
結論から言うと、AV女優・セクシー女優としてメーカー作品等に出演し、業務委託等の出演料を受け取っている場合は、自分で確定申告が必要になるケースが多いです。出演料から源泉所得税が引かれていても、プロダクションから「税金は処理している」と言われていても、それだけで本人の確定申告が終わったことにはなりません。
AV女優の確定申告では、銀行振込額や現金の手取り額だけを見るのではなく、自分に発生した控除前の出演料、源泉所得税、プロダクション報酬、交通費等を分けて確認します。
さらに、専属契約金、二次利用料、イベント・撮影会・ファンミーティング、写真集、テレビ・YouTube等のメディア出演、SNS広告等から得た収入も整理する必要があります。
一方で、メーカーがプロダクションへ支払った金額の全額が、必ずAV女優本人の売上になるわけではありません。誰がメーカーと契約し、本人にいくらの出演料を受け取る権利があるのかによって変わります。
この記事のポイント
- AV出演料から源泉徴収されていても確定申告が終わったことにはならない
- プロダクションが本人の確定申告まで行っているとは限らない
- 手取り額ではなく自分に発生した控除前の出演料を確認する
- メーカーからプロダクションへ支払われた全額が本人の売上とは限らない
- プロダクション報酬を経費にできるかは契約と精算方法によって異なる
- イベント、写真集、二次利用料、SNS案件等も合算する
- 「身体が商品だから」という理由だけで美容代等を全額経費にはできない
- 出演契約書、精算書、撮影記録、源泉所得税の資料を保存する
- 過去に確定申告していない年があれば年ごとに整理する
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。
確定申告が必要になる基準、申告書の作り方、青色申告、住民税等の基本については「風俗の確定申告のやり方」をご確認ください。
この記事で扱うAV女優の収入範囲
この記事で対象とするのは、AVプロダクション等に所属し、メーカーや制作会社の作品へ出演して出演料を得るAV女優・セクシー女優です。
自分で企画・撮影・編集・販売する同人AVや、Fantia、myfans、OnlyFans、FC2コンテンツマーケット等の売上とは、お金の流れが異なります。
| 活動内容 | 確認する記事 |
| メーカー・制作会社のAV作品へ出演 | この記事で出演料、源泉徴収、事務所精算等を確認 |
| 自分で成人向け作品を制作・販売 | 同人AV・自撮り動画の確定申告 |
| Fantiaでプラン・有料コンテンツを販売 | Fantiaの確定申告 |
| myfansで月額・DM限定販売等を行う | myfansの確定申告 |
| OnlyFansで海外ファンから収益を得る | OnlyFansの確定申告 |
| FC2コンテンツマーケットで作品を販売 | FC2コンテンツマーケットの確定申告 |
メーカー作品への出演と自主制作販売の両方を行っている場合は、それぞれ別に集計してから年間収入として合算します。
AV女優の出演料も確定申告が必要?
はい。AV女優として出演料等を受け取り、所得が生じている場合は、年間所得やほかの収入等によって確定申告が必要です。
現金手渡し、源氏名、プロダクション経由、支払調書なしという理由で、申告対象から外れるわけではありません。
| 活動状況 | 確認すること |
| AV出演を本業にしている | 年間の出演料、必要経費、源泉所得税、所得控除 |
| 会社員が副業で出演している | 本業の給与、AVの所得、住民税の申告 |
| 学生・親の扶養に入っている | 本人の所得税・住民税と扶養への影響 |
| 複数のプロダクションから報酬を得た | すべての出演料と源泉所得税を合算 |
| AV以外の芸能活動も行っている | イベント、撮影会、写真集、番組、SNS案件等も確認 |
| 自主制作コンテンツも販売している | 出演料とコンテンツ販売収入を別々に集計 |
会社員が副業で出演している場合に確認する「20万円」は、出演料の売上額ではなく、収入から必要経費を差し引いた後の所得です。
また、20万円以下なら必ず何もしなくてよいという制度ではありません。本業の給与や年末調整等に条件があり、所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要になることがあります。
AV女優は個人事業主?それとも給与所得?
