
個人事業の消費税は、原則として前々年の課税売上高が1,000万円を超えるかで判定します。今年の手取りだけでは決まりません。登録や前年上半期など、別の条件も確認します。
この記事のポイント
- 申告する年分の前々年を確認
- 所得・手取りでなく課税売上高を使う
- 基準期間の課税・免税と他の事業も照合
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。
消費税の要否と計算方法の全体については、風俗・夜職の消費税と申告が必要になる条件で説明しています。
個人の消費税の基準期間は、原則として申告する年の前々年
夜職を個人事業として行う場合、ある年に消費税の納税義務があるかは、原則としてその年の前々年の課税売上高で判定します。この判定に使う期間が「基準期間」です。今年の売上が大きいことと、今年すぐ消費税の申告が必要になることは分けます。
たとえば2026年分を判定する基本の対象は2024年、2027年分なら2025年です。申告書を提出する翌年を起点に二年前へ戻るのではありません。2026年分を2027年に提出する場合でも、基準期間の基本は2024年です。
ただし基準期間だけで免税と決めることはできません。前年上半期の特定期間、インボイス登録、課税事業者の選択などによって、前々年が1,000万円以下でも申告が必要になる場合があります。まずどの年分を確認するのかを固定し、その年についてほかの条件も照合します。
| 確認する年分 | 原則の基準期間 | 提出する年と混同しない |
|---|---|---|
| 2026年分 | 2024年1〜12月 | 2027年に申告しても、2025年を基準期間にはしない |
| 2027年分 | 2025年1〜12月 | 2028年の提出時から二年前と数えない |
| 2028年分 | 2026年1〜12月 | 現在の売上は将来の判定にも使う |
1,000万円は、経費を引いた所得や手取りで判定しない
基準期間で見るのは課税売上高です。店舗費用などを引いた後の手取り、必要経費を引いた所得、所得控除後の金額とは違います。帳簿や申告書にいくつもの数字があるときは、どの欄かを確認します。
説明例として、基準期間に本人へ帰属する報酬が1,080万円、確認された仕事の経費が300万円あれば、経費差引後は780万円です。経費を引いて1,000万円以下になったから免税、という判定にはなりません。給与所得控除や基礎控除も、この売上判定から差し引くものではありません。
一方、お客様が店へ払った料金や、本人が店舗のために一時的に預かったお金まで、何でも本人の課税売上へ含めるのではありません。まず本人の報酬額を、契約・精算に基づいて確認します。控除前の報酬と店全体の売上を混同しないことも重要です。
基準期間が免税だったか課税だったかで、税込金額の扱いも変わる
基準期間が免税事業者だった場合、その期間の課税売上高は原則として税込みの取引額で判定し、そこから消費税相当額を勝手に抜きません。免税の時期に受け取った報酬を、すべて1.1で割ると判定を誤るおそれがあります。
基準期間が課税事業者だった場合は、原則として消費税等を除いた課税売上高を使います。したがって同じ入金総額でも、その年に課税事業者だったかどうかを先に確かめる必要があります。インボイスの登録通知、過去の消費税申告書や届出が役立ちます。
課税・免税の期間が年の途中で分かれる場合は、その期間ごとに取引を分けて確認します。明細に「消費税」と書かれているだけで、その年全体を課税事業者として処理したとは決めません。登録日と届出の効力、実際の売上の期間を照合します。
| 基準期間の状態 | 売上判定で確認すること |
|---|---|
| 免税事業者だった | 原則として税込みの対価。消費税相当額を一律に除かない |
| 課税事業者だった | 原則として消費税等を除いた課税売上高 |
| 途中で登録等をした | 期間と効力を確認し、各取引を区分して集計 |
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店舗別ではなく、同じ本人の課税売上をまとめる
ソープA店で620万円、デリヘルB店で430万円の本人報酬があったとします。両方がその人の課税売上なら、合計1,050万円を確認します。各店舗が1,000万円以下だから免税、とは判断しません。
撮影、配信、販売など別の事業もある場合は、その取引が課税売上に当たるかを確認し、同じ個人の対象売上を合算します。風俗の報酬だけを抜き出して判定するものではありません。店舗ごとに源氏名が違っていても、本人が別人になるわけではありません。
反対に、雇用に基づく給与を受けていたなら、その給与を事業の課税売上へ足しません。生活用口座への入金には、自己資金の移動や借入れなども混ざります。銀行入金の合計をそのまま基準期間の課税売上としないよう、元資料との対応を確認します。
基準期間の途中から働き始めても、月数で単純に年換算しない
個人事業者の通常の基準期間で、仕事を始めた月から12月までしか売上がない場合、その金額を勤務月数で割って12倍する判定ではありません。たとえばその年の7月に始め、12月までの課税売上が600万円なら、単に半年だから1,200万円と年換算するものではありません。
ただし「開業したばかりだから必ず二年間免税」という説明にも注意が必要です。同じ本人が以前から別の事業をしている場合、インボイス登録をした場合、特定期間の判定などは別途確認します。新しい店で働き始めたことと、本人が初めて事業を始めたことも同じではありません。
