
結論から言うと、水商売で給料明細をもらえない場合も、明細が届くまで確定申告を止める必要はありません。そして、もらえなかったとしても確定申告は行わなければなりません。
水商売では、一般的な会社員の給与ではなく、業務委託等の報酬として精算されているケースが多いです。まず店舗ごと・月ごとに、本人に発生した報酬、源泉所得税、厚生費等の控除、日払い済み額、実際の手取りを分け、現在残っている資料から年間の数字を整理します。
お店へ報酬明細や精算書を依頼することは大切です。しかし、お店が回答しない、退店して連絡が取れない、支払調書を本人には渡していないということもあります。
そのような場合は、LINE、売上画面、出勤履歴、手帳、銀行口座、現金入金、過去に残した一部の明細等を照合し、確認できた数字と確認できない項目を分けます。
「給料明細がないから売上は分からない」と申告しないままにすることも、現金手取りだけを年間売上にすることも避けてください。
この記事のポイント
- 水商売の「給料」は、税務上は業務委託等の報酬であるケースが多い
- 給与明細ではなく、報酬明細・精算書を確認する場合がある
- 支払調書がなくても、収入を申告しなくてよいわけではない
- 控除前の本人報酬、源泉所得税、厚生費、日払い、手取りを分ける
- 銀行へ預けた現金だけでなく、生活費として使った現金も確認する
- 店舗資料がない月は、複数の記録を店舗別・月別に照合する
- 税金として引かれた金額を一律10%で推測しない
- 明細が届かなくても、申告期限まで何もせず待ち続けない
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
この記事では、新宿風俗確定申告センターの税理士、坂根崇真が解説します。
キャバクラ、クラブ、会員制ラウンジ、スナック等で継続的に働き、月次の報酬明細や精算書をもらえない女性キャストに向けて、年間報酬を整理して確定申告へ進む方法に絞って解説します。
申告が必要になる基準、経費、申告書の作り方等の全体像は「風俗の確定申告のやり方」をご確認ください。
水商売で給料明細をもらえなくても確定申告は進められる?
はい。業務委託等の報酬として受け取っている場合、店舗から給与明細や支払調書をもらえないことだけを理由に、確定申告ができないとは限りません。
確定申告では、本人が1年間に得た収入と必要経費を自分で整理します。お店から受け取る資料は重要ですが、申告のための情報が一枚の書類にすべて記載されているとは限りません。
水商売で「明細がない」と相談されるときは、次の書類が混同されていることがあります。
| 書類 | 水商売での確認ポイント |
|---|---|
| 報酬明細・精算書 | 時給・売上・各種バック、控除前報酬、源泉所得税、厚生費、日払い等を確認する月次資料 |
| 報酬等の支払調書 | お店が一定の支払いについて税務署へ提出する法定調書。本人への交付は義務ではない |
| 給与支払明細書 | 実際に従業員として給与を受け取っている場合に関係する毎回の明細 |
| 給与所得の源泉徴収票 | 給与として支払われている場合の年間資料。報酬なら通常この書類ではない |
日常会話で「給料」と呼んでいるだけで、給与明細や源泉徴収票が必ず発行されるとは限りません。
支払調書をもらえない場合も、書類名だけにこだわらず、年間または月ごとの報酬額と源泉徴収税額が分かる資料を求めます。それでも資料を取得できないときは、現在ある記録でどこまで確認できるかを整理します。
水商売の「給料」は給与ではなく報酬のことが多い
キャバクラやクラブ等では、お店が「給料日」「給料袋」と呼んでいても、キャストへの支払いを業務委託等の報酬として処理していることがあります。
給与か報酬かは、呼び方だけで決まりません。契約書の名称、お店の説明、勤務の実態、発行される書類、源泉徴収や年末調整の方法等から確認します。
| お店で使われる言葉 | そのまま税務上の区分にしない理由 |
|---|---|
| 給料・給料日 | 単に支払いや精算を意味していることがある |
| 時給 | 報酬計算の基準として時間単価を使っていることがある |
| 税金10% | 実際の源泉所得税か、店舗独自の控除を含むのか確認が必要 |
| 個人事業主・業務委託 | 契約上の名称だけでなく、実際の働き方も確認する |