AV女優の収入が給与所得、事業所得、雑所得のどれになるかは、プロダクションとの契約や実際の働き方によって判断します。
AV女優だから全員が自動的に個人事業主になるわけではありません。
| 所得区分 | 主な確認事項 |
| 給与所得 | 雇用契約、給与明細、源泉徴収票、年末調整、指揮命令関係 |
| 事業所得 | 出演活動の規模、継続性、独立性、帳簿、営業活動等 |
| 業務に係る雑所得 | 副業としての規模、営利性、継続性、帳簿の状況等 |
プロダクションとマネジメント契約や業務委託契約を結び、作品ごとの出演料を受け取っている場合は、給与ではなく事業所得または雑所得として整理することがあります。
一方、雇用契約に基づく給与として支払われ、源泉徴収票や年末調整がある場合は、事業所得と同じように美容代や衣装代等を自由に必要経費へ入れるものではありません。
「事務所に所属しているから会社員」「源泉徴収されているから給与」とは限りません。
事業所得と雑所得の違いについては「夜職は事業所得・雑所得どっち?」をご確認ください。
AV女優ではどの金額を売上にする?
AV女優の売上は、メーカーが作品制作に支払った総額ではなく、出演契約やプロダクションとの契約上、本人に発生した控除前の出演料を確認することが基本です。
ただし、メーカー、プロダクション、AV女優の契約関係と報酬の受け取り方によって処理が変わります。
メーカーがプロダクションへ支払い、本人は決められた出演料を受け取る場合
メーカーがプロダクションへ150万円を支払い、プロダクションとの契約上、AV女優本人に発生する出演料が100万円だったとします。
| お金の流れ | 金額例 |
| メーカーからプロダクションへの支払額 | 1,500,000円 |
| 本人に契約上発生する出演料 | 1,000,000円 |
| 本人の出演料から源泉徴収された金額 | ▲102,100円 |
| 本人が受け取る手取り | 897,900円 |
この契約で本人に帰属するのが100万円であれば、まず本人の売上として100万円を確認します。
メーカーからプロダクションへ支払われた150万円の全額を、何の確認もなく本人の売上にするものではありません。
本人が出演料全額を受け取り、事務所へ報酬を支払う場合
メーカーとの出演契約により本人へ150万円の出演料が発生し、その後、本人がプロダクションへマネジメント報酬50万円を支払う場合は、処理が異なります。
| 項目 | 金額例 |
| 本人に発生する出演料 | 1,500,000円 |
| プロダクションへのマネジメント報酬 | ▲500,000円 |
| 源泉所得税等を考慮する前の差額 | 1,000,000円 |
この場合は、出演料150万円を売上、本人が負担したプロダクション報酬50万円を必要経費として確認することがあります。
メーカーが本人とプロダクションへ別々に支払う場合
メーカーがAV女優本人へ100万円、プロダクションへ50万円をそれぞれの契約に基づいて支払う場合は、本人の売上として確認するのは原則として本人へ発生した100万円です。
「メーカーがいくら支払ったか」だけでなく、「誰が誰と契約し、本人がいくらを受け取る権利を持っていたか」を確認してください。
プロダクションの取り分は経費になる?
プロダクションの取り分が本人の必要経費になるかは、メーカーからの出演料全額が本人に帰属したうえで、本人がマネジメント報酬を負担しているかによって変わります。
| 契約・精算方法 | 本人側の考え方 |
| 本人に出演料全額が発生し、事務所報酬を支払う | 出演料を売上、事務所報酬を経費として確認 |
| 事務所がメーカーと契約し、本人には固定の出演料が発生 | 本人の契約上の出演料を売上として確認 |
| メーカーが本人と事務所へ別々に支払う | 本人へ支払われる契約部分を本人の売上として確認 |
| 精算書に総額と事務所控除が記載されている | 総額が本人に帰属する金額か、単なる参考表示かを確認 |
メーカーからプロダクションへ支払われた金額をすべて本人の売上にし、その差額を何となくプロダクション報酬として経費にするのは避けてください。
反対に、本人の出演料から事務所報酬が差し引かれているのに、手取りだけを売上にすると、本来の売上と事務所報酬が申告上見えなくなることがあります。
出演契約書、マネジメント契約書、作品ごとの精算書をセットで確認する必要があります。
AV出演料から源泉徴収されていれば申告不要?
