日本政策金融公庫の資本性ローンのデメリットを融資に強い税理士が解説

悩んでいる人
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資本性ローンを受けてビジネスを始めたいのですが、何かデメリットはありますか?

資本性ローンは中々融資が通らないですね、そういった点も考えるとデメリットだらけです。

この記事では、創業融資支援に強い秋田県秋田市の秋田税理士事務所税理士 坂根が解説します。

<資本性ローンの主なデメリット>

  • 融資がなかなか通らない
  • 融資審査が厳しいため、多くの負担がかかった結果融資が通らない可能性も高い
  • あくまでもローンなので返済は必要
  • 3か月に一度、経営状況の報告等が求められる
  • 利益が出始めると利息がかなり高くなる
  • 10年間は繰上返済できない

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資本性ローンとは?

日本政策金融公庫の融資制度のひとつに、「挑戦支援資本強化特例制度」(通称:資本性ローン)と呼ばれるものがあります。

資本性ローンは、次の特徴があります。

<資本性ローンの特徴>

  • 期限一括返済、長期間事業にお金を回せる
  • 融資を受けたばかりのタイミングでは利率が低い
  • 金融検査上、自己資本とみなされる

このように、株式出資(=資本)を受けた場合と似た特徴があることから、資本性ローンと名付けられています。

期限一括返済

通常の融資制度であれば毎月元本の返済が行われるため、毎月数万円、数十万円とお金が減っていきます。

一方で、資本性ローンは期限一括返済の仕組みをとっています。

そのため、最終回に一括払いを行うことになりますが、毎月の支払いは利息のみとなり、かなりの長期間、融資資金を事業に回すことができます。

融資を受けたばかりのタイミングでは利率が低い

資本性ローンは、業績に応じた利率設定が行われています。

そのため、融資を受けたばかりの業績が低調なタイミングでは、利率は0.95%など、創業融資制度の一般的な利率2%~3%と比べるとかなり低い利率で事業を行うことができます。

金融検査上、自己資本とみなされる

金融検査を受けるうえでは自己資本とみなされるため、財務体質を強化できます。また、株式では無いため資本性ローンを受けても持株比率の低下(株式の希薄化)は起こりません。

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資本性ローンのデメリット

悩んでいる人
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資本性ローンは4,000万円まで借りられると聞きました。もし、この金額の出資を受けると私の持ち株比率は10%以下になってしまい、上場までできたとしても私のうまみがなくなってしまいます。そのため資本性ローンを受けたいのですが、何かデメリットはありますか?

資本性ローンはあくまでも融資なので、確かに持ち株比率の低下を抑えることはできます。しかし、そもそも融資審査が厳しすぎるなどの問題があり、デメリットだらけの制度になっています。

<資本性ローンのデメリット一例>

  • 融資がなかなか通らない
  • 融資審査が厳しいため、多くの負担がかかった結果融資が通らない可能性も高い
  • あくまでも融資なので返済は必要
  • 3か月に一度、経営状況の報告等が求められる
  • 利益が出始めると利息がかなり高くなる
  • 10年間は繰上返済できない

融資がなかなか通らない

資本性ローンは融資がほとんど通りません。融資金額が大きいので当然ですが、審査がかなり厳しいです。

私のツテのある日本政策金融公庫の方も、「ここなら融資が通りそうだと思ったところでも、通らなかった」という経験を持っています。

キャッシュフローが10年ぐらい回るかどうかなど、しっかり返済できるかどうかがポイントになるのはもちろん、技術・ノウハウ等に新規性がみられるかどうか等もしっかりと見られます。

通常の創業融資制度の通過率でさえ50%と言われていますが、「銀行から同額を資金調達できる確信を日本政策金融公庫が持てるかどうか」など、資本性ローンの融資審査はさらに厳しくなります。相当の覚悟としっかりした事業を持っていない限りは受けられません。

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融資審査が厳しいため、多くの負担がかかった結果融資が通らない可能性も高い

資本性ローンの融資審査では、多くの書類が求められます。そのため、非常に負担がかかります。

負担がかかった結果、融資が通らない可能性が高いので、苦労したのに1円も借りられなかったとなる可能性が高いです。

あくまでも融資なので返済は必要

資本性ローンはあくまでも融資制度です。返済不要の出資とは異なり、返済期限が到来すればきちんと返済しなければなりません。

3か月に一度、経営状況の報告等が求められる

資本性ローンを受けた場合、3か月に一度、経営状況の報告等を日本政策金融公庫に行わなければなりません。高額なお金を借りるので当然ですが、報告義務があります。

利益が出始めると利息がかなり高くなる

資本性ローンは、利益状況に応じて利率が上がったり下がったりします。

融資を受けたばかりのタイミングでは利益が出ておらず、利率0.95%におさまる可能性が高いです。しかし、しっかりと利益が出るようになれば利率は6.2%など跳ね上がります。

通常の創業融資制度であれば利率は2%~3%程度ですので、相当高額になります。

10年間は繰上返済できない

悩んでいる人
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利率が上がるなら繰上返済すれば良いのではないでしょうか

資本性ローンは、10年間は繰上返済できません。最初に低い利率でお金を貸しているため、利益が出始めたタイミングでしっかりと高い利息を回収しなければ日本政策金融公庫も赤字になってしまいます。そのため、10年間は繰上返済できない仕組みになっています。

資本性ローンはデメリットが多く、使いにくい

このように、資本性ローンはデメリットが多く、あまり使えない制度になっています。

弊社では創業融資のサポートを行っておりますが、資本性ローンは正直おすすめしません。

もしそれでも資本性ローンを受けたい場合には、提携している専門家の方や、出資者を募ってくれるサポートを行ってくれる方などと提携しておりますので、第二、第三の選択肢をご提示いたします。

弊社では創業融資サポートや会社設立サポートなど、起業家の支援をメインに行っております。お気軽にお問い合わせください。

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