水商売で給与ではなく報酬を受け取っているなら、年末調整によって税金が完了する仕組みではありません。所得が生じ、申告が必要な場合は、自分で年間収入と必要経費を集計して確定申告を行います。
この記事では、実務上相談の多い「報酬として受け取っているのに、報酬明細・精算書・支払調書がそろわないケース」を中心に扱います。
明細がないときも現金手取りだけを売上にしない
確定申告で最初に確認するのは、最後に受け取った現金だけではなく、本人に発生した控除前の報酬です。
水商売の精算では、時給・日給に、同伴、本指名、場内指名、ドリンク、ボトル、小計、売上等のバックが加算され、そこから源泉所得税、厚生費、送り代、ヘアメイク代、貸衣装代、罰金等が差し引かれることがあります。
さらに、給料日前に日払いを受け取っていると、月末に渡される現金はその日払い分を控除した残額です。
たとえば、ある月の精算内容が次のとおりだったとします。
| 項目 | 説明用の金額例 |
|---|---|
| 時給・各種バック等の本人報酬 | 1,200,000円 |
| 源泉所得税として表示された額 | ▲90,000円 |
| 厚生費・送り代等 | ▲40,000円 |
| 月途中の日払い済み額 | ▲300,000円 |
| 月末に受け取った現金 | 770,000円 |
※説明用の単純な例です。実在店舗の報酬・控除や、各項目の税務上の取扱いを示すものではありません。
この場合、月末に持ち帰った770,000円だけを年間売上に入れると、日払い済みの300,000円だけでなく、源泉所得税や本人負担費用として差し引かれた部分も見えなくなります。
反対に、1,200,000円と日払い300,000円を合計すると、日払いを二重に売上へ入れてしまいます。
日払いは新しい売上ではなく、すでに発生した報酬の一部を先に受け取ったものかもしれません。月次の総額に含まれているかを確認してください。
お客様が使った金額全額がキャストの売上とは限りません
売上制のクラブ等では、お客様の支払額や小計売上を基準にバックを計算することがあります。
しかし、お客様がお店へ支払った100万円全額が、必ずキャスト本人の税務上の売上になるわけではありません。契約上、本人に帰属する時給・報酬・バック等を確認します。
店舗取り分を除いた金額だけが本人報酬なら、店舗取り分をさらに本人の必要経費として差し引くものでもありません。
お客様から直接受け取ったチップ等は別に確認する
店舗の精算書に、店外で直接受け取ったチップ、現金、商品券、送金等が載っていないことがあります。
仕事に関連して本人が受け取ったものは、店舗の報酬とは別に年間収入へ含めるかを確認します。店舗の年間報酬額と数字が一致したからといって、直接受け取った収入まで確認済みとは限りません。
給料明細がない場合は店舗別・月別の表から作る
明細がないときに、いきなり「年収は1,000万円くらい」と年間合計を決めるのは避けてください。先に、在籍した店舗と対象月をすべて並べます。
次の順番で整理すると、現金収入の漏れと日払いの重複を見つけやすくなります。
- その年に在籍・勤務した店舗をすべて書き出す
- 店舗ごとに勤務した月と当時の源氏名を整理する
- 月ごとの控除前報酬、源泉所得税、その他控除、日払い、最終受取額を分ける
- 明細で確認できた数字と、ほかの資料から確認した数字を区別する
- 店舗別の集計が終わってから、1年分を合算する
月別表には、少なくとも次の欄を作ります。
| 月別表の項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 店舗・支払者 | 店舗名、分かれば運営会社名、当時の源氏名 |
| 対象月 | 勤務月と実際の支払月を区別する |
| 本人の報酬 | 時給・日給、各種バック、保証、賞金等の控除前合計 |
| 源泉所得税 | 税金として実際に差し引かれたことを確認できる金額 |
| その他の控除 | 厚生費、送り代、ヘアメイク代、貸衣装代等を項目別に記録 |
| 日払い・前払い | 先に受け取った日、金額、月次総額に含まれているか |
| 実際の受取額 | 現金、振込、個人間送金等の方法も記録 |
| 根拠資料 | 明細、画面、LINE、手帳等、数字を確認した資料名 |