いいえ。AV出演料から源泉所得税が差し引かれていても、それは所得税の前払いであり、確定申告が完了したという意味ではありません。
個人へ支払われる映画その他の芸能に関する出演料が源泉徴収対象の報酬に該当する場合、原則として支払時に源泉所得税が差し引かれます。
2026年中に支払われる源泉徴収対象の出演料については、一般的に1回の支払額100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%で計算します。
| 1回の出演料 | 源泉所得税の計算例 |
| 1,000,000円 | 1,000,000円×10.21%=102,100円 |
| 1,500,000円 | 1,000,000円×10.21%+500,000円×20.42%=204,200円 |
ただし、給与として支払われている場合や、契約・支払関係が異なる場合は、同じ計算になるとは限りません。
確定申告では、1年間の出演料と必要経費、所得控除等から正しい所得税を計算し、すでに源泉徴収された金額を差し引きます。
源泉所得税を引かれ過ぎていれば還付される可能性があり、足りなければ追加で納税します。
源泉所得税を必要経費へ入れたり、手取り額だけを売上にしたりしないでください。
源泉徴収については「水商売・風俗で源泉徴収されている?」をご確認ください。
「事務所が確定申告している」と言われた場合
プロダクションから「税金はこちらで処理している」「確定申告もしている」と言われた場合は、自分名義の確定申告書が本当に提出されているか確認してください。
プロダクションが出演料から源泉所得税を差し引くことと、AV女優本人の確定申告書を作成・提出することは別の手続きです。
| 事務所が行っていること | 本人側の確認 |
| 出演料から源泉所得税を控除 | 税金の前払いであり、本人の確定申告完了ではない |
| 支払調書を税務署へ提出 | 本人の収入情報に関する資料であり、確定申告書ではない |
| 報酬明細・年間精算表を作成 | 確定申告を行うための資料 |
| 本人名義の確定申告書を提出 | 申告書控え、決算書、収支内訳書、受付記録等を確認 |
事務所が申告したと言っている場合は、少なくとも次の資料を確認しましょう。
- 本人名義の確定申告書の控え
- 青色申告決算書または収支内訳書
- 電子申告の受信通知等
- 申告した年間売上と必要経費の内訳
- 納付した所得税または還付金の資料
申告書控えがなく、どの出演料をいくら申告したかも説明されない場合は、「事務所がやっているはず」と思い込まないでください。
AV女優が確認する収入は出演料だけではありません
AV女優の年間収入には、作品の出演料だけでなく、専属契約金、二次利用料、イベント、撮影会、写真集、メディア出演等の収入も含めます。
| 収入の種類 | 確認すること |
| AV作品の出演料 | 作品ごとの控除前出演料、支払者、源泉所得税 |
| 専属契約金・契約更新料 | 契約対象期間、支払時期、返還条件 |
| 二次利用料・再販売に関する報酬 | 作品の再利用、配信、総集編、海外利用等の精算 |
| 写真集・グラビアの出演料 | 撮影料、印税、売上連動報酬等 |
| イベント・ファンミーティング | 出演料、物販分配、チェキ等のバック |
| 撮影会・店舗イベント | 日当、売上歩合、交通費等 |
| テレビ・YouTube等への出演 | 番組出演料、動画出演料、企画報酬 |
| SNS広告・PR案件 | 投稿報酬、成果報酬、商品の提供 |
| 海外イベント | 外貨報酬、現地源泉税、渡航費、為替換算 |
| 賞金・表彰等 | 現金、商品券、物品等の内容 |
同じプロダクションからまとめて入金されていても、AV出演料、イベント報酬、交通費等が混在していることがあります。
作品別・仕事別の精算書と銀行入金を照合してください。
Fantiaやmyfans等の個人アカウントから得た収入は、プロダクションからの出演料と分けて集計します。
12月撮影・翌年1月入金の出演料は何年の売上?
