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起業資金はいくら用意すべき?起業時の資金調達について税理士が解説

起業にあたって、準備しなければならないことはたくさんあります。

仕入先・販路の確保、会社のWebページ作成、オフィスの賃借費用など、どれもこれも準備にお金がかかります。

売上をあげるためには、まずこれらの支払いが先行します。

それでは、起業資金は一体いくら用意しなければいけないのでしょうか。

この記事では、次の2点について税理士の坂根が解説します。

  • 起業時にいくらお金が必要か
  • リスクが少ない起業資金の調達方法

起業資金の目安(結論)

起業時の資金は、100万円未満の方が半数を占めています。

ただし、現実的には300万円~500万円程度用意することが望ましいでしょう。

なお、これは固定費がかからないWeb系などの業種の話です。飲食店など、家賃や仕入れが必要な業種であればもっとお金が必要です。

簡単でもいいので事業計画書を作成し、ビジネスが回るかどうかを検討しましょう。

また、自己資金だけで起業すると、すぐにお金が枯渇する可能性があります。

起業する場合は積極的に融資を受けていくのが良いでしょう。

 

起業にあたってのハードルは起業資金の問題が半数以上

URL:https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_210316_1.pdf

上記は日本政策金融公庫の刊行物「2020年度起業と起業意識に関する調査」のアンケート結果です。

起業に関心がある方のうち、起業をためらっている理由として「自己資金の不足」を挙げている方が46.8%います。

続いて「ビジネスのアイデアが思いつかない」が35.7%、「失敗時のリスクが大きい」が34.4%。

これらが、起業をためらっている理由として挙げられています。

「ビジネスのアイデアが思いつかない」のに起業だけしたいというのもどうかと思いますが、上記を見る限り、「失敗時のリスクが大きい」というのは基本的にお金の話に集約されていると言って良いでしょう。

つまり、起業にあたっての問題はお金の問題が半数以上と言えます。

 

起業資金はいくら必要?データで確認

起業に必要な資金は、業種等によって異なります。

パソコンがあればとりあえず問題ないという方もいれば、アパレル産業や飲食店など、販売する商品が無ければ売上がたたないという方もいます。

まずは自身の起業にあたって、いくら資金が必要であるかをよく考えておく必要があります。

起業時、借入をしない方が7割超

URL:https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_210316_1.pdf

日本政策金融公庫の刊行物「2020年度起業と起業意識に関する調査」のアンケート結果です。

半数以上の方が自己資金100万円未満で起業しており、また、起業される方の7割超が借入を行っていません。

ただし、これをそのまま鵜呑みにしてはいけません。売上が立たなければ自身の生活費を賄うこともできないからです。

つまり、自己資金100万円未満で借入をしない人は、基本的に次のどちらかに該当する場合です。

  • 起業当初から販路を確保しており、売上が確実にあがる見込みがある
  • 初期費用がそこまでかからないビジネスを行っている

少ない自己資金で開業できる時代になったとはいえ、カフェや飲食店、或いは製造業などであれば、当然ながら店舗の内装や仕入コスト等で多額の開業資金が必要です。

なお、どんな業種であっても、一般的に100万円では生活費も考えると苦しいです。また、ビジネススケールを大きくするため従業員を雇いたい場合などは、当然100万円では足りません。

従って、起業資金が不足する場合は、融資等により資金調達を行う必要があります。

 

会社を経営するうえでの会社の維持コスト

会社経営は、必ずしもうまくいくとは限りません。

また、輝かしいビジョンがあっても、いま潤沢な売上があるか、資金繰りに困っていないか、というのは別のお話しです。

会社を維持するために、いくらお金を用意しておかなければいけないか確認しておきましょう。

入金までのスパンを考える

現金商売でない限り、売上がたっても即入金ということにはなりません。

入金までの間の家賃や仕入れ、それらは、先にお金が出ていきます。

十分な余裕資金を見ておきましょう。

 

売上が無くても、会社の維持コストはかかる

次のような方は、開業時からある程度の売り上げが見込めるでしょう。

  • いままで細々と個人事業主として活動してきた
  • 以前の勤務先からお客さんを引き継いできた
  • 開業前に入念に準備を行ってきた。

しかし、そうでない場合、一から販路を開拓しなければなりません。

どんなに良い商品があっても、それがすぐに売れるとは限りません。売上があがるまで、お金は湯水のごとく消えていきます。

会社の家賃や従業員の給料、そして、自身の家族の生活費も必要です。何カ月売上が無くても耐えられるか、いくら資金が必要かは開業前に検討を行っておきましょう。

また、起業経験がない方は、固定費をなるべく少なくしておきましょう。いきなり何百万円、何千万円もの投資を行うと、失敗したときに立ち直れません。

まずは数万円、数十万円程度、少しだけ手を出してみて、いけそうかどうか見極めた方が良いでしょう。

会社は赤字でも税金がかかる

会社が儲けた利益については、2割~3割を、「法人税等」として国に支払う仕組みになっています。

「儲けた利益に対して課税される税金ということは、赤字の場合はかからないのか」

確かに、基本的な考え方としてはその通りです。しかし、現実はそう甘くありません。

会社は赤字であっても、維持費として最低で年間7万円の税金(法人住民税)を支払わなければなりません

もちろん、法人税以外にも様々な種類の税金がありますが、最低限、この7万円の支払いがあることを覚えておく必要があります。

この7万円さえきついようであれば、いきなり会社を作らず、まずは個人事業主として活動しましょう。

リスクが少ない融資で起業資金の調達を行う

起業にあたって自己資金が足りない場合、やはり融資を受ける(お金を借りる)のが手っ取り早いです。

お金を借りるというのは、日本人の感覚からすると敬遠されがちであり、また、自分で作った会社の借金の連帯保証人になるというのも、いきなりはハードルが高いかもしれません。

