取引先の取引を確認するために、税務署から自社へ質問や資料提出の依頼が来ることがあります。いわゆる反面調査です。連絡を受けたことだけで、自社の申告が間違っている、取引先が脱税していると決まったわけではありません。
まず確認したいのは、誰のどの期間の取引について、何を聞かれているかです。取引先の説明に合わせるのではなく、自社が保有する契約、請求、納品、入出金の記録を確認して答えます。自社への税務調査としても行うのか、取引先についての確認なのかも区別します。
秋田税理士事務所では、元国税調査官の税理士が在籍し、連絡内容と対象資料、回答の根拠を整理して対応します。取引先との関係を保ちながら、会社の説明を資料に基づいて進めたい方は、受けた連絡をそのままお知らせください。
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反面調査とは?自社の税務調査との違い
税務当局では、調査対象者の申告内容について正確な事実の把握が困難と認められる場合、取引先等へ確認を行うことがあります。売上や仕入れ、外注費、貸付金などを、相手方の記録から確認する場面です。
例えば取引先が自社への支払を外注費として計上していれば、自社の請求・業務実績・入金の記録が確認の手がかりになります。しかし、自社へ連絡が来た理由や、取引先の調査結果を、自社がすべて知らされるとは限りません。
| 区分 | 主に整理すること | 混同しないこと |
|---|---|---|
| 自社が調査対象 | 自社の申告と、その根拠となる取引 | 相手方の資料確認が必要になる場合もある |
| 自社が反面調査先 | 調査対象者との取引実態と自社の記録 | 自社の申告の誤りが確定したわけではない |
| 取引先からの確認依頼 | 誰が何のために資料を求めているか | 税務署からの直接の依頼と同じではない |
本記事は、取引先として確認を受ける側の対応を中心に扱います。自社の調査でパソコンや口座等を確認される場合は、税務調査の現物確認と資料の範囲もご参考ください。
最初の電話で記録する七つの項目
電話を受けた担当者が、その場で取引の結論まで答える必要があると思い込まないことが大切です。まず相手の所属・氏名と目的を確認し、確認できる事実と資料を調べてから答える事項を分けます。
- 税務署名、部署、担当者名、連絡先。
- 取引の相手方と、確認の対象期間。
- 具体的な質問内容と、求められた資料。
- 電話での回答か、資料送付か、来訪の予定か。
- 回答期限と、次の連絡予定。
- 既に自社の誰が何を答えているか。
- 自社の申告についても確認する旨の説明があるか。
電話を受けた社員が取引の経緯を知らなければ、その旨を伝えます。知らないことを「取引はありません」「全額現金です」と推測して答えると、後の資料と違いが出るおそれがあります。
税務署を名乗る相手の身元に疑問がある場合は、正式な連絡先を確認して折り返す等の方法で事実を確かめます。メールでログイン情報を送ったり、パソコンの操作を安易に任せたりすることは避けてください。
取引先の承諾や、自社への事前通知は必要?
反面調査は、本人の承諾がなければ一切できないという取扱いではありません。また、自社を対象とする実地の調査についての事前通知と、取引先等への反面調査を同じものとして扱わないことが重要です。
国税庁の手続案内では、反面調査について法令上の事前通知義務はない一方、原則として反面調査先の理解と協力を得られるよう、日時や場所等をあらかじめ連絡する取扱いが示されています。無予告での確認があり得ることと、通常の連絡・調整の運用を分けて理解します。
突然の連絡だから偽物と決めつけず、逆に税務署からの依頼だから何でも無条件に渡すという対応もしません。対象取引、必要資料、説明を求められている範囲を整理して進めます。
無視や一律拒否で済ませない
通常の税務調査は、刑事手続による強制的な捜索と同じものではありません。しかし、法令に基づく質問検査等への対応について、任意という言葉を理由にすべて無視してよいわけではありません。不答弁、虚偽答弁、検査の拒否等には罰則の問題が生じ得ます。
一方、対象期間が分からない、大量のデータを即日出すよう求められ通常業務に支障がある、関係のない取引まで混在しているといった事情は、内容を具体的にして確認します。正当な理由や必要性の評価は個別の事情を踏まえて判断します。
当事務所では、対象資料と会社側の作業量を整理し、どの順番で確認・回答するかを検討します。拒否するための言い方を探すより、正確に応じるために不足している説明や時間を明確にすることが先です。
請求・納品・支払を一件ずつ照合する
取引の実在と金額を説明するには、請求書だけでなく、契約、業務の実施、入出金のつながりを確認します。自社が売り手か買い手かによって、記録の持ち方も違います。
| 資料 | 確認する内容 | 違いが出やすい点 |
|---|---|---|
| 契約・注文 | 誰に何を頼み、何を納める取引か | 契約変更、追加発注、名義の違い |