AV出演料は、銀行へ振り込まれた日だけで判断せず、撮影等の仕事を終えて出演料を受け取る権利が確定した時期を確認します。
たとえば、12月に撮影を終え、契約上の出演料が確定し、翌年1月に振り込まれた場合は、12月を含む年の売上になる可能性があります。
| 確認する日付 | 確認する理由 |
| 出演契約日 | 報酬条件と契約期間を確認 |
| 撮影日・撮影終了日 | 出演に関する役務が完了した時期 |
| 報酬確定日 | 本人が出演料を請求できる状態になった時期 |
| 精算書発行日 | 出演料、控除、源泉所得税が確定した時期 |
| 銀行入金・現金受領日 | 確定した出演料を実際に回収した時期 |
| 作品発売・公開日 | 出演料の確定条件と関係するかを確認 |
作品が翌年に発売されたからといって、必ず翌年の売上になるわけではありません。
契約解除、撮影中止、報酬返還等があった場合は、その内容と確定時期を別途確認します。
AV女優の経費として確認できるもの
AV出演や芸能活動による収入を得るために本人が実際に負担し、プロダクションやメーカーから精算されていない支出は、必要経費として確認します。
| 支出 | 確認すること |
| プロダクション報酬 | 本人の売上から負担するマネジメント費用か |
| 撮影・オーディションへの交通費 | メーカー等から精算されていない本人負担分 |
| 地方・海外撮影の宿泊費 | 撮影との関係と精算の有無 |
| 撮影専用の衣装・下着・小道具 | 作品やイベントのために本人が用意したもの |
| 作品指定のヘアメイク・ネイル | 撮影指示、作品、実施日との対応関係 |
| プロフィール・宣材撮影費 | 出演依頼や集客を目的とした撮影 |
| 性病検査等の検査費用 | 出演条件として本人が負担したものか |
| 演技・ダンス・発声等のレッスン | 実際の出演内容や具体的な仕事との関係 |
| 通訳・語学レッスン | 海外イベントや海外ファン対応との具体的な関係 |
| スマホ・通信費 | 事務所連絡、SNS告知、出演依頼等の業務使用分 |
| SNS広告・画像制作費 | AV女優としての集客・宣伝に使用したもの |
| 契約に関する専門家費用 | 出演契約や事業に関する弁護士等への費用 |
| 税理士費用 | 記帳、確定申告、税務相談等に関する費用 |
メーカーやプロダクションが負担した衣装代、交通費、検査代等は、自分が最終的に負担していないため、自分の必要経費にはできません。
本人が一度立て替えても、後から全額精算された場合は二重計上しないよう注意してください。
経費全般については「風俗嬢の経費になるもの・ならないもの」をご確認ください。
美容代・整形代・ジム代はすべて経費になる?
AV女優として見た目や体型を維持する必要があっても、美容院、化粧品、エステ、美容医療、整形、ジム等が自動的に全額経費になるわけではありません。
これらの支出は、仕事に役立つ一方で、私生活にも効果が及ぶからです。
| 支出 | 注意点 |
| 通常の美容院・ヘアカラー | 撮影がなくても必要となる私生活上の支出との区別 |
| 撮影指定の特殊なヘアメイク | 作品や撮影日のためだけに行ったことを確認 |
| ネイル・まつげ・化粧品 | 撮影専用か、日常生活でも利用するものか |
| エステ・美容皮膚科 | 身体への私的効果が大きいため慎重に判断 |
| 美容整形・脱毛・歯列矯正 | 長期間にわたり私生活にも効果が及ぶ点を確認 |
| ジム・ピラティス | 健康維持、趣味、日常生活上の効果との区別 |
| ボイストレーニング・演技指導 | 具体的な番組、イベント、作品等との関係 |
| 外国語レッスン | 海外イベント等の予定や実績との関係 |
「身体が商品だから」「売上を増やすためだから」という説明だけで、普段の美容費や健康維持費をすべて必要経費にするのは避けてください。
一方、特定作品のためにメーカーから髪型、メイク、衣装等を指定され、本人がその費用を負担した場合は、撮影指示や出演契約と一緒に保存することで仕事との関係を説明しやすくなります。
AV女優なら美容代の何割まで経費にできるという一律の割合はありません。
相談をもとにした事例|身体のメンテナンスは全部経費?
