026年1〜6月を特定期間にするものではありません。まず「何年分の消費税を確認したいか」を決めて、対応する前年上半期を取り出します。
7月以降に仕事が増えた方は、年間の売上が大きくても、前年1〜6月の売上と同じではありません。逆に、春に多く稼いで秋に引退した場合には、年末の収入が少ないことだけで判定を終えないようにします。
一人で働くキャストの説明例:課税売上1,200万円、給与支払い0円
説明例として、日本の居住者で、前年上半期の課税売上高が1,200万円、従業員への給与等支払額が0円の方を考えます。前々年の課税売上高は1,000万円以下で、インボイス未登録、課税事業者の選択など他の課税条件もないものとします。
この場合、特定期間の判定に給与等支払額を用いれば0円であるため、前年上半期の売上1,200万円だけを理由として翌年の消費税を申告する、と決めるものではありません。本人の手取りや経費で売上を減らしたわけではなく、法律上選べる別の判定基準を用いる違いです。
| 確認項目 | 説明例の条件 | 整理 |
|---|---|---|
| 前々年の課税売上 | 1,000万円以下 | 基準期間の要件を確認 |
| 前年上半期の課税売上 | 1,200万円 | 売上基準だけなら1,000万円超 |
| 前年上半期の給与等支払額 | 0円 | 給与等支払額による判定を検討 |
| 登録・選択等 | ないという仮定 | 別の課税理由があれば結論が変わる |
実際に人へ給与を払っている方は、給与台帳や支払記録から金額と期間を確認します。外注先への報酬、店舗へ払った雑費、本人の生活費を、給与等支払額へ勝手に加えるものではありません。所得税の経費科目が「人件費」になっているだけで、その金額が同じ判定額になるとも決めません。
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給与等支払額で判定できても、ほかの課税理由は残る
特定期間の規定で課税にならなくても、インボイス登録をしていれば原則として登録日以後の対象取引の申告を確認します。前々年の課税売上高が1,000万円を超えている場合も、特定期間の給与等支払額が少ないことだけで免税にはできません。
課税事業者を選択した届出、高額な資産の取得などによる免税・簡易課税の制限がある方も、別の要件を確認します。「従業員がいないなら消費税は不要」という結論へ広げないことが大切です。申告が必要な理由と、使える計算方法を分けて整理します。
また、非居住者などの国外事業者には、給与等支払額による判定を使えない取扱いがあります。海外へ生活拠点を移している方は、住民票の手続きだけで居住者と決めず、滞在や生活の状況もお知らせください。国内で働く通常例と、国外事業者の例外を混同しません。
上半期の売上は、手取りと店舗売上を分けて集計する
特定期間の売上を集計するときも、キャスト本人に帰属する課税売上を確認します。お客様が店へ払った金額の全額や、雑費・源泉所得税を引いた手取りと、本人報酬は同じではありません。日払いと月末総額の二重加算も避けます。
複数店舗の対象売上や、配信などほかの事業の対象売上がある場合は、同じ本人の分を合わせます。前店と新店を掛け持ちした期間は、片方の明細だけで上半期が完成したと思わないようにしてください。
年末締めの報酬が翌年に振り込まれた場合などは、入金日だけで1〜6月に含めず、報酬が確定する時期とこれまでの会計処理を確認します。給与等支払額は支払実績に基づく判定であるため、売上と給与の基準を同じものとして一括処理しません。
前年上半期の売上が高いときは、給与等支払額との組合せで見る
国内の居住者である個人事業者は、特定期間の課税売上高に代えて、同期間中の給与等支払額で判定することを選べます。従業員を雇わず給与等を支払っていないキャストも、売上だけを見て「必ず消費税が必要」と決めません。ここで見るのは本人が人へ支払った給与等で、昼職から受け取った給与ではありません。
| 前年1~6月の課税売上高 | 同期間の給与等支払額 | 特定期間による判定 |
|---|---|---|
| 1,200万円 | 支払いなし | 給与等支払額による判定を選べば、この理由だけでは課税にならない |
| 1,200万円 | 300万円 | 給与等支払額による判定を選べば、この理由だけでは課税にならない |
| 1,200万円 | 1,100万円 | いずれも1,000万円超のため、特定期間による課税を確認 |
| 900万円 | 1,100万円 | 売上基準なら1,000万円以下。給与額が多いだけで決めない |
この表は特定期間という一つの理由を分けた例です。前々年の課税売上、インボイス登録、課税事業者選択などによる課税は別に残ります。給与等支払額を選べることを、本人の消費税がすべて不要になるという結論へ広げません。国外事業者にはこの代替判定の制限があるため、海外へ生活拠点を移した方はその状況もお知らせください。
2026年分なら、2025年1月から6月のどの数字を使う?
2026年分についての特定期間は、2025年1月1日から6月30日までです。2026年の上半期でも、2025年の一年分でもありません。課税売上高を集めるときは、その期間に対応する報酬とほかの事業の対象売上を合わせます。
通帳の1~6月の入金だけでは、前年12月の仕事の精算や、7月に払われた6月分を取り違えることがあります。売上は報酬が確定した時期等で確認し、給与等支払額はその期間の支払実績など所定の内容で確認します。同じ日付のルールだと考えて一括集計しません。
「従業員はいないのに必要と言われた」ときの依頼
新宿風俗確定申告センターへ、その説明と現在の明細、登録通知、以前の消費税申告の有無をお知らせください。ご本人が制度の違いを説明できなくても構いません。当センターが、特定期間による課税なのか、別の理由による課税なのかを確認します。
人へお金を払ったことがあっても、それが従業員への給与なのか、外部の撮影者などへの業務委託料なのかを分けます。給与と名付け直して有利な判定にするものではありません。必要な資料の照合から、その年に必要な申告まで当センターへお任せください。
当センターには、判定に使う資料の確認から依頼できます
「前年の上半期に急に稼いだ」「従業員はいないのに消費税が必要と言われた」という方は、その説明と今ある資料を新宿風俗確定申告センターへお知らせください。当センターが、対象年分、前々年の売上、前年上半期の課税売上と給与等支払額、登録・届出を確認します。
ご本人が判定表を完成させる必要はありません。上半期の明細が一部しかない場合は、その範囲も伝えてください。すでに提出した所得税・消費税申告書があるなら、それを照合し、必要な会計入力や申告書作成・提出へ進めます。
消費税の判定全体は「風俗・夜職の消費税とインボイス」でご案内しています。特定期間の話だけで免税・課税を決めるのではなく、当センターでその年の申告をまとめて確認します。
よくある質問
給与をもらっていない人は給与等支払額が0円ですか?
判定するのは、本人が受け取った給与ではなく、事業者として従業員等へ支払った給与等です。昼職の給与収入があっても、その額をここへ入れません。
前年上半期の売上が少なければ、登録済みでも免税ですか?
いいえ。インボイス登録をしている場合の課税は別に確認します。特定期間で課税にならないことだけで、登録日以後の申告が不要になるものではありません。
現在の状況を新宿風俗確定申告センターへお伝えください
上半期の売上だけで消費税が必要と考えている方は、今の状況を新宿風俗確定申告センターへお聞かせください。判定に使う期間と金額、登録等の別条件を確認し、必要な年の会計入力と申告まで対応します。
費用と対応内容は「新宿風俗確定申告センターの料金・サービス内容」をご確認ください。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
