車両、機械、パソコン等を買ったとき、代金を支払った年に全額が経費になるとは限りません。減価償却は、事業で使う資産の取得費用を使用期間へ配分する仕組みです。購入した日、使い始めた日、取得価額、資産の種類と適用条件を確認し、現金の支出と利益の計算を分けて考えます。

買った金額・支払った金額・その期の経費は別に見る

例えば、設備を現金で120万円購入した場合、預金は120万円減りますが、その期の減価償却費が120万円とは限りません。借入で購入した場合も、借入元金の返済額がそのまま減価償却費になるわけではありません。資金繰りでは支払と返済、損益では取得資産の償却を分けて管理します。

資産を持っているだけで、実際に事業で使い始めていない場合の扱いも確認が必要です。注文日、納品、設置・稼働、支払が決算月をまたぐ場合は、その日付を残してください。

取得価額と、何を一単位とするかを確認する

請求書の本体価格だけでなく、取得・使用に関係する付随費用、値引き、補助金等を確認します。セットやシステムとして使うものを、請求書の行だけで細かく分けて少額資産と判断しないでください。消費税の税込・税抜経理や納税義務等も、金額基準の判定に関係します。

中古資産は、買った値段だけで残りの耐用年数は決まりません。取得した資産の種類、取得時点の状況、過去の使用期間等を確認します。修理と性能向上の工事を同時に行った場合も、まとめて消耗品費へ入れず、工事内容と見積を残します。

処理の候補 主な金額の見方 先に確認すること
通常の減価償却 取得価額を期間へ配分 種類、方法、耐用年数、使用開始
少額資産の処理 10万円未満等の条件 一単位、経理方法、実際の取扱い
一括償却資産 20万円未満等の条件 選択した処理、3年での計算
中小企業者等の特例 2026年4月以後は40万円未満 対象者、取得・使用日、年間上限、明細

2026年4月以後の40万円未満の特例は、金額だけで使わない

一定の中小企業者等の青色申告には、少額資産を取得して事業に使った期に費用化できる特例があります。2026年4月1日以後の取得等について、金額基準は従来の30万円未満から40万円未満へ変わっています。過去に買った資産へ新しい基準をそのまま当てはめません。

法人では資本金・支配関係等、従業員数、適用除外等を確認します。2026年4月以後の取得等では従業員数の基準も改正されています。通常の1年の事業年度の合計上限は300万円で、短い事業年度は月数に応じた上限です。貸付用資産の除外、他の特例との重複、損金経理と申告明細等の条件もあります。

例えば35万円の機器でも、取得時期、事業で使った日、対象法人か、他の特例利用、年間合計等によって結論が変わります。単に「40万円より安いから消耗品費」と登録せず、取得資料を当事務所へお送りください。

仮定例:通常償却の計算と資金繰り

取得価額100万円、年の償却率0.100、1年間全て事業で使うという単純な仮定なら、年の減価償却費は10万円です。実際の率・耐用年数・方法・月数は資産等で異なります。期中に使い始めた場合の月割や、個人事業で私用が混じる場合の事業割合も別に確認します。

減価償却費10万円を計上しても、その日に10万円が再び支払われるわけではありません。反対に、資産購入代金の支払は、その期に費用にならない部分も含めて現金を減らします。節税額と支出額を混同しないようにしましょう。

決算と償却資産申告へつなげる必要資料

見積・契約・請求書、取得日と納品日、使用開始日、資産の型番と用途、設置場所、支払・借入、補助金、中古なら使用年数、廃棄・売却の記録をご用意ください。前期までの固定資産台帳と申告書も照合します。

全額を経費にした資産でも、固定資産税の償却資産申告では対象になることがあります。国税の費用化と市町村への申告は別の判断です。購入だけでなく、移設、売却、廃棄もその都度お知らせいただくと、決算と申告の漏れを減らせます。

設備・車両の経理と決算は秋田税理士事務所へご相談ください

若い代表税理士自身の起業・会社経営の経験を踏まえ、事業の判断から日々の会計入力、決算申告までつなげて支援します。社長が勘定科目や申告書を調べ続ける負担を減らし、営業や現場へ時間を戻せる分担を大切にしています。

一般顧問の会計入力は年間500仕訳まで含み、超過は100仕訳ごと12,000円、資料のファイル整理がない場合は15,000円(いずれも消費税別)が標準です。売上規模、決算月、資料量、任せる業務から年間料金と追加条件をご説明します。料金・サービス内容もご参考ください。

事業内容、決算月、現在の資料と未処理期間、ご希望時期を添えて、ご依頼に関する無料顧問相談からお知らせください。資料が全部そろう前でも、現在分かっていることから整理します。