開業届の日付だけで、過去に実際に受け取っていた報酬を除外することはできません。以前の店の資料も含め、いつから事業の取引があったかを伺います。
前々年の明細がないときは、申告済みの数字と元資料を照合する
以前の所得税申告書、決算書や収支内訳書は、前々年の売上を調べる手掛かりになります。ただし、所得金額の欄だけを見たり、過去に手取りを売上としていた数字をそのまま使ったりはしません。元の報酬明細や帳簿と照合します。
途中で店舗を変えた年は、前店の資料が抜けていないか確認します。一部の月しかない場合は、残るLINEや入金記録と対応させ、不明な期間をゼロ円として埋めません。1,000万円の近くにある方は、少額の漏れや二重計上でも結論が変わるため、資料の範囲を確かめることが大切です。
当センターへは「前々年の売上が分からず消費税の申告が必要か不安」とお伝えください。元の数字を復元してからでなくても、対象年と残っている申告書・明細をもとに確認を進められます。
1,000万円の前後で結論が変わる資料を優先して確認する
基準期間の課税売上高が1,000万円ちょうどなら、その売上の基準だけで課税事業者になるわけではありません。1,000万円を超えれば原則として課税です。この境目に近い方ほど、手取りでの集計、店舗の抜け、返金の未反映、日払いの二重計上を確かめる必要があります。
説明例として、前々年は免税で、A店の本人報酬が620万円、B店が370万円なら、合計990万円です。さらに同じ年に確定した別店舗の本人報酬20万円が抜けていた場合、課税売上の合計は1,010万円になります。一方、20万円が同じ報酬を別紙で示しただけなら上乗せしません。書類が一枚増えたことと、売上が増えたことを分けます。
| 基準期間の資料で気付いた点 | 判定前に確かめる内容 |
|---|---|
| 年間合計と月次の合計が違う | 未払・訂正・集計範囲と二重計上 |
| 1.1で割れば1,000万円以下になる | その期間が免税か課税か。免税期間から税相当額を抜かない |
| 今は辞めた店舗がある | 前々年に本人の課税売上があれば対象に含める |
| 開業届は後から出した | 届出日だけで実際の過去の取引を除外しない |
売上の年と、消費税を申告する年を一本の線でつなげる
2024年の課税売上で2026年分の納税義務を判定する場合、2024年の所得税を2025年に提出した事実と、2026年分の消費税を2027年に提出する事実を分けます。申告書の提出日だけを見て「二年前」を数えると、一年ずれるためです。
2024年に高い売上があり、2026年は引退して報酬が少ない場合も、今年の受取りが少ないことだけで2026年分の義務が消えるわけではありません。反対に、今年初めて売上が増えた場合は、今年の金額だけで今年の課税を断定せず、基準期間以外の条件を合わせます。過去の売上と現在の申告を、年ごとに対応させることが大切です。
前々年分が未申告のままでも、その状態で当センターへ
消費税の判定用に、自分で前々年の売上を完成させる必要はありません。「前々年に二店舗で働いたが片方の資料が少ない」「所得税では手取りを入れたかもしれない」と現在の状況をお知らせください。当センターが元資料と提出済みの数字を照合します。
所得税の未申告や訂正が必要なら、その年の対応と、消費税が必要となる年の対応を分けて進めます。基準期間の確認は申告準備の一工程です。数字の復元、必要な会計入力、所得税と消費税の申告書作成・提出まで、まとめてご依頼いただけます。
基準期間の判定から、所得税・消費税の申告まで当センターへ
新宿風俗確定申告センターでは、前々年の本人報酬、課税・免税の状態、店舗ごとの取引、登録や届出を確認し、消費税の申告が必要な年を整理します。単に「1,000万円を超えたか」を質問して終わるのではなく、その判定の元になる数字から確認します。
必要な消費税申告があれば、適用できる計算方法と過去の届出を確認し、所得税の会計入力と合わせて申告書の作成・提出まで対応します。すでに所得税だけ提出している年は、その控えも合わせて確認します。所得税を出したことだけで消費税も申告済みにはなりません。
前年上半期などのほかの判定や登録については、親記事の「風俗・夜職の消費税とインボイス」で全体を確認できます。基準期間だけで結論を出せない方も、現在の状況から当センターへ申告をお任せください。
よくある質問
売上がちょうど1,000万円なら課税ですか?
基準期間の判定は1,000万円を「超える」場合です。ただし1,000万円以下でも、インボイス登録、特定期間、課税事業者選択などによって課税になる場合があるため、この数字だけでは免税と決めません。
経費を増やせば1,000万円以下になりますか?
必要経費を差し引いた所得で判定するものではありません。課税売上高を確認するため、私用や経費を引いて売上自体を減らす計算はしません。
現在の状況を新宿風俗確定申告センターへお伝えください
消費税が必要な年を自分で判断できない方は、今ある過去の申告書と報酬資料を新宿風俗確定申告センターへお知らせください。基準期間の売上、登録や届出、必要な申告年を確認し、所得税と消費税の申告まで対応します。
費用と対応内容は「新宿風俗確定申告センターの料金・サービス内容」をご確認ください。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