実際にセクシー女優として活動している方から、ジム、ピラティス、美容皮膚科、語学教室等をどこまで経費にできるのかという複数の相談をもとに、個人が特定されないよう出演内容、支出、経緯等を一部変更した事例です。
相談をもとにした事例
あるAV女優は、作品への出演料に加え、撮影会や海外ファンイベントからも収入を得ていました。
プロダクションから一定のイメージや体型を維持するよう言われていたため、ジム、ピラティス、美容皮膚科、美容院へ継続的に通っていました。
高画質作品へ出演した後、肌の状態に関するレビューを書かれたことから、美容皮膚科への支出も増えていました。
さらに、海外イベントでファンや運営者と会話するため、外国語レッスンも受けていました。
本人は同業者から「AV女優は身体が商品だから全部経費にできる」と聞き、これらの支出をすべて必要経費へ入れようとしていました。
しかし、確認すべきなのは職業名ではなく、それぞれの支出と具体的な仕事との関係です。
| 支出 | 整理した内容 |
| 作品指定のヘアメイク | 撮影指示、撮影日、領収書を対応させて確認 |
| 撮影専用衣装 | 出演作品と購入内容を対応させて確認 |
| 日常的な美容院・スキンケア | 私生活上の効果が大きいため一律計上しない |
| ジム・ピラティス | 健康維持や私生活上の利用も含めて慎重に確認 |
| 外国語レッスン | 実際の海外イベント契約、出演実績、学習内容から確認 |
領収書があることだけでなく、作品名、撮影日、事務所からの指示、イベント契約等を一緒に保存することにしました。
経費を多く入れることではなく、本人の実際の仕事に沿って説明できる状態にすることが重要です。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
AV女優の確定申告で保存する資料
AV女優の確定申告では、銀行通帳だけでなく、出演契約書、プロダクションとの契約書、作品別精算書、源泉所得税、撮影記録等を保存します。
| 保存する資料 | 確認できること |
| 出演契約書 | 出演先、出演料、撮影日、支払条件、契約当事者 |
| マネジメント契約書 | 事務所報酬、精算方法、報酬の受取先 |
| 作品別の報酬明細 | 控除前出演料、源泉所得税、事務所控除、手取り |
| 年間精算書・支払調書 | 年間支払額と源泉所得税 |
| 銀行口座・現金受領記録 | 入金日、実際の受取額、支払者 |
| 撮影スケジュール・香盤表等 | 撮影日、制作会社、作品、移動 |
| 事務所とのLINE・メール | 出演依頼、報酬条件、撮影指示、精算内容 |
| イベント・撮影会の精算書 | 出演料、物販、チェキ等の分配 |
| 二次利用・再販売の明細 | 再利用された作品、報酬、支払時期 |
| 領収書・カード明細 | 交通費、衣装、撮影準備、宣伝費等 |
源氏名で活動していても、帳簿上は実際の支払法人、支払日、金額等を確認します。
退所後は過去の精算画面へアクセスできなくなる可能性があるため、在籍中に保存してください。
出演料の明細・支払調書がない場合
出演料の明細や支払調書がなくても、現在残っている契約書、撮影記録、LINE、銀行口座等から年間収入を整理します。
| 残っている資料 | 確認する内容 |
| 出演契約書 | 作品ごとの契約金額と支払条件 |
| 事務所とのLINE | 撮影日、出演料、現金受取日 |
| 撮影スケジュール | 出演本数、制作会社、活動期間 |
| 発売作品・プロフィール | 出演時期や活動状況の補完 |
| 銀行入金 | 事務所・メーカー等からの振込額 |
| 現金受領メモ | 受領日、作品、受取額、控除内容 |
| 過去の確定申告書 | 以前申告した売上、支払者、所得区分 |
発売されている作品数に推定単価を掛けるだけでは、出演料を正確に計算できません。
同じ撮影でも複数作品として発売される場合や、発売中止、再編集、総集編等があるためです。
公表されている作品数は活動状況を確認する補助資料とし、契約書、精算記録、入金等を優先して整理してください。
過去の売上が分からない場合は「過去分の売上が分からない場合の確定申告」もご確認ください。
プロダクションやメーカーへの税務調査から出演料が確認される?