確認できない欄を推測で埋める前に、「未確認」として残してください。どこまで確認でき、どこから判断が必要なのかが分かる表にします。
明細の代わりに何を確認する?資料ごとの使い方
一つの資料ですべての数字を決めるのではなく、それぞれの資料で確認できる範囲を組み合わせます。
銀行口座は振込額を確認できますが、現金で受け取ってそのまま使った金額は分かりません。出勤履歴は働いた日を確認できますが、その日の報酬額までは分からないことがあります。
| 現在残っている資料 | 主に確認できること |
|---|---|
| 一部の報酬明細・給料袋の写真 | 報酬項目、控除項目、日払いの精算方法、手取りまでの計算 |
| 売上・ポイント・バック画面 | 時給、小計、本指名、同伴、ドリンク、ボトル等の実績 |
| 店舗・担当者とのLINE | 出勤日、報酬条件、日払い、振込、控除、精算についての回答 |
| シフト提出・出勤簿・カレンダー | 実際に勤務した店舗と日数 |
| 銀行口座・送金アプリ | 振込や送金で受け取った日と金額 |
| ATMへの現金入金 | 現金を口座へ入れた日と金額。ほかの現金が混ざっていないか確認が必要 |
| SNS・写真・写メ日記 | 在籍期間、出勤日、イベント、勤務先の手掛かり |
| 交通系IC・タクシー履歴 | 勤務先へ移動した日。これだけでは報酬額は決められない |
| お客様との予約・同伴連絡 | 同伴・本指名等の実績や、直接受け取ったチップ等の手掛かり |
資料は、年別・店舗別のフォルダへ分けて保存します。LINEや店舗アプリは、退店後や機種変更後に見られなくなることがあります。画面が確認できるうちに、日付と店舗が分かる状態で保存してください。
明細が数枚だけ残っている場合
1年分のうち数枚しかなくても捨てないでください。報酬の計算式や控除項目を確認する重要な手掛かりになります。
ただし、1月の明細で厚生費が10%だったからといって、12か月すべてに同じ割合を機械的に適用できるとは限りません。イベント月、売上額、勤務日数、途中の制度変更等によって計算が変わることがあります。
売上画面と出勤履歴が残っている場合
時給、バック率、控除条件が分かれば、月ごとの報酬を確認できる場合があります。まず画面に表示された「小計売上」と「キャスト報酬」を混同していないかを確認します。
売上画面の合計と月末の手取りが一致しない場合は、税金・厚生費・送り・日払い等が差し引かれていないかを調べます。
現金の受取メモしかない場合
現金手取りのメモは重要ですが、それだけでは控除前報酬や源泉所得税が分からないことがあります。
「毎回10%くらい引かれていた」という記憶だけで、手取りを0.9で割って報酬を逆算したり、差額をすべて源泉所得税として入力したりすることは避けてください。雑費、厚生費、送り代等が含まれている可能性があるためです。
現金手取り、出勤日数、当時の報酬表、残っている一部の明細、お店への確認結果を並べ、どの金額を採用できるかを検討します。
お店に何を聞けばよい?報酬明細を依頼する確認文
お店には「確定申告の書類をください」とだけ伝えるのではなく、対象年と必要な数字を具体的に伝えます。
支払調書の写しを交付できないお店でも、年間報酬額や月次の精算データなら回答できることがあります。
在籍中のお店への確認文
お疲れさまです。確定申告の準備のため、○年1月から12月までの報酬について確認したいです。
月ごとの控除前報酬額、源泉所得税、厚生費・送り代等の控除内訳、日払い済み額、最終支払額が分かる明細または精算データをお願いします。
支払調書の写しをいただける場合は、あわせてお願いします。支払調書の交付が難しい場合は、年間の報酬総額と源泉徴収税額だけでも確認させてください。
また、支払いを行った運営会社の正式名称も教えていただけると助かります。
紙の書類に限定せず、PDF、画像、店舗システムから出力した一覧等でも、必要な項目を確認できるか尋ねます。
退店したお店への確認文
退店後のお店への確認文
以前、○年○月から○月まで、源氏名○○で在籍していた者です。
確定申告のため、在籍期間中の月ごとの控除前報酬額、源泉所得税、その他の控除、日払いを含む支払済み額が分かる資料を確認したく、ご連絡しました。
店舗で確認できない場合は、運営会社または経理担当の連絡先をご案内いただけますでしょうか。