| 納品・検収・作業報告 | いつ何を完了したか | 請求月と業務月の違い |
| 請求書・支払通知 | 請求した額と内訳 | 値引き、返品、立替、源泉徴収 |
| 振込・現金記録 | 誰がいついくら払ったか | 分割払い、相殺、まとめ払い |
| 帳簿・申告資料 | 自社でどう記録したか | 未収・未払、前後期への計上 |
相手方の呼び名と振込名義が違う場合は、法人名、屋号、担当者名、契約主体を分けて確認します。取引先が別会社へ事業を引き継いでいる場合なども、名称だけで同じ取引として扱わないようにします。
仮例:請求額と振込額が違う場合
説明用に、請求額11万円に対し、振込手数料の取決め等によって入金が10万9,560円となった例を考えます。差額440円があることだけで、請求書が架空、残額を現金で受け取ったと決まるわけではありません。
請求、支払通知、振込明細、取決めを照合し、実際の差額理由を確認します。反対に、差額をすべて手数料とみなして、資料にない説明を作ってはいけません。値引き、相殺、源泉徴収、複数請求のまとめ払い等が混ざっていないかも点検します。
この例は回答の整理方法を示す仮例です。個々の差額の税務処理や、相手方の申告内容を決めるものではありません。自社で確認できる記録から、一つずつ説明を組み立てます。
取引先から「このように答えて」と頼まれたら
取引先から事情の説明や資料確認を求められても、当時の記録と違う回答を合わせてはいけません。「納品したことにしてほしい」「実際より安い金額だったと答えてほしい」という依頼には応じず、自社が持つ資料と実際の取引を確認します。
当時の請求書を作り直す必要があると言われた場合も、何を訂正するのか、なぜ訂正が必要か、元の資料との関係を明確にします。原本を消して過去から同じ内容だったように見せることはしません。
相手方の税理士が関与していても、その人が自社の税務代理人であるとは限りません。回答内容や資料の渡し方に迷う場合は、受けた依頼と自社の記録を秋田税理士事務所へお知らせください。会社として説明すべき事実を整理します。
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税務署からの連絡を取引先へ伝える場合
「税務署から問い合わせがあった」という事実と、取引先の申告が誤っているという評価は別です。必要な社内共有や、取引資料を取り寄せるための連絡では、確認できた事実の範囲にとどめます。
取引先へ調査の進み方を推測で伝えたり、自社社員や他の会社へ「脱税が見つかったらしい」と広めたりしないでください。資料照合に必要な連絡と、相手方の申告についての評価・うわさを混ぜないことが重要です。
連絡前に、誰へ何を伝える必要があるか、対象資料を自社だけで確認できるか、守秘義務や契約上の取扱いはどうかを整理します。関係を悪くしないことを理由に、事実と違う回答へ合わせないようにします。
社内の回答窓口を決める
経理、営業、現場の担当者が別々に回答すると、期間や金額の前提が食い違うことがあります。会社内で問い合わせを受ける窓口を決め、実務担当者から事実を集めて確認する流れにします。
窓口を決めることは、社員に口裏合わせを求めることではありません。本人が直接確認した事実、資料で確認した事項、記憶が曖昧な事項を区別するためです。説明に違いが見つかったら、元資料と業務の実態を調べ、何が正しかったかを確認します。
税理士に依頼する場合は、質問、資料、回答期限、社内の担当者を共有します。資料集めを会社側で行い、論点整理や税務署への説明を事務所が進めるなど、役割を明確にすると通常業務との両立がしやすくなります。
資料を渡す際は、対象と控えを残す
資料名、取引先、対象期間、提出日、提出先を一覧にし、実際に渡した版を保存します。データを渡す場合は、元ファイルと提出用ファイルを分け、対象外の取引が紛れ込んでいないかを確認します。
ただし、対象外の情報を取り除く必要があると感じたときも、取引実態を隠すために数字を削るのではありません。求められた事項を確認し、資料の範囲と加工の有無を説明できるようにします。
原本を預ける場合は、何をどれだけ預けるのか、返却予定、手元の控えを確認します。電子取引データの提出方法は、電子データの保存・提出に関する記事もご参考ください。
回答後に誤りや不足が見つかった場合
最初に回答した内容と違う記録が見つかったら、どの回答のどこが違うか、その理由と根拠を整理します。何度も一覧表だけ差し替えるのではなく、訂正した部分を担当者が把握できるようにします。
例えば担当者が「取引なし」と答えた後に、別の屋号での取引が見つかった場合は、名称を取り違えた経緯、実際の契約・請求・入金を照合します。記憶違いを隠すために、残る資料まで削除してはいけません。
また、確認の過程で自社の申告漏れや計上時期の誤りが見つかることもあります。その場合は、相手方への回答と、自社の申告をどう見直すかを分けます。口頭説明を訂正しただけで、自社の申告手続きまで終わるわけではありません。
自社の調査にもつながるのでしょうか