プロダクションやメーカーへの税務調査をきっかけに、AV女優本人へ支払われた出演料や無申告が確認される可能性があります。
現金手渡しや源氏名で活動していても、関係会社側には次のような資料が残っていることがあります。
- 出演契約書
- マネジメント契約書
- 作品別の制作資料
- 出演料・契約金の精算書
- 源泉所得税の記録
- 支払調書
- 現金出納帳
- 銀行口座
- 撮影スケジュール
- 発売・配信された作品
- イベント出演記録
- 事務所とのLINE・メール
一般公開されている作品やSNSだけで正確な出演料が判明するわけではありません。
しかし、出演契約や制作会社の支払記録と組み合わせれば、在籍期間、出演本数、支払額等を確認される可能性があります。
「源氏名だから本名と結び付かない」「現金でもらったから記録がない」とは考えないでください。
AV女優の脱税・追徴課税ニュース|実名報道された事例
AV女優の税金については、実際に無申告や多額の追徴課税が実名で報じられた事例があります。
ただし、報道で「脱税」と表現されていても、刑事事件としての脱税、税務調査による無申告の指摘、申告漏れ、追徴課税は同じ意味ではありません。
深田えいみさんの追徴課税8000万円報道
深田えいみさんが語った税務調査と現金手渡し
2024年4月の日刊スポーツは、深田えいみさんが、前事務所時代の報酬をめぐり8000万円の追徴課税を受けたとの報道について、自身のYouTubeで説明したと報じています。
報道によれば、深田えいみさんは18歳でデビューして以降、報酬を現金手渡しで受け取り、当時の事務所から確定申告も行っていると説明されていたとのことです。
しかし、その後に税務調査を受け、報道された時点では追徴された金額を完納していたと説明しています。
この事例から分かるのは、事務所から「申告している」と言われただけでは、本人名義の確定申告が正しく終わっているか確認できないということです(そもそも、税理士でない者が申告書を代理で作成することはできないため、所属事務所が代理で申告することはできません)。
自分名義の確定申告書、年間売上、必要経費、源泉所得税、提出記録を確認してください。
里美ゆりあさんの7年間無申告・約1億1550万円追徴報道
里美ゆりあさんの無申告・追徴課税報道
2021年7月の文春オンラインは、里美ゆりあさんが2007年から2013年までの7年間で約2億4500万円の所得を申告していなかったとして、重加算税を含む約1億1550万円を追徴されたと報じています。
なお、報道された約2億4500万円のすべてがAV出演料だったわけではありません。
報道では、AV女優としての収入は約4500万円で、それ以外の約2億円についても税務上の所得として指摘されたとされています。
「AV女優が出演料だけで2億4500万円を無申告にした」と単純化するのは正確ではありません。
一方で、出演料以外に受け取った現金も、その実態によって課税対象になる可能性があることを示す事例です。
AV出演料、イベント報酬、個人的に受け取った現金、プレゼント等を、相手が何と呼んでいるかだけで非課税と判断しないでください。
複数の事務所・メーカーから出演料を受け取っている場合
複数のプロダクション、メーカー、イベント会社等から報酬を受け取っている場合は、支払先ごとに整理してから年間収入として合算します。
| 支払先 | 収入 | 資料 | 注意点 |
| Aプロダクション | AV出演料 | 作品別精算書 | 控除前報酬を確認 |
| Bメーカー | 直接出演料 | 出演契約書 | 源泉所得税を確認 |
| Cイベント会社 | イベント出演料 | 支払明細 | 物販売上等も確認 |
| 個人アカウント | 会員・販売収入 | サイト管理画面 | 出演料と分けて集計 |
途中でプロダクションを移籍・退所した場合も、以前の事務所から受け取った報酬を除外することはできません。
退所前に、過去の出演契約書、作品別精算書、年間集計を保存してください。
AV女優の確定申告を何年もしていない場合
過去に確定申告が必要だった年がある場合、今年分だけ申告しても昔の無申告がなくなるわけではありません。
年ごとに、次の内容を整理します。
- 在籍していたプロダクション
- 出演した作品と撮影日
- 作品ごとの控除前出演料
- 源泉所得税
- プロダクション報酬・控除
- 専属契約金・二次利用料
- イベント・撮影会・メディア出演料
- 自主制作コンテンツ等の収入
- 本人が負担した必要経費