本人確認が必要な場合は、必要な情報と提出方法を教えてください。
当時の源氏名、在籍期間、電話番号等、照合に必要な情報を伝えます。一方、相手が本当の運営会社か確認できない連絡先へ、身分証やマイナンバーを安易に送らないでください。
「本部へ確認中」と言われたままの場合
最初の依頼日、対象期間、まだ回答のない項目を書き、受取予定日を再度確認します。電話だけでやり取りした場合は、日時、相手、回答内容を自分のメモへ残します。
問い合わせ履歴は、店舗へ確認を試みたことと、何が未確認なのかを整理する資料になります。
お店が明細を出さない・連絡が取れない場合の進め方
お店から返事がなくても、申告期限まで回答だけを待ち続けず、現在ある資料の収集と月別集計を先に進めます。
次の三つに分けると、状況を税理士へ伝えやすくなります。
| 区分 | 整理する内容 |
|---|---|
| 資料で確認できた事実 | 出勤日、報酬額、日払い、振込、明細に記載された源泉所得税等 |
| 複数資料の照合が必要な数字 | 売上画面と報酬表から確認するバック、現金メモと日払いの対応等 |
| 現在も確認できない項目 | 税・厚生費の内訳、資料がない月、閉店店舗の正式な支払者等 |
資料が不足する期間についても、売上をゼロにして申告から外したり、求人サイトに載っていた最高時給をそのまま使ったりしてはいけません。
反対に、出勤した可能性のある日すべてへ最高日給を掛け、実際より大きい収入を作ることも適切ではありません。
残っている客観的な資料を集め、採用した数字とその根拠、未確認事項を分けたうえで、どのように申告するかを検討します。資料が完全でないときほど、申告書へ入力する前に税理士へ相談してください。
閉店した店舗・連絡先が消えた店舗
店舗名で連絡先が見つからなくても、当時の運営会社名、振込名義、求人への応募履歴、スカウトや担当者との連絡が残っていることがあります。
閉店店舗については、店舗への確認ができないこと自体を記録し、自分のスマートフォン、銀行口座、手帳、SNS、移動履歴等に残る資料を消さずに保存してください。
自分で作った集計表を店舗明細のように見せない
自分で作る月別表は、収入を整理するための大切な帳簿・作業資料です。しかし、お店が発行した報酬明細や支払調書のように装ってはいけません。
資料名、作成日、参照した画面やメモを残し、「店舗発行資料」と「本人作成の集計」を区別してください。
税金として10%引かれていても推測で入力しない
明細がない状態で「手取りから約10%引かれていた」と感じても、その差額がすべて源泉所得税だったとは限りません。
ホステス等の報酬に対する源泉徴収には独自の計算があります。単純に報酬総額へ一律10.21%を掛けるとは限りません。また、お店によって「税・厚生費」「所得税等」「雑費込み10%」のような表示をしていることがあります。
| 分かっている状態 | 確定申告前の対応 |
|---|---|
| 明細に源泉所得税額が記載されている | 対象月と報酬額に対応する実際の税額として集計する |
| お店から年間源泉徴収額の回答がある | 支払者名、対象年、報酬総額と一緒に回答を保存する |
| 「10%引いた」とだけ言われた | 税金部分と厚生費等の内訳を追加で確認する |
| 手取りしか分からない | 記憶だけで源泉所得税額を作らず、ほかの資料と照合する |
源泉所得税は、必要経費として報酬から差し引く費用ではありません。本人の所得税の前払いとして、確定申告で精算する金額です。
一方、厚生費、送り代、ヘアメイク代等は、その内容と本人負担額を確認して必要経費を検討します。名称だけで全額を経費にするものではありません。
詳しくは「水商売・風俗の源泉徴収」をご確認ください。
現金を銀行へ入れていない月も年間収入に含める
現金で受け取り、そのまま家賃、買い物、生活費等に使った報酬も、銀行口座に記録がないという理由で年間収入から外すことはできません。
銀行へ毎月50万円ずつ入れていたとしても、残りの現金を生活費に使っていれば、「現金入金50万円×12か月」が年間報酬になるとは限りません。
反対に、ATMへ入れた現金に以前の貯金、家族から預かったお金、プレゼントの売却代金等が混ざっていれば、現金入金のすべてが水商売の収入でもありません。
