決算書の作成目的や種類など、会社設立に強い新宿の税理士が解説

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決算書って、年1回作ればOK?何でこんなもの作るんでしょうか?私でも作れますか?

決算書の作成には最低限、簿記2級程度の知識が無いと作れません。

また、法人の決算書は毎年少なくとも1回は作成しなければなりませんが、実際は年に1回どころか、自主的に毎月決算書を作成している会社が殆どです。

1人で細々とやる分には年1回で構いませんが、ビジネスを行う場合は3か月に1回、できれば毎月作成がベストです。

この記事では、東京 新宿の税理士 坂根が解説します。

<ポイント>

  • 「決算書」とはいくら儲かってるか、いくら損してるか、財産がいくらあって負債(お金が出ていくもの)がいくらあるか等を把握する書類
  • 決算書を作成するのは税金の申告のためだけでなく、融資を受けるためや自社の経営状況を把握するために必要
  • 決算書の作成には最低限、簿記の知識が必須

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決算書の作成目的は?決算書をなぜ作成しなければいけないか

決算書の作成理由については以下の記事で解説しています。初心者の方はこちらをご覧ください。

以下、応用編です。話がむずかしくなりますので、まずは上記の記事をご覧ください。

重要なのは会社経営に活かすための決算書、税金の支払いのための決算書

中小企業においては株主=経営者であることが一般的です。

つまり、決算書の作成理由のうち「株主への報告」という機能は求められていない場合が多いです。

従って、多くの会社においては、決算書の作成目的は次の2つとなります。

  • 経営改善に役立てるため
  • 税金の確定申告に使うため

以下では、次の2点の違いを中心に解説します。

  • 外部関係者に会社の経営状態を報告するための決算書(以下、「企業会計の決算書」)
  • 税金の確定申告に使うために作成される決算書(以下、「税法目的の決算書」)

経営判断のための決算書と確定申告のための決算書は別物

税法には税法の目的があり、会計には会計の目的があります。

税理士に仕事を依頼する際、税金(税法)についてはもちろん、決算書の作成や記帳など会計面についても依頼される場合が多いです。

したがって、税法と会計は同じ分野であると、経営者はもちろん、経理部等の方であっても税法 = 会計であると考えてしまいがちです。

しかし、税理士の観点からすれば、税法と会計は考え方が隣接する(似通っている)部分もある一方、わけて考えるべき別物であるという考えが根底にあります。

税法には税法の目的が、会計には会計の目的がある(役割が異なる)

  • 企業会計の決算書
  • 税法目的の決算書

この2つ、決算書という括りでは同じですが、全くの別物です。

それでは、何が異なるのでしょうか。

企業会計の決算書、これは、会社の経営実態を知るという機能が重視されます。

一方、税法目的の決算書については、企業会計のルールはあまり考慮せず、税法に当てはめた決算書の作成が重視されます。

なお、税法は、税の公平性と税収の確保という政策的な配慮(稼いでいる人や税金を支払える能力がある人に負担を求める仕組み)が求められています。

従って、税法目的の決算書の作成を意識すると、会社の経営実態を把握することができなくなるというデメリットがあります。

税法 = 会計に近づけるのが、税金目的の決算書

法人税がかかる利益(課税所得)の計算を行う上では、作成した決算書上の利益について、税の公平性と税収の確保(税法)の観点から、法人税法上の利益にすべく修正を加えます。

この、決算書の利益について税法の観点からの修正を加えることを申告調整(税務調整)と呼びます。

できる限り、この申告調整が必要ない決算書を作成すること。

つまり、税法 = 会計に限りなく近づけること。これこそが税法目的の決算書(税金の確定申告に使うためのみに作成される決算書)と言えます。

通常、税理士に依頼すると税金目的の決算書の作成のみであり、手間がかかるので経営判断のための決算書を作ってくれることはありません。ただし、弊社では、よその事務所と比べてここに力を入れています。なぜなら、会社の経営を良くすることが税理士に求められる役割であると認識しているからです。

会計⇨税務に直す申告調整(税務調整)には4種類ある

企業会計上の利益から法人税法上の所得を導き出す申告調整には次の4種類があります。

<ポイント(税務調整)>

  • 企業会計上の経費になるが税務上の経費にならないもの
    法人税計算上、経費にならない⇒利益を増やす修正を行う
  • 企業会計上の経費にならないが税務上の経費になるもの
    法人税計算上、経費になる⇒利益を減らす修正を行う
  • 企業会計上の収益になるが税務上の収益にならないもの
    法人税計算上、収益にならない⇒利益を減らす修正を行う
  • 企業会計上の収益にならないが税務上の収益になるもの
    法人税計算上、収益になる⇒利益を増やす修正を行う

法人税は会社の利益にかかる税金ですが、決算書上の利益にそのまま税金がかかるわけではありません。

法人税を計算するうえでは、作成した決算書を基に、法人税法に当てはめて会計上の収益、費用が法人税法上の収益、費用と異なる部分があれば修正を加え、法人税計算上の利益を算出します。

つまり、最初から税法目的の決算書を作成する必要は無く、経営改善目的の決算書を意識して作成しても問題が無い、ということは覚えておくと良いでしょう。

なお、大手企業に経理部があっても、税務相談だけでなく確定申告時に税理士が介入するのは、申告調整ができない、若しくは、できたとしても申告調整の漏れが生じるリスクを減らすためという意図があります。

税理士は会社の経営実態の全てを把握できるわけではありません。

従って、経理担当者も基本的な税務知識を身に着けておかねば、税務調査が行われた際、多額の罰金等を背負うリスクが生じる点には注意が必要です。

決算書の作成は自分でできる?