しかし、これらをどちらも解決できる手段があります。

日本政策金融公庫の新創業融資では、無担保無保証の融資制度を取り扱っています。

仮にビジネスがうまくいかなかった場合も代表者個人には責任が及ばず、また、融資利率も2%台程度と良心的なため、ある程度売り上げが立てば十分返済できるレベルです。

このような制度を活用しましょう。このサイトからお問い合わせいただければ、専門家が、会社設立時に融資のサポートをいたします。

自己資金があっても融資をお勧め

生活資金は意外と苦しい

ビジネスが軌道に乗るまでは、お金の支払いが先行します。

また、当然ながら、売上がなくても家族の生活、そして従業員がいれば従業員の生活もあります。

売上が無ければお金はどんどん減っていくため、節約志向に陥ってしまう方もいます。

もちろん、節約そのものが悪いわけではありません。

ただし、仕入れはもちろん、広告活動や交際費など、販路拡大のためには大抵お金が必要です。

お金がないからと必要な支払いを渋っていては、いつまでたっても販路を拡大させることができず、じり貧になっていきます。

自身の貯蓄のみを基にビジネスを始めた場合、支払いを渋り、いつまでも売上が伸びず、数か月で撤退を余儀なくされることも少なくありません。

まずは1人で小さくスタートするか、融資を受けてスタートするのが良いでしょう。

お金のゆとりは心のゆとり

起業する際は、自己資金にある程度余力があっても融資を受けることをお勧めします。

事業用の融資は、モノにもよりますが、せいぜい2%程度の利率です。

仮に500万円借りたとしても、年間の利息は2%の場合で10万円(500万円×2%)です。

この10万円、「もったいない」と思う方もいるかもしれません。

しかし、お金に余裕がなくなると心のゆとりも無くなるため、本業に集中することができません。

特に、起業当初の資金はあっという間に枯渇します。

将来的に稼ぎたいお金は、1年間の利息の10万円どころではなく、何千万円、何億円、そういった世界ではないでしょうか。

会社を立ち上げる際は、中途半端な気持ちでいてはビジネスの成功は難しいです。

覚悟を持って臨みましょう。

借金(融資)は悪いことではない

悪い借金

一般的に、「借金」というと悪いイメージしか無いでしょう。

「俺、借金1,000万円抱えていて・・・」そんなことを言えば、ふつうの方は危ない人だと思い、離れていくかもしれません。

確かに、その1,000万円の使い道がギャンブルだったらそうでしょう。

しかし、優秀な経営者であれば、何千万円とお金を借りていることは少なくありません。借りられるだけ借りたい、そんな方が多いです。

 

良い借金

「会社を作りたい。明確な夢があるけれど、サラリーマン生活では開業するためのお金を用意できない。」

「いま1,000万円の設備を導入すれば1,500万円の経費削減ができるのに、手持ち資金が足りない。。。」

このようなケースであれば、むしろお金を借りた方が良いのではないでしょうか。

利息以上の儲けを出せば何の問題もありません。

一時的にカードローンを利用するケースもある

起業当初、お金が足りず、やむなくカードローンを利用するケースもあります。

カードローンのデメリットは金利が比較的高いことですが、融資審査が早いため、いざというときに使う方もいます。

カードローンがあったからこそ、本当に限界ギリギリのところで乗り切ることができ、成功している人も数多く見て来ました。

そのため、一概にカードローンが悪とは言い切れませんが、そんなことになる前に、最初からマトモなところでお金を借りておきましょう。

 

低利率でお金を借りるには?

日本政策金融公庫からお金を借りよう

日本政策金融公庫は、政府系の銀行です。

日本政策金融公庫の利率は、だいたい2%台です(1%台で融資を受けられることもあります)。

借りたお金を元手に、この2%の利息以上の利益を生み出せるのであれば、借りてしまって問題ないでしょう。

というよりも、2%程度の利率であれば事業を行っていれば当然に回収できるはずなので、借りた方がお得です。

例えば5年物の米国国債ですら、今の利回りが約2.2%です。言い換えれば、融資を受けて米国国債の運用をするだけで利益が出てしまいます。

実際には、投資商品のためにお金を貸してくれはしませんが、こんなに美味しい話は、中々ありません。

ビジネスをやっていて、この利回りより低いお金しか得られないなら、そのビジネスは成り立っていません。

なお、長期的にビジネスを続けていくうえでは、単純な利率のみでなく、地銀などとの関係性構築のために融資を受けておくことも考えられますが、最初は日本政策金融公庫からお金を借りることが多いでしょう。

税理士に依頼したほうがお金を借りやすい

日本政策金融公庫に限った話ではありませんが、お金を借りる際は自身ですべて対応するより、税理士などに依頼した方が融資の審査が通りやすいです。

なぜなら、自身で会社の事業計画を作成することが難しいことや、日本政策金融公庫などの担当者と税理士が直接交渉し、お金を借りられそうかどうか事前にすり合わせを行ってくれたりします。

一度融資審査に落ちると数か月間融資を受けられなくなってしまうため、最初の1発目はサポートを受けることをお勧めします。

我々は起業家の支援に力を入れているため、融資支援のサポート業務も積極的に行っています。お気軽にお問い合わせください

起業の相談にのります

既にビジネスを行っているが、どのタイミングで会社を作れば良いかわからない。こういうビジネスを考えているけどどうだろう。

答えはありませんが、起業しやすくなった分、失敗する人も増えています。

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