現金入金は、入金日付近の給料日、出勤記録、精算連絡、手帳の受取メモ等と照合してください。
現金手渡しに関する税金全体は「夜職・水商売の給料手渡しと税金」で解説しています。
複数店舗・移籍・掛け持ちがある場合の注意点
同じ年に複数の店舗から報酬を受け取った場合は、明細を出してくれた店だけでなく、退店した店、短期間在籍した店、地方の店も含めて確認します。
最初から全店舗を一つの表へ混ぜると、どのお店の数字が不足しているか分からなくなります。店舗別に月次集計を完成させ、その後で同じ年の収入を合算してください。
| 起きやすい重複・漏れ | 確認方法 |
|---|---|
| 日払いと月末総額を両方売上にする | 月末総額に日払い済み額が含まれているか確認する |
| 最後に在籍した店だけ集計する | 年初から年末までの勤務先を時系列で並べる |
| 系列店間の応援勤務を別店舗の収入として重ねる | どの運営会社の精算に含まれたかを確認する |
| 店外のチップ・送金が漏れる | 店舗明細とは別に、直接受取分の記録を確認する |
掛け持ち全体の整理は「風俗・夜職の掛け持ちと確定申告」をご確認ください。
数年前から明細がない場合は年ごとに分ける
何年分も明細がない場合は、過去の収入を今年の売上へまとめず、申告が必要だった各年に分けて整理します。
現在の店舗で今年から明細をもらえるようになっても、過去の無申告や売上不足が自動的に解消するわけではありません。
数年分を整理するときは、先に次の一覧を作ります。
- 年ごとの在籍店舗と在籍期間
- 店舗ごとの源氏名と地域
- 現金・振込・日払い等の受取方法
- 明細が残る月と、残っていない月
- その年に提出済みの確定申告書の有無
- 税務署や自治体から届いている書類の有無
昔のLINE、店舗アプリ、写真等は、時間が経つほど確認できなくなります。何年も申告していない場合は、資料がさらに失われる前に保存してください。
過去の年間売上そのものが分からない方は「風俗嬢の過去分確定申告|明細なし・売上不明の場合」をご確認ください。
給与として支給されていた場合だけ対応が異なる
実際に雇用され、給与所得として支払いを受けていた場合は、報酬明細や支払調書ではなく、給与支払明細書と給与所得の源泉徴収票を確認します。
給与支払明細書や源泉徴収票には交付のルールがあります。交付期限を過ぎても源泉徴収票が出ない場合等には、給与として支払われていたことを確認したうえで、不交付に関する手続を検討します。
ただし、お店から明細をもらえないことだけで、給与だったとも報酬だったとも決まりません。お店が「業務委託」と説明しているのに、給与の源泉徴収票だけを繰り返し求めても、必要な数字を得られないことがあります。
給与の可能性がある方は、雇用契約書、労働条件通知書、年末調整の有無、社会保険、過去に交付された書類等を税理士へ見せてください。
売上の明細不足と経費の領収書不足は分けて考える
報酬明細がない問題と、ドレス・ヘアメイク・交通費等の領収書がない問題は分けて整理します。
売上と経費を同時に推測すると、手取り額から何が引かれていたのか分からなくなります。まず本人報酬と店舗控除を整理し、その後に自分で支払った経費を確認してください。
| 整理するもの | 主な資料 |
|---|---|
| 本人の報酬 | 報酬明細、売上画面、バック表、出勤記録、LINE等 |
| 源泉所得税 | 明細、支払調書、店舗からの年間税額の回答等 |
| 店舗で差し引かれた費用 | 精算書、控除一覧、店舗からの説明等 |
| 自分で支払った経費 | 領収書、カード明細、通販履歴、交通履歴等 |
明細上の厚生費等を必要経費として確認した後、同じ費用を自分のカード明細からもう一度経費へ入れないようにします。
領収書がない経費は「風俗嬢・夜職で領収書がない場合」、キャバクラの経費全般は「キャバ嬢の経費になるもの」をご確認ください。
相談事例|3店舗で数年間働き、現金手取りしか残していなかった
勤務期間が長く、報酬額が大きい方ほど、「明細がないから今年も申告できない」と先送りすると、店舗数と不足月が増えて整理が難しくなります。
水商売で明細をもらえない場合の相談事例
ある女性は、銀座のクラブと六本木のキャバクラ等で約4年間、週4日から6日勤務していました。