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決算書の作成は俺でもできるかな?

できません。少なくとも、そう聞いている時点で難しいです。

最近は、AIによる自動記帳という言葉がはやっていますが、読み込めば決算書が出来上がるというわけではありません。

システムは、読み込んだ情報を、正しいものも間違っているものも、指示通りに取り込んでくれるにすぎないからです。

ただ取り込むだけだと、ほんの一例ですが、たとえば次の問題が起こります。

  • 預金残高がマイナスになっている(0円を飛び越して借金状態??)
  • 預金の連携漏れがあり、1か月分丸ごと抜けている
  • 売掛金残高が1,000万円ある(得意先から回収できるのは500万円だけなのに、誤って請求書を2回取り込んでしまった)
  • 減価償却費が入っていない(決算整理仕訳はやってくれない)
  • 二行で入れるべき仕訳が一行でしか入らない(間違っている処理ですが、この問題は必ず起こります)
  • 取引内容がシステムでは読み取れないため、費用にすべきものが負債のマイナスで処理されている
  • 預金通帳を通していない取引が一切反映されない など

ただ間違っているだけで済む問題ではありません。

素人目にはそれっぽいものを作れるかもしれませんが、税務署や銀行員、役所の人間が見れば一発で何の参考にもならない書類だとわかります。

そうすると、税務調査で罰金を支払うだけではなく、銀行から融資を受けられない、補助金や助成金をもらえない。多くの問題が起こります。

決算書は最低限、簿記2級程度の知識が無ければ作ることができません。

従業員数など不明なので何とも言えませんが、600万円などかかるケースもあります。小さな税理士事務所でも、会計ソフトだけでどんなに安くても数万円、税務ソフトも入れると数十万円はかかります。

我々税理士は、市販されている会計ソフトや税務ソフトよりずっと高額なものを使っていますが、自動でお任せなんてありえませんし、むしろ、領収書を見ながら1つずつ入力した方が結果的に早く仕上がることも少なくないと考えています。

決算書を自分で作れるかな?と思っているようでしたら、経理人材を雇うか、税理士に依頼をしましょう。

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決算書作成時の勘定科目の設定(参考)

「勘定科目」という言葉をご存じでしょうか。

簿記を学んだ経験がある方なら当然ご存じでしょう。

しかし、経営を始める前に簿記について学ぶ方はそう多くありません。

会社のコスト管理を行うためには簿記の知識が重要です。

最後に、簿記知識の基礎である「勘定科目」についてご紹介します。

勘定科目とは、家計簿をつけるうえでの管理用の名前と言えばわかるでしょうか。

現金、土地、あるいは借金、売上に交際費など。

会計の世界では、会社の財産や債務、あるいは儲けや支払いにそれぞれ名前をつけ、数値の管理を行います。

「現金」が100万円ある。「売上」が1,000万円ある。

このように、会社の経済活動を数値として管理するために名前が必要となります。

これら「現金」や「売上」などの管理名のことを、会計の世界では「勘定科目」と呼びます。

勘定科目は自由に設定可能

勘定科目は会社が自由に設定することができます。

ただし、会計ソフトを購入した場合、勘定科目は初めから設定されています。従って、基本的には会計ソフトに設定済みの勘定科目を使うことになるでしょう。

なお、会計ソフトに設定済みの勘定科目は、皆が使う一般的なもののみが登録されています。

つまり、汎用型であるという点に注意が必要です。

簿記は、家計簿の会社版のようなものです。

家庭にはそれぞれの家族構成があり、子どもがいる家庭や子どもがいない家庭、核家族世帯など様々であり、全く同じ家庭というものは存在しません。

会社も同様に、事業内容(業種、業態など)や地域ごとの事情などが異なるため、一つとして同じ会社は存在しません。

自分の会社ではどのようなコストがかかっているか、どう細分化して管理すべきかというのは大切です。

1か月間、1年間コスト集計を行えば、どのような支払いがかさんでいるか確認を行うことができます。

決算書を細かく分析するためには、自社にとって適切な勘定科目の設定が欠かせません。

もし自分で記帳するのであれば、管理できるようにしておきましょう。

会社設立・起業のサポートを行っています

弊社では、当サイトの記事を書いており、自身で株式会社も立ち上げている税理士が会社設立や起業のサポートを行っています。お気軽にお問い合わせください。

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