昔の出演料明細がない場合でも、契約書、LINE、撮影日程、発売作品、銀行履歴、現金受領メモ等から確認します。
プロダクションを退所したり、過去の連絡履歴を削除したりする前に、現在残っている資料を保存してください。
無申告については「水商売・風俗で確定申告していない場合の対処法」をご確認ください。
売上が大きいAV女優は消費税・法人化も確認する
AV出演料やイベント報酬等が大きい場合は、所得税だけでなく、消費税や法人化も確認します。
消費税については、基準期間・特定期間の課税売上高、インボイス登録の有無、出演料と消費税の契約表示等を確認します。
メーカー作品への出演料だけでなく、自主制作コンテンツ、SNS案件、イベント等の売上も含めて判定が必要になる場合があります。
また、売上が増えたからといって、必ず法人化した方が有利とは限りません。
AV女優本人と法人のどちらが出演契約を結べるのか、プロダクションとの契約変更、社会保険、役員報酬、法人維持費等も確認します。
消費税については「風俗嬢の消費税とインボイス」、法人化については「風俗嬢の法人化」をご確認ください。
AV女優の確定申告は新宿風俗確定申告センターへ
AV女優の確定申告では、出演料を合計する前に、メーカー、プロダクション、本人の契約関係とお金の流れを整理する必要があります。
特に、
- 出演料を現金手渡しでもらっている
- プロダクションから確定申告済みと言われている
- 本人名義の確定申告書を見たことがない
- 出演料から源泉所得税を引かれている
- メーカーが支払った総額と本人の出演料が分からない
- 事務所の取り分を経費にしてよいか分からない
- 作品別の報酬明細がない
- 専属契約金や二次利用料を受け取っている
- 撮影会、イベント、SNS等の収入がある
- 美容代、整形代、ジム代等を多く計上している
- 複数の事務所へ所属・移籍している
- 自主制作コンテンツも販売している
- 数年間確定申告をしていない
- 税務署から連絡が来ている
という方は、申告書を作成する前の数字の整理が重要です。
新宿風俗確定申告センターでは、出演契約書、プロダクションとの契約、作品別精算書、源泉所得税、銀行口座、現金受領記録、LINE等、現在残っている資料から確認します。
最初からすべての資料がそろっている必要はありません。
AV出演であることや出演内容についても、確定申告に必要な範囲でそのままお伝えください。
売上と必要経費の整理、申告書の作成、税務署への提出、過去の無申告への対応までまとめてご依頼いただけます。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
AV女優の確定申告についてよくある質問
AV女優は確定申告が必要ですか?
業務委託等としてAV出演料を受け取り、所得が生じている場合は、年間所得やほかの収入等によって確定申告が必要です。
現金手渡しや源氏名であることは、申告しなくてよい理由にはなりません。
AVプロダクションが確定申告してくれますか?
プロダクションが出演料から源泉所得税を差し引くことと、本人名義の確定申告を行うことは別です。
そもそも、税理士でない者は、無償であっても申告書を代理で作成することができません。
もし申告済みと言われた場合は、本人名義の確定申告書、決算書・収支内訳書、電子申告の受付記録等を確認してください。
源泉徴収されていれば確定申告しなくてよいですか?
源泉徴収は所得税の前払いであり、確定申告の完了ではありません。
年間の出演料、必要経費、所得控除等から正しい所得税を計算し直します。
現金でもらった手取り額を売上にしてよいですか?
源泉所得税や事務所報酬等が差し引かれている場合は、手取りではなく本人に発生した控除前の出演料を確認します。
メーカーが事務所へ支払った全額が私の売上ですか?
必ずしもそうではありません。
メーカー、プロダクション、本人の契約関係と、本人がいくらを受け取る権利を持っているかによって判断します。
プロダクションの取り分は経費になりますか?
本人に出演料全額が帰属し、そこからマネジメント報酬を負担している場合は必要経費を検討します。
プロダクションに最初から帰属する金額まで、本人の売上と経費へ入れるものではありません。
支払調書をもらっていません
支払調書が届いていなくても、確定申告が不要になるわけではありません。
出演契約書、精算書、銀行口座、現金受領記録等から年間収入と源泉所得税を整理します。
二次利用料や総集編の報酬も収入ですか?
作品の二次利用、再販売、総集編、海外利用等について本人に報酬が発生した場合は、年間収入として確認します。
12月に撮影し、出演料が翌年1月に振り込まれました
銀行入金日だけではなく、撮影等を終え、出演料を受け取る権利が確定した時期を確認します。
12月分の売上になる場合があるため、契約書と精算条件を確認してください。
イベントや撮影会の報酬も申告しますか?
AV出演料以外に受け取ったイベント出演料、撮影会報酬、物販分配、チェキ等のバックも年間収入として確認します。
撮影用の衣装や下着は経費になりますか?
作品やイベントのために本人が購入した撮影専用の衣装等は必要経費を検討します。
メーカーやプロダクションが負担したものは本人の必要経費にはできません。
美容院やネイル、化粧品は経費になりますか?
撮影専用の特殊なヘアメイク等であれば必要経費を検討できます。
日常生活でも利用する美容院、ネイル、化粧品等を、AV女優だからという理由だけで全額計上することは避けてください。
美容整形や美容皮膚科は経費になりますか?
仕事に役立つとしても、本人の身体へ長期間にわたる私的効果が及ぶため慎重な判断が必要です。
「身体が商品」という理由だけで自動的に全額経費にはなりません。
ジムやピラティスは経費になりますか?
健康維持や私生活上の効果もあるため、AV女優であることだけを理由に全額計上するのは避けてください。
作品上の具体的な指示や出演内容との関係がある場合も、資料を残して個別に判断します。
性病検査代は経費になりますか?
出演条件として検査が必要で、本人が費用を負担し、メーカーや事務所から精算されていない場合は必要経費を検討できます。
海外イベントの報酬も日本で申告しますか?
日本に住む方が海外イベント等から受け取った報酬も、日本の確定申告で確認が必要です。
外貨の円換算、現地で引かれた税金、渡航費等も整理してください。
自分で販売している動画の売上も一緒に申告しますか?
自主制作コンテンツの収入も含めて年間所得を確認します。
ただし、メーカーから受け取る出演料とはお金の流れが異なるため、販売サイトごとに売上と手数料を整理してください。
AV女優であることを確定申告書へ書く必要がありますか?
確定申告では実際の所得内容に沿って申告しますが、作品の詳細を確定申告書へ一つずつ記載するものではありません。
税務署から申告内容を確認された場合に説明できるよう、出演契約書や精算書は保存してください。
会社や家族にAV出演を知られたくありません
税理士へ確定申告に必要な仕事内容を伝えることと、会社や家族へ出演内容を知らせることは同じではありません。
ただし、扶養、住民税、社会保険、所得証明、郵便物等を通じて所得の変化を知られる可能性まで完全にゼロにはできません。
AV女優の確定申告を5年以上していません
申告が必要だった場合は、今年分だけでなく、過去の各年について出演料と必要経費を整理します。
出演契約書、精算書、LINE、撮影スケジュール、銀行履歴等が消える前に保存してください。
まとめ|AV出演料・事務所報酬・源泉所得税を分けて申告する
AV女優の確定申告で最も重要なのは、現金や銀行振込の手取りだけを見るのではなく、本人に発生した控除前出演料、源泉所得税、プロダクション報酬を分けることです。
特に確認したいのは、
- AV作品ごとの控除前出演料
- メーカー、プロダクション、本人の契約関係
- プロダクションの取り分・マネジメント報酬
- 源泉所得税
- 専属契約金・契約更新料
- 二次利用・再販売等の報酬
- イベント・撮影会・メディア出演料
- SNS広告等の収入
- 本人が負担した必要経費
- 美容代、整形代、ジム代等の私的効果
- 自主制作コンテンツの販売収入
- 過去に確定申告していない年
です。
プロダクションから「税金は処理している」と言われても、自分名義の確定申告書を確認してください。源泉徴収されていることと、本人の確定申告が完了していることは別です。
一般的な確定申告の手順については「風俗の確定申告のやり方」をご確認ください。
自分で制作・販売している作品については「同人AV・自撮り動画の確定申告」で詳しく解説しています。
新宿風俗確定申告センターでは、AV出演料、プロダクションとの精算、源泉所得税、イベント報酬、必要経費、明細不足、過去の無申告まで確認し、申告書の作成から税務署への提出まで対応します。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