時給に加え、同伴、本指名、売上、ボトル等のバックがあり、月によっては手取りが100万円を大きく超えていました。しかし、報酬は日払いと月末の現金精算が中心で、給料袋も明細もほとんど残していませんでした。
お店から毎回「税金と厚生費を引いている」と聞いていたため、本人は確定申告まで済んでいると思っていました。退店後に支払調書を依頼したものの、A店は年間合計だけ回答、B店は担当者が退職、C店は閉店していました。
そこで、まず4年間の勤務先、在籍期間、源氏名を年ごとに並べました。次に、残っていた数枚の精算書、売上画面のスクリーンショット、シフト提出のLINE、同伴予定、タクシー履歴、銀行への現金入金を店舗別・月別に整理しました。
A店では、月末の精算額に月途中の日払いが含まれていたため、日払いを別の売上として足すと二重計上になることが分かりました。
B店では、「税・厚生費10%」という控除のうち、源泉所得税と店舗費用の内訳が不明でした。手取りから一律に逆算せず、残っていた過去の明細と店舗への問い合わせ内容を分けて保存しました。
C店では明細を取得できませんでしたが、当時の売上画面、出勤記録、報酬条件、現金受取メモ等、現在確認できる資料を集め、確認できた数字と未確認の項目を年ごとに整理しました。
また、店舗明細に載らないお客様からの直接のチップと、個人間送金で受け取った金額も別に確認する必要がありました。
※複数の相談・投稿を参考に、個人が特定されないよう勤務期間、金額、地域等を変更して再構成しています。新宿風俗確定申告センターの特定のお客様の事例ではありません。
このようなケースでは、一枚の支払調書が届くのを待つより、年・店舗・月の順に資料を並べ、数字の根拠と不足部分を明確にすることが申告への第一歩です。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
給料明細がない方は新宿風俗確定申告センターへ
報酬明細、支払調書、現金の受取記録が全部そろってから相談する必要はありません。資料が不足している段階で、現在あるものをお伝えください。
特に、次のような方は早めの整理をおすすめします。
- 水商売を本業にし、毎月まとまった現金報酬を受け取っている
- 同伴・指名・ドリンク・売上等のバックが多い
- 日払いと月末精算が混ざり、年間手取りも分からない
- 税金と厚生費がまとめて差し引かれている
- 支払調書を依頼してもお店が出してくれない
- 複数のクラブ、キャバクラ、ラウンジを移籍・掛け持ちしている
- 退店した店や閉店した店の明細がない
- 数年間確定申告をしておらず、年ごとの売上が分からない
- 税務署から連絡が来る前に過去分を整理したい
新宿風俗確定申告センターでは、最初に在籍店舗と不足月を確認し、残っている明細、LINE、売上画面、出勤履歴、銀行口座、現金メモ等を店舗別・月別に整理します。
そのうえで、本人報酬、源泉所得税、店舗控除、日払い、直接受取分、必要経費を分け、申告に必要な数字を確認します。
どの資料が役立つか分からない場合は、選別して捨てる前にご相談ください。申告に必要な収入・経費の整理から、申告書の作成、税務署への提出までまとめて対応します。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
水商売で給料明細をもらえない場合のよくある質問
給料明細が一枚もなくても確定申告できますか?
給料明細がないことだけで確定申告ができないとは限りません。給与ではなく報酬の場合は、報酬明細、精算書、支払調書、お店からの回答等を確認します。
取得できない場合は、LINE、売上画面、出勤記録、現金メモ、銀行口座等、現在残っている資料を店舗別・月別に整理し、申告方法を検討します。
支払調書をもらえません。お店には発行義務がないのですか?
報酬等の支払調書は、一定の場合に支払者が税務署へ提出する法定調書ですが、支払先本人へ交付する義務はありません。
支払調書をもらえない場合は、年間報酬額と源泉徴収税額、または月次の精算内容が分かる資料を依頼してください。
支払調書がなければ収入を申告しなくてよいですか?
いいえ。支払調書を本人が受け取っていないことによって、実際に得た収入が申告対象からなくなるわけではありません。
月末にもらった現金だけを売上にしてよいですか?