反面調査の連絡を受けたことだけで、必ず自社へ税務調査が入るということではありません。ただし、対応中に自社の帳簿や申告との違いが見つかれば、その内容を確認する必要があります。
「反面調査なので自社の税金は関係ない」と決めつけず、対象取引が自社の帳簿に正しく記録されているかを点検します。逆に、不安から取引と無関係な数字を推測で修正する必要もありません。
自社への調査として連絡を受けた場合は、その対象税目・期間と、これまでの反面調査の質問を区別します。税務調査の結果説明については、税務調査の結果とその後の対応もご参考ください。
秋田税理士事務所にご相談いただく際の資料
最初にすべての取引資料を送り直す必要はありません。受けた連絡、対象期間、資料の保有状況から、確認の優先順位を整理します。
- 税務署からの依頼書や電話メモ。
- 対象取引先との契約、請求、納品・作業の記録。
- 対象期間の入出金と元帳。
- 既に回答した内容と提出した資料の控え。
- 取引先から受けた説明・依頼の記録。
- 追加回答の期限、来訪予定、社内の窓口担当者。
当事務所では、資料にある事実と、追加で調べる必要がある点を分けて確認します。社長や経理担当者が同じ質問を何度も調べ直す負担を減らし、会社の説明を一貫して進められるようサポートします。
取引の種類によって、説明する記録を変える
外注・業務委託についての確認
仕事を頼んだ、請求書を受け取ったという説明に加え、実際に何をしてもらったかが分かる資料を確認します。仕様、作業報告、成果物、検収、報酬計算等です。振込記録だけで業務の中身がすべて分かるわけではありません。
契約名と実際の働き方が論点になる場合には、指示、代替、道具や費用、仕事の完成に関する負担等も関係します。単に請求書に外注費と書かれていることだけで結論を出さず、外注費と給与の区分もご参考ください。
商品の売買や返品についての確認
注文、出荷、納品、請求、入金を照合します。返品がある場合は、返品された数量や日付、返金、次回請求との相殺等を確認します。売り手と買い手の帳簿で、計上月が違う理由も資料から整理します。
担当者が覚えている商品名と、帳簿の品番が違うこともあります。商品名だけで取引なしと答えず、契約や注文番号、納品先等から確認します。
貸付け・立替え等の入出金についての確認
入金があるから売上、支払ったから経費とは限りません。借用書、精算書、立替え対象の元資料、返済の記録等から、資金の性質を確認します。口座摘要に書いた短い名前だけで処理を決めないようにします。
退職した社員や、複数拠点の記録を調べる場合
支店ごとに請求し、本社がまとめて回収している会社では、銀行の入金だけを見ると個々の契約と結び付かないことがあります。対象の取引先コードや期間を共有し、支店の資料と本社の元帳の対応を整理します。
退職した社員が当時の窓口だった場合は、残る業務記録や引継ぎから確認します。退職者が話したという伝聞と、会社が資料で確認した事実を区別し、本人が確認していない説明を現在の担当者が断定しないようにします。
資料を探した場所と、見つからなかった期間も一覧にすると、同じ調査を何度も繰り返す負担を抑えられます。確認の結果、回答に時間がかかる場合は、何を確認中かと回答予定を整理して対応します。
提出後の社内記録を、次の経理へ生かす
反面調査に回答した後は、対象資料と提出控え、回答メモを一か所で確認できるようにします。今後同じ取引について照会があった際に、前回と違う前提で答えないためです。
今回、注文番号と請求番号がつながらなかった、現金受領の記録がなかった等の問題が見つかれば、今後の記録方法を見直します。過去の取引を作り替えることと、今後の業務管理を改善することは区別します。
よくあるご質問
取引先が否認されたら、自社も同じ処理になりますか?
相手方の処理と自社の処理は、それぞれの取引実態と税務上の要件を確認します。相手方が否認されたという話だけで、自社の申告書をそのまま同額修正するものではありません。
取引先が廃業していても回答が必要ですか?
相手方が廃業したことだけで、自社への確認がなくなるわけではありません。保管している取引資料と対象期間を確認し、分からない点を区別して対応します。
経理担当者が退職し、当時の事情が分かりません。
引継ぎ資料、契約、請求、入出金、メール等から確認します。後任者が知っていることと、資料で確認したことを分けて説明し、当時の担当者の記憶を推測で再現しないようにします。
取引関係を守るためにも、事実と資料で対応しましょう
反面調査では、取引先をかばうことや疑うことより、自社の取引を正確に説明することが大切です。秋田税理士事務所では、問い合わせの意味、回答の範囲、提出資料のつながりを整理し、税務署とのやり取りをサポートします。
初回相談は無料です。税務署から直接連絡があったのか、取引先から話を聞いただけなのかも含め、現在の状況をお知らせください。資料の準備から回答までの役割を決め、通常業務への負担を抑えながら対応を進めます。
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