月途中の日払い、源泉所得税、厚生費等が差し引かれている場合、月末の現金だけでは本人の報酬総額が分かりません。
控除前報酬、日払い済み額、控除、最終受取額を分けてください。
毎月10%引かれていました。手取りを0.9で割ればよいですか?
一律に逆算しないでください。差し引かれた金額に源泉所得税だけでなく、厚生費、送り代、ヘアメイク代等が含まれている可能性があります。
一部の明細やお店への確認から、税金とその他の控除を分けます。
「税金」を引かれているので確定申告は終わっていますか?
源泉所得税が実際に差し引かれていても、通常は税金の前払いです。年末調整を受けていない報酬であれば、年間所得から税額を計算する確定申告が必要になるケースがあります。
お店へ連絡しても返事がありません
依頼日、対象年、求めた項目、相手の回答を保存してください。運営会社や経理担当の窓口も確認します。
回答がないまま申告期限が近づく場合は、現在ある資料でどう進めるかを税理士へ相談してください。
退店した店が閉店していました
当時の売上画面、LINE、シフト、カレンダー、銀行、現金メモ、SNS、移動履歴等を保存してください。振込名義や求人応募の連絡から、運営会社を確認できる場合もあります。
銀行への現金入金額を年間売上にできますか?
現金入金だけでは年間売上を確定できません。受け取った現金のうち生活費として使った分が漏れる一方、貯金等の事業収入ではない現金が混ざることもあります。
給料日、精算連絡、出勤記録等と照合してください。
日払いは受け取った日ごとに売上へ足しますか?
月次の報酬総額に日払い分が含まれているなら、日払いをさらに足すと二重計上になります。日払いが別精算なのか、月末総額の前払いなのかを確認してください。
お客様から直接もらったチップも確認しますか?
仕事に関連して直接受け取ったチップ、現金、商品券、送金等は、店舗明細に載っていなくても年間収入へ含めるかを確認します。
源氏名しか明細に書かれていません
源氏名と本名の対応、店舗名、対象期間、支払者を確認できる資料と一緒に保存してください。源氏名で受け取ったことによって、収入でなくなるわけではありません。
複数の店で働いています。明細がある店だけ申告できますか?
同じ年に得た収入は、明細の有無にかかわらず全店舗分を確認します。店舗ごとに整理してから、年間の確定申告で合算してください。
3年間申告しておらず、昔の明細がありません
今年分だけにまとめず、申告が必要だった各年について在籍店舗と売上・経費を整理します。現在残っている資料が消える前に保存してください。
自分で年間表を作れば、そのまま提出できますか?
年間表は重要な整理資料ですが、数字の根拠と重複・漏れを確認する必要があります。日払い、源泉所得税、店舗控除、直接受取分がある方は、申告書へ入力する前に内容を確認してください。
まとめ|明細がなくても店舗別・月別に報酬を整理する
水商売で給料明細をもらえない場合は、「書類がないから申告できない」と止まるのではなく、本人に発生した報酬、源泉所得税、店舗控除、日払い、現金手取りを店舗別・月別に分けます。
特に確認したいのは、次の項目です。
- その年に在籍したすべての店舗と期間
- 時給・日給と各種バックを含む本人報酬
- 日払いと月末精算の重複
- 源泉所得税と厚生費等の内訳
- 現金、振込、個人間送金等の受取額
- 店舗明細に載らないチップ等
- 数字の根拠にした明細、LINE、売上画面、出勤記録等
- お店へ確認しても回答を得られなかった項目
支払調書は本人へ必ず交付される書類ではありません。また、明細がないからといって、手取り額を売上にしたり、10%を推測で源泉所得税へ入れたりすることは避けてください。
申告の要否や手続全体は「風俗の確定申告のやり方」、数年前の売上が分からない方は「過去分の確定申告|明細なし・売上不明の場合」をご確認ください。
新宿風俗確定申告センターでは、明細がない店舗、現金日払い、複数店舗、源泉所得税の内訳不明、過去の無申告についても、現在残っている資料を確認し、申告に必要な整理から申告書の作成、税務署への提出まで対応します。
お困りの方は新宿風俗確定申告センターへお悩みをお聞